家庭礼拝 2025年6月11日 ヨブ記 19:1-29 ヨブは答えた
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起
前回は、二人目のビルダドがヨブを痛烈に裁きました。それに対するヨブの答えが今日の19章です。大体同じことの繰り返しに近くなっています。ヨブの友達は、自分達が正しいことを言っていると思って、ヨブのかたくなさを責め立てるのですが、ヨブはそのように、私を決め付けて苦しめるのは、もうやめてくれと叫ぶのです。ヨブは自分が過ちを犯したと言うよりも、神様の方が私に対して非道ではないかと訴えるのです。そして自分がどれほど苦しみ、希望を失い、全てのものから見捨てられ、体は病にむしばまれている。私を憐れんでくれ、なぜ、神様もあなたたちもこの様に私を苦しめるのかとヨブは叫ぶのです。
この様な絶望の中にあっても不思議なことに、ヨブは別の希望を持っているのです。そして私は知っている、私を贖う方は、生きておられると言うのです。いったい誰のことを思っているのでしょうか。そしてヨブは、この損なわれた体で持って、その神を、私は仰ぎ見るであろうと言うのです。その方は神以外であるはずはないのです。神様が非道であると非難しつつ、私を贖って下さる方が神であり、その方を私は仰ぎ見ると言うのです。まるで二人の神と、二人のヨブがいるような気さえしてくるのです。
それにしてもヨブ記は、どうしてこのように、同じような議論を3人の友にさせ、しかも第二ラウンドまであるのですから不思議です。ヨブがこの議論の中で、うんざりして、もう私を責め立てるのは、よしてくれと言い、ヨブの言い分も何度も聞かされている読者も、いい加減うんざりしてくるはずなのです。三人の友に、ヨブを非難させていると言うのは、個人的な意見というよりも、これが世間一般の考え方だと言っているような気がします。誰でもこのように思うはずだと言っているような気がします。三人もの証人がいるのだから間違いないだろうと言うことなのです。そしてそのことを二度繰り返しているのは、たとえヨブがどんなことを言ってこようとも、その意見は全く変わらないほど確かなことだと言っているのかもしれません。これほどまでに、ヨブと三人の友の間の溝は深いのです。決して理解しあえる関係ではなくなっているのです。お互いに自分たちの方が正しいと思っているのです。ヨブは完全に行き詰っています。
しかも神様に対しても、いかに訴えても、救いを願っても、直接言葉を伝えたくとも、神様は全く反応を示してくださらないのです。それどころか、無言の監視を行って、ヨブを攻め立てているような気さえしているのです。この様なヨブにどんな解決が与えられるのでしょうか。
承
それでは、ビルダドの後のヨブの言い分を聞いてみましょう。1節から5節です。
ヨブ 19:1 ヨブは答えた。
ヨブ 19:2 どこまであなたたちはわたしの魂を苦しめ/言葉をもってわたしを打ち砕くのか。
ヨブ 19:3 侮辱はもうこれで十分だ。わたしを虐げて恥ずかしくないのか。
ヨブ 19:4 わたしが過ちを犯したのが事実だとしても/その過ちはわたし個人にとどまるのみだ。
ヨブ 19:5 ところが、あなたたちは/わたしの受けている辱めを誇張して/論難しようとする。
この様に、ビルダドがヨブを非難し終わると、ヨブはそれに対して反論したのです。それはビルダドの言っていることは間違っていると反論したのではなく、どうしてあなたたちは苦しんでいる私をさらに苦しめるのか、恥ずかしくないのかと言って反論したのです。たとえ私が過ちを犯したとしても、それは私だけのことであるのに、私のような苦しみにある人たち全体に対して、罪あるものはこのようになると言って裁いていると非難したのです。ですがもうヨブは友達との議論には愛想が尽きているのです。そしてヨブの思いは神様に向かうのです。
それは神様に対する激しい怒りでした。これほど神様に対して怒りを言い表している箇所を私は知りません。6節から12節です。
ヨブ 19:6 それならば、知れ。神がわたしに非道なふるまいをし/わたしの周囲に砦を巡らしていることを。
ヨブ 19:7 だから、不法だと叫んでも答えはなく/救いを求めても、裁いてもらえないのだ。
ヨブ 19:8 神はわたしの道をふさいで通らせず/行く手に暗黒を置かれた。
ヨブ 19:9 わたしの名誉を奪い/頭から冠を取り去られた。
ヨブ 19:10 四方から攻められてわたしは消え去る。木であるかのように/希望は根こそぎにされてしまった。
ヨブ 19:11 神はわたしに向かって怒りを燃やし/わたしを敵とされる。
ヨブ 19:12 その軍勢は結集し/襲おうとして道を開き/わたしの天幕を囲んで陣を敷いた。
この様に、ヨブは、ヨブを非難する友人たちに対して、私が罪あるもので不正を行うものだと言うならば、神様が私にしていることを知れ、いかに私に非道なふるまいをし、私の周りに砦を巡らして、身動きできないようにしているかを知れ。神様は私の道を塞ぎ、いたるところを暗黒とし、名誉を奪い、四方から攻め立てられて、私は今にも死にそうである。木が根こそぎ抜かれるように、希望は取り去られてしまった。神様は私に向かって怒り、敵とされている。と、この様に神様の非道に対して怒りを表しているのです。こんなに怒ったらそれこそ神様に裁かれてしまいそうです。
そしてその神様の非道というものが具体的にどのようなものであるかを語りました。13節から20節です。
ヨブ 19:13 神は兄弟をわたしから遠ざけ/知人を引き離した。
ヨブ 19:14 親族もわたしを見捨て/友だちもわたしを忘れた。
ヨブ 19:15 わたしの家に身を寄せている男や女すら/わたしをよそ者と見なし、敵視する。
ヨブ 19:16 僕を呼んでも答えず/わたしが彼に憐れみを乞わなければならない。
ヨブ 19:17 息は妻に嫌われ/子供にも憎まれる。
ヨブ 19:18 幼子もわたしを拒み/わたしが立ち上がると背を向ける。
ヨブ 19:19 親友のすべてに忌み嫌われ/愛していた人々にも背かれてしまった。
ヨブ 19:20 骨は皮膚と肉とにすがりつき/皮膚と歯ばかりになって/わたしは生き延びている。
神様はヨブから、皆人を遠ざけて、ヨブを孤独な一人にさせていると言うのです。神様はヨブから兄弟を遠ざけ、知人を引き離したと言います。そして親族も友達も私を見捨てたと言います。それどころか、私の家で世話になっている者達ですら、私をよそ者のように見、敵視して遠ざけようとすると言うのです。僕を呼んでも、答えないので、ヨブが僕に憐れみを願って頼まなければならないのだと言います。私の吐く息は妻には嫌われ、子供には憎まれる。幼子でさえも私を嫌う。親友からも愛していた人からも嫌われ背かれてしまったと言って、ヨブはその孤独を嘆くのです。愛するものは皆去って行ってしまった。ヨブにやさしい心を向けるものはなく、皆早く死んでしまえばよいと思っているのです。ヨブは、骨だらけにやせ細り、皮と歯ばかりになって、それでも私は生き延びていると言って、生きていることの辛さを語っているのです。そしてこのようなことをなさっているのは、神様であり、これほど非道なことがあろうかと恨んでいるのです。
転
そして友達に対してこう言うのです。私を憐れんでくれ、裁くのではなく、私を憐れんでくれと願うのです。21節から24せつです。
ヨブ 19:21 憐れんでくれ、わたしを憐れんでくれ/神の手がわたしに触れたのだ。あなたたちはわたしの友ではないか。
ヨブ 19:22 なぜ、あなたたちまで神と一緒になって/わたしを追い詰めるのか。肉を打つだけでは足りないのか。
ヨブ 19:23 どうか/わたしの言葉が書き留められるように/碑文として刻まれるように。
ヨブ 19:24 たがねで岩に刻まれ、鉛で黒々と記され/いつまでも残るように。
この様にヨブは、友達に対して、憐れんでくれ、私を憐れんでくれと叫びました。何が正しいかではなく、ただ私を憐れんでくれと言ったのです。あなたたちは私の友ではないか、なぜ神と一緒になって、私を追い詰めるのか、体だけでなく心まで苦しめるのか。たとえ神が私を罰したとしても、私に同情して、憐れんでくれと願ったのです。
そしてこのように苦しみ語っていることが、このまま消え去ることなく、書き留められ碑文として刻まれるようにと願いました。ヨブの苦しみがこの苦しみのままで終わるのではなく、たとえヨブが死んでも、後世にこの事が伝えられ、ヨブのことをいつまでも思い起こして憐れんでくれるようにと願ったのです。
この様に絶望的になっているかと思うと、突然ヨブは新たな希望に突き動かされるのです。ヨブを理解し、この苦しみから贖って下さる方が現れると言うことを言い始めるのです。この希望はどこからやってくるのか、本当に不思議なところです。25節から29節です。
ヨブ 19:25 わたしは知っている/わたしを贖う方は生きておられ/ついには塵の上に立たれるであろう。
ヨブ 19:26 この皮膚が損なわれようとも/この身をもって/わたしは神を仰ぎ見るであろう。
ヨブ 19:27 このわたしが仰ぎ見る/ほかならぬこの目で見る。腹の底から焦がれ、はらわたは絶え入る。
ヨブ 19:28 「我々が彼を追い詰めたりするだろうか」と/あなたたちは言う。この有様の根源がわたし自身にあると/あなたたちは言う。
ヨブ 19:29 あなたたちこそ、剣を危惧せよ。剣による罰は厳しい。裁きのあることを知るがよい。
この様に、ヨブは憐れんでくれと言っている中で、突然光に照らされたように、私は知っていると言いました。そして私を贖う方は生きておられる、というのです。今まで沈黙していたので、生きているのか死んでいるのかわからなかったけれども、その方が生きていると言うことが分かったのです。そしてその方は私をこの世の苦しみから救い、贖って下さると信じたのです。今まで神の国に居た方が、ついにこの世の、塵のような所にやってきて立たれるだろう。そして私を贖って下さるのだと、ヨブは知ることが出来たのです。これはまるで、神の子がこの世に遣わされてきて、世の罪を贖い、癒してくださるイエスキリストのように思われます。
そしてヨブは、確信をもって、自分の体がどうなっていようとも、その時この身をもって私は神様を仰ぎ見るであろうと言います。この目でしっかりと見る。そして腹の底から焦がれていたことを見るので私は絶え入りそうになると言いました。この現れてくださる方もやはり神様なのです。ヨブはこの世にあらわれてくださる神様を待ち望んでいたのです。
そしてその時には、今までヨブを裁いていた友人たちは気を付けるが良いと言いました。きっと厳しい裁きが与えられるだろうと言ったのです。その時になって、友人たちは、「我々が彼を追い詰めたりするだろうか」といい、ヨブがこの様になった原因はヨブ自身の中にあると言って、言い逃れするだろうが、その時には憐れむことのなかったあなたたちは厳しく裁かれるだろうと言ったのです。
結
何故、ヨブは絶望に陥るのではなく、このような逆転の希望に満たされることが出来たのでしょうか。それは神様の計画でしかなかったのかもしれません。ヨブが何かを、したからでもなく、言ったからでもありません。ヨブに与えられた、神様の計画によって、ヨブには希望が与えられ、憐れむことのなかった友人達には裁きが与えられるのかもしれません。ヨブは最後まで、神の救いを捨て去ることはなかったのです。
(一分間黙想)(お祈り)
天の父なる神様。あなたがヨブに与えられた試練を思うとき、なぜここまでに、と思う所もあります。でもそれは溶鉱炉で溶かされて、純粋なものと不純なものとが分けられる試練なのかもしれません。私たちの信仰は、まだまだエリファズまでも行っていないのかもしれません。あなたの炎に溶かされてたちまち消え去ってしまうかもしれません。ですがヨブが最後まであなたの望みをつないだように。私たちの信仰をも強めてください。どうか謙遜に、柔和に、再び世に来られる方を待ち望み、歩んでいくことが出来ますように。
この祈りを主、イエスキリストの御名によって、お祈りいたします。アーメン
<<聖書の箇所(旧約聖書:◇ヨブ記:)>>
ヨブ 19:1 ヨブは答えた。
ヨブ 19:2 どこまであなたたちはわたしの魂を苦しめ/言葉をもってわたしを打ち砕くのか。
ヨブ 19:3 侮辱はもうこれで十分だ。わたしを虐げて恥ずかしくないのか。
ヨブ 19:4 わたしが過ちを犯したのが事実だとしても/その過ちはわたし個人にとどまるのみだ。
ヨブ 19:5 ところが、あなたたちは/わたしの受けている辱めを誇張して/論難しようとする。
ヨブ 19:6 それならば、知れ。神がわたしに非道なふるまいをし/わたしの周囲に砦を巡らしていることを。
ヨブ 19:7 だから、不法だと叫んでも答えはなく/救いを求めても、裁いてもらえないのだ。
ヨブ 19:8 神はわたしの道をふさいで通らせず/行く手に暗黒を置かれた。
ヨブ 19:9 わたしの名誉を奪い/頭から冠を取り去られた。
ヨブ 19:10 四方から攻められてわたしは消え去る。木であるかのように/希望は根こそぎにされてしまった。
ヨブ 19:11 神はわたしに向かって怒りを燃やし/わたしを敵とされる。
ヨブ 19:12 その軍勢は結集し/襲おうとして道を開き/わたしの天幕を囲んで陣を敷いた。
ヨブ 19:13 神は兄弟をわたしから遠ざけ/知人を引き離した。
ヨブ 19:14 親族もわたしを見捨て/友だちもわたしを忘れた。
ヨブ 19:15 わたしの家に身を寄せている男や女すら/わたしをよそ者と見なし、敵視する。
ヨブ 19:16 僕を呼んでも答えず/わたしが彼に憐れみを乞わなければならない。
ヨブ 19:17 息は妻に嫌われ/子供にも憎まれる。
ヨブ 19:18 幼子もわたしを拒み/わたしが立ち上がると背を向ける。
ヨブ 19:19 親友のすべてに忌み嫌われ/愛していた人々にも背かれてしまった。
ヨブ 19:20 骨は皮膚と肉とにすがりつき/皮膚と歯ばかりになって/わたしは生き延びている。
ヨブ 19:21 憐れんでくれ、わたしを憐れんでくれ/神の手がわたしに触れたのだ。あなたたちはわたしの友ではないか。
ヨブ 19:22 なぜ、あなたたちまで神と一緒になって/わたしを追い詰めるのか。肉を打つだけでは足りないのか。
ヨブ 19:23 どうか/わたしの言葉が書き留められるように/碑文として刻まれるように。
ヨブ 19:24 たがねで岩に刻まれ、鉛で黒々と記され/いつまでも残るように。
ヨブ 19:25 わたしは知っている/わたしを贖う方は生きておられ/ついには塵の上に立たれるであろう。
ヨブ 19:26 この皮膚が損なわれようとも/この身をもって/わたしは神を仰ぎ見るであろう。
ヨブ 19:27 このわたしが仰ぎ見る/ほかならぬこの目で見る。腹の底から焦がれ、はらわたは絶え入る。
ヨブ 19:28 「我々が彼を追い詰めたりするだろうか」と/あなたたちは言う。この有様の根源がわたし自身にあると/あなたたちは言う。
ヨブ 19:29 あなたたちこそ、剣を危惧せよ。剣による罰は厳しい。裁きのあることを知るがよい。