家庭礼拝 2025年4月2日ヨブ記 10:1-22 ヨブは答えた②

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起 

前回から続いているヨブの話は、今度は神様に集中して語っています。親友たちの語る言葉が、一般論のような、学者のような話に飽き足りず、そんなことは私も知っていると言って、友の言葉に耳を貸すのではなく、直接神様に語り掛けるようになるのです。ヨブにはまだこの苦しみの意味が分からなかったのです。ヨブはこのような苦しみの中にあっても、絶望と言える中にあっても神様に対する信頼はゆるがず、神様から離れることはなかったのです。

前回の9章の話は次のような言葉で終わりました。

ヨブ 9:33 あの方とわたしの間を調停してくれる者/仲裁する者がいるなら

ヨブ 9:34 わたしの上からあの方の杖を/取り払ってくれるものがあるなら/その時には、あの方の怒りに脅かされることなく

ヨブ 9:35 恐れることなくわたしは宣言するだろう/わたしは正当に扱われていない、と。

 この様に、ヨブは私は正当に扱われていないとはっきり言ったのでした。そしてヨブの言葉は親友に対してでなく直接神様に問いかけることになるのです。なぜあなたは、あなたに従順な私と争われるのですか。なぜあなたに背くものに恵みを与えられるのですか。神様は人間と同じなのですか。あなたは私を作り、命と恵を約束してくださったのに、なぜ理不尽に私を苦しめるのですか。何故私を生まれさせたのですかと問いかけるのです。そして自分は生まれなければよかった。死んでしまえばよかったとつぶやくのです。

この様にヨブが神様に呼び掛けるのは、神様に絶望し反抗しているからではないのです。その反対に、親友たちの言葉を聞き、どんなに優れた学識をもってしても、自分を納得させられないその考え方に、何の慰めも希望をも見いだせなくて、ただ神様だけがその答えを与えてくださると信じているから問いかけるのです。そこには、このような苦しみの中にあっても神様に対する深い信頼があるのです。

この様な問いかけや、疑問は深い苦しみや悩みを経験した人にはきっとあるのだと思いまず。突然の事故や災害で、自分の家族を奪われて、神様どうして何の罪もない私の子を奪うのですかとつぶやかなかった母親はいなかったと思います。このつぶやきを、今日のヨブは私たちの代わりに神様に問いかけているのです。

ヨブはもう私は生きて居たくないと言い、その嘆きの中で、悩みの中で、神様にこう問いかけるのです。1節から7節です。

ヨブ 10:1 わたしの魂は生きることをいとう。嘆きに身をゆだね、悩み嘆いて語ろう。

ヨブ 10:2 神にこう言おう。「わたしに罪があると言わないでください。なぜわたしと争われるのかを教えてください。

ヨブ 10:3 手ずから造られたこのわたしを虐げ退けて/あなたに背く者のたくらみには光を当てられる。それでいいのでしょうか。

ヨブ 10:4 あなたも肉の目を持ち/人間と同じ見方をなさるのですか。

ヨブ 10:5 人間同様に一生を送り/男の一生に似た歳月を送られるのですか。

ヨブ 10:6 なぜわたしをとがめ立てし/過ちを追及なさるのですか

ヨブ 10:7 わたしが背く者ではないと知りながら/あなたの手から/わたしを救いうる者はないと知りながら。

 この様に、ヨブは神様に訴えたのです。わたしに罪があると言わないでください。なぜわたしと争われるのかを教えてください。と言ったのです。友は、私に罪があるから、神が災いを下したのだと言います。ですが私はそのような罪を犯したことはありません。あなたは知っているはずです、私に罪があるとは言わないでください。なぜわたしとこの様なことで争われるのかを教えてください。私がどんなことをしたからだと言うのですか、と尋ねているのです。

 そしてこう言うのです。神様は正しく裁かれる方のはずです。あなたが私を愛して正しいことを行うように手ずから作られたこの私を虐げ退けて、あなたに背くものの計画には、光を与えて栄えさせるようなことであっていいのでしょうかと、ヨブは神様に対して、あなたが間違っているのではないですかと言っているのです。正しい神様は正しいことをしてくださいと言っているのです。

ヨブはさらに神様に対してこう言うのです。あなたは何でも知っているはずではないですか、それとも人間と同じように、偏った見方をするのですか、人間と同じような生き方をするのですか。どうして私をとがめだてして、過ちを追求なさるのですか。と神様がなさっていることが、まるで、よこしまな人間がすることのように思えると言っているのです。

ですがヨブは、神様を嫌っているわけではないのです。それでも神様を愛し信頼しているのです。ヨブはその後でこう言うのです。私が神様に背くものではないと知りながら、と言ったり、神様は本当は私のことを知っているのにと言ったりして、ヨブは、神様を信じていることを言うのです。そして、あなたの手から私を救いうるものはないと知りながらと言って、ヨブは神様の救いだけを求めていることを、神様だけを信頼していることを訴えて言うのです。

さらにヨブは神様の偉大さを賛美し、自分を愛してくださっている方であることを思ってこう言うのです。8節から12節です。

ヨブ 10:8 御手をもってわたしを形づくってくださったのに/あなたはわたしを取り巻くすべてのものをも/わたしをも、呑み込んでしまわれる。

ヨブ 10:9 心に留めてください/土くれとしてわたしを造り/塵に戻されるのだということを。

ヨブ 10:10 あなたはわたしを乳のように注ぎ出し/チーズのように固め

ヨブ 10:11 骨と筋を編み合わせ/それに皮と肉を着せてくださった。

ヨブ 10:12 わたしに命と恵みを約束し/あなたの加護によって/わたしの霊は保たれていました。

 この様に、ヨブは神様が、自らの手をもって私を作り、生かしてくださったのに、あなたは私を取り巻く全てのものをも、私をも吞み込んで、絶望に追いやるのですか。愛するものをその様に扱っていいのですかと言っているのです。

そして自分のはかなさを語って、心にとめてください、と言います。それはあなたが私を土くれとして作り、また塵に戻されると言う、はかないものにされていることを覚えてくださいと言って、せめて、生きている間だけでも、あなたの祝福を与えてくださいと願っているのです。それはあなたが私を、乳のように注ぎ出し、チーズのように固め 、骨と筋を編み合わせ、それに皮と肉を着せてくださって、丁寧に作ってくださったのですから、私を慈しんでくださいと言っているのです。あなたはそのように私を作り、命と恵を約束し、あなたの加護によって、私の霊は保たれ、生かされてきたのですからと、私を愛してくださった神様に戻ってくださいと願っているのです。

ですがこのような苦しみの中にあって、ヨブの思いは揺らぐのです。もしかして神様は愛してくださる神様ではなくて、厳しく裁く神様ではないのかと思うのです。13節から17節です。

ヨブ 10:13 しかし、あなたの心に隠しておられたことが/今、わたしに分かりました。

ヨブ 10:14 もし過ちを犯そうものなら/あなたはそのわたしに目をつけ/悪から清めてはくださらないのです。

ヨブ 10:15 逆らおうものなら、わたしは災いを受け/正しくても、頭を上げることはできず/辱めに飽き、苦しみを見ています。

ヨブ 10:16 わたしが頭をもたげようものなら/あなたは獅子のように襲いかかり/繰り返し、わたしを圧倒し

ヨブ 10:17 わたしに対して次々と証人を繰り出し/いよいよ激しく怒り/新たな苦役をわたしに課せられます。

 この様にヨブの心は揺れ動いているのです。神様に豊かに恵まれていた時は、神様は本当に信頼できる方であり、私を愛してくださる方であると思っていたが、今この様に、何を願ってもこの苦しみから解き放たれることがないならば、もしかして神様は、その非情な思いを隠していて、今ここにきてその厳しい裁く神となって、私を裁いているのではないか、たとえ私が正しくとも私を責めさいなむ方であるのではないかと思うのです。神様は、私が悪をなしたなら悪から清めてくださるのではなく、裁きを与え、災いを与え、辱めと苦しみを与える方ではないか。そしてこのように次々と友人によって私を裁き、新たな苦しみを与えられるのではないかと思い始めているのです。

そしてヨブは、自虐的になり、こうつぶやくのです。18節から22節です。

ヨブ 10:18 なぜ、わたしを母の胎から引き出したのですか。わたしなど、だれの目にも止まらぬうちに/死んでしまえばよかったものを。

ヨブ 10:19 あたかも存在しなかったかのように/母の胎から墓へと運ばれていればよかったのに。

ヨブ 10:20 わたしの人生など何ほどのこともないのです。わたしから離れ去り、立ち直らせてください。

ヨブ 10:21 二度と帰って来られない暗黒の死の闇の国に/わたしが行ってしまう前に。

ヨブ 10:22 その国の暗さは全くの闇で/死の闇に閉ざされ、秩序はなく/闇がその光となるほどなのだ。」

 この様にヨブは、自分が生まれてきたことを呪うのです。誰の目にもとまらぬうちに死んでしまえばよかったと言うのです。そう言いながらも、ヨブが頼ることのできるのは神様だけなのです。ヨブはこう言います。私の人生など何ほどのこともないのです。そんな私などにかかわりあわないで、私から離れ去ってください。私を苦しめず、私を立ち直らせてください。そうすればまたあなたを賛美するものとなるでしょう。もうすぐ私は死んでしまい、黄泉の国の死の闇の中に入って二度と戻っては来ません。そこに行ってしまう前に私を立ち直らせ、あなたを賛美させてください。黄泉の国の暗さは死の闇であり、あまりにも暗くて、闇さえも明るく思うほどなのですと言ったのです。ヨブは、この苦しみから解放されるには、黄泉の国に行くほかなく、そこでは神様すらもやって来ないからと思っているのです。ですがそこではもう神様を賛美することも崇めることもできなくなるので、生きている間に、私から立ち去って、私を立ち直らせ、賛美させてくださいと願っているのです。ここでもまだ、ヨブは神様のみに希望を抱き、崇めているのです。

ヨブの悩みは複雑です。神様から祝福された愛に包まれた世界と、今の地獄のような苦しみの中にあって、神様は愛ではなくただ厳しく裁かれる方ではないのかと思う世界を揺らいでいます。自ら死を願っても、その前に、もう一度立ち直らせ、神様を賛美したいと願っているのです。ヨブは友の与えてくれた色々な教えには見向きもしませんでした。ただ神様を真っすぐに見ているのです。神様を賛美するにせよ、呪うにせよただ神様の方にだけ顔を向けているのです。この世の耐えられないような苦しみの中で、生まれてこなければよかったと思った人は多いでしょう。ヨブはその人たちの代弁をしているのです。

 

(一分間黙想)(お祈り)

神様、あなたはヨブに祝福を与え多くの恵みを与えられました。そしてその祝福をヨブから取り去り、多くの災いと苦難を与えられました。それでもヨブはあなたから離れませんでしたが、その苦しみがあまりにも辛いので、生まれてこなければよかった、死んでしまいたいと言うようになりました。大きな災いのもとにあってはこの様に思う人もたくさんいると思います。ヨブはその人たちの代弁をしています。どうして自分だけがこんなに苦しまなければならないのか、正しいことをしているのに神様は本当にいるのだろうかと思ってしまうのです。ヨブはこのような苦しみの中でも、ただ神様だけを信じ頼りにしているのです。疑いが生じても離れることはしませんでした。神様、私達にもこのような苦難が生じたときに、どうか私達もあなたから決して離れることなくあなたが私達をつかまえ、共におらせてください。そして、あなたの栄光を見させてください。

この祈りを主、イエスキリストの御名によって、お祈りいたします。アーメン

 

<<聖書の箇所(旧約聖書:◇ヨブ記:)>>  

 

ヨブ 10:1 わたしの魂は生きることをいとう。嘆きに身をゆだね、悩み嘆いて語ろう。

ヨブ 10:2 神にこう言おう。「わたしに罪があると言わないでください。なぜわたしと争われるのかを教えてください。

ヨブ 10:3 手ずから造られたこのわたしを虐げ退けて/あなたに背く者のたくらみには光を当てられる。それでいいのでしょうか。

ヨブ 10:4 あなたも肉の目を持ち/人間と同じ見方をなさるのですか。

ヨブ 10:5 人間同様に一生を送り/男の一生に似た歳月を送られるのですか。

ヨブ 10:6 なぜわたしをとがめ立てし/過ちを追及なさるのですか

ヨブ 10:7 わたしが背く者ではないと知りながら/あなたの手から/わたしを救いうる者はないと知りながら。

ヨブ 10:8 御手をもってわたしを形づくってくださったのに/あなたはわたしを取り巻くすべてのものをも/わたしをも、呑み込んでしまわれる。

ヨブ 10:9 心に留めてください/土くれとしてわたしを造り/塵に戻されるのだということを。

ヨブ 10:10 あなたはわたしを乳のように注ぎ出し/チーズのように固め

ヨブ 10:11 骨と筋を編み合わせ/それに皮と肉を着せてくださった。

ヨブ 10:12 わたしに命と恵みを約束し/あなたの加護によって/わたしの霊は保たれていました。

ヨブ 10:13 しかし、あなたの心に隠しておられたことが/今、わたしに分かりました。

ヨブ 10:14 もし過ちを犯そうものなら/あなたはそのわたしに目をつけ/悪から清めてはくださらないのです。

ヨブ 10:15 逆らおうものなら、わたしは災いを受け/正しくても、頭を上げることはできず/辱めに飽き、苦しみを見ています。

ヨブ 10:16 わたしが頭をもたげようものなら/あなたは獅子のように襲いかかり/繰り返し、わたしを圧倒し

ヨブ 10:17 わたしに対して次々と証人を繰り出し/いよいよ激しく怒り/新たな苦役をわたしに課せられます。

ヨブ 10:18 なぜ、わたしを母の胎から引き出したのですか。わたしなど、だれの目にも止まらぬうちに/死んでしまえばよかったものを。

ヨブ 10:19 あたかも存在しなかったかのように/母の胎から墓へと運ばれていればよかったのに。

ヨブ 10:20 わたしの人生など何ほどのこともないのです。わたしから離れ去り、立ち直らせてください。

ヨブ 10:21 二度と帰って来られない暗黒の死の闇の国に/わたしが行ってしまう前に。

ヨブ 10:22 その国の暗さは全くの闇で/死の闇に閉ざされ、秩序はなく/闇がその光となるほどなのだ。」