家庭礼拝 2025年3月12日 ヨブ記 7:1-21 ヨブの応答②神へ
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起
今日の7章は、それまでエリファズに反論していましたが、反論するのをやめ独白に移り、自分のみじめさ空しさを語り、そして神への反論へと移っていくのです。その神様に対しては、6章の最後の30節で、私の下に不正があろうか。私の口は滅ぼすものをわきまえていないだろうかと、自分は神様と自分の立場をわきまえていると言っています。ですが、ヨブはそれでも神様に訴えざるを得なかったのです。どうしても納得できなかったのです。何故私がこんな目に合わなければならないのかを。
ヨブの悩みは、この恐ろしい病気に罹り、肉は蛆虫とかさぶたに覆われ、皮膚が割れ、膿が出ていて苦痛と呻きの日々を過ごしていることではないのです。それ以上にヨブを悩ませているのは、自分が神様に責められていると言うことなのです。昼も夜も夢の中までもヨブを見続け監視し続け一時も心を許すことを許さず、しかも死ぬことも許してくださらない神様の眼なのです。その神様の眼はヨブには恐ろしく、ちょっとの間でさえ目をそらすことなく、厳しい顔でヨブを見続けられていることの苦しさなのです。ヨブが崇め、忠実であろうとしている神様が、どうしてヨブにこんなに厳しく、激しく、災いを与えられるのか、どうしていつもヨブを罪びとを見張るように見つめているのかその理由が分からないのです。憎まれている気がしてならないのです。ヨブの苦しさの一番はそこにあるのです。愛する者から嫌われ責められている苦しさなのです。
承
エリファズのヨブに対する叱責に、ヨブはついに口を開いて話をしますが、それはエリファズの理屈に答えるものではありませんでした。それはヨブがどのように苦しんでいるか、悩んでいるか、そして友と思っていたものが、その信頼を裏切るようなものであったこと、落胆していることを語ったのです。そしてその後、ヨブは独り言のようにこう語るのです。1節から6節です。
ヨブ 7:1 この地上に生きる人間は兵役にあるようなもの。傭兵のように日々を送らなければならない。
ヨブ 7:2 奴隷のように日の暮れるのを待ち焦がれ/傭兵のように報酬を待ち望む。
ヨブ 7:3 そうだ/わたしの嗣業はむなしく過ぎる月日。労苦の夜々が定められた報酬。
ヨブ 7:4 横たわればいつ起き上がれるのかと思い/夜の長さに倦み/いらだって夜明けを待つ。
ヨブ 7:5 肉は蛆虫とかさぶたに覆われ/皮膚は割れ、うみが出ている。
ヨブ 7:6 わたしの一生は機の梭よりも速く/望みもないままに過ぎ去る。
この様に、ヨブはこの世に生きていることを兵役にあるようなものだと言います。逃げ出すこともできず、いつ死ぬかもわからないような日々を戦って過ごしていると言うのです。しかもそれは傭兵のようであると言うのです。金で買われた兵隊であり、誇りもなく、使い捨ての兵士のようで、意味もなく死んでいく兵士であることを覚悟して生きていると言っているのです。
その生きている日々は、苦しい労役から逃れたいと思い、奴隷のように、ただ日の暮れるのを待ち焦がれているだけの人生であると感じているのです。そこには何の喜びもない。と言っているのです。そして傭兵のように、意味もなく自分の命を懸けて戦って、ただ報酬を与えられることだけを待ち望んで生きている日々であると言っているのです。
横になっても、このまま死んでしまうのではないかと心配し、夜も苦しみ思い悩み、夜の長さに倦みつかれ、眠ることもできず、いら立って、早く夜明けが来ればよいのにと思ってしまうと言うのです。
そして、自分の一生は機(ハタ)の梭(ヒ)すなわち横糸を通す、梭(ヒ)が滑り動くような速さで、生きている望みもないまま、希望もないまま機(ハタ)の梭(ヒ)の様に過ぎ去っていくのだと言うのです。ヨブの生きていることの苦しさ空しさが、にじみ出てくる言葉です。
その様な苦しみを語った後で、ヨブはついに神様に語り掛けます。7節から10節です。
ヨブ 7:7 忘れないでください/わたしの命は風にすぎないことを。わたしの目は二度と幸いを見ないでしょう。
ヨブ 7:8 わたしを見ている目は、やがてわたしを見失い/あなたが目を注がれても/わたしはもういないでしょう。
ヨブ 7:9 密雲も薄れ、やがて消え去る。そのように、人も陰府に下れば/もう、上ってくることはない。
ヨブ 7:10 再びその家に帰ることはなく/住みかもまた、彼を忘れてしまう。
この様に、ここではヨブが神様に対してもすっかり絶望している様子が見えてきます。神様に対してヨブはこう言ったのです。私の命は風のように過ぎ去るもので、何のとりえもないものですが、それでも忘れないで下さいと言いました。私の眼は二度と幸いを見ないでしょうと、もう二度と前のような幸いに帰ることはないだろうと絶望しているのです。それはまた、もう神様のことも見ることはないでしょうと言うことなのです。その神様がいつも厳しく私を監視し見つめているけれども、やがて私が消え去って見失うでしょう。あなたが見てももう私はいないでしょう。雲が消え去るように、人も死んで黄泉に下れば、もうよみがえることはなく、再び家に帰ることもなく、家族も人々もすぐに私のことを忘れ去るでしょうと、自分が死ぬであろうこと、自分が無価値なこと、誰も気にも留めてくれないと言う様な絶望を語ったのでした。
転
この様に絶望を語った後で、ヨブは一転して、強い口調で神様に対してこう言うのです。11節から16節です。
ヨブ 7:11 わたしも口を閉じてはいられない。苦悶のゆえに語り、悩み嘆いて訴えよう。
ヨブ 7:12 わたしは海の怪物なのか竜なのか/わたしに対して見張りを置かれるとは。
ヨブ 7:13 「床に入れば慰めもあろう/横たわれば嘆きも治まる」と思ったが
ヨブ 7:14 あなたは夢をもってわたしをおののかせ/幻をもって脅かされる。
ヨブ 7:15 わたしの魂は息を奪われることを願い/骨にとどまるよりも死を選ぶ。
ヨブ 7:16 もうたくさんだ、いつまでも生きていたくない。ほうっておいてください/わたしの一生は空しいのです。
この様に、それまで絶望を語っていたヨブですが、ここにきて、もう黙っていられなくなりました。もしかするとそれまでは、神様に対して優等生を演じて抵抗しないようにしていたのかもしれません。ですがもう何もかも脱ぎ捨て、本音でぶつかって言ったのです。わたしも口を閉じてはいられない。苦悶のゆえに語り、悩み嘆いて訴えよう。と本音を語り始めたのです。
ヨブは神様に訴えました。どうして神様は私にこの様に私に厳しくされるのですか。私が何をしたのですかと言うのです。わたしは海の怪物なのか竜なのか/わたしに対して見張りを置かれるとは。と訴えたのです。海の怪物や竜は人間に害を及ぼすサタンの使いなのです。その様なものと同じように見張りをされるのですかと言っているのです。普通ならばどんなに苦しい時でも床に入れば慰めもあり、横たわれば嘆きも消えてしまうのに、あなたは寝て夢を見ているときにさえも、私をおののかせ、幻を見せて、私を脅かされるのはどうしてですかと、その不当な仕打ちを訴えているのです。そしてもうこんなことはたくさんだ、私は生きているよりも死んだほうがましだ。もうあなたから離れて黄泉に下った方がましだ。もうたくさんだ、もう生きて居たくない。どうせ私の一生は空しいのですから、もう私のことは放っておいてください。私を見ないで下さいと、神様に訴えているのです。ヨブはすっかり神様に対しても絶望しているのです。
ヨブは、出来る限りのことをしてみたのです。ですが神様は許してくださらなかった。もうこれ以上は自分には何もできないと絶望しているのです。そして神様にこう言いました。17節から21節です。
ヨブ 7:17 人間とは何なのか。なぜあなたはこれを大いなるものとし/これに心を向けられるのか。
ヨブ 7:18 朝ごとに訪れて確かめ/絶え間なく調べられる。
ヨブ 7:19 いつまでもわたしから目をそらされない。唾を飲み込む間すらも/ほうっておいてはくださらない。
ヨブ 7:20 人を見張っている方よ/わたしが過ちを犯したとしても/あなたにとってそれが何だというのでしょう。なぜ、わたしに狙いを定められるのですか。なぜ、わたしを負担とされるのですか。
ヨブ 7:21 なぜ、わたしの罪を赦さず/悪を取り除いてくださらないのですか。今や、わたしは横たわって塵に返る。あなたが捜し求めても/わたしはもういないでしょう。
この様に、ヨブは神様に絶望しているのに、神様に呼びかけます。ほおっておいてくださいと言っていながら呼びかけるのです。人間とは何なのか。なぜあなたはこれを大いなるものとし、これに心を向けられるのかと言うのです。朝毎に訪れて確かめ絶え間なく調べられ、いつまでも私から目をそらされないと、この様に訴えたのです。本当に神様がこの様にヨブを絶え間なく調べヨブから目をそらされないで、監視しているのでしょうか。私はこれは実は反対なのではないかと思うのです。いつも心を神様に向けているのはヨブであり、朝毎に確かめ絶え間なく調べているのはヨブ自身であり、いつも目をそらさず神様を見ているのはヨブなのです。自分が神様にこだわっているのに、神様がヨブにこだわっていると思っているのです。
そして神様に、私が過ちを犯したとしても、あなたにとってそれが何だと言うのでしょう。何故私に狙いを定められるのですか、なぜ私を毛嫌いして、苦しめるのですかと、訴えるのです。ヨブは何故神様が自分をこんなにも苦しめるのか理解できないのです。私のような小さなものが罪を犯したとしても、神様にとってはどうでも良いことではないですか。それなのにどうして私だけこの様に狙い撃ちされるように苦しめるのですかと、その理不尽さを訴えるのです。ヨブはきっと、自分の罪を思い起こし、悔い改めの祈りをして、神様の許しを何度も祈り求めたのだと思います。それでも神様はヨブを許さず、苦しめ続けていると思っているのです。だからヨブは神様に、なぜ、私の罪を許さず、悪を取り除いてくださらないのですかというのです。ヨブはこのような祈りを何度もしているけれども叶えられなかったのです。そしてついに絶望してしまい、今や、私は横たわって塵に帰る。あなたが探し求めても、私はもういないでしょうと言ったのです。すなわちもうヨブは、神様に助けを求めることなく、死ぬことを求めており、死んで黄泉に下れば、もう神様ともすっかり縁が切れるでしょうと言っているのです。これは、自殺しようとしている人が、愛する者に対して、あなたが許してくれなければ私は死にますよと言って、相手の譲歩を願っているような状況に似ている気がします。ヨブはやはりまだ神様からは離れられないのです。
結
ヨブは絶望していると言います。もう死んでしまいますと言います。どんなに祈っても願い求めても、神様はヨブの願いを聞いてくださらず、その罪をも許してくださらないと思ったからです。それなのに神様はいつも、ヨブを見続け監視し続け絶え間なくヨブを調べ上げ、ヨブが寝ることも休むこともできないほどに、ヨブを責め立てていると思っているのですが、それはヨブが、神様に絶望していると言いながら、いつも神様を見続け自分の罪を探し続け、神様のことが頭から離れていないのではないのかと思います。もう神様なんかいやだと言いながら、神様から少しも頭が離れていないのです。それほどヨブは、神様を愛し慕っているのです。
(一分間黙想)(お祈り)
天の父なる神様。ヨブの苦しみは愛する神様から嫌われているのではないか、憎まれているのではないかそのために罰が与えられているのではないかという恐れです。ですがそれはヨブがその災難をその様に解釈しただけです。ヨブの心はそのように思っても神様から離れることはなかったのです。神様、私達にも理解不能な災いや苦しみがやってくるときがあります。神様が仕掛けているのではないかと思うようなこともあります。ですが、どうか最後まで耐え忍び、神様が私達を愛して、導いてくださる方であることを信じて歩ませてください。サタンが神様から許されて災いを与えるかもしれません。どうか逃れる道をも備えてくださいますように。
この祈りを主、イエスキリストの御名によって、お祈りいたします。アーメン
<<聖書の箇所(旧約聖書:◇ヨブ記:)>>
ヨブ 7:1 この地上に生きる人間は兵役にあるようなもの。傭兵のように日々を送らなければならない。
ヨブ 7:2 奴隷のように日の暮れるのを待ち焦がれ/傭兵のように報酬を待ち望む。
ヨブ 7:3 そうだ/わたしの嗣業はむなしく過ぎる月日。労苦の夜々が定められた報酬。
ヨブ 7:4 横たわればいつ起き上がれるのかと思い/夜の長さに倦み/いらだって夜明けを待つ。
ヨブ 7:5 肉は蛆虫とかさぶたに覆われ/皮膚は割れ、うみが出ている。
ヨブ 7:6 わたしの一生は機の梭よりも速く/望みもないままに過ぎ去る。
ヨブ 7:7 忘れないでください/わたしの命は風にすぎないことを。わたしの目は二度と幸いを見ないでしょう。
ヨブ 7:8 わたしを見ている目は、やがてわたしを見失い/あなたが目を注がれても/わたしはもういないでしょう。
ヨブ 7:9 密雲も薄れ、やがて消え去る。そのように、人も陰府に下れば/もう、上ってくることはない。
ヨブ 7:10 再びその家に帰ることはなく/住みかもまた、彼を忘れてしまう。
ヨブ 7:11 わたしも口を閉じてはいられない。苦悶のゆえに語り、悩み嘆いて訴えよう。
ヨブ 7:12 わたしは海の怪物なのか竜なのか/わたしに対して見張りを置かれるとは。
ヨブ 7:13 「床に入れば慰めもあろう/横たわれば嘆きも治まる」と思ったが
ヨブ 7:14 あなたは夢をもってわたしをおののかせ/幻をもって脅かされる。
ヨブ 7:15 わたしの魂は息を奪われることを願い/骨にとどまるよりも死を選ぶ。
ヨブ 7:16 もうたくさんだ、いつまでも生きていたくない。ほうっておいてください/わたしの一生は空しいのです。
ヨブ 7:17 人間とは何なのか。なぜあなたはこれを大いなるものとし/これに心を向けられるのか。
ヨブ 7:18 朝ごとに訪れて確かめ/絶え間なく調べられる。
ヨブ 7:19 いつまでもわたしから目をそらされない。唾を飲み込む間すらも/ほうっておいてはくださらない。
ヨブ 7:20 人を見張っている方よ/わたしが過ちを犯したとしても/あなたにとってそれが何だというのでしょう。なぜ、わたしに狙いを定められるのですか。なぜ、わたしを負担とされるのですか。
ヨブ 7:21 なぜ、わたしの罪を赦さず/悪を取り除いてくださらないのですか。今や、わたしは横たわって塵に返る。あなたが捜し求めても/わたしはもういないでしょう。