家庭礼拝 2025年1月29日 ヨブ記 1:1-22 事の起こり
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起
前回学んで来た列王記などは歴史書と呼ばれるものですが、今回はヨブ記を行います。これは知恵文学と呼ばれるもので、箴言やコヘレトと同じジャンルになるものです。ですがこれらのように格言としてではなく、ヨブ記では物語風に語られます。その物語のテーマは、なぜ正しい人が苦しまなければならないのかという、昔からあって、今でも語られるテーマです。重い病気にかかったり、ひどい災害にあった時に、なぜ私がこんな目に合わなければならないのかというのが、今でも必ず聞かれる言葉だからです。
私の使っている注解書の緒論にはこう書いてあります。
「何故、人はこの世で苦しみ、悩まなければならないのか。しかもなぜ、何の理由もなく悲惨なことが身に起こることがあるのか。この様な人生に、果たして意味などあるのか。この世界そのものが不条理にできていて正義の神などいないのではないか。これは、古代イスラエル人のみならず、人がいるところにはどこにもある問題である。ヨブ記はまさにこの問題を正面から取り上げ、回答を求める。」この様に書いてあり、いつの時代にも問題になることです。私たちが求める、世界秩序は因果応報であり、正しい人は報われ、悪人は罰を受けると言うものです。聖書にもそう書いてある箇所が多くあります。ですが現実はそうでは無い。それはなぜなのかということを、訊ねているのです。
かなり興味深いテーマで、何度も読んでいる箇所ではありますが、このヨブ記を選んだのには、もう一度詳しく丁寧にこれを読んでみたいと思ったのです。
承
まずこの主人公ヨブが、どのような人で、どのような生活をしていたかを知ることが出来ます。1節から5節です。
ヨブ 1:1 ウツの地にヨブという人がいた。無垢な正しい人で、神を畏れ、悪を避けて生きていた。
ヨブ 1:2 七人の息子と三人の娘を持ち、
ヨブ 1:3 羊七千匹、らくだ三千頭、牛五百くびき、雌ろば五百頭の財産があり、使用人も非常に多かった。彼は東の国一番の富豪であった。
ヨブ 1:4 息子たちはそれぞれ順番に、自分の家で宴会の用意をし、三人の姉妹も招いて食事をすることにしていた。
ヨブ 1:5 この宴会が一巡りするごとに、ヨブは息子たちを呼び寄せて聖別し、朝早くから彼らの数に相当するいけにえをささげた。「息子たちが罪を犯し、心の中で神を呪ったかもしれない」と思ったからである。ヨブはいつもこのようにした。
この様に、このヨブと言う人はウツと呼ばれる土地に住んでいました。このウツという土地がどこかということに関してはアブラハムの出身地である、ウツであるとか、シリア南部のハウラン地域すなわちダマスコの南側の方にあるのではないかとか、アラビア方面のエドムではないかという説がありますが、はっきりはしていません。
このヨブは、無垢な正しい人で、神を畏れ、悪を避けて生きていた、と書かれています。ですから、神様に祝福されて豊かな恵まれた生活をしていたのです。七人の息子と三人の娘を持ちと書かれているのは、子供に関しては申し分なく、財産に関しても、羊七千匹、らくだ三千頭、牛五百くびき、雌ろば五百頭の財産があり、使用人も非常に多かったのです。彼は東の国一番の富豪であった、と書かれており、とても豊かな金持ちだったのです。そして7人の息子たちは、それぞれ順番に自分の家で宴会の用意をし、三人の姉妹も招いて食事をすると言う大変平和な恵まれた生活をしていました。そして、7回の宴会が一巡りすると、息子たちを呼び寄せて、聖別し、それぞれの数だけ生贄を捧げ、知らない間に罪を犯したかもしれないことを許していただく、儀式をして、清めていたのです。ヨブは自分だけでなく、子供たちもまた、罪のない聖いものであるように心がけていたのです。
転
さて、ヨブの家族たちがこの様な聖い正しい生活をしているとき、神の使い達の会議が始まり、そこに参加していたサタンがとんでもない提案をしました。6節から12節です。
ヨブ 1:6 ある日、主の前に神の使いたちが集まり、サタンも来た。
ヨブ 1:7 主はサタンに言われた。「お前はどこから来た。」「地上を巡回しておりました。ほうぼうを歩きまわっていました」とサタンは答えた。
ヨブ 1:8 主はサタンに言われた。「お前はわたしの僕ヨブに気づいたか。地上に彼ほどの者はいまい。無垢な正しい人で、神を畏れ、悪を避けて生きている。」
ヨブ 1:9 サタンは答えた。「ヨブが、利益もないのに神を敬うでしょうか。
ヨブ 1:10 あなたは彼とその一族、全財産を守っておられるではありませんか。彼の手の業をすべて祝福なさいます。お陰で、彼の家畜はその地に溢れるほどです。
ヨブ 1:11 ひとつこの辺で、御手を伸ばして彼の財産に触れてごらんなさい。面と向かってあなたを呪うにちがいありません。」
ヨブ 1:12 主はサタンに言われた。「それでは、彼のものを一切、お前のいいようにしてみるがよい。ただし彼には、手を出すな。」サタンは主のもとから出て行った。
この頃のサタンは、イエス様の時代の悪霊のようなものではなくて、まだ天使の仲間だったのです。ですがあまりたちの良い天使ではなくて、ひねくれていて、人のことをあれこれ告げ口をするような天使なのです。それでも神様の使い達の会議にも参加していたのです。その会議に参加しているときに主はサタンにお前はどこから来たと言うと、サタンは地上を巡回しておりましたと答えました。すると主は「お前はわたしの僕ヨブに気づいたか。地上に彼ほどの者はいまい。無垢な正しい人で、神を畏れ、悪を避けて生きている。」と、とてもヨブの義を称賛して言ったのです。するとサタンは、ひねくれたこころで、ヨブが利益もないのに神を敬うでしょうか、と打算的な思いがあるはずだと言ったのです。そして、あなたは彼とその一族、全財産を守っておられるではありませんか。彼の手の業をすべて祝福なさいます。お陰で、彼の家畜はその地に溢れるほどです。ひとつこの辺で、御手を伸ばして彼の財産に触れてごらんなさい。面と向かってあなたを呪うにちがいありません。と言ったのです。ヨブが神を敬うのは、神様が祝福して、財産と家族を守ってくれると思うからであって、その財産を奪われたら、きっと神様を呪うようになるでしょうと言ったのです。人間なんてそんなものですよと、言いたかったのです。実はこのサタンの言葉というのは、私たちの中にある心の思いです。金持ちの人や恵まれた人を見ると、あの人たちがあのようにやさしく優雅にしていられるのはお金があるからだ、地位や名誉があるからだ。それが無くなったら私達と同じで、不平不満を言っているよ、と言う様な気持ちなのです。
するとヨブを信頼している神様は、それなら彼のものを一切お前のいいようにしてみるがよい、財産などには関係なくヨブは神様を敬うだろうと言って、その財産をサタンの手に委ねたのです。ここからヨブに災難がかかってくるのです。これは神様がヨブを試そうとしたのでしょうか。
さてヨブにはサタンによってどんな災難が降りかかったのでしょうか。13節から19節です。
ヨブ 1:13 ヨブの息子、娘が、長兄の家で宴会を開いていた日のことである。
ヨブ 1:14 ヨブのもとに、一人の召使いが報告に来た。「御報告いたします。わたしどもが、牛に畑を耕させ、その傍らでろばに草を食べさせておりますと、シェバ人が襲いかかり、略奪していきました。牧童たちは切り殺され、わたしひとりだけ逃げのびて参りました。」
ヨブ 1:16 彼が話し終らないうちに、また一人が来て言った。「御報告いたします。天から神の火が降って、羊も羊飼いも焼け死んでしまいました。わたしひとりだけ逃げのびて参りました。」
ヨブ 1:17 彼が話し終らないうちに、また一人来て言った。「御報告いたします。カルデア人が三部隊に分かれてらくだの群れを襲い、奪っていきました。牧童たちは切り殺され、わたしひとりだけ逃げのびて参りました。」
ヨブ 1:18 彼が話し終らないうちに、更にもう一人来て言った。「御報告いたします。御長男のお宅で、御子息、御息女の皆様が宴会を開いておられました。
ヨブ 1:19 すると、荒れ野の方から大風が来て四方から吹きつけ、家は倒れ、若い方々は死んでしまわれました。わたしひとりだけ逃げのびて参りました。」
この様に、突然災難が襲い掛かって、ヨブの祝福のあらわれであった、子供たちも財産もみな失ってしまうのです。一日の間に、ヨブには4つの災いが襲いました。それはヨブの息子たちと娘たちが長男の家で、定例の宴会を開いていた日の事でした。
最初の災いは、使用人たちが牛に畑を耕させ、ロバに草を食べさせているとき、突然シェバ人が襲い掛かってその家畜を略奪し、一緒にいた牧童たちは切り殺されて、一人だけが生き延びて報告しに来たのです。
二つ目の災いは、羊飼いたちが羊を放牧していた時、神の火が降って、すなわち雷が落ちて、羊も羊飼いもみな焼け死んでしまいました。と言って一人だけが生き延びたことを言いました。
三つめの災いは、カルデア人がラクダの群れを襲って、奪っていきました。牧童たちは皆切り殺され、私だけ逃げ延びてきましたと報告したのです。
四つ目の災いが最悪でした。これは息子と娘たちが皆集まって、長男の家で定期的な宴会を開いているときに起こったのです。それは荒れ野の方から大風が来て四方から吹き付けたと言うのですから、きっと大竜巻です。この竜巻に巻き込まれて家は倒れ、中にいた若い方々、即ち息子と娘たちは皆死んでしまいましたと言うのです。私一人だけ逃げ延びてきましたと報告したのです。
この様に一日の間に四つの災いが突然起こって、息子も娘も、牛もロバも羊もラクダもその世話をしていた牧童たちも報告に来たものを除いてみな死んでしまうか、奪われるかしてしまったのです。大金持ちで子供たちにも恵まれていたヨブは一日のうちにすべてが奪われてしまったのです。これはサタンが神様の許しを得てヨブに与えた災いなのです。神の前に正しい生活をしていたのに、こんなことが起こってよいのでしょうか。サタンはこれだけすれば、ヨブは神様をキッと呪うに違いないと思ったのです。
この様な災難が突然起こった時、私達はどのように反応するでしょうか。きっと、何も悪いことをしていないのにどうして私にだけこんなことが起こるのだろうと、そのことを恨み、もしかすると神様が守ってくれなかったことを恨むかもしれません。神様なんか本当はいないのだと思うかもしれません。ですがヨブの信仰は立派でした。何が起こっても神様を非難することなく、神様が与えた災いをそのまま受け入れ、神様を賛美したのです。20節から22節です。
ヨブ 1:20 ヨブは立ち上がり、衣を裂き、髪をそり落とし、地にひれ伏して言った。
ヨブ 1:21 「わたしは裸で母の胎を出た。裸でそこに帰ろう。主は与え、主は奪う。主の御名はほめたたえられよ。」
ヨブ 1:22 このような時にも、ヨブは神を非難することなく、罪を犯さなかった。
この様に、この四つの災いの知らせを聞いて、ヨブは立ち上がり、衣を裂きました。嘆きの気持ちを表したのです。そしてひげをそり落として、地にひれ伏したのです。神様の前に謙遜と従順の気持ちを表し、自分が神様の御前にとるに足りないものであることを表わしたのです。そしてこう言いました。「わたしは裸で母の胎を出た。裸でそこに帰ろう。主は与え、主は奪う。主の御名はほめたたえられよ。」この様にヨブは言いました。私たちがこの世に生まれたときには何も持っていなかったのです。それなのに、いつの間にか、子供たちは私のもの、この財産も私のものと思い込んでいるのです。ですがそれらは皆神様のものであり、それを神様が今まで、それを管理するようにと与えてくださっていたのです。ですからそれを奪うこともできるのです。今まで、与えられていたことに感謝し、神の御名をほめたたえようとヨブは言いました。普通人間が思うように、自分の物を奪われた。どうしてこんなことをするのだ。何も悪くないのにと自分の正当性ばかりを主張したがるものですが、ヨブは自分の正当性ではなく、神の正当性をほめたたえたのです。この様な苦難にあって、このヨブの様に神を非難することなく、罪を犯さずに済むものがいるでしょうか。本当に、ヨブの信仰は素晴らしいものです。
結
ヨブは神様の前に罪を犯さず、神様にもヨブのようなものがいるだろうかと、誉め称えられるほどであったのに、サタンによって試みられ、持っていた財産や、子供たちを一日のうちに失うことになりました。これほどの災いが起こったのにもかかわらず、ヨブは神様の御前に自分の分を知り、すべては神様のもので、神様にお返ししたのだと、決して神様を非難することなく、そのことを受け入れ、神様の御業をほめたたえたのです。サタンが言うように、良い時だけ神様をほめたたえるのが私達です。ですが悪い時にも神様をほめたたえられるのが本当の信仰です。全てのものが神様のものであると信じているからです。そして自分は何も持たないもののように、生きるのが、神のみ前で正しく生きるものであると、受け止めているのです。
(一分間黙想)(お祈り)
天の父なる神様、豊かに恵まれていたヨブが、一日のうちにすべてを奪われて、子も財産も失った時、決してあなたを非難することなく、「わたしは裸で母の胎を出た。裸でそこに帰ろう。主は与え、主は奪う。主の御名はほめたたえられよ。」と言って、すべてを受け入れました。全ては神様のものであり、自分はもともと何も持たなかったものであり、神様から預かったものであると思っていたのだと思います。私達は自分の物に執着するものです。そこからいろいろな苦しみがやってきます。私達も苦難の時にあって、また死に臨んだ時に、ヨブのように、すべての出来事を受け入れ、主の御業を賛美するものとなることが出来ますように導いてください。
この祈りを主、イエスキリストの御名によって、お祈りいたします。アーメン
<<聖書の箇所(旧約聖書:◇ヨブ記:)>>
◆事の起こり
ヨブ 1:1 ウツの地にヨブという人がいた。無垢な正しい人で、神を畏れ、悪を避けて生きていた。
ヨブ 1:2 七人の息子と三人の娘を持ち、
ヨブ 1:3 羊七千匹、らくだ三千頭、牛五百くびき、雌ろば五百頭の財産があり、使用人も非常に多かった。彼は東の国一番の富豪であった。
ヨブ 1:4 息子たちはそれぞれ順番に、自分の家で宴会の用意をし、三人の姉妹も招いて食事をすることにしていた。
ヨブ 1:5 この宴会が一巡りするごとに、ヨブは息子たちを呼び寄せて聖別し、朝早くから彼らの数に相当するいけにえをささげた。「息子たちが罪を犯し、心の中で神を呪ったかもしれない」と思ったからである。ヨブはいつもこのようにした。
ヨブ 1:6 ある日、主の前に神の使いたちが集まり、サタンも来た。
ヨブ 1:7 主はサタンに言われた。「お前はどこから来た。」「地上を巡回しておりました。ほうぼうを歩きまわっていました」とサタンは答えた。
ヨブ 1:8 主はサタンに言われた。「お前はわたしの僕ヨブに気づいたか。地上に彼ほどの者はいまい。無垢な正しい人で、神を畏れ、悪を避けて生きている。」
ヨブ 1:9 サタンは答えた。「ヨブが、利益もないのに神を敬うでしょうか。
ヨブ 1:10 あなたは彼とその一族、全財産を守っておられるではありませんか。彼の手の業をすべて祝福なさいます。お陰で、彼の家畜はその地に溢れるほどです。
ヨブ 1:11 ひとつこの辺で、御手を伸ばして彼の財産に触れてごらんなさい。面と向かってあなたを呪うにちがいありません。」
ヨブ 1:12 主はサタンに言われた。「それでは、彼のものを一切、お前のいいようにしてみるがよい。ただし彼には、手を出すな。」サタンは主のもとから出て行った。
ヨブ 1:13 ヨブの息子、娘が、長兄の家で宴会を開いていた日のことである。
ヨブ 1:14 ヨブのもとに、一人の召使いが報告に来た。「御報告いたします。わたしどもが、牛に畑を耕させ、その傍らでろばに草を食べさせておりますと、シェバ人が襲いかかり、略奪していきました。牧童たちは切り殺され、わたしひとりだけ逃げのびて参りました。」
ヨブ 1:16 彼が話し終らないうちに、また一人が来て言った。「御報告いたします。天から神の火が降って、羊も羊飼いも焼け死んでしまいました。わたしひとりだけ逃げのびて参りました。」
ヨブ 1:17 彼が話し終らないうちに、また一人来て言った。「御報告いたします。カルデア人が三部隊に分かれてらくだの群れを襲い、奪っていきました。牧童たちは切り殺され、わたしひとりだけ逃げのびて参りました。」
ヨブ 1:18 彼が話し終らないうちに、更にもう一人来て言った。「御報告いたします。御長男のお宅で、御子息、御息女の皆様が宴会を開いておられました。
ヨブ 1:19 すると、荒れ野の方から大風が来て四方から吹きつけ、家は倒れ、若い方々は死んでしまわれました。わたしひとりだけ逃げのびて参りました。」
ヨブ 1:20 ヨブは立ち上がり、衣を裂き、髪をそり落とし、地にひれ伏して言った。
ヨブ 1:21 「わたしは裸で母の胎を出た。裸でそこに帰ろう。主は与え、主は奪う。主の御名はほめたたえられよ。」
ヨブ 1:22 このような時にも、ヨブは神を非難することなく、罪を犯さなかった。