家庭礼拝 2024年2月14日 列王記上 5:15-32 神殿建築の準備
起
イスラエル人はずっと遊牧の民でした。ですから幕屋と言うテントの神殿を建てて、そこで礼拝を捧げていました。それが約束の地カナンに定住して、やっとそこに神殿を築くことが出来るようになりました。それが出来たのはダビデではなくその子ソロモンでした。ダビデは戦いに明け暮れており多くの血を流したので、神様から神殿建設を許されませんでした。ソロモンは神様から祝福されて、豊かな財産と平和を誇りました。ですから、やっと本格的に神殿建設に乗り出したのです。これはイスラエル人がエジプトの地を出てから480年目のことであることが聖書にしるされています。イスラエル人の、神様の約束を信じる忍耐強さは本当に感心させられます。神様との約束はたとえ自分が死んでそのことがまだ実現していなくても、百年たってもまだ実現しなくても、何百年でもその約束を信じて待つことが出来るのです。ヘブライ人への手紙にはこう書いてあります。11章の1節と2節です。
ヘブ 11:1 信仰とは、望んでいる事柄を確信し、見えない事実を確認することです。
ヘブ 11:2 昔の人たちは、この信仰のゆえに神に認められました。
また同じ13節にはこう書いてあります。
ヘブ 11:13 この人たちは皆、信仰を抱いて死にました。約束されたものを手に入れませんでしたが、はるかにそれを見て喜びの声をあげ、自分たちが地上ではよそ者であり、仮住まいの者であることを公に言い表したのです。
この様に、イスラエル人はまことの信仰をもった民族だったのです。望んでいる事柄を確信し、見えない事実を確認しながら歩んできたのです。
ソロモンはそのイスラエル人たちの夢を果たしました。神殿建設を行ったのです。ですがそれは必ずしも、ダビデや先祖たちが、捧げた信仰のように純粋なものではありませんでした。それは経済力と力に物を言わせて作り上げた神殿だったのです。ですから、むしろ昔のイスラエルの人々が、持っている金の指輪や、財産を捧げて作り上げた幕屋の方がずっと神様に喜ばれたかもしれません。
今日の聖書の箇所は、ソロモンがただ神殿建築の準備をしただけの記述なので、あまり信仰的な話は出てこないのですが、それでもそこにはいろいろな信仰的な意味合いを考えさせられる場面です。
承
この神殿建設が具体化したのは、ソロモン王とティルスの王ヒラムの関係が良好で、お互いが使節を遣わして、コミュニケーションが良く取れていたからでした。15節から20節です。
王上 5:15 さて、ティルスの王ヒラムは、ソロモンが油を注がれ、父に代わって王となったことを聞き、家臣を遣わしてきた。ヒラムは常にダビデと友好関係にあったからである。
王上 5:16 ソロモンも使節をヒラムのもとに遣わして、こう言わせた。
王上 5:17 「ご存じのとおり、父ダビデは、主が周囲の敵を彼の足の下に置かれるまで戦いに明け暮れ、その神なる主の御名のために神殿を建てることができませんでした。
王上 5:18 今や、わたしの神、主は周囲の者たちからわたしを守って、安らぎを与えてくださり、敵対する者も、災いをもたらす者もいません。
王上 5:19 ここに至ってわたしは、わたしの神、主の御名のために神殿を建てようと考えています。主が父ダビデに、『わたしがあなたに代えて王座につかせるあなたの子が、わたしの名のために家を建てる』と言われたからです。
王上 5:20 それゆえ、わたしたちのためにレバノンから杉を切り出すよう、お命じください。わたしの家臣たちもあなたの家臣たちと共に働かせます。あなたの家臣たちへは、仰せのとおりの賃金をわたしが支払います。ご存じのように、当方にはシドンの人のような伐採の熟練者がいないからです。」
ここでティルスの王ヒラムと言うのはどこにいるのかと言うと、いわゆるレバノン杉で有名なレバノンの王様です。ガリラヤ湖の北西の地中海に面する港町にティルスと言う町があり、その東側にはレバノン山塊の山並みが続いていてここにレバノン杉などの木材の山地となっているのです。このティルスの王はダビデの代からイスラエルとは友好関係にあって、ダビデが宮殿を作る時にもその木材を切り出して協力していたのです。
このティルスの王ヒラムは、ソロモンが王となった事を聞くとすぐに使節を遣わしてソロモンにあいさつをしました。するとソロモンも使節を遣わして、ダビデ王が戦いに明け暮れてできなかった神殿の建設を、平和になった今行いたいので協力してくれないかと頼んだのです。そしてその使節に、こう言わせました。19節と20節です
王上 5:19 ここに至ってわたしは、わたしの神、主の御名のために神殿を建てようと考えています。主が父ダビデに、『わたしがあなたに代えて王座につかせるあなたの子が、わたしの名のために家を建てる』と言われたからです。
王上 5:20 それゆえ、わたしたちのためにレバノンから杉を切り出すよう、お命じください。わたしの家臣たちもあなたの家臣たちと共に働かせます。あなたの家臣たちへは、仰せのとおりの賃金をわたしが支払います。ご存じのように、当方にはシドンの人のような伐採の熟練者がいないからです。」
この様に、ソロモンはティルスの王ヒラムに、神殿を建てるので、レバノン杉を切り出して使うことを認めてくれるように頼んだのです。そしてそれには家臣たちを遣わして、一緒に切り出す働きをさせるし、あなたの家臣たちには賃金を払いますからそのように命じてくれないかと頼んだのです。イスラエルは砂漠の荒れ地が多いので、シドン人のように木を切り出す熟練者がいないのでよろしく頼むとさえ言ったのです。このシドンと言うのはティルスの町の北側40kmほどにある、大きな港町で、切り出した木はこの港から積み出されて、いろいろなところに運ばれていたのです。
このソロモンの使節を通して依頼された、王ヒラムはどのようにしたでしょうか。21節から26節です。
王上 5:21 ヒラムはソロモンの言葉を聞いて大いに喜び、「今日こそ、主はたたえられますように。主は、この大いなる民を治める聡明な子をダビデにお与えになった」と言った。
王上 5:22 ヒラムは使節を遣わして、こう言わせた。「御用件は確かに承りました。レバノン杉のみならず糸杉の木材についても、お望みどおりにいたしましょう。
王上 5:23 わたしの家臣たちにこれをレバノンから海まで運ばせ、わたしはそれをいかだに組んで、海路あなたの指定する場所に届け、そこでいかだを解きますから、お受け取りください。あなたには、わたしの家のための食糧を提供してくださるよう望みます。」
王上 5:24 こうしてヒラムはソロモンの望みどおりレバノン杉と糸杉の木材を提供し、
王上 5:25 ソロモンはヒラムにその家のための食糧として、小麦二万コルと純粋のオリーブ油二十コルを提供した。ソロモンは同様のものを毎年ヒラムに提供した。
王上 5:26 主はその約束のとおり、ソロモンに知恵を授けられた。ヒラムとソロモンの間には平和が保たれ、二人は条約を結んだ。
この様にソロモンが神殿を作るために木を切り出すのに協力してくれと言われたヒラム王はとても喜んだのです。そしてそのソロモンの聡明さをほめたたえたのです。そして使節を遣わして、こう言いました。御用件は確かに承りました。木材をレバノンから海まで運ばせ、それをいかだに組んで、海路あなたの指定する場所に届けますと言ったのです。そして働く者のための食料だけお願いしますと言いました。すると、ソロモンはヒラムにその家のための食糧として、小麦二万コルと純粋のオリーブ油二十コルを提供し、同様のものを毎年ヒラムに提供したと言います。小麦2万コルと言うのは、ソロモン王室の年間消費量の3倍に相当しますから、相当なものです。それを神殿が完成するまで、13年間続けたのですから、相当の財力がなければできません。これには、今までの祭壇や神殿の建築と大きく違うことがあります。今まではこのような神殿や幕屋を建てるときは、イスラエルの人々の信仰に訴えて、一人一人から、わずかずつ献金や献品を募り、それでその内容にふさわしいものをイスラエル人だけで建てていたのです。それを今やソロモンは、自分の財力に物を言わせて、外国人の力も借りて、力づくで建てようとしているのに、ソロモン自身もあまり気が付いていないのかもしれません。果たして神様はどちらの方を喜ばれるでしょうか。信仰は外見ではなく、見えない事実なのです。
転
更にソロモンは、とんでもないことまでしてしまいました。それはこの神殿建築のために、イスラエル全国に労役を課したのです。これは今までに無い事でした。27節から32節です。
王上 5:27 ソロモン王はイスラエル全国に労役を課した。そのために徴用された男子は三万人であった。
王上 5:28 王は彼らを一万人ずつ一か月交替でレバノンに送った。すなわち、一か月はレバノンに、二か月は自分の家にとどまるようにした。この労役の監督はアドニラムであった。
王上 5:29 またソロモンには、荷役の労働者が七万人、山で石を切り出す労働者が八万人いた。
王上 5:30 そのほか、ソロモンには工事の責任を取る監督が三千三百人いて、工事に携わる民を指揮した。
王上 5:31 神殿の土台の切り石とするため、大きな質の良い石を切り出すように、と王に命じられ、
王上 5:32 ソロモンの石工たちは、ヒラムの石工たちやゲバル人と共同で石を切り出した。こうして、神殿建築用の木材も石材も整った。
この様にして、ソロモンの神殿は着々と進められました。このような大規模な工事のために、イスラエル全国に労役を課するのも当然のことと思われました。誰もそれに反対はしなかったのです。
そのために徴用された男子は3万人で、そのうち一万人がレバノンで一か月間働き、そのあとは別の一万人と交代し、それを3交代で行っていたのでした。このほかに荷役の労働者が七万人、山で石を切り出す労働者が八万人いたというから、たくさんの人々がこれにかかわっていたのです。この人々は、神殿の土台の切り石を切り出したイスラエルの石工だけではなく、ヒラムの石工たちやゲバル人と共同で石を切り出したりしていたのです。この様にして神殿建築用に木材や石材を準備したのです。それはずいぶんと大掛かりな大工事でした。
結
ソロモンの神殿造りは、これまでにない異例な方法で作られたのです。これまではその財源は、神を信じる者たちの献金や検品によって支えられました。そしてその働きは、自主的に神様にその奉仕を捧げる者たちによって支えられてきたのです。ですがソロモンは、ソロモンの名声によって集められた豊かな財源を用い、その働きは人々の自主的な働きではなく、徴用されて、いやいやその働きをせざるを得ない人たちも集められました。またこれまでは神を信じるイスラエルの人たちによってその働きをしていたのが、異邦の神を信じる外国人の力を借りてでもその大事業を成し遂げようとしたのです。ですからその神殿は壮麗で、今まで見た事もない立派なものとなるのですが、それは必ずしも、純粋な信仰者の手によって作られた神殿ではないのです。ソロモンはその財力と知力によって壮麗な神殿を作りましたが、必ずしも信仰によってその神殿を建てたとは言えないのです。
(一分間黙想)(お祈り)
天の父なる神様。ソロモンは今まで誰も成し遂げることのできなかった、壮麗な神殿建築の準備を進めることが出来ました。ですがそれは必ずしも信仰による神殿建築とはなりませんでした。外見が立派だとその信仰も立派と思われますが、神様はそのような神殿を喜ばれるでしょうか。私たちも、見かけのすばらしさに気を奪われることなく、神様が本当に喜ばれる、信仰に基づく行いをしていくことが出来ますように、導いてください。神様が住まわれる神殿は、私たち自身であることを覚えて、その神殿を清いものとしていくことが出来ますように導いてください。
この祈りを、主イエス・キリストの御名によって、お祈りいたします。アーメン
<<聖書の箇所(旧約聖書:◇列王記上:)>>
◆神殿建築の準備
王上 5:15 さて、ティルスの王ヒラムは、ソロモンが油を注がれ、父に代わって王となったことを聞き、家臣を遣わしてきた。ヒラムは常にダビデと友好関係にあったからである。
王上 5:16 ソロモンも使節をヒラムのもとに遣わして、こう言わせた。
王上 5:17 「ご存じのとおり、父ダビデは、主が周囲の敵を彼の足の下に置かれるまで戦いに明け暮れ、その神なる主の御名のために神殿を建てることができませんでした。
王上 5:18 今や、わたしの神、主は周囲の者たちからわたしを守って、安らぎを与えてくださり、敵対する者も、災いをもたらす者もいません。
王上 5:19 ここに至ってわたしは、わたしの神、主の御名のために神殿を建てようと考えています。主が父ダビデに、『わたしがあなたに代えて王座につかせるあなたの子が、わたしの名のために家を建てる』と言われたからです。
王上 5:20 それゆえ、わたしたちのためにレバノンから杉を切り出すよう、お命じください。わたしの家臣たちもあなたの家臣たちと共に働かせます。あなたの家臣たちへは、仰せのとおりの賃金をわたしが支払います。ご存じのように、当方にはシドンの人のような伐採の熟練者がいないからです。」
王上 5:21 ヒラムはソロモンの言葉を聞いて大いに喜び、「今日こそ、主はたたえられますように。主は、この大いなる民を治める聡明な子をダビデにお与えになった」と言った。
王上 5:22 ヒラムは使節を遣わして、こう言わせた。「御用件は確かに承りました。レバノン杉のみならず糸杉の木材についても、お望みどおりにいたしましょう。
王上 5:23 わたしの家臣たちにこれをレバノンから海まで運ばせ、わたしはそれをいかだに組んで、海路あなたの指定する場所に届け、そこでいかだを解きますから、お受け取りください。あなたには、わたしの家のための食糧を提供してくださるよう望みます。」
王上 5:24 こうしてヒラムはソロモンの望みどおりレバノン杉と糸杉の木材を提供し、
王上 5:25 ソロモンはヒラムにその家のための食糧として、小麦二万コルと純粋のオリーブ油二十コルを提供した。ソロモンは同様のものを毎年ヒラムに提供した。
王上 5:26 主はその約束のとおり、ソロモンに知恵を授けられた。ヒラムとソロモンの間には平和が保たれ、二人は条約を結んだ。
王上 5:27 ソロモン王はイスラエル全国に労役を課した。そのために徴用された男子は三万人であった。
王上 5:28 王は彼らを一万人ずつ一か月交替でレバノンに送った。すなわち、一か月はレバノンに、二か月は自分の家にとどまるようにした。この労役の監督はアドニラムであった。
王上 5:29 またソロモンには、荷役の労働者が七万人、山で石を切り出す労働者が八万人いた。
王上 5:30 そのほか、ソロモンには工事の責任を取る監督が三千三百人いて、工事に携わる民を指揮した。
王上 5:31 神殿の土台の切り石とするため、大きな質の良い石を切り出すように、と王に命じられ、
王上 5:32 ソロモンの石工たちは、ヒラムの石工たちやゲバル人と共同で石を切り出した。こうして、神殿建築用の木材も石材も整った。