家庭礼拝 2023年12月27日 サムエル記下 23:1-39 ダビデの最後の言葉
起
前にも言いましたが、21章から最後の24章までは、このサムエル記に書ききれなかった、伝承の寄せ集めです。この23章の内容も詩編でも書ききれなかった伝承の詩を、ここに「最後の言葉」として載せているだけなので、本当に最後の言葉として読む必要はないでしょう。
その次の小見出しの「ダビデの勇士たち」もまた、同じように、付録のように付け足されたと考えても良いものです。ですからここのところは簡単におさらいしていくことになります
承
まず1節にこう書かれています。
サム下 23:1 以下はダビデの最後の言葉である。エッサイの子ダビデの語ったこと。高く上げられた者/ヤコブの神に油注がれた者の語ったこと。イスラエルの麗しい歌。
この様に書かれていますが、この詩の中にはこれが最後の言葉と思われるような遺言的な言葉はありません。むしろ、その後のエッサイの子ダビデの語ったこと。という内容で書かれているもので、その言葉の前に、以下はダビデの最後の言葉であると付け足して、体裁を整えたと思われます。
そしてこの詩の中で、ダビデはいつも神と共にあり、神の言葉を語り、神に従って治めるものであることをこの様に歌っているのです。2節から4節です。
サム下 23:2 主の霊はわたしのうちに語り/主の言葉はわたしの舌の上にある。
サム下 23:3 イスラエルの神は語り/イスラエルの岩はわたしに告げられる。神に従って人を治める者/神を畏れて治める者は
サム下 23:4 太陽の輝き出る朝の光/雲もない朝の光/雨の後、地から若草を萌え出させる陽の光。
この様に、神の霊がダビデに語り、ダビデはその主の言葉を語り、神に従って人を治める者であること。そして神に従って治める者は、朝の太陽の光のように輝き、若草を燃え出させる光のように、良いものを与えてくださるということを言っています。すなわち、ダビデは神の霊の光を帯びた、朝の太陽の様であるというのです。それはいろいろなものを成長させ育ててくれるのです。
そして、ダビデは神との契約に立つものであり、善なるものであり、悪は滅ぼされるということを、次のように歌っています。5節から7節です。
サム下 23:5 神と共にあってわたしの家は確かに立つ。神は永遠の契約をわたしに賜る/すべてに整い、守られるべき契約を。わたしの救い、わたしの喜びを/すべて神は芽生えさせてくださる。
サム下 23:6 悪人は茨のようにすべて刈り取られる。手に取ろうとするな
サム下 23:7 触れる者は槍の鉄と木を満身に受ける。火がその場で彼らを焼き尽くすであろう。
この様にダビデの家は、神様との永遠の契約のもとにあって、祝福されていることを語っています。この歌はダビデの正当性を語り賛美するものであり、詩編とは別に独立に歌われたものだと思います。ここには最後の言葉であるような遺言めいたものは何もありません。ですからこの歌をダビデ最後の言葉として語ることが出来るのは、単にこのサムエル記の最後に乗せられたダビデの言葉という程度のものでしかないのです。
転
次にダビデの勇士たちということでいろいろな人の名前が挙げられています。これもまた、サムエル記の最後に付録として挙げられたような個所です。文脈的には今までの流れとは何の関係もなくここに書かれているのです。ダビデも、自分だけで頑張っていたのではなく、多くの勇士がダビデを支えていたことが分かります。今までは将軍のヨアブだけが目立っていましたが、どんな勇士がダビデを支えていたか見てみましょう。8節から12節です。
サム下 23:8 以下はダビデの勇士たちの名である。ハクモニ人イシュバアル。三勇士の頭。槍を振るって一度に八百人を刺し殺した。
サム下 23:9 次にアホア人ドドの子エルアザル。三勇士の一人。ダビデに同行してペリシテ人に屈辱を与えたとき、ペリシテ人が集結して戦いを挑んで来た。イスラエルの兵は退いたが、
サム下 23:10 エルアザルはペリシテ人に向かって立ち、手が疲れ、手が剣にはり付いて離れなくなるまで彼らを討った。主はその日、大勝利をもたらされ、彼の後に戻って来た兵士には略奪することのみが残った。
サム下 23:11 次にハラリ人アゲの子シャンマ。ペリシテ人がレヒに集結したとき、そこにはレンズ豆が豊に実った畑があった。民はペリシテ人を前にして逃走したが、
サム下 23:12 シャンマは畑にとどまってこれを救い、ペリシテ人を討った。主は大勝利をもたらされた。
ここに書かれているように、ダビデには三勇士と呼ばれる強い武将が3人いたようです。一人目は、ハクモニ人イシュバアルで槍の名人で一度に800人を殺したとありますが、ちょっと話が大げさなので、10分の一くらいにしておいた方がよさそうです。それでも多いくらいです。
二人目がアホア人ドドの子エルアザルで、ペリシテ軍とたたかった時の話で、イスラエル軍が押されて引き下がった後でも、エルアザルはペリシテ人に向かって立ち、手が疲れ、手が剣にはり付いて離れなくなるまで彼らを討って、大勝利をもたらしたということです。
三人目はハラリ人アゲの子シャンマで、ペリシテ人がレンズ豆の畑に攻め込んできたときに、民は逃げ去りましたが、シャンマは畑にとどまってこれを救い、ペリシテ人を撃って大勝利をしたということです。
いずれもペリシテ軍と戦って、大勝利へと導いた勇者の様で、特にイシュバアルはその三勇士の頭でもあったということで、一番の手柄を立てたようです。ですがこの人たちの名前は今まではあまり聞いたことがありません。そこでここに勇者としてその名前を載せたようです。
この三勇士には別の手柄もあって、それがここに特別に記されています。13節から17節です。
サム下 23:13 三十人の頭の中の三人が、刈り入れ時にアドラムの洞窟にいるダビデを訪ねて来たことがあった。ペリシテ人の一隊がレファイムの谷に陣を張っていた。
サム下 23:14 ダビデは要害におり、ペリシテ人の前哨部隊はベツレヘムにいた。
サム下 23:15 ダビデは、「ベツレヘムの城門の傍らにある、あの井戸の水を飲ませてくれる者があればよいのに」と切望した。
サム下 23:16 三人の勇士はペリシテの陣を突破し、ベツレヘムの城門の傍らにある井戸から水をくみ、ダビデのもとに持ち帰った。ダビデはこの水を飲むことを望まず、注いで主にささげ、
サム下 23:17 こう言った。「主よ、わたしはこのようなことを決してすべきではありません。これは命をかけて行った者たちの血そのものです。」ダビデはその水を飲もうとしなかった。以上が三勇士の武勲である。
この様に、この三勇士は、30人の頭の中の3人の様で、ペリシテと戦っているダビデを訪ねてきたときに、ダビデが、「ベツレヘムの城門の傍らにある、あの井戸の水を飲ませてくれる者があればよいのに」とぼやいたようなのです。要害の中にいて、水が乏しかったようです。一方ペリシテ軍はベツレヘムを占領していたのです。するとこの三人の勇士は、ペリシテ軍の包囲を突破して、そのベツレヘムの井戸から水を汲み、ダビデの元に持ち帰りました。するとダビデはその水を飲まずに、主に注いで捧げたのです。そしてこう言いました。「主よ、わたしはこのようなことを決してすべきではありません。これは命をかけて行った者たちの血そのものです。」ダビデは、その水が人の命を懸けて、取ってきた、血のように尊いものであり、とても自分だけ飲むことはできなかったのです。そしてそれを飲むことはせずに、主にささげたのです。
この話はイエスキリストの十字架の血になぞらえて話されることがあります。主の晩餐の時、イエス様はこう言いました。
マタ 26:27 また、杯を取り、感謝の祈りを唱え、彼らに渡して言われた。「皆、この杯から飲みなさい。
マタ 26:28 これは、罪が赦されるように、多くの人のために流されるわたしの血、契約の血である。
と言いました。この言葉に基づいて、聖餐式の時、私達は当たり前のようにその血である葡萄酒を飲むのですが、ダビデの場合は、命を懸けて行って取ってきた水は、その者たちの血そのものである。自分がそれを飲むことはできないと言って、口に付けなかったのです。私達は、この聖餐式のイエスキリストの血を、これはイエス様が私たちの罪の贖いのために流された血である。飲みなさいと言われてもとても飲むことはできないというほどの尊さをもって、その盃に接しているだろうかと思わされるのです。イエスキリストの血は、この三人の勇者が取ってきた水よりも尊いものだからです。
この次にはこの三勇士に次ぐ勇者の名前が二人あげられています。18節から23節です。
サム下 23:18 ツェルヤの子、ヨアブの兄弟アビシャイ。三勇士の頭。槍を振るって三百人を刺し殺し、三勇士と共に名をあげた。
サム下 23:19 三勇士の中で最も重んじられ、彼らの長でもあったが、武勲は三勇士に及ばなかった。
サム下 23:20 ヨヤダの子ベナヤ。勇士の子。カブツェエルの出身。多くの功を立てた。モアブのアリエルの二人の息子を討ち取り、雪の日に、洞穴に獅子を追って下り、それを殺した。
サム下 23:21 また彼は、屈強のエジプト人をも殺した。エジプト人は槍を手にしていたが、ベナヤは棒を持って襲いかかり、エジプト人の手から槍を奪い、その槍でエジプト人を殺した。
サム下 23:22 以上がヨヤダの子ベナヤの武勲であり、三勇士と共に名をあげ、
サム下 23:23 三十人の中でも重んじられたが、武勲は三勇士に及ばなかった。ダビデは彼を護衛兵の長に任じた。
この様に、次に出てくる勇者は、ツェルヤの子、ヨアブの兄弟アビシャイです。この人はこのサムエル記には時々出てくる名前で、いつもダビデのそばにいて、敵の者たちを殺してしまえという激しい気性の持ち主です。このアビシャイは三勇士の頭ということですから、すなわち30勇士の頭なのです。槍の使い手で、300人を刺し殺したと言われており、いろいろな武勲を上げましたが、三勇士には及ばなかったと書かれています。
その次に書かれているのは、ヨヤダの子ベナヤで多くの功を立てたとあります。モアブの二人の息子を打ち取ったり、洞穴でライオンを撃ち殺したり、槍を持った屈強のエジプト人を棒で襲い掛かって、殺したりしました。それで三勇士と共に名を上げましたが、武勲は三勇士に及びませんでした。それでもダビデは彼を護衛兵の長に任じたということです。
そして最後にダビデの親衛隊の30人の頭たちの名前が挙げられています。数え上げると総員は37名となっています。この頭たちの下にどれだけの部下がいたのかはわかりませんが、100人くらいいて、百人隊長くらいの感じではないかと思います。この様な強い兵士たちに守られて、ダビデはその働きをしていたのです。
結
いよいよサムエル記も最後に近くなり、この物語をまとめる段階になりました。ダビデの最後の言葉ということにして、ダビデの正当性を語り賛美しています。そしてダビデを守ってきた勇者たちの名前を挙げて、共に働いてきた者たちの名前を挙げて、称えています。ダビデは、サムエルによって油注がれ、神様によって、召命された王となる恵みを与えられたのですが、その生涯は苦難に満ちたものでした。神様の恵みとは、苦難を喜んで受け入れる恵みなのです。ダビデはその事をその人生を通して、表わしてきたのです。
(一分間黙想)(お祈り)
天の父なる神様。ダビデの物語が終わりを迎えようとしています。サウルとダビデがサムエルによって油注がれて、王になりましたが、その油注がれた者たちは決して、楽な歩みをすることはできませんでした。その恵みは二人にとって苦難の連続だったのです。私たちも、苦難に直面した時に、これは神の恵みとして、受け取ることが出来るでしょうか。どうかそのことを覚えつつ、あなたの恵みを覚えさせてください。
この祈りを、主イエス・キリストの御名によって、お祈りいたします。アーメン
<<聖書の箇所(旧約聖書:◇サムエル記下)>>
◆ダビデの最後の言葉
サム下 23:1 以下はダビデの最後の言葉である。エッサイの子ダビデの語ったこと。高く上げられた者/ヤコブの神に油注がれた者の語ったこと。イスラエルの麗しい歌。
サム下 23:2 主の霊はわたしのうちに語り/主の言葉はわたしの舌の上にある。
サム下 23:3 イスラエルの神は語り/イスラエルの岩はわたしに告げられる。神に従って人を治める者/神を畏れて治める者は
サム下 23:4 太陽の輝き出る朝の光/雲もない朝の光/雨の後、地から若草を萌え出させる陽の光。
サム下 23:5 神と共にあってわたしの家は確かに立つ。神は永遠の契約をわたしに賜る/すべてに整い、守られるべき契約を。わたしの救い、わたしの喜びを/すべて神は芽生えさせてくださる。
サム下 23:6 悪人は茨のようにすべて刈り取られる。手に取ろうとするな
サム下 23:7 触れる者は槍の鉄と木を満身に受ける。火がその場で彼らを焼き尽くすであろう。
◆ダビデの勇士たち
サム下 23:8 以下はダビデの勇士たちの名である。ハクモニ人イシュバアル。三勇士の頭。槍を振るって一度に八百人を刺し殺した。
サム下 23:9 次にアホア人ドドの子エルアザル。三勇士の一人。ダビデに同行してペリシテ人に屈辱を与えたとき、ペリシテ人が集結して戦いを挑んで来た。イスラエルの兵は退いたが、
サム下 23:10 エルアザルはペリシテ人に向かって立ち、手が疲れ、手が剣にはり付いて離れなくなるまで彼らを討った。主はその日、大勝利をもたらされ、彼の後に戻って来た兵士には略奪することのみが残った。
サム下 23:11 次にハラリ人アゲの子シャンマ。ペリシテ人がレヒに集結したとき、そこにはレンズ豆が豊に実った畑があった。民はペリシテ人を前にして逃走したが、
サム下 23:12 シャンマは畑にとどまってこれを救い、ペリシテ人を討った。主は大勝利をもたらされた。
サム下 23:13 三十人の頭の中の三人が、刈り入れ時にアドラムの洞窟にいるダビデを訪ねて来たことがあった。ペリシテ人の一隊がレファイムの谷に陣を張っていた。
サム下 23:14 ダビデは要害におり、ペリシテ人の前哨部隊はベツレヘムにいた。
サム下 23:15 ダビデは、「ベツレヘムの城門の傍らにある、あの井戸の水を飲ませてくれる者があればよいのに」と切望した。
サム下 23:16 三人の勇士はペリシテの陣を突破し、ベツレヘムの城門の傍らにある井戸から水をくみ、ダビデのもとに持ち帰った。ダビデはこの水を飲むことを望まず、注いで主にささげ、
サム下 23:17 こう言った。「主よ、わたしはこのようなことを決してすべきではありません。これは命をかけて行った者たちの血そのものです。」ダビデはその水を飲もうとしなかった。以上が三勇士の武勲である。
サム下 23:18 ツェルヤの子、ヨアブの兄弟アビシャイ。三勇士の頭。槍を振るって三百人を刺し殺し、三勇士と共に名をあげた。
サム下 23:19 三勇士の中で最も重んじられ、彼らの長でもあったが、武勲は三勇士に及ばなかった。
サム下 23:20 ヨヤダの子ベナヤ。勇士の子。カブツェエルの出身。多くの功を立てた。モアブのアリエルの二人の息子を討ち取り、雪の日に、洞穴に獅子を追って下り、それを殺した。
サム下 23:21 また彼は、屈強のエジプト人をも殺した。エジプト人は槍を手にしていたが、ベナヤは棒を持って襲いかかり、エジプト人の手から槍を奪い、その槍でエジプト人を殺した。
サム下 23:22 以上がヨヤダの子ベナヤの武勲であり、三勇士と共に名をあげ、
サム下 23:23 三十人の中でも重んじられたが、武勲は三勇士に及ばなかった。ダビデは彼を護衛兵の長に任じた。
サム下 23:24 三十人に名を連ねた者は以下のとおりである。ヨアブの兄弟アサエル。ドドの子エルハナン、ベツレヘム出身。
サム下 23:25 ハロド人シャンマ。ハロド人エリカ。
サム下 23:26 パルティ人ヘレツ。イケシュの子イラ、テコア人。
サム下 23:27 アナトト人アビエゼル。フシャ人メブナイ。
サム下 23:28 アホア人ツァルモン。ネトファ人マフライ。
サム下 23:29 バアナの子ヘレブ、ネトファ人。リバイの子イタイ、ベニヤミンのギブア出身。
サム下 23:30 ピルアトン人ベナヤ。ヒダイ、ガアシュ川の出身。
サム下 23:31 アルバト人アビ・アルボン。バフリム人アズマベト。
サム下 23:32 シャアルボン人エルヤフバ。ベネヤシェン。ヨナタン。
サム下 23:33 ハラリ人シャンマ。シャラルの子アヒアム、アラル人。
サム下 23:34 アハスバイの子エリフェレト、マアカ人の子孫。アヒトフェルの子エリアム、ギロ人。
サム下 23:35 カルメル人ヘツライ。アラブ人パアライ。
サム下 23:36 ナタンの子イグアル、ツォバ出身。ガディ人バニ。
サム下 23:37 アンモン人ツェレク。ベエロト人ナフライ、ツェルヤの子ヨアブの武具を持つ者。
サム下 23:38 イエテル人イラ。イエテル人ガレブ。
サム下 23:39 ヘト人ウリヤ。総員三十七名。