家庭礼拝 2023年12月20日 サムエル記下 22:1-51 ダビデの感謝の歌
起
今日の箇所は、ダビデの詩です。これは詩編の18編にあげられているものとほぼ同じです。ここではダビデの感謝の歌として小見出しが出ていて、晩年に多くの困難と敵から守られた感謝を歌っているという状況が語られています。また、サウルの手から救い出された日にとあるので、もっと若いときにサウルがまだ生きているときに歌われたのかもしれません。これは良く分からないのです。
ダビデに多くの詩がある中で、これが取り上げられ、このサムエル記の締めくくりの部分にダビデの感謝の歌として用いられたのは、それにふさわしい内容があったからだと思います。これをどのように解説していったらよいのか良く分かりませんが、読んでいくままに感じたことを語っていきたいと思います。
最初の1節にはこの様に書かれています。
サム下 22:1 ダビデは、主がすべての敵の手から、またサウルの手から彼を救い出された日に、次の言葉をもって主に歌をささげた。
この様に、この歌は、すべての敵とサウルの手から神様がダビデを救い出された日に、主にささげられた歌であるということになっています。前回学んだ前の章ではサウルの子孫をギブオン人の願いに応じて7人差し出し、主の前にさらし者にして、滅ぼしたのです。これですべての敵の憂いがなくなり、そしてダビデの生涯が終わるという設定になっているのです。その時にこの歌が歌われたのです。ですがこの歌はそのような時系列に当てはまるものではなく、独立に別の時に作られた詩であり、詩編の中の一つであったと思われます。
承
それではダビデの詩を呼んでみましょう。まず最初は、ダビデの信仰告白とも思われる言葉で、主を賛美しています。2節から3節です。
サム下 22:2 主はわたしの岩、砦、逃れ場
サム下 22:3 わたしの神、大岩、避けどころ/わたしの盾、救いの角、砦の塔。わたしを逃れさせ、わたしに勝利を与え/不法から救ってくださる方。
サム下 22:4 ほむべき方、主をわたしは呼び求め/敵から救われる。
この様に、主がどれほど力強くダビデを守り逃れさせてくださり、勝利を与えてくださったかを高らかに賛美しているのです。そして、「ほむべき方、主をわたしは呼び求め/敵から救われる。」と語って、主を求めれば、救ってくださると、その喜びを語っているのです。
その時ダビデはどのような状況であったかが、5節から7節に歌われています。
サム下 22:5 死の波がわたしを囲み/奈落の激流がわたしをおののかせ
サム下 22:6 陰府の縄がめぐり/死の網が仕掛けられている。
サム下 22:7 苦難の中から主を呼び求め/わたしの神を呼び求めると/その声は神殿に響き/叫びは御耳に届く。
この様に、その時、ダビデは死の不安と危機に押しつぶされそうになっており、死の波が私を囲んでいると表現し、その苦難の中から主を呼び求めたということが書かれています。
そして呼び求めに答えられた主が、どのようにして、ダビデを救ってくださったかが、8節から20節にかけて歌われているのです。
サム下 22:8 主の怒りに地は揺れ動き/天の基は震え、揺らぐ。
サム下 22:9 御怒りに煙は噴き上がり/御口の火は焼き尽くし、炭火となって燃えさかる。
サム下 22:10 主は天を傾けて降り/密雲を足もとに従え
サム下 22:11 ケルビムを駆って飛び/風の翼に乗って現れる。
サム下 22:12 周りに闇を置き/暗い雨雲、立ち込める霧を幕屋とされる。
サム下 22:13 御前の輝きの中から炭火が燃え上がる。
サム下 22:14 主は天から雷鳴をとどろかせ/いと高き神は御声をあげられる。
サム下 22:15 主の矢は飛び交い/稲妻は散乱する。
サム下 22:16 主の叱咤に海の底は姿を現し/主の怒りの息に世界はその基を示す。
サム下 22:17 主は高い天から御手を伸ばしてわたしをとらえ/大水の中から引き上げてくださる。
サム下 22:18 敵は力があり/わたしを憎む者は勝ち誇っているが/なお、主はわたしを救い出される。
サム下 22:19 彼らが攻め寄せる災いの日/主はわたしの支えとなり
サム下 22:20 わたしを広い所に導き出し、助けとなり/喜び迎えてくださる。
この様にダビデが主に助けを求めると、主は怒りに燃えて答えてくださったのです。主の愛するダビデに逆らうものを憎んだのです。それは自然災害として現れました。大きな地震が起こり、山は火と煙を吐き溶岩は炭火のように流れ出し、雲と闇が立ちこもり風が吹き,稲妻が光り、雷鳴がとどろき、落雷は地に突き刺さりました。海では海の底が見えるほど波立ち、主は御手を伸ばして、その大水の中から溺れそうになっているダビデを救い出してくださったと言っています。敵がどんなに力があり、勝ち誇っていても、主はダビデを救い出してくださり、助けとなってくださったと賛美しています。例え敵が勝ち誇っていたとしても、なお、主はわたしを救い出されると賛美しているのです。
転
そしてダビデは、主がどうして私を救ってくださったのかを、自分が主のみ前に正しかったからだと言って、自分の正当性を語るのです。21節から31節です。
サム下 22:21 主はわたしの正しさに報いてくださる。わたしの手の清さに応じて返してくださる。
サム下 22:22 わたしは主の道を守り/わたしの神に背かない。
サム下 22:23 わたしは主の裁きをすべて前に置き/主の掟を遠ざけない。
サム下 22:24 わたしは主に対して無垢であろうとし/罪から身を守る。
サム下 22:25 主はわたしの正しさに応じて返してくださる。御目の前にわたしは清い。
サム下 22:26 あなたの慈しみに生きる人に/あなたは慈しみを示し/無垢な人には無垢に
サム下 22:27 清い人には清くふるまい/心の曲がった者には策略を用いられる。
サム下 22:28 あなたは貧しい民を救い上げ/御目は驕る者を引き下ろされる。
サム下 22:29 主よ、あなたはわたしのともし火/主はわたしの闇を照らしてくださる。
サム下 22:30 あなたによって、わたしは敵軍を追い散らし/わたしの神によって、城壁を越える。
サム下 22:31 神の道は完全/主の仰せは火で練り清められている。すべて御もとに身を寄せる人に/主は盾となってくださる。
この様に、ダビデは主がどうして自分を救ってくださるのかを自分を正当化してこう言います。主は、私が正しかったから、清かったから、主に背かなかったから、主の掟を守ったから、罪を犯さなかったから、私は救われたのだというのです。これは旧約の典型的な律法的な信仰です。新約の教えでは律法は、完全に実行することはできないので、いつまでも罪の中にいる。だから、イエスキリストの恵みによる救いによるしかないと教えられています。それでもダビデは言います。あなたは私の灯、私の闇を照らしてくださる、と言って主が導きであり希望であって、主のもとにあれば敵を追い散らし、乗り越えていけるとその信仰を語るのです。
そして再び、ダビデがどのように神様を信じているかを高らかに語っています。そしてその神様がどのように敵を滅ぼしてくださるかを語ります。32節から46節です
サム下 22:32 主のほかに神はない。神のほかに我らの岩はない。
サム下 22:33 神はわたしの力ある砦/わたしの道を完全にし
サム下 22:34 わたしの足を鹿のように速くし/高い所に立たせ
サム下 22:35 手に戦いの技を教え/腕に青銅の弓を引く力を帯びさせてくださる。
サム下 22:36 あなたは救いの盾をわたしに授け/自ら降り、わたしを強い者としてくださる。
サム下 22:37 わたしの足は大きく踏み出し/くるぶしはよろめくことがない。
サム下 22:38 敵を追い、敵を絶やし/滅ぼすまで引き返さず
サム下 22:39 彼らを餌食とし、打ち、再び立つことを許さない。彼らはわたしの足もとに倒れ伏す。
サム下 22:40 あなたは戦う力をわたしの身に帯びさせ/刃向かう者を屈服させ
サム下 22:41 敵の首筋を踏ませてくださる。わたしを憎む者をわたしは滅ぼす。
サム下 22:42 彼らは見回すが、助ける者は現れず/主に向かって叫んでも答えはない。
サム下 22:43 わたしは彼らを地の塵のように砕き/野の土くれのように踏みにじる。
サム下 22:44 あなたはわたしを民の争いから解き放ち/国々の頭としてくださる。わたしの知らぬ民もわたしに仕え
サム下 22:45 わたしのことを耳にしてわたしに聞き従い/敵の民は憐れみを乞う。
サム下 22:46 敵の民は力を失い、おののいて砦を出る。
この様に、ダビデはその信仰を告白し、賛美します。まず主の外に神はないと宣言します。そしてその神様は私たちのしっかりと立つ基の岩であり、自分達を守ってくださる砦であり、進むべき道を完全に整えてくださり、足を鹿のように速くしてくださって、高みにまで登らせてくださると言っています。そして、その力をもって、敵をどのように打ち倒し、滅ぼしていくかを喜び勇んで語っています。そしてそれらの国々の頭となり支配者となるであろうと言っているのです。
そして最後にまた、主を賛美して褒め称えます。そして願いをかなえてくださいと祈り、それが実現することを予言するのです。47節から51節です。
サム下 22:47 主は命の神。わたしの岩をたたえよ。わたしの救いの岩なる神をあがめよ。
サム下 22:48 わたしのために報復してくださる神よ/諸国の民をわたしの下においてください。
サム下 22:49 敵からわたしを救い/刃向かう者よりも高く上げ/不法の者から助け出してください。
サム下 22:50 主よ、国々の中で/わたしはあなたに感謝をささげ/御名をほめ歌う。
サム下 22:51 勝利を与えて王を大いなる者とし/油注がれた人を、ダビデとその子孫を/とこしえまで/慈しみのうちにおかれる。
この様に、最後にダビデは、人々に対して、主は命の神、神をたたえよ、神をあがめよと賛美を呼びかけます。そして神に願って、諸国の民を征服し、敵の脅威から救い助け出してくださいと祈ります。そしてまた繰り返すように、私はあなたに感謝をささげ、御名をほめ歌う、と言って感謝と賛美を捧げます。その後では預言するかのように、神が王に勝利を与え、ダビデの子孫に、とこしえまで慈しみを与えてくださると言います。この様にダビデは願い求めるときにはまず、神を賛美することから始めるのです。ダビデの力は、神をほめたたえるところからやってくるのです。
結
ダビデは、このように自分を守り導いてくださった神を賛美し、願いを捧げています。ダビデにとって本当に神様は岩のように確かな基だったのです。ダビデの歌はこのように進みます。
まずダビデは、神様が自分にとってどのような方であるかを信仰告白して賛美します。
そして神様の救いを得る前はどのような不安と恐れにあったのかを語り、その中で神様を呼び求めました。すると神様はどのような仕方で、救いを表わしてくださり敵を滅ぼしてくださったかを語ります。するとダビデは、どうして神様がダビデのようなものを救われたのかの理由を語ります。それはダビデが正しいものであり主に従い罪を犯さなかったからであると語ります。そしてまた、神を賛美し、神が敵を滅ぼしてくださることを語ります。そしてまた最後に神を賛美し、自分達がどのようになるかを予言します。この歌はこのように綴られているのです。すなわちこの歌は、賛美と救い、賛美と願いの繰り返しでつづられているのです。ダビデの力は、賛美の中から生まれるのです。
(一分間黙想)(お祈り)
ダビデは神様に祈りました。そして大きな力と導きを与えられて困難を乗り越えてきました。ですがその願いの時には、必ず神様を賛美することを忘れませんでした。一つ願うたびに、まず初めに神様を賛美するのです。神様、私たちも、願い求めて祈りますが、このような賛美が足りないことを知らされました。どうかまず賛美から始めさせてください。そうすれば、これらのものは添えて与えられることを悟らせてください。
この祈りを、主イエス・キリストの御名によって、お祈りいたします。アーメン
<<聖書の箇所(旧約聖書:◇サムエル記下)>>
◆ダビデの感謝の歌
サム下 22:1 ダビデは、主がすべての敵の手から、またサウルの手から彼を救い出された日に、次の言葉をもって主に歌をささげた。
サム下 22:2 主はわたしの岩、砦、逃れ場
サム下 22:3 わたしの神、大岩、避けどころ/わたしの盾、救いの角、砦の塔。わたしを逃れさせ、わたしに勝利を与え/不法から救ってくださる方。
サム下 22:4 ほむべき方、主をわたしは呼び求め/敵から救われる。
サム下 22:5 死の波がわたしを囲み/奈落の激流がわたしをおののかせ
サム下 22:6 陰府の縄がめぐり/死の網が仕掛けられている。
サム下 22:7 苦難の中から主を呼び求め/わたしの神を呼び求めると/その声は神殿に響き/叫びは御耳に届く。
サム下 22:8 主の怒りに地は揺れ動き/天の基は震え、揺らぐ。
サム下 22:9 御怒りに煙は噴き上がり/御口の火は焼き尽くし、炭火となって燃えさかる。
サム下 22:10 主は天を傾けて降り/密雲を足もとに従え
サム下 22:11 ケルビムを駆って飛び/風の翼に乗って現れる。
サム下 22:12 周りに闇を置き/暗い雨雲、立ち込める霧を幕屋とされる。
サム下 22:13 御前の輝きの中から炭火が燃え上がる。
サム下 22:14 主は天から雷鳴をとどろかせ/いと高き神は御声をあげられる。
サム下 22:15 主の矢は飛び交い/稲妻は散乱する。
サム下 22:16 主の叱咤に海の底は姿を現し/主の怒りの息に世界はその基を示す。
サム下 22:17 主は高い天から御手を伸ばしてわたしをとらえ/大水の中から引き上げてくださる。
サム下 22:18 敵は力があり/わたしを憎む者は勝ち誇っているが/なお、主はわたしを救い出される。
サム下 22:19 彼らが攻め寄せる災いの日/主はわたしの支えとなり
サム下 22:20 わたしを広い所に導き出し、助けとなり/喜び迎えてくださる。
サム下 22:21 主はわたしの正しさに報いてくださる。わたしの手の清さに応じて返してくださる。
サム下 22:22 わたしは主の道を守り/わたしの神に背かない。
サム下 22:23 わたしは主の裁きをすべて前に置き/主の掟を遠ざけない。
サム下 22:24 わたしは主に対して無垢であろうとし/罪から身を守る。
サム下 22:25 主はわたしの正しさに応じて返してくださる。御目の前にわたしは清い。
サム下 22:26 あなたの慈しみに生きる人に/あなたは慈しみを示し/無垢な人には無垢に
サム下 22:27 清い人には清くふるまい/心の曲がった者には策略を用いられる。
サム下 22:28 あなたは貧しい民を救い上げ/御目は驕る者を引き下ろされる。
サム下 22:29 主よ、あなたはわたしのともし火/主はわたしの闇を照らしてくださる。
サム下 22:30 あなたによって、わたしは敵軍を追い散らし/わたしの神によって、城壁を越える。
サム下 22:31 神の道は完全/主の仰せは火で練り清められている。すべて御もとに身を寄せる人に/主は盾となってくださる。
サム下 22:32 主のほかに神はない。神のほかに我らの岩はない。
サム下 22:33 神はわたしの力ある砦/わたしの道を完全にし
サム下 22:34 わたしの足を鹿のように速くし/高い所に立たせ
サム下 22:35 手に戦いの技を教え/腕に青銅の弓を引く力を帯びさせてくださる。
サム下 22:36 あなたは救いの盾をわたしに授け/自ら降り、わたしを強い者としてくださる。
サム下 22:37 わたしの足は大きく踏み出し/くるぶしはよろめくことがない。
サム下 22:38 敵を追い、敵を絶やし/滅ぼすまで引き返さず
サム下 22:39 彼らを餌食とし、打ち、再び立つことを許さない。彼らはわたしの足もとに倒れ伏す。
サム下 22:40 あなたは戦う力をわたしの身に帯びさせ/刃向かう者を屈服させ
サム下 22:41 敵の首筋を踏ませてくださる。わたしを憎む者をわたしは滅ぼす。
サム下 22:42 彼らは見回すが、助ける者は現れず/主に向かって叫んでも答えはない。
サム下 22:43 わたしは彼らを地の塵のように砕き/野の土くれのように踏みにじる。
サム下 22:44 あなたはわたしを民の争いから解き放ち/国々の頭としてくださる。わたしの知らぬ民もわたしに仕え
サム下 22:45 わたしのことを耳にしてわたしに聞き従い/敵の民は憐れみを乞う。
サム下 22:46 敵の民は力を失い、おののいて砦を出る。
サム下 22:47 主は命の神。わたしの岩をたたえよ。わたしの救いの岩なる神をあがめよ。
サム下 22:48 わたしのために報復してくださる神よ/諸国の民をわたしの下においてください。
サム下 22:49 敵からわたしを救い/刃向かう者よりも高く上げ/不法の者から助け出してください。
サム下 22:50 主よ、国々の中で/わたしはあなたに感謝をささげ/御名をほめ歌う。
サム下 22:51 勝利を与えて王を大いなる者とし/油注がれた人を、ダビデとその子孫を/とこしえまで/慈しみのうちにおかれる。