家庭礼拝 2023年12月1日 サムエル記下 19:16-44 ヨルダン川を渡る
起
今日の19章は、前回やった19章の後半になります。ここには三つの小見出しがあり、最初に「ヨルダン川を渡る。」次に「王とバルジライ」、そして最後は「イスラエルとユダ」となっています。多くの者がダビデは負けるだろうと思って、アブサロムについたのですが、それがダビデの方が勝ってしまったので、いろいろな思惑が動き出します。何とか自分たちの罪を許してもらい、自分達に有利な方にダビデをもっていきたいというような考えが渦巻いているのです。
イスラエルは南と北に分断されているところがあり、南はユダが中心であり、ダビデの出身母体です。サウルに追われていた時も、戻ってきて王になったのはこのユダ王国です。それに対して、北イスラエルは12部族の内の10の部族が集まっているところで、以前にダビデがイスラエルの統一王として存在していた時も一つのイスラエルというよりも、南と北のそれぞれの王国が一人の王ダビデを抱えていたという格好だったのです。ですからこの南と北の確執はなかなか難しいものがあったのです。一つの国の様で二つの国なのです。
ダビデ達がヨルダン川まで来ると多くの人がそれを迎えに来て歓迎し川を渡るのを助けようとするのです。このヨルダン川が国境の川となっていたのでこの川を渡ればイスラエルに入るということになります。まず迎えに来てたのはユダの人々で、以前に、ダビデが後れを取るなと言ってあったので、前もって準備してきていたのです。その近くの町にギルガルという町がありエリコの近くでもあります。そこに人々は集まってきたのです。
そこには何と、ダビデが逃亡しているときにダビデの列に向かって罵り、呪い、石まで投げて侮辱して回ったあのゲラの子シムイも来ていたのです。それは自分の犯した罪を許してもらい死罪をまぬかれるためだったのです。またサウルの従者ツィバも来ていました。ツィバはダビデに、メフィポシェトはダビデがいなくなった後の王座は、自分に帰ってくると言っていたと、噓を言って、ダビデに取り入ったので、ダビデはメフィポシェトの財産は全部お前のものにしてよいと言ったのですが、それが事実ではないことが後で分かったのです。というのもそこにはサウルのただ一人の生き残りの子孫メフィポシェトも来ていて、それはツィバが自分を中傷して、言ったことだと証言からでした。それでダビデは二人で財産を分け合うように言ったのですが、メフィポシェトはダビデ王が帰ってきてくださったのだから私は何もいらないと言いました。この様に、ダビデがいざイスラエルに戻ってくるとなるといろいろな人が自分の利益を守ろうとして迎えにやってきたのです。
見送る側では、バルジライという人がヨルダン川まで来ていました。この人はダビデがギレアドのマハナイムに逃亡して滞在している間、経済的にダビデの生活を支えてくれた人でした。それでダビデはバルジライに、エルサレムの私のもとに来ないか、あなたの面倒を見ようと言ったのです。するとバルジライはもう80才にもなって何年も生きられないから、代わりに息子のキムハムをあなたのお供をさせてくださいと言ったので、そのようになりました。
いざダビデがイスラエルに戻るとなると、今度は北イスラエルと南のユダで、王の奪い合いが始まりました。アブサロムがいる間はダビデの敵になっていたのですが、いなくなったら今度はダビデ王を奪い合う争いになったのです。北イスラエルは12部族の内10の部族までがいたので、自分達の方が上だと思っていました。ですがヨルダン川を渡る時にユダが先行して、助けたのでそのことが不満だったのです。そして王を呼び戻そうと言ったのは自分たちが早かったではないかと主張したのです。ですが、ユダの人々もそれに負けずに応酬したのです。ダビデはバランス感覚のある人だったので、この様な北と南の力関係をうまく利用して、イスラエルの統一を図っていったのです。
承
では、聖書に戻りましょう。最初はヨルダン川を渡る場面からです。16節から18節です。
サム下 19:16 王は帰途につき、ヨルダン川まで来た。ユダの人々は王を迎え、ヨルダン川を渡るのを助けようとして、ギルガルまで来ていた。
サム下 19:17 バフリム出身のあのベニヤミン人、ゲラの子シムイもユダの人々と共にダビデ王を迎えようと急いで下って来た。
サム下 19:18 シムイはベニヤミン族の千人を率いていた。サウル家の従者であったツィバは、十五人の息子と二十人の召し使いを率い、ヨルダン川を渡って、王の前に出た。
サム下 19:19 彼が渡し場を渡ったのは、王の目にかなうよう、渡るときに王家の人々を助けて川を渡らせるためであった。ゲラの子シムイは、王がヨルダン川を渡ろうとするとき、王の前にひれ伏し、
サム下 19:20 王に言った。「どうか、主君がわたしを有罪とお考えにならず、主君、王がエルサレムを出られた日にこの僕の犯した悪をお忘れください。心にお留めになりませんように。
サム下 19:21 わたしは自分の犯した罪をよく存じています。ですから、本日ヨセフの家のだれよりも早く主君、王をお迎えしようと下って参りました。」
この様にダビデがエルサレムに戻るためにヨルダン川まで来るといろいろな人が迎えに来ていました。それはヨルダン川を渡るのを手伝おうとして、近くのギルガルという所まで来ていたのです。その中で、ゲラの子シムイも本当は北イスラエルのベニヤミン人ですが、南のユダの人々と共にダビデ王を迎えようと急いで下ってきたのです。このシムイというのは16章5節に書かれているように、落ち延びていくダビデ達に対して、兵士たちが周りにいるにもかかわらず石を投げつけ、ダビデにこう言ったのです。
サム下 16:7 シムイは呪ってこう言った。「出て行け、出て行け。流血の罪を犯した男、ならず者。
サム下 16:8 サウル家のすべての血を流して王位を奪ったお前に、主は報復なさる。主がお前の息子アブサロムに王位を渡されたのだ。お前は災難を受けている。お前が流血の罪を犯した男だからだ。」
こう言ってダビデを侮辱し、石を投げつけ呪ったのです。ですから当然王に戻ったダビデに死刑の宣言をされてもおかしくはないのですが、命乞いをするためにいち早くダビデの元に来たのです。そしてダビデがヨルダン川を渡る前に対岸に行って、ダビデに許しを乞うたのです。このシムイと言うものは、ただのならず者かと思いましたが、ベニヤミン族の1000人を率いてきたのです。ですからそれなりの力あるものだったのです。ダビデは拠点をユダに置きましたが、出身はサウルと同じくベニヤミン族なのです。この命乞いに対してダビデはどう答えるでしょうか。
まず、このシムイの身勝手さに対して、部下が反応してこう言ったのです。22節から24節です。
サム下 19:22 ツェルヤの子アビシャイが答えた。「シムイが死なずに済むものでしょうか。主が油を注がれた方をののしったのです。」
サム下 19:23 だがダビデは言った。「ツェルヤの息子たちよ、ほうっておいてくれ。お前たちは今日わたしに敵対するつもりか。今日、イスラエル人が死刑にされてよいものだろうか。今日わたしがイスラエルの王であることを、わたし自身が知らないと思うのか。」
サム下 19:24 それからシムイに向かって、「お前を死刑にすることはない」と誓った。
この様に、まずツェルヤの子アビシャイが怒って、「シムイが死なずに済むものでしょうか。主が油を注がれた方をののしったのです。」と死刑にするように言ったのです。このアビシャイはダビデが都落ちをしてシムイに罵られた時も、「なぜあの死んだ犬に主君、王を呪わせておかれるのですか。行かせてください。首を切り落としてやります。」と言って、殺そうとしたのです。ですがダビデはシムイに対して寛容でした。罵られていた時も、「主がダビデを呪えとお命じになったのであの男は呪っているのだろう」と言って殺させはせず、今度も、「今日、イスラエル人が死刑にされてよいものだろうか。」と言って守り、「お前を死刑にすることはない」と誓ったのです。この様なところが将軍のヨアブとは全く違ったところなのです。ちなみにヨアブの弟もアビシャイですが、違う人です。
サウルの孫メフィボシェトもダビデの元にやってきてこう言いました。25節から31節です。
サム下 19:25 サウルの孫メフィボシェトも王を迎えに下って来た。彼は、王が去った日から無事にエルサレムに帰還する日まで、足も洗わず、ひげもそらず、衣服も洗わなかった。
サム下 19:26 彼が王を迎えに出ると、王は、「メフィボシェトよ、なぜお前はわたしに従って来なかったのか」と尋ねた。
サム下 19:27 彼は言った。「主君、王よ、僕に欺かれたのです。わたしは足が不自由ですから、ろばに鞍を置き、それに乗って王様に従って行こうと考えておりました。
サム下 19:28 ところがあの僕が主君、王にわたしのことを中傷したのです。しかし、主君、王は神の御使いのような方です。王の目に良いと映ることをなさってください。
サム下 19:29 父の家の者は皆、主君、王にとって死に値する者ばかりですのに、この僕を王の食卓に並ばせてくださったのです。この上、どのような権利があって王に助けを求めることができましょうか。」
サム下 19:30 王は言った。「もう自分のことを話す必要はない。わたしは命じる。お前とツィバで地所を分け合いなさい。」
サム下 19:31 メフィボシェトは王に言った。「主君、王が無事に王宮にお帰りになったのですから、すべてツィバのものとなってもかまいません。」
この様にメフィボシェトはダビデに従って行こうとしたのですが、それよりも先に僕のツィバがダビデのところに行って、メフィボシェトは王の位を狙っていると言ったために、ダビデはその財産をツィバに与えてしまったのです。そのために、ダビデのところに行くことが出来なかったと真相を語ったのです。それでも自分は許されないものだということをメフィボシェトは語ったのですが、ダビデは「もう自分のことを話す必要はない。わたしは命じる。お前とツィバで地所を分け合いなさい。」と、メフィボシェトもツィバも裁くことはなく許されたのです。ところが、メフィボシェトは「主君、王が無事に王宮にお帰りになったのですから、すべてツィバのものとなってもかまいません。」と、ダビデに対する忠誠のみを示したのですが、この後どうなったのかはわかりません。
転
さて、ダビデがヨルダン川を越えようとしているとき、出迎える人だけでなく、見送る人もいました。その人の名はバルジライと言いました。ダビデが都落ちして逃亡していた時に、その生活を経済的に支えていた人です。とても裕福な老人で、80歳を超えていました。その人にダビデはこう言ったのです。32節から40節です。
サム下 19:32 ギレアド人バルジライはヨルダン川で王を見送るためにロゲリムから下り、王と共にヨルダン川まで来ていた。
サム下 19:33 バルジライは高齢で八十歳になっていた。彼は大層裕福で、マハナイム滞在中の王の生活を支えていた。
サム下 19:34 王はバルジライに言った。「わたしと共に来てくれないか。エルサレムのわたしのもとであなたの面倒を見よう。」
サム下 19:35 バルジライは王に答えた。「王のお供をしてエルサレムに上りましても、わたしはあと何年生きられましょう。
サム下 19:36 わたしはもう八十歳になります。善悪の区別も知りません。この僕は何を食べ何を飲んでも味がなく、男女の歌い手の声も聞こえないのです。どうしてこの上主君、王の重荷になれましょう。
サム下 19:37 わたしにはお供をしてヨルダン川を渡ることさえほとんどできません。王はそれほどにお報いくださることはございません。
サム下 19:38 どうか僕が帰って行くのをお許しください。父や母の墓のあるわたしの町で死にたいのです。ここにあなたの僕キムハムがおります。これに主君、王のお供をさせますから、どうかあなたの目に良いと映るままにお使いください。」
サム下 19:39 王は言った。「キムハムにわたしと共に来てもらおう。キムハムには、お前の目に良いと映るとおりにしよう。お前にはお前の選ぶとおりにしよう。」
サム下 19:40 兵士全体がヨルダン川を渡り、王も渡った。王はバルジライに口づけして彼を祝福した。バルジライは自分の町に帰って行った。
この様に、ダビデが逃亡しマナハイムで生活しているときに、経済的に支えてくれる人もいたのです。大変世話になったので、ダビデはその人にエルサレムで面倒を見るから、一緒に来ないかと誘いましたが、もう年なので、このままいさせてくださいと言い、代わりに息子のキムハムを連れて行ってください。というと、ダビデはキムハムには私と共に来てもらおうと言い、バルジライには自分の決めたとおりにしようと言ったのです。ここでキムハムはあなたの僕キムハムとしか書いてありませんが、たぶん、バルジライの息子だと思います。
この様に、ヨルダン川の近くで、別れるもの、出迎えるものとの色々なあいさつを交わした後で、ダビデは対岸の町ギルガルに進みました。その時、ユダとイスラエルに王を奪い合うようないざこざが起こったのです。41節から44節です。
サム下 19:41 王はギルガルへ進んだ。キムハムも共に行き、ユダの全兵士もイスラエルの兵士の半分も王と共に進んだ。
サム下 19:42 イスラエルの人々は皆、王のもとに来て、王に言った。「なぜ我々の兄弟のユダの人々があなたを奪い取り、王と御家族が直属の兵と共にヨルダン川を渡るのを助けたのですか。」
サム下 19:43 ユダの人々はイスラエルの人々に答えた。「王はわたしたちの近親だからだ。なぜこの事で腹を立てるのだ。我々が王の食物を食べ、贈り物をもらっているとでも言うのか。」
サム下 19:44 イスラエルの人々はユダの人々に言い返した。「王のことに関して、わたしたちには十の持ち分がある。ダビデ王に対してもお前たちより多くの分がある。なぜわたしたちをないがしろにするのだ。わたしたちの王を呼び戻そうと言ったのはわたしたちが先ではないか。」しかし、ユダの人々の言葉はイスラエルの人々の言葉よりも激しかった。
この様にヨルダン川を渡って、ギルガルに行進するときに、ユダは全兵士が従い、イスラエルは半分の兵士が王と共に進んだのです。ユダが先に王のもとに行ったことも理由にあったのかもしれません。するとイスラエルの人々は王のもとに来て不満を言ったのです。それはどうして、ユダがあなたを先に奪い取ってヨルダン川を渡らせる大切な働きをさせたのですか。私たちもそうしたかったのですと言ったのです。イスラエルは、ユダに先を越されたのが悔しがったのです。するとユダの人々は、それは王は私たちの近親者だからだ。何故そんなことで腹を立てるのだ。私たちが特別なことでもしてもらっていると思うのかと言ったのです。するとイスラエルの人々はイスラエルには12部族の内の10部族がいて、ユダの2部族よりも多いではないか。それなのにどうしてイスラエルをないがしろにするのか、と言い合いが始まったのです。ダビデが両方の王ではあるが、実は北と南は別々の国のようなものであり、ダビデを共通の王として、バランスを取ってやっているようなものだったのです。ダビデもまたこのバランスをうまく利用して国を統治していたのです。
結
ダビデは無事にヨルダン川を渡り、イスラエルに戻りました。そこには自分を助けてくれた者、裏切ったもの、騙そうとしていたもの、侮辱していたものなどがいました。ダビデはそのどの人に対しても、厳しい裁きをすることなく、受け入れ感謝し新しい国づくりを進めていくのです。そこにはこの試練を与えたのが人間ではなく、神様が与えてくださった試練であるという認識があったのです。人を見るとき私達は恨んだり、復讐したりしようとしますが、神様を見ているときはそれらの出来事が神様の御業であることを知って、許すことが出来るのです。この様にして、ダビデは無事にイスラエルに入ることが出来ました。
(一分間黙想)(お祈り)
天の父なる神様。あなたはすべての出来事の背後にあって、その御業を行う方です。人が裏切ったり、呪ったり、反抗したりするそのことの出来事の中には、あなたのご計画と御業があることを思います。ダビデはその事を知っていました。どうか私達もすべてのことにあなたの御手の業を見出すことが出来ますように。そしてすべてを許し受け入れ、感謝して進むことが出来ますように。
この祈りを、主イエス・キリストの御名によって、お祈りいたします。アーメン
<<聖書の箇所(旧約聖書:◇サムエル記下)>>
◆ヨルダン川を渡る
サム下 19:16 王は帰途につき、ヨルダン川まで来た。ユダの人々は王を迎え、ヨルダン川を渡るのを助けようとして、ギルガルまで来ていた。
サム下 19:17 バフリム出身のあのベニヤミン人、ゲラの子シムイもユダの人々と共にダビデ王を迎えようと急いで下って来た。
サム下 19:18 シムイはベニヤミン族の千人を率いていた。サウル家の従者であったツィバは、十五人の息子と二十人の召し使いを率い、ヨルダン川を渡って、王の前に出た。
サム下 19:19 彼が渡し場を渡ったのは、王の目にかなうよう、渡るときに王家の人々を助けて川を渡らせるためであった。ゲラの子シムイは、王がヨルダン川を渡ろうとするとき、王の前にひれ伏し、
サム下 19:20 王に言った。「どうか、主君がわたしを有罪とお考えにならず、主君、王がエルサレムを出られた日にこの僕の犯した悪をお忘れください。心にお留めになりませんように。
サム下 19:21 わたしは自分の犯した罪をよく存じています。ですから、本日ヨセフの家のだれよりも早く主君、王をお迎えしようと下って参りました。」
サム下 19:22 ツェルヤの子アビシャイが答えた。「シムイが死なずに済むものでしょうか。主が油を注がれた方をののしったのです。」
サム下 19:23 だがダビデは言った。「ツェルヤの息子たちよ、ほうっておいてくれ。お前たちは今日わたしに敵対するつもりか。今日、イスラエル人が死刑にされてよいものだろうか。今日わたしがイスラエルの王であることを、わたし自身が知らないと思うのか。」
サム下 19:24 それからシムイに向かって、「お前を死刑にすることはない」と誓った。
サム下 19:25 サウルの孫メフィボシェトも王を迎えに下って来た。彼は、王が去った日から無事にエルサレムに帰還する日まで、足も洗わず、ひげもそらず、衣服も洗わなかった。
サム下 19:26 彼が王を迎えに出ると、王は、「メフィボシェトよ、なぜお前はわたしに従って来なかったのか」と尋ねた。
サム下 19:27 彼は言った。「主君、王よ、僕に欺かれたのです。わたしは足が不自由ですから、ろばに鞍を置き、それに乗って王様に従って行こうと考えておりました。
サム下 19:28 ところがあの僕が主君、王にわたしのことを中傷したのです。しかし、主君、王は神の御使いのような方です。王の目に良いと映ることをなさってください。
サム下 19:29 父の家の者は皆、主君、王にとって死に値する者ばかりですのに、この僕を王の食卓に並ばせてくださったのです。この上、どのような権利があって王に助けを求めることができましょうか。」
サム下 19:30 王は言った。「もう自分のことを話す必要はない。わたしは命じる。お前とツィバで地所を分け合いなさい。」
サム下 19:31 メフィボシェトは王に言った。「主君、王が無事に王宮にお帰りになったのですから、すべてツィバのものとなってもかまいません。」
◆王とバルジライ
サム下 19:32 ギレアド人バルジライはヨルダン川で王を見送るためにロゲリムから下り、王と共にヨルダン川まで来ていた。
サム下 19:33 バルジライは高齢で八十歳になっていた。彼は大層裕福で、マハナイム滞在中の王の生活を支えていた。
サム下 19:34 王はバルジライに言った。「わたしと共に来てくれないか。エルサレムのわたしのもとであなたの面倒を見よう。」
サム下 19:35 バルジライは王に答えた。「王のお供をしてエルサレムに上りましても、わたしはあと何年生きられましょう。
サム下 19:36 わたしはもう八十歳になります。善悪の区別も知りません。この僕は何を食べ何を飲んでも味がなく、男女の歌い手の声も聞こえないのです。どうしてこの上主君、王の重荷になれましょう。
サム下 19:37 わたしにはお供をしてヨルダン川を渡ることさえほとんどできません。王はそれほどにお報いくださることはございません。
サム下 19:38 どうか僕が帰って行くのをお許しください。父や母の墓のあるわたしの町で死にたいのです。ここにあなたの僕キムハムがおります。これに主君、王のお供をさせますから、どうかあなたの目に良いと映るままにお使いください。」
サム下 19:39 王は言った。「キムハムにわたしと共に来てもらおう。キムハムには、お前の目に良いと映るとおりにしよう。お前にはお前の選ぶとおりにしよう。」
サム下 19:40 兵士全体がヨルダン川を渡り、王も渡った。王はバルジライに口づけして彼を祝福した。バルジライは自分の町に帰って行った。
◆イスラエルとユダ
サム下 19:41 王はギルガルへ進んだ。キムハムも共に行き、ユダの全兵士もイスラエルの兵士の半分も王と共に進んだ。
サム下 19:42 イスラエルの人々は皆、王のもとに来て、王に言った。「なぜ我々の兄弟のユダの人々があなたを奪い取り、王と御家族が直属の兵と共にヨルダン川を渡るのを助けたのですか。」
サム下 19:43 ユダの人々はイスラエルの人々に答えた。「王はわたしたちの近親だからだ。なぜこの事で腹を立てるのだ。我々が王の食物を食べ、贈り物をもらっているとでも言うのか。」
サム下 19:44 イスラエルの人々はユダの人々に言い返した。「王のことに関して、わたしたちには十の持ち分がある。ダビデ王に対してもお前たちより多くの分がある。なぜわたしたちをないがしろにするのだ。わたしたちの王を呼び戻そうと言ったのはわたしたちが先ではないか。」しかし、ユダの人々の言葉はイスラエルの人々の言葉よりも激しかった。