家庭礼拝 2023年10月18日 サムエル記下 15:1-37 アブサロムの反逆
起
この15章から19章までは、三男のアブサロムが、父親のダビデ王に反逆しクーデターを起こして、父親を殺して王権を奪おうとした事件の話です。どうしてこんなことをしたのでしょうか。
このアブサロムはもともと権力意識が強く、自分が王になりたいという思いをずっと持っていたのだと思います。ですから、アムノンとタマルの事件にことよせて、王位継承者のアムノンを殺し、自分が王位継承者になろうとしたのだろうと思います。ですが、ダビデ王はアムノンを殺したアブサロムを処罰はしませんでしたが、しばらくはダビデ王の前に出ることを許しませんでした。この事がアブサロムにとっては自分が王位継承から外されているという思い込みにつながったのだと思います。ダビデ王はアブサロムに心をかけていたのですから、もしかするとアブサロムに王位を譲るつもりだったのかもしれません。
ですがアブサロムにはそのような父親の気持ちが分かりません。このアブサロムは思いこむと心のブレーキが効かなくなるタイプの人のようです。長男のアムノンに対しても、兄弟であるのに殺すところまで行ってしまい、それでもそのことに対し反省はありません。今度は自分の父親を殺そうとしてクーデターを起こすのです。相手が悪いと思い込むとそのまま突っ走ってしまうのです。
ただアブサロムは思い込みは激しいのですが、それを実行するときの計画性は冷静そのものなのです。アムノンを殺すときも二年待って、王子達を全員招待するという隠れ蓑を着て、その中で冷静にアムノンだけを殺すのです。今回のクーデターでも、まず最初に、民衆の歓心を自分の方に集めて人気を取り、父親のダビデはだめだからといううわさを流し、エルサレムに帰ってきてから4年後にこのクーデターを起こすのです。この時アブサロムはもう40歳になっていましたから、決して若くはなかったわけです。このクーデターが唐突ではなく用意周到に仕組まれていたことは、アブサロムにつくものの方がダビデにつくものよりもずっと多かったことからもわかります。アブサロムにはアヒトフェルと言うダビデの顧問をしていた重臣もいたのです。この人は、ソロモンの母であるバト・シェバの祖父に当たる人で、参謀として、その知恵が高く評価されていた人なのです。ですがその人がダビデを裏切ったことはダビデにとって衝撃的だったのです。民衆の心はアブサロムの方に傾き、ダビデの周りには外国人の傭兵だけが残って、他はみなアブサロムの方に行ってしまいました。これでは勝ち目がないと知ったダビデはエルサレム宮殿を捨てて逃げることにしたのです。
ダビデが逃げ去る時、ダビデは泣きました。そしてともに従ってきた人たちも泣きました。ダビデが泣いたのは自分を憐れんで泣いたのではないのです。自分の罪のためにこの様になってしまったことを泣いたのです。自分から神様が離れてしまったことを悔やんで泣いたのです。ここがダビデがほかの人と違う所なのです。誰でも罪を犯しますが、ダビデもその一人です。ですがダビデは自分が罪を犯したと知った時には素直に悔い改め神様に立ち返るのです。
ダビデは自分について来ようとする者たちの中には、自分についてこなくていいアブサロムの方に行きなさいと勧めることもあったのです。そして、こう言ったのです。25節と26節です。
サム下 15:25 王はツァドクに言った。「神の箱は都に戻しなさい。わたしが主の御心に適うのであれば、主はわたしを連れ戻し、神の箱とその住む所とを見せてくださるだろう。
サム下 15:26 主がわたしを愛さないと言われるときは、どうかその良いと思われることをわたしに対してなさるように。」
この時ダビデはすべてを神様に委ねていたのです。そして、私が主の御心に適うのであれば、主は私を連れ戻してくださり、主が私を愛さないと言われるときは、主が良いとされることをなさるようにと言ったのです。生きるも死ぬもすべて神に委ねたのです。ですから、従うものに対してもあなたたちはエルサレムに帰りなさいということが出来たのです。さてこの話はいったいどのような展開になるのでしょうか。
承
さてアブサロムの反逆の計画は着々と進められます。1節から6節です。
サム下 15:1 その後、アブサロムは戦車と馬、ならびに五十人の護衛兵を自分のために整えた。
サム下 15:2 アブサロムは朝早く起き、城門への道の傍らに立った。争いがあり、王に裁定を求めに来る者をだれかれなく呼び止めて、その出身地を尋ね、「僕はイスラエル諸部族の一つに属しています」と答えると、
サム下 15:3 アブサロムはその人に向かってこう言うことにしていた。「いいか。お前の訴えは正しいし、弁護できる。だがあの王の下では聞いてくれる者はいない。」
サム下 15:4 アブサロムは、こうも言った。「わたしがこの地の裁き人であれば、争い事や申し立てのある者を皆、正当に裁いてやれるのに。」
サム下 15:5 また、彼に近づいて礼をする者があれば、手を差し伸べて彼を抱き、口づけした。
サム下 15:6 アブサロムは、王に裁定を求めてやって来るイスラエル人すべてにこのようにふるまい、イスラエルの人々の心を盗み取った。
ここで、その後と言うのは、アブサロムがヨアブの麦畑に火をつけて騒ぎを起こして、ダビデ王とやっと顔を合わせることになったのちと言うことです。そのあとダビデと和解したのか、たびたび顔を合わせることが出来るようになったのかは書かれていません。ですが、その後アブサロムがとった行動には、もう父のもとで言いなりになるのはやめた、自分で行動するという態度が現れています。アブサロムはまず戦車と馬並びに50人の護衛兵を自分のために整えたと言います。これは反乱を起こすための兵力を蓄えていったということです。そのほかにもアブサロムは朝早く起きて、城門の道の傍らに立って、王の裁定を求めてくるものにその人たちの気に入るような話をして、ダビデを貶め、民衆の人気取りに励んだのです。この様に、兵力だけでなく、民衆の心をつかむことにも成功していたのです。ダビデはこの事に気が付かなかったのでしょうか。それとも甘く見ていたのでしょうか。
この様な準備をして4年後に、アブサロムはついにそのクーデターを実行することになるのです。7節から9節です。
サム下 15:7 四十歳になった年の終わりにアブサロムは王に願った。「主への誓願を果たすため、ヘブロンに行かせてください。
サム下 15:8 僕はアラムのゲシュルに滞在していたとき、もし主がわたしをエルサレムに連れ戻してくださるなら主に仕える、と誓いました。」
サム下 15:9 王が「平和に行って来るように」と言ったので、アブサロムは立ってヘブロンに向かった。
この様にこの時アブサロムは40歳になっていました。当時の寿命はそれほど長くはないでしょうから、アブサロムもあせっていたのかもしれません。ダビデ王に願って「主への誓願を果たすため、ヘブロンに行かせてください。僕はアラムのゲシュルに滞在していたとき、もし主がわたしをエルサレムに連れ戻してくださるなら主に仕える、と誓いました。」と言ったのです。アブサロムはヘブロンでクーデターを起こす計画でしたが、ダビデには主への請願を果たすためと言う信仰的な願いのために行ってくると言ったのです。それでダビデはそのことを許しました。
そしてその時が来たのです。10節から12節です。
サム下 15:10 アブサロムはイスラエルの全部族に密使を送り、角笛の音を合図に、「アブサロムがヘブロンで王となった」と言うように命じた。
サム下 15:11 このときエルサレムから二百人の者がアブサロムと共に出かけたが、招きに応じて同行しただけで、何も知らされてはいなかった。
サム下 15:12 いけにえをささげるにあたって、アブサロムは使いを送り、ダビデの顧問であるギロ人アヒトフェルを彼の町ギロから迎えた。陰謀が固められてゆき、アブサロムのもとに集まる民は次第に数を増した。
この様に、この時、角笛の音を合図に、「アブサロムがヘブロンで王となった」と言うように命じたのです。この事はイスラエルの全部族に密使を送って計画的に進められたのです。ですから、全部族の者たちは、このアブサロムのクーデターのことは知っていたのです。それでもそれが漏れて、事前に抑えられなかったのは、それに同調するものも多数いて、アブサロムの計画はかなりち密に進められていたことが分かります。このときエルサレムから200人の者が一緒に出掛けたのですが、そのことについては何も知らされておらず、ただついていったら、このクーデターのお先棒を担がされたのです。さらにダビデの側近中の側近であるダビデの顧問アヒトフェルを迎えることが出来たのです。ですからダビデの側近まで切り崩されていたことになります。このアヒトフェルはダビデの妻となったウリアの妻バト・シェバのおじいさんに当たる人です。ですから身内の人でもあるのです。そこまで裏切られるようになってしまったのです。この人は参謀として優秀な人でこの人の提言は外れることがないと評判だったのです。
転
このような状況の中で、その詳しい情報がダビデのもとに届き、イスラエル人の心はアブサロムに移っていると報告されました。13節から16節です。
サム下 15:13 イスラエル人の心はアブサロムに移っているという知らせが、ダビデに届いた。
サム下 15:14 ダビデは、自分と共にエルサレムにいる家臣全員に言った。「直ちに逃れよう。アブサロムを避けられなくなってはいけない。我々が急がなければ、アブサロムがすぐに我々に追いつき、危害を与え、この都を剣にかけるだろう。」
サム下 15:15 王の家臣たちは言った。「主君、王よ、僕たちはすべて御判断のとおりにいたします。」
サム下 15:16 こうして王は出発し、王宮の者が皆、その後に従った。王は王宮を守らせるために十人の側女を残した。
この様に、その報告を聞いて、ダビデは、エルサレムの家臣たちに、直ちに逃れよう。急がなければアブサロムがやってきて、この都で戦いが始まってしまう。そう言って逃げることにしたのです。王の家臣たちも、ダビデのご判断の通りにしますと言って従いました。城には10人の側女を残したということです。妻と子は連れていけても側女達までは連れていけなかったのだと思います。
ここからは一緒に逃げだした者たちへの、ダビデの思いと配慮が語られています。どのように配慮したのでしょうか。まずはガト人イタイからです。17節から23節です。
サム下 15:17 王が出発し、人々は皆、その後に従った。一行は、まず離宮のところで歩みを止めた。
サム下 15:18 家臣がまず王の傍らを通り、次いでクレタ人全員とペレティ人全員、それに続いてガトからダビデに従って来た六百人のガト人が王の前を通った。
サム下 15:19 王はガト人イタイに言った。「なぜあなたまでが、我々と行動を共にするのか。戻ってあの王のもとにとどまりなさい。あなたは外国人だ。しかもこの国では亡命者の身分だ。
サム下 15:20 昨日来たばかりのあなたを、今日我々と共に放浪者にすることはできない。わたしは行けるところへ行くだけだ。兄弟たちと共に戻りなさい。主があなたに慈しみとまことを示されるように。」
サム下 15:21 イタイは王に答えて言った。「主は生きておられ、わが主君、王も生きておられる。生きるも死ぬも、主君、王のおいでになるところが僕のいるべきところです。」
サム下 15:22 ダビデは、「よろしい、通って行きなさい」と言い、ガト人イタイは大人も子供も、共にいた者全員を率いて通った。
サム下 15:23 その地全体が大声をあげて泣く中を、兵士全員が通って行った。王はキドロンの谷を渡り、兵士も全員荒れ野に向かう道を進んだ。
この様に、王宮にいた人たちは、そこを去って避難し始めました。最初は王が出発したのですが、途中の離宮で王たちは止まり、先に他の者たちを行かせました。誰がついてきているのか確認しようとしたのかもしれません。そこを通り過ぎたのは最初に家臣が通り過ぎました。何人いるのかはわからないですが、数は少ないようです。クレタ人全員とペレティ人全員、それに続いてガトからダビデに従って来た六百人のガト人が王の前を通りました。これらはみんな外国人です。すから一緒についてきた人たちは多くが外国人であり、寄留者の人たちなのです。その中にガト人のイタイと言う人がいました。ダビデはその人に言いました。あなたは亡命者として昨日来たばかりなのだから、兄弟たちと一緒にもどりなさい。何も自分たちと一緒に放浪者になることはないと勧めたのです。ダビデはこのように、一緒に逃亡する必要のない人をチェックしていたのです。そして戻るように言ったのです。ところがイタイは「主は生きておられ、わが主君、王も生きておられる。生きるも死ぬも、主君、王のおいでになるところが僕のいるべきところです。」と言ったので、ダビデはわかったと言ってついてくることを許しました。イタイはともにいた者たちを全員引き連れてついて行ったのです。
そして次に従ってきたのはレビ人たちです。24節から29節です。
サム下 15:24 ツァドクをはじめレビ人全員が神の契約の箱を担いで来ており、兵士全員が都を去るまで神の箱を降ろしていた。アビアタルも来ていた。
サム下 15:25 王はツァドクに言った。「神の箱は都に戻しなさい。わたしが主の御心に適うのであれば、主はわたしを連れ戻し、神の箱とその住む所とを見せてくださるだろう。
サム下 15:26 主がわたしを愛さないと言われるときは、どうかその良いと思われることをわたしに対してなさるように。」
サム下 15:27 王は祭司ツァドクに向かって言葉を続けた。「分かったか。平和にエルサレムに戻ってもらいたい。息子のアヒマアツとアビアタルの子ヨナタン、この二人の若者を連れて帰りなさい。
サム下 15:28 分かったか。わたしはあなたたちからの知らせを受けるまで、荒れ野の渡し場で待っている。」
サム下 15:29 ツァドクとアビアタルは神の箱と共にエルサレムに戻り、そこにとどまった。
この様にレビ人たちは全員ダビデについてきたのです。しかも神の箱を担いでやってきたのです。するとダビデはその祭司ツァドクに対してこう言ったのです。「神の箱は都に戻しなさい。わたしが主の御心に適うのであれば、主はわたしを連れ戻し、神の箱とその住む所とを見せてくださるだろう。主がわたしを愛さないと言われるときは、どうかその良いと思われることをわたしに対してなさるように。」ダビデは神の箱は自分について来るよりもエルサレムにあるべきだと考えたのです。だから神の箱は都に戻しなさいと言われました。そして、もし私が主の御心に適うのであれば、私を連れ戻してくださり、拝むことが出来るだろう。もし主が私を愛さないと言われるときには主の御心のままになさってくださるようにと言って、たとえ良い結果になろうと悪い結果になろうとダビデはそれを受け入れるつもりでいて、すべてを神様に委ねる覚悟でいたのです。そして祭司ツァドクに、息子のアヒマアツとアビアタルの子ヨナタン、この二人の若者を連れて帰りなさいといいました。そしてツァドクには別の使命も与えました。それはエルサレムの状況をダビデに知らせるという使命でした。要するにスパイとしての働きです。この様にして祭司たちと神の箱はエルサレムに戻ったのです。ダビデはきっと、あまりに大勢の人なので、逃げ回るのは得策ではないと考えていたのではないかと思います。
次はフシャイと言う人の話です。この人はダビデの友としても語られており、ダビデの側近として働いていた人です。この人がどのような使命を帯びてエルサレムに入ったかを語っています。30節から37節です。
サム下 15:30 ダビデは頭を覆い、はだしでオリーブ山の坂道を泣きながら上って行った。同行した兵士たちも皆、それぞれ頭を覆い、泣きながら上って行った。
サム下 15:31 アヒトフェルがアブサロムの陰謀に加わったという知らせを受けて、ダビデは、「主よ、アヒトフェルの助言を愚かなものにしてください」と祈った。
サム下 15:32 神を礼拝する頂上の場所に着くと、アルキ人フシャイがダビデを迎えた。上着は裂け、頭に土をかぶっていた。
サム下 15:33 ダビデは彼に言った。「わたしと一緒に来てくれてもわたしの重荷になるだけだ。
サム下 15:34 都に戻って、アブサロムにこう言ってくれ。『王よ、わたしはあなたの僕です。以前、あなたの父上の僕でしたが、今からはあなたの僕です』と。お前はわたしのためにアヒトフェルの助言を覆すことができる。
サム下 15:35 都には祭司ツァドクとアビアタルもいて、お前と共に行動する。王宮で耳にすることはすべて祭司のツァドクとアビアタルに伝えてほしい。
サム下 15:36 また、そこには彼らの二人の息子も共にいる。ツァドクの息子アヒマアツ、アビアタルの息子ヨナタンだ。耳にすることは何でもこの二人を通してわたしのもとに伝えるようにしてくれ。」
サム下 15:37 こうしてダビデの友フシャイは都に入った。アブサロムもエルサレムに入城した。
この様に、ダビデはエルサレムを去り、オリーブ山の坂道を上る時、ダビデは頭を覆い、はだしで泣きながら登って行ったというのです。同行した兵士たちもみなそれぞれ頭を覆い、泣きながら登って行ったのです。泣きながら逃げていくという、負け犬のようなみじめな姿をどうしてあえてとったのでしょうか。自分たちのみじめさのために泣いたのでしょうか。これが普通の人ならそうかもしれませんがダビデの場合は違うと思うのです。ダビデは、はだしで泣きながらオリーブ山を登っているとき、彼の口には、主よ私を憐れんでください、私の罪をことごとく洗い、罪から清めてくださいと祈って泣いていたのだと思うのです。つまり泣いていたのは自分に対して泣いていたのではなく神様に対して憐れみを請うて泣いていたのだと思うのです。その途中で、アヒトフェルがアブサロムの陰謀に加わったという知らせを受けて、ダビデは、「主よ、アヒトフェルの助言を愚かなものにしてください」と祈ったというのです。このアヒトフェルはダビデの側近で、妻のバト・シェバのおじいさんでした。今度はアブサロムの側近になって助言するようになるのでその助言を愚かなものにしてくださいと祈ったのです。実はこの事はあとでわかるのですが、その事が実現する出来事が起こるのです。そのことを起こしたのが、頂上で待っていた、ダビデの側近の一人のアルキ人フシャイでした。フシャイは上着を裂き、頭に土をかぶって、悔やみの姿勢で待っていたのです。ダビデはフシャイに言いました。「わたしと一緒に来てくれてもわたしの重荷になるだけだ。都に戻って、アブサロムにこう言ってくれ。『王よ、わたしはあなたの僕です。以前、あなたの父上の僕でしたが、今からはあなたの僕です』と。お前はわたしのためにアヒトフェルの助言を覆すことができる。この様に、フシャイはダビデについて来るのではなくアブサロムの僕となって、アヒトフェルの助言を覆して、ダビデのために働いてほしいと言ったのです。この様にして、フシャイもまた祭司ツァドクと一緒にスパイとなってエルサレムでダビデのために働くのです。そして王宮で耳にしたことをその息子たちに伝えて私に知らせてくれと頼んだのです。
結
この様に、ダビデ達はアブサロムの用意周到なクーデターの計画によって、エルサレムから逃亡せざるを得ませんでした。ですが、ダビデは全部を連れていくのではなく、エルサレムに残すべきものを戻して、その様子を探らせ、自分に知らせる役目を与えたのです。ダビデはエルサレムを去る時、「わたしが主の御心に適うのであれば、主はわたしを連れ戻し、神の箱とその住む所とを見せてくださるだろう。主がわたしを愛さないと言われるときは、どうかその良いと思われることをわたしに対してなさるように。」とすべてを神に委ね、よきことも悪きことも神様の業として受け入れる覚悟をしたのです。そして、泣きながら、自分の罪を悔い改めつつ、その心は、神様のもとに帰っていったのです。
(一分間黙想)(お祈り)
ダビデは罪を犯さない人ではなく間違いを何度も犯しました。でもダビデの素晴らしいところは、それに気が付くと悔い改めて神の憐れみを請い、神様のもとに立ち返ることが出来た事です。そしてすべてを委ねて、神様の御心のままに従うことが出来ました。私たちも同じように罪を犯してしまう哀れな人間です。ですがどうかダビデのようにいつもあなたのもとに立ち返ることが出来ますように。そしてすべてを委ねて、あなたのみ旨に従うことが出来ますように。
この祈りを、主イエス・キリストの御名によって、お祈りいたします。アーメン
<<聖書の箇所(旧約聖書:◇サムエル記下)>>
◆アブサロムの反逆
サム下 15:1 その後、アブサロムは戦車と馬、ならびに五十人の護衛兵を自分のために整えた。
サム下 15:2 アブサロムは朝早く起き、城門への道の傍らに立った。争いがあり、王に裁定を求めに来る者をだれかれなく呼び止めて、その出身地を尋ね、「僕はイスラエル諸部族の一つに属しています」と答えると、
サム下 15:3 アブサロムはその人に向かってこう言うことにしていた。「いいか。お前の訴えは正しいし、弁護できる。だがあの王の下では聞いてくれる者はいない。」
サム下 15:4 アブサロムは、こうも言った。「わたしがこの地の裁き人であれば、争い事や申し立てのある者を皆、正当に裁いてやれるのに。」
サム下 15:5 また、彼に近づいて礼をする者があれば、手を差し伸べて彼を抱き、口づけした。
サム下 15:6 アブサロムは、王に裁定を求めてやって来るイスラエル人すべてにこのようにふるまい、イスラエルの人々の心を盗み取った。
サム下 15:7 四十歳になった年の終わりにアブサロムは王に願った。「主への誓願を果たすため、ヘブロンに行かせてください。
サム下 15:8 僕はアラムのゲシュルに滞在していたとき、もし主がわたしをエルサレムに連れ戻してくださるなら主に仕える、と誓いました。」
サム下 15:9 王が「平和に行って来るように」と言ったので、アブサロムは立ってヘブロンに向かった。
サム下 15:10 アブサロムはイスラエルの全部族に密使を送り、角笛の音を合図に、「アブサロムがヘブロンで王となった」と言うように命じた。
サム下 15:11 このときエルサレムから二百人の者がアブサロムと共に出かけたが、招きに応じて同行しただけで、何も知らされてはいなかった。
サム下 15:12 いけにえをささげるにあたって、アブサロムは使いを送り、ダビデの顧問であるギロ人アヒトフェルを彼の町ギロから迎えた。陰謀が固められてゆき、アブサロムのもとに集まる民は次第に数を増した。
サム下 15:13 イスラエル人の心はアブサロムに移っているという知らせが、ダビデに届いた。
サム下 15:14 ダビデは、自分と共にエルサレムにいる家臣全員に言った。「直ちに逃れよう。アブサロムを避けられなくなってはいけない。我々が急がなければ、アブサロムがすぐに我々に追いつき、危害を与え、この都を剣にかけるだろう。」
サム下 15:15 王の家臣たちは言った。「主君、王よ、僕たちはすべて御判断のとおりにいたします。」
サム下 15:16 こうして王は出発し、王宮の者が皆、その後に従った。王は王宮を守らせるために十人の側女を残した。
◆ダビデとイタイ
サム下 15:17 王が出発し、人々は皆、その後に従った。一行は、まず離宮のところで歩みを止めた。
サム下 15:18 家臣がまず王の傍らを通り、次いでクレタ人全員とペレティ人全員、それに続いてガトからダビデに従って来た六百人のガト人が王の前を通った。
サム下 15:19 王はガト人イタイに言った。「なぜあなたまでが、我々と行動を共にするのか。戻ってあの王のもとにとどまりなさい。あなたは外国人だ。しかもこの国では亡命者の身分だ。
サム下 15:20 昨日来たばかりのあなたを、今日我々と共に放浪者にすることはできない。わたしは行けるところへ行くだけだ。兄弟たちと共に戻りなさい。主があなたに慈しみとまことを示されるように。」
サム下 15:21 イタイは王に答えて言った。「主は生きておられ、わが主君、王も生きておられる。生きるも死ぬも、主君、王のおいでになるところが僕のいるべきところです。」
サム下 15:22 ダビデは、「よろしい、通って行きなさい」と言い、ガト人イタイは大人も子供も、共にいた者全員を率いて通った。
サム下 15:23 その地全体が大声をあげて泣く中を、兵士全員が通って行った。王はキドロンの谷を渡り、兵士も全員荒れ野に向かう道を進んだ。
◆ツァドク、アビアタルと神の箱
サム下 15:24 ツァドクをはじめレビ人全員が神の契約の箱を担いで来ており、兵士全員が都を去るまで神の箱を降ろしていた。アビアタルも来ていた。
サム下 15:25 王はツァドクに言った。「神の箱は都に戻しなさい。わたしが主の御心に適うのであれば、主はわたしを連れ戻し、神の箱とその住む所とを見せてくださるだろう。
サム下 15:26 主がわたしを愛さないと言われるときは、どうかその良いと思われることをわたしに対してなさるように。」
サム下 15:27 王は祭司ツァドクに向かって言葉を続けた。「分かったか。平和にエルサレムに戻ってもらいたい。息子のアヒマアツとアビアタルの子ヨナタン、この二人の若者を連れて帰りなさい。
サム下 15:28 分かったか。わたしはあなたたちからの知らせを受けるまで、荒れ野の渡し場で待っている。」
サム下 15:29 ツァドクとアビアタルは神の箱と共にエルサレムに戻り、そこにとどまった。
◆ダビデとフシャイ
サム下 15:30 ダビデは頭を覆い、はだしでオリーブ山の坂道を泣きながら上って行った。同行した兵士たちも皆、それぞれ頭を覆い、泣きながら上って行った。
サム下 15:31 アヒトフェルがアブサロムの陰謀に加わったという知らせを受けて、ダビデは、「主よ、アヒトフェルの助言を愚かなものにしてください」と祈った。
サム下 15:32 神を礼拝する頂上の場所に着くと、アルキ人フシャイがダビデを迎えた。上着は裂け、頭に土をかぶっていた。
サム下 15:33 ダビデは彼に言った。「わたしと一緒に来てくれてもわたしの重荷になるだけだ。
サム下 15:34 都に戻って、アブサロムにこう言ってくれ。『王よ、わたしはあなたの僕です。以前、あなたの父上の僕でしたが、今からはあなたの僕です』と。お前はわたしのためにアヒトフェルの助言を覆すことができる。
サム下 15:35 都には祭司ツァドクとアビアタルもいて、お前と共に行動する。王宮で耳にすることはすべて祭司のツァドクとアビアタルに伝えてほしい。
サム下 15:36 また、そこには彼らの二人の息子も共にいる。ツァドクの息子アヒマアツ、アビアタルの息子ヨナタンだ。耳にすることは何でもこの二人を通してわたしのもとに伝えるようにしてくれ。」
サム下 15:37 こうしてダビデの友フシャイは都に入った。アブサロムもエルサレムに入城した。