家庭礼拝 2023年8月30日 サムエル記下 9:1-13 ダビデとメフィポシェト

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起 

今日の聖書の箇所は、ダビデがサウル王家の子孫のメフィボシェトを寛大に扱い、サウルの家の所有であったものをすべて与えて、生活できるようにし、ダビデの王子の一人のように、ダビデの食卓で食事をすることが出来るようにしたと、いう麗しい話が語られています。

ふつうはどこの国であっても、王権が変わると、その王権にかかわる子孫は、全部皆殺しにするのが当たり前の時代です。日本でもそうでした。平家が最高の力を持っていた時、源氏の子孫の頼朝に情けをかけて、殺すことはせず、伊豆に島流しにしたのがあだになって、後に源氏の兵を起こして、平家を滅ぼすようなことが起こってしまうからです。

でもダビデはそうでなかったということがここでも語られているのです。ダビデはサウル家の誰にも自分から手をかけることはしませんでした。サウルも、その息子たちの多くもペリシテとの戦いで敗れて死んだし、そのあとアブネルの傀儡政権で王位を継いだイシュ・ボシェトはその側近の者に暗殺されたのであって、ダビデはこれらのことに一切かかわっていないことが強く強調されているのです。

そして今日は最後に残された直系の子孫の、ヨナタンの息子メフィボシェトを手厚く保護する話となるのです。果たして、サウル王家の子孫はこれで安泰となったのでしょうか。今日の学びをした最後に、サウル王家の傍系の子孫の人々がどうなったのかを含めて、まとめてみたいと思っています。

それでは1節から3節です。

サム下 9:1 ダビデは言った。「サウル家の者がまだ生き残っているならば、ヨナタンのために、その者に忠実を尽くしたい。」

サム下 9:2 サウル家に仕えていたツィバという名の者がダビデのもとに呼び出された。「お前がツィバか」と王が尋ねると、「僕でございます」と彼は答えた。

サム下 9:3 王は言った。「サウル家には、もうだれも残っていないのか。いるなら、その者に神に誓った忠実を尽くしたいが。」「ヨナタンさまの御子息が一人おられます。両足の萎えた方でございます」とツィバは王に答えた。

サウル家には直系の子孫だけでなく傍系の子孫もいるのですが、ダビデがここで、「サウル家の者がまだ生き残っているならば、ヨナタンのために、その者に忠実を尽くしたい。」と言っているのは、サウル家の直系の子孫がまだいるか、と言うことです。しかもその子孫がいるとすれば、ヨナタンの子孫しかいないということが分かって言っているような言葉なのです。

それではサウルの直系の者たちがどうなったかを振り返ってみましょう。サムエル記上の31章にペリシテ軍とのギルボア山での戦闘のことが書かれています。ここで、サウル自身とその息子、ヨナタン、アビナダブ、マルキ・シュアが殺されました。サウル自身は自害しました。サウルにはまだ息子がいました。その名をイシュ・ボシェトと言いサウルの4男で40歳近くになっていました。この息子はこの戦いに出ることはなく王宮にとどまっていたのです。あまり力のない息子だったからだと思います。サウルが死んで、ダビデがユダの王となると、サウルの軍の司令官アブネルはそのイシュ・ボシェトを立ててイスラエルの王としましたが、実権はアブネルが握っていました。ところがアブネルが暗殺されると、このイシュ・ボシェトも暗殺されてしまったのです。これでサウルの息子は全部死んでしまったのです。

次の直系はヨナタンの息子と言うことになります。それで、ダビデがここで、「サウル家の者がまだ生き残っているならば、ヨナタンのために、その者に忠実を尽くしたい。」と言っているのです。そこでサウル家に仕えていたツィバという名の者を呼び出して聞き出しました。この者ならばヨナタンの子供の消息を知っていると思ったのです。そしてこう聞きました。「サウル家には、もうだれも残っていないのか。いるなら、その者に神に誓った忠実を尽くしたいが。」するとそのツィバは「ヨナタンさまの御子息が一人おられます。両足の萎えた方でございます」と王に答えたのでした。この、ヨナタンの子供の消息は4章の4節にこう書かれています。

サム下 4:4 サウルの子ヨナタンには両足の萎えた息子がいた。サウルとヨナタンの訃報がイズレエルから届いたとき、その子は五歳であった。乳母が抱いて逃げたが、逃げようとして慌てたので彼を落とし、足が不自由になったのである。彼の名はメフィボシェトといった。

この様に、この子供はサウルとヨナタンが死んだと聞かされて、動転した乳母が逃げようとしたときに、この子供を落として、足を不自由にしてしまったのです。この事をダビデは聞き知っていたのだと思います。この子供に対して、ダビデは、その者に神に誓った忠実を尽くしたいと言っているのですが、この神に誓ったこととは、どのことでしょうか。それはサムエル記上の20章13節から16節にこう書かれています。これはサウルが、ダビデを殺そうと狙っていた時のことです。ヨナタンはこう言いました。

サム上 20:13 父が、あなたに危害を加えようと思っているのに、もしわたしがそれを知らせず、あなたを無事に送り出さないなら、主がこのヨナタンを幾重にも罰してくださるように。主が父と共におられたように、あなたと共におられるように。

サム上 20:14 そのときわたしにまだ命があっても、死んでいても、あなたは主に誓ったようにわたしに慈しみを示し、

サム上 20:15 また、主がダビデの敵をことごとく地の面から断たれるときにも、あなたの慈しみをわたしの家からとこしえに断たないでほしい。」

サム上 20:16 ヨナタンはダビデの家と契約を結び、こう言った。「主がダビデの敵に報復してくださるように。」

この様にサウルがダビデを殺そうとしていることをヨナタンはダビデに知らせ、逃がしてやるのです。ヨナタンには次の王となるのはダビデであることが分かっていたのです。ですからこの逃がしてやるときに、たとえ自分が生きていても死んでいても、ダビデが主に誓ったように私に慈しみを示して、サウルをも含めてダビデの敵をことごとく断たれるときでも、あなたの慈しみによって私の家を滅ぼし尽くさないでくれ、と言うことをダビデと契約をしたということです。

この時のヨナタンと交わした契約によって、ダビデは、ヨナタンの子供がいるなら、その者に神に誓った忠実を尽くしたい、と言ったのです。ダビデとヨナタンの友情はこのように強かったのです。

ダビデはさっそくその息子メフィボシェトを呼び寄せることにしました。4節から8節です。

サム下 9:4 王は「どこにいるのか」と問い、ツィバは王に、「ロ・デバルにあるアミエルの子マキルの家におられます」と答えた。

サム下 9:5 ダビデ王は人を遣わし、ロ・デバルにあるアミエルの子マキルの家から彼を連れて来させた。

サム下 9:6 サウルの子ヨナタンの子メフィボシェトは、ダビデの前に来るとひれ伏して礼をした。「メフィボシェトよ」とダビデが言うと、「僕です」と彼は答えた。

サム下 9:7 「恐れることはない。あなたの父ヨナタンのために、わたしはあなたに忠実を尽くそう。祖父サウルの地所はすべて返す。あなたはいつもわたしの食卓で食事をするように」とダビデが言うと、

サム下 9:8 メフィボシェトは礼をして言った。「僕など何者でありましょうか。死んだ犬も同然のわたしを顧みてくださるとは。」

ダビデはこのように、ツィバにメフィボシェトがどこにいるかを聞くとロ・デバルにいるというので、もしかすると、元の傀儡政権のイシュ・ボシェトの領域内にいたのかもしれません。ダビデの前に呼び出された、ヨナタンの子メフィボシェトは当然殺されると思ったでしょう。それが普通の時代だったからです。ダビデがメフィボシェトよと呼びかけても、恐れて、僕です、とへり下りました。するとダビデは、恐れることはない。あなたの父ヨナタンのために、わたしはあなたに忠実を尽くそう。祖父サウルの地所はすべて返す。あなたはいつもわたしの食卓で食事をするように」と言ったのです。殺されるどころか、サウルの財産をすべて返して、さらに自分の子供たちのように、いつもダビデの食卓で食事をすることが許されたのです。これは天国と地獄ほどの大きな違いで、メフィボシェトは驚いてこういったのです。「僕など何者でありましょうか。死んだ犬も同然のわたしを顧みてくださるとは。」メフィボシェトは本当にそう思っていたのだと思います。不具者であり、滅び去った王家の末裔などは死んだ犬も同然だと思ったのです。ですがどうしてこのような顧みを与えてくださるのでしょう、と驚いたのです。これはメフィボシェトに何かそれにふさわしいものがあるからではないのです。ダビデがその父ヨナタンと神の前で交わした契約によって、救われたのです。私たちが救われるのも、これと同じなのです。私たちに何かふさわしいものがあるのではないのです。神様がイエスキリストに約束されたことによって、イエスの命によって贖われたものとして、私たちに救いが与えられているのです。

ダビデはさっそく、ヨナタンの息子メフィボシェトに話したことを実行に移しました。9節から13節です。

サム下 9:9 王は、サウルの従者であったツィバを呼んで言った。「サウルとその家の所有であったものはすべてお前の主人の子息に与えることにした。

サム下 9:10 お前は、息子たち、召し使いたちと共に、その土地を耕して収穫をあげ、お前の主人の子息のために生計を立てよ。お前の主人の子息メフィボシェトは、いつもわたしの食卓で食事をすることになる。」ツィバには十五人の息子と二十人の召し使いがいた。

サム下 9:11 ツィバは王に答えた。「私の主君、王が僕にお命じになりましたことはすべて、僕が間違いなく実行いたします。」メフィボシェトは王子の一人のように、ダビデの食卓で食事をした。

サム下 9:12 メフィボシェトにはミカという幼い息子がいた。ツィバの家に住む者は皆、メフィボシェトの召し使いとなった。

サム下 9:13 メフィボシェトは王の食卓に連なるのが常のことであり、両足とも不自由なので、エルサレムに住んだ。

この様にダビデがその話を実行するにあたっては、サウルの従者であったツィバにこう命じたのでした。「サウルとその家の所有であったものはすべてお前の主人の子息に与えることにした。お前は、息子たち、召し使いたちと共に、その土地を耕して収穫をあげ、お前の主人の子息のために生計を立てよ。お前の主人の子息メフィボシェトは、いつもわたしの食卓で食事をすることになる。」この様に命じたのです。ツィバは息子と召使とで、サウルの持っていた土地を耕して、サウルの息子メフィボシェトのために生計を立てなさいと言ったのです。この息子と召使と言うのが意外と多く、息子は15人、召使が20人だというのですから、普通の従者と言うよりも、相当格式の高い従者のようです。これだけでも35人もいるのですから、何とかできそうです。サウルの従者ツィバは、ダビデ王がお命じになりましたことはすべて、僕が間違いなく実行いたします、と承諾しました。この様にして、ツィバの家に住む者は皆、メフィボシェトの召し使いとなり、メフィボシェトはツィバの家族によって養われ、食事は王の食卓に連なる人となったのです。このメフィボシェトにはミカと言う幼い息子がいたというのですから、もしかすると奥さんもいたかもしれません。

 メフィボシェトは、毎日王の食卓に連なるために、エルサレムに住む必要があり、両足とも悪いので、無理をせず、エルサレムに住むようになったのです。この様にして、サウルの子孫はダビデとヨナタンの契約をもとに残されることになりました。

これで一段落したわけですが、サウルの一族の話はこれで終わりかと思うと、実はまだ出てくるのです。この先のサムエル記下の21章のところで、これから3年後に飢饉が生じたときのことでした。ダビデが主に託宣を求めると、これはサウルがギブオン人を殺害したために起こった飢饉で、その責任によってこの様な問題が出たのだと言われたのです。これを聞いたダビデは、ギブオン人にどのように償えばよいかと言うと、ギブオン人たちは、私たちを滅ぼし尽くそうとしたあの男の子孫の中から、7人を私たちに渡してくださいと言ったのです。その時、ダビデが引き渡そうと言ったのは、アヤの娘リツパとサウルの間に生まれた二人の息子、アルモニとメフィボシェトそれと、サウルの娘ミカルとメホラ人バルジライの子アドリエルとの間に生まれた5人の息子をギブオン人に渡したのです。このようにサウルの子孫はまだまだいたのです。このサウルの娘ミカルと言うのはダビデと結婚したミカルではなく、サウルが最初にダビデに嫁がせると約束した長女メラブで、直前に反故にされて、メラブはメホラ人アドリエルに嫁がされたとサムエル記上の18章19節に書かれています。このサウルの長女の5人の息子が引き渡されたのです。これも悲しい運命です。ダビデと結婚できていればこの様にはならなかったのです。この様にして、サウルの傍系の子孫たちもまた、殺害されていったのです。

サウルの息子たちは皆死んでしまいました。そしてその娘たちに生まれた子供たちもまた、不思議な運命で殺されることになりました。ただ一人、ヨナタンの息子メフィボシェトだけが生きることを許され、ダビデの息子同然の形で王の食卓にも着くことが出来ました。なぜこのような恵みが与えられたのでしょうか。メフィボシェトも、「僕など何者でありましょうか。死んだ犬も同然のわたしを顧みてくださるとは。」と言って驚くのです。でもそれはメフィボシェトがそれにふさわしかったからではなく、ヨナタンとダビデの神の前での契約によって、その恵みが与えられたのです。そうでないものは生き延びることが出来なかったのです。

 

(一分間黙想)(お祈り)

天の父なる神様。私たちもこのメフィボシェトと同じように、僕など何ものでありましょうか。あなたが私を顧みてくださるとはと驚き仰ぎ見ます。それはイエス様が私たちのためにとりなしてくださり、私たちの救いのために血を流されたからでした。私たちはそのことによって、罪あるものであるにもかかわらず、神の子とされたのです。そのことを覚えて神様に感謝いたします。イエス様の恵みによって私たちが救われていることに喜びを覚え、感謝の祈りを捧げます。この祈りを、主イエス・キリストの御名によって、お祈りいたします。アーメン

 

<<聖書の箇所(旧約聖書:◇サムエル記下)>>  

 

◆ダビデとメフィボシェト

サム下 9:1 ダビデは言った。「サウル家の者がまだ生き残っているならば、ヨナタンのために、その者に忠実を尽くしたい。」

サム下 9:2 サウル家に仕えていたツィバという名の者がダビデのもとに呼び出された。「お前がツィバか」と王が尋ねると、「僕でございます」と彼は答えた。

サム下 9:3 王は言った。「サウル家には、もうだれも残っていないのか。いるなら、その者に神に誓った忠実を尽くしたいが。」「ヨナタンさまの御子息が一人おられます。両足の萎えた方でございます」とツィバは王に答えた。

サム下 9:4 王は「どこにいるのか」と問い、ツィバは王に、「ロ・デバルにあるアミエルの子マキルの家におられます」と答えた。

サム下 9:5 ダビデ王は人を遣わし、ロ・デバルにあるアミエルの子マキルの家から彼を連れて来させた。

サム下 9:6 サウルの子ヨナタンの子メフィボシェトは、ダビデの前に来るとひれ伏して礼をした。「メフィボシェトよ」とダビデが言うと、「僕です」と彼は答えた。

サム下 9:7 「恐れることはない。あなたの父ヨナタンのために、わたしはあなたに忠実を尽くそう。祖父サウルの地所はすべて返す。あなたはいつもわたしの食卓で食事をするように」とダビデが言うと、

サム下 9:8 メフィボシェトは礼をして言った。「僕など何者でありましょうか。死んだ犬も同然のわたしを顧みてくださるとは。」

サム下 9:9 王は、サウルの従者であったツィバを呼んで言った。「サウルとその家の所有であったものはすべてお前の主人の子息に与えることにした。

サム下 9:10 お前は、息子たち、召し使いたちと共に、その土地を耕して収穫をあげ、お前の主人の子息のために生計を立てよ。お前の主人の子息メフィボシェトは、いつもわたしの食卓で食事をすることになる。」ツィバには十五人の息子と二十人の召し使いがいた。

サム下 9:11 ツィバは王に答えた。「私の主君、王が僕にお命じになりましたことはすべて、僕が間違いなく実行いたします。」メフィボシェトは王子の一人のように、ダビデの食卓で食事をした。

サム下 9:12 メフィボシェトにはミカという幼い息子がいた。ツィバの家に住む者は皆、メフィボシェトの召し使いとなった。

サム下 9:13 メフィボシェトは王の食卓に連なるのが常のことであり、両足とも不自由なので、エルサレムに住んだ。