家庭礼拝 2023年7月26日 サムエル記下 4:1-12 イシュ・ボシェトの死
起
今日は、イスラエルの王イシュ・ボシェトの死について語られています。このイシュ・ボシェトはサウル王亡き後、イスラエルの司令官アブネルによって、立てられた傀儡政権のようなものです。アブネルはイスラエルの国をあきらめて、ダビデにその国家の統一を持ちかけました。そして、ほとんどその話が成立しようとしたときに、アブネルは殺されてしまったので、またイスラエルとユダの王ダビデとには溝が出来たのです。アブネルが生きていた時には、イシュ・ボシェトもイスラエル統一には賛成していたのですが、アブネルが死んで状況が変わったのでしょうか。いや、そうではなくて、イシュ・ボシェトはダビデと約束した国家統一には賛成していたのですが、その部下たちにはまだそのような考えが伝えられていなくて、また戦いが始まるかもしれないと恐れたその部下たちが、このイシュ・ボシェトの首をもっていけばイスラエルの王はいなくなるので、戦いなくして国家が統一されると思ったのかもしれません。
その様な考えを持った二人の略奪隊の長が、謀反を起こして、このイシュ・ボシェトを裏切って昼寝をしているときに暗殺し、その首をダビデのところにもっていったのです。この二人はそのことでダビデが喜んでくれると思い、褒美をくれると思っていたのです。ところが結果はその反対に殺されてしまうのです。この様なことは以前にもありました。サウルの首を持ってきたものが、褒美をもらえると思ったら、ダビデに、神が油を注がれた人に手をかけるとは何事だと怒られ、殺されてしまいました。この両方とも敵の王の首を持ってきたのに、褒められるどころか、逆に怒りを買って殺されてしまうのです。
このイシュボシェトを殺した者たちのやり方は、確かにダビデの潔いやり方とは違っていたので、ダビデの怒りを買うかもしれません。部下であるのに、その王の昼寝の時を狙って、その王を裏切って殺し、首を持ってきたから汚いやり方と言えます。サウル王の時は死にきれないで苦しんでいるサウル王から殺してくれと頼まれたから殺したと言ってはいたのですが、それが本当かどうかはわかりません。ダビデには神様が油を注がれた人に手を下してはいけないという考えが強くありました。そこには神様がすべてを良きように導いてくださるから、人が手を出すべきではないという考えがあるのです。
サウルの時も、このイシュ・ボシェトの時も、ダビデには人が悪い謀り事をしなくても神様はすべて導いてくださって、ダビデを王にしてくださるという確信があったのです。ですから人が勝手に手を出して、首をもってきて、喜んでくださいという必要はなかったのです。そのことをダビデは喜ばないということを、この人たちにはわからなかったのです。
いずれにしても、サウルもヨナタンも亡くなり、イシュ・ボシェトも亡くなり、司令官のアブネルも亡くなりました。ダビデは自分で手を下さずともひとりでに、全イスラエルの王に近づいていくのです。これが神様のやり方なのです。首を持って来た者たちは、結局自分が手柄を立てたと思っていたのですが、それは神様にうまく使われてしまっただけなのです。ダビデにはそれが見えていたので、欲で働いている人のすることにはあまり重きを置いていなかったのです。
途中の箇所に、ヨナタンの息子の両足の悪いメフィボシェトと言う人のことが突然出てきてそれだけで終わっています。ここで、この息子のことが出て来ているのはサウルの家系はまだ途絶えてはおらず、このヨナタンの息子がいるということを言っているのです。この息子のことについてはまた続きがあるのです。
承
では話を本題に戻しましょう。次は二人の略奪隊の長の話になります。1節から3節です。
サム下 4:1 アブネルがヘブロンで殺されたと聞いて、サウルの息子イシュ・ボシェトは力を落とし、全イスラエルはおびえた。
サム下 4:2 このサウルの息子のもとに二人の略奪隊の長がいた。名をバアナとレカブといい、共にベニヤミンの者で、ベエロトのリモンの息子であった。ベエロトもベニヤミン領と考えられるからである。
サム下 4:3 ベエロトの人々はかつてギタイムに逃げ、今日もそこに寄留している。
ここではまだアブネルが殺されたという事件が知らされたばかりでまだ何も起こっていません。イシュ・ボシェトはアブネルが殺されたことでひどく落胆はしましたが、自分が殺されるというような怯えは表していません。ダビデと話が通じていたからです。ですがそのことを知らない全イスラエルは怯えたのです。これでダビデ達が攻撃を仕掛けてくるのではないかと思ったからです。イシュ・ポシェトのもとには二人の略奪隊の長がいました。この二人が今回の主役になります。名をバアナとレカブと言いサウルやイシュ・ポシェトと同じベニヤミンの者です。ですから、イシュポシェトは安心して自分の近くに置いておいたのです。ですが、この二人はダビデとアブネルとイシュポシェトの計画はあまり知らなかったのかもしれません。他のイスラエル人同様、怯えていたのかもしれません。
この後に突然、ヨナタンの息子の話が挿入されています。あとの話の展開のためにわざわざ挿入されたようで、唐突な感じがします。4節です。
サム下 4:4 サウルの子ヨナタンには両足の萎えた息子がいた。サウルとヨナタンの訃報がイズレエルから届いたとき、その子は五歳であった。乳母が抱いて逃げたが、逃げようとして慌てたので彼を落とし、足が不自由になったのである。彼の名はメフィボシェトといった。
この様に、ヨナタンにはメフィポシェトと言う息子がいましたが、サウルとヨナタンが殺されたという知らせを聞いた時、乳母が5才のその子を抱いて逃げたときに慌てて落として、足が不自由になったということが書かれています。この事がわざわざここに書かれているのは、サウルの家系はイシュ・ポシェトで終わりではなく、このヨナタンの息子メフィポシェトもいるということを語ろうとしているのではないかと思います。
転
さて、話は本題に戻ります。この二人の側近がイシュ・ポシェトを裏切って殺し、ダビデのもとに行くのです。5節から8節です。
サム下 4:5 ベエロト人リモンの子レカブとバアナは、日盛りのころイシュ・ボシェトの家にやって来た。イシュ・ボシェトは昼寝をしていた。
サム下 4:6 レカブとその兄弟バアナは、小麦を受け取る振りをして家の中に入り、彼の下腹を突き刺して殺し、逃亡した。
サム下 4:7 すなわち、彼らが家に入ると、イシュ・ボシェトが寝室の寝床に横たわっていたので、二人は彼を突き刺して殺し、首をはねた。彼らはその首を携えてアラバへの道を夜通し歩き、
サム下 4:8 ヘブロンのダビデのもとに、その首を持参した。二人は王に言った。「御覧ください。お命をねらっていた、王の敵サウルの子イシュ・ボシェトの首です。主は、主君、王のために、サウルとその子孫に報復されました。」
この様に、二人の側近はお昼ごろ、イシュ・ポシェトが昼寝をしているときにその家にやってきました。あまり警護は固くなく、二人は給料に当たる小麦を受け取りに来たと言って、家の中に入り、イシュ・ポシェトのところに来ました。たぶんイシュ・ボシェトが自分からその小麦の分配を行っていたのだと思います。二人が来た時、イシュ・ボシェトは寝室のベットに横たわって寝ていたので、二人は彼を剣で突き刺して、殺し、首をはねました。そしてその首をもって、ヘブロンのダビデのところまで、夜通し歩いて、報告しに行ったのです。きっと、なにがしかの褒美にあずかれると思ったに違いありませんでした。そしてダビデにこう言ったのです。「御覧ください。お命をねらっていた、王の敵サウルの子イシュ・ボシェトの首です。主は、主君、王のために、サウルとその子孫に報復されました。」この二人は、ダビデはアブネルを殺したのだから、イシュ・ポシェトも殺したいと思っているに違いないと思っていたのです。そして誇らしげに、あなたを狙っていた敵の王の首ですと言って、主が、サウルとその子孫に報復されました、と言ったのです。この暗殺は主の報復だと言ったのです。
ところがダビデはそれを喜びませんでした。むしろその行為を憎んだのです。9節から12節です。
サム下 4:9 ダビデはベエロト人リモンの子レカブとその兄弟バアナに答えて言った。「あらゆる苦難からわたしの命を救われた主は生きておられる。
サム下 4:10 かつてサウルの死をわたしに告げた者は、自分では良い知らせをもたらしたつもりであった。だが、わたしはその者を捕らえ、ツィクラグで処刑した。それが彼の知らせへの報いであった。
サム下 4:11 まして、自分の家の寝床で休んでいた正しい人を、神に逆らう者が殺したのだ。その流血の罪をお前たちの手に問わずにいられようか。お前たちを地上から除き去らずにいられようか。」
サム下 4:12 ダビデの命令によって、従者は二人を殺して両手両足を切り落とし、ヘブロンの池のほとりで木につるした。イシュ・ボシェトの首はヘブロンに運ばれ、アブネルの墓に葬られた。
この様に二人の報告を聞いて、ダビデがまず言ったことは「あらゆる苦難からわたしの命を救われた主は生きておられる。」と言ったことです。それは、ダビデは主の御心を知っているということを言っているのです。この二人が、主がサウルとその子孫に報復された、と言うことを言ったので、そんなことはあるはずがない。私は生きておられる主を知っている、と言っているのです。そしてこういったのです。以前にはサウルの死を知らせに来て、良い知らせのつもりで語ったものを処刑した。まして、お前たちは自分の家で休んでいた正しい人を、殺したのだ、その流血の罪を問わずにはいられない。と言って、二人を殺し、両手両足を切り落とし、ヘブロンの池のほとりで、木に吊るされて、見せしめにされたのです。そして、イシュ・ポシェトの首はヘブロンに運ばれ、アブネルと同じ墓に鄭重に葬られたのです。
結
アブネルが殺されたということによって、イスラエルに動揺が起こり、いつ自分たちが攻められるのではないかと不安になった人たちのために、ダビデはそうでは無い、自分はアブネルを殺す意図はなかったということを示すために、鄭重な葬儀を行って、安心させようとしていたのです。イシュ・ポシェトはそれを理解していたので恐れを抱かなかったのですが、この側近の二人は他の人たちと同じように恐れて、イシュ・ポシェトを殺してダビデに報告すれば、戦いは起こらずに済み自分たちは褒美をもらえると思ったのでした。ですがダビデは自分にはそのような意図がないことを表し、その身の潔白を示すためにも、この二人を殺し、さらし者にしたのです。ダビデを支えていたのは、「あらゆる苦難からわたしの命を救われた主は生きておられる。」と言う確信でした。ですから、すべては主によって、守られ、人の手によって行われるものではないということを世に表したのです。
(一分間黙想)(お祈り)
天の父なる神様。ダビデはすべてのことは神様が正しく導いてくださるということを信じていました。ですから自ら手を下すことはせず、神様の御心を待ちました。ですが人は不安の中で、勝手にこれが主の御心だと決めつけて罪を犯します。神の御心を待つことが出来ないのです。どうか神様、私たちがどのような状況にありましてもあなたが必ず導きを与えてくださると信じて、あなたの御心を待つことが出来ますように。慌てて決めつけることがありませんようにお守りください。この祈りを、主イエス・キリストの御名によって、お祈りいたします。アーメン
<<聖書の箇所(旧約聖書:◇サムエル記下)>>
◆イシュ・ボシェトの死
サム下 4:1 アブネルがヘブロンで殺されたと聞いて、サウルの息子イシュ・ボシェトは力を落とし、全イスラエルはおびえた。
サム下 4:2 このサウルの息子のもとに二人の略奪隊の長がいた。名をバアナとレカブといい、共にベニヤミンの者で、ベエロトのリモンの息子であった。ベエロトもベニヤミン領と考えられるからである。
サム下 4:3 ベエロトの人々はかつてギタイムに逃げ、今日もそこに寄留している。
サム下 4:4 サウルの子ヨナタンには両足の萎えた息子がいた。サウルとヨナタンの訃報がイズレエルから届いたとき、その子は五歳であった。乳母が抱いて逃げたが、逃げようとして慌てたので彼を落とし、足が不自由になったのである。彼の名はメフィボシェトといった。
サム下 4:5 ベエロト人リモンの子レカブとバアナは、日盛りのころイシュ・ボシェトの家にやって来た。イシュ・ボシェトは昼寝をしていた。
サム下 4:6 レカブとその兄弟バアナは、小麦を受け取る振りをして家の中に入り、彼の下腹を突き刺して殺し、逃亡した。
サム下 4:7 すなわち、彼らが家に入ると、イシュ・ボシェトが寝室の寝床に横たわっていたので、二人は彼を突き刺して殺し、首をはねた。彼らはその首を携えてアラバへの道を夜通し歩き、
サム下 4:8 ヘブロンのダビデのもとに、その首を持参した。二人は王に言った。「御覧ください。お命をねらっていた、王の敵サウルの子イシュ・ボシェトの首です。主は、主君、王のために、サウルとその子孫に報復されました。」
サム下 4:9 ダビデはベエロト人リモンの子レカブとその兄弟バアナに答えて言った。「あらゆる苦難からわたしの命を救われた主は生きておられる。
サム下 4:10 かつてサウルの死をわたしに告げた者は、自分では良い知らせをもたらしたつもりであった。だが、わたしはその者を捕らえ、ツィクラグで処刑した。それが彼の知らせへの報いであった。
サム下 4:11 まして、自分の家の寝床で休んでいた正しい人を、神に逆らう者が殺したのだ。その流血の罪をお前たちの手に問わずにいられようか。お前たちを地上から除き去らずにいられようか。」
サム下 4:12 ダビデの命令によって、従者は二人を殺して両手両足を切り落とし、ヘブロンの池のほとりで木につるした。イシュ・ボシェトの首はヘブロンに運ばれ、アブネルの墓に葬られた。