家庭礼拝 2023年7月12日 サムエル記下 3:2-21 アブネル、ダビデの側につく
起
今日の聖書の箇所は、ユダの王となったダビデがイスラエルを統一して、全イスラエルの王となっていく過程を示す箇所となります。そこではイスラエルの将軍アブネルがダビデの側について、従う姿勢を示したために、争うことなく統一されることになるのです。何故そうなったかというと、傀儡政権の王イシュ・ポシェトとの仲違いがあったのです。アブネルとしては、こんな無能な王のもとにいるよりは、ダビデのもとに一つとなった方が自分のためにもイスラエルのためにも良いことだと判断したのでしょう。ダビデに使者を送って、協定を結んで、イスラエルを一つにすることにしたのです。
この話の前には、挿入されたように、ヘブロンで生まれたダビデの息子たちの話が出ています。もともとダビデの妻であったアヒノアムとアビガイルの外にも4人の女の人がおり、それぞれに一人ずつに子供を産ませて、全部で6人の息子がいたのです。ですがこの子供たちが成長すると、その中の3人の息子に悲惨なことが起こり、家庭が崩壊してしまうようなことが起こったのです。またダビデはイスラエルを統一した後はエルサレムに移り、そこで10人以上の息子と得ることになるのです。その中の一人のソロモンがダビデの後継者となって行くのです。
承
それでは最初に、ヘブロンで生まれたダビデの息子たちについて読んでみましょう。2節から5節までです。
サム下 3:2 ヘブロンで生まれたダビデの息子は次のとおりである。長男はアムノン、母はイズレエル人アヒノアム。
サム下 3:3 次男はキルアブ、母はカルメル人ナバルの妻アビガイル。三男はアブサロム、ゲシュルの王タルマイの娘マアカの子。
サム下 3:4 四男はアドニヤ、ハギトの子。五男はシェファトヤ、アビタルの子。
サム下 3:5 六男はイトレアム、母はダビデの妻エグラ。以上がヘブロンで生まれたダビデの息子である。
この様にダビデはヘブロンで多くの子供を設けましたが、ペリシテのアキシュに仕えているときは二人の妻アヒノアムとアビガイルを連れて移動しており、まだ子供はいませんでした。それがペリシテを去り、ユダのヘブロンに住むようになってから、この二人の妻に一人ずつ子供が出来ただけでなく、三男はゲシュルの王タルマイの娘にでき、四男はハギトにでき、五男はアビタルにでき六男はエグラにできました。ここで、六男の母エグラだけがダビデの妻と書かれているのが不思議です。この時の実質的な妻はエグラだったのでしょうか。この子供たちは順調に育ったのですが、成人となった時に美しい娘タマルの事件がありました。この時自分の妹で美しいタマルが辱められたと聞いたアブサロムがその相手アムノンを殺したためにアブサロムには悲劇が待っていたのです。このアブサロムは、イスラエルの中でアブサロムほど、その美しさをたたえられた男はなかった。足の裏から頭のてっぺんまで非の打ち所がなかったと言われ、ダビデにも愛された息子でしたが、その最後は悲惨なことになってしまうのです。それは次回にお話ししましょう。
転
イスラエルに二つの王家、サウル王家とダビデ王家が出来て戦いが続いていますが、いったいどうなるでしょうか。6節から11節です。
サム下 3:6 サウル王家とダビデ王家の戦いが続くうちに、サウル王家ではアブネルが実権を握るようになっていた。
サム下 3:7 アヤの娘でリツパという名の女がいた。この女はサウルの側女であった。ある日イシュ・ボシェトはアブネルに、「なぜ父の側女と通じたのか」と言った。
サム下 3:8 アブネルはイシュ・ボシェトの言葉に激しく怒って言った。「わたしをユダの犬どもの頭とでも言われるのですか。今日までわたしは、あなたの父上サウルの家とその兄弟、友人たちに忠実に仕えてきました。あなたをダビデの手に渡すこともしませんでした。それを今、あの女のことでわたしを罪に問おうとなさる。
サム下 3:9 主がダビデに誓われたことを、わたしがダビデのために行わないなら、神がこのアブネルを幾重にも罰してくださるように。
サム下 3:10 わたしは王権をサウルの家から移し、ダビデの王座をダンからベエル・シェバに至るイスラエルとユダの上に打ち立てる。」
サム下 3:11 イシュ・ボシェトはアブネルを恐れ、もはや言葉を返すこともできなかった。
この様に、サウル王家の王は力のないイシュ・ボシェトだったので、当然のように、司令官のアブネルが実権を握るようになりました。いや、これは最初からそうだったのです。ですが表立ってはそのようにふるまってはいなかったのですが、ある時、アブネルがイシュ・ボシェトにこう言われたのです。「なぜ父の側女と通じたのか」これに対して、アブネルは激しく怒りました。この話が本当なのか噂なのかはわかりません。ですが本当ならばアブネルは王権を狙ってその様なことをしたともとらえられるのです。アブネルは激しく反論し、「今日までわたしは、あなたの父上サウルの家とその兄弟、友人たちに忠実に仕えてきました。あなたをダビデの手に渡すこともしませんでした。それを今、あの女のことでわたしを罪に問おうとなさる。」と言って、忠実に仕えてきたのにどうしてそんなことを言うのかと怒ったのです。そして言ったことは、「主がダビデに誓われたことを、わたしがダビデのために行わないなら、神がこのアブネルを幾重にも罰してくださるように。」と言ったのです。アブネルは、主がダビデに誓われたことを、自分もダビデのためにすると言ったのです。その主が誓われたことというのは,
「王権をサウルの家から移し、ダビデの王座をダンからベエル・シェバに至るイスラエルとユダの上に打ち立てる。」ということでした。このアブネルという男はダビデにたてつく悪役の感じがしますが、もしかすると、主のご計画に心を砕き、イスラエルとユダの統一を推し進めようとしていたのかもしれません。それなのに、側女と通じたの、通じないの、というような志の低いことを言っているイシュ・ボシェトに愛想をつかしたようです。イシュ・ボシェトはアブネルの剣幕に恐れをなし、もはや言葉を返すこともできなかったのです。
アブネルはすぐに行動を起こしました。もうイスラエルを統一するときだと考えたのです。12節から13節です。
サム下 3:12 アブネルはダビデのもとに使者を送って言った。「この地を誰のものと思われますか。わたしと契約を結べば、あなたの味方となって全イスラエルがあなたにつくように計らいましょう。」
サム下 3:13 ダビデは答えた。「よろしい、契約を結ぼう。ただし、一つのことをわたしは要求する。すなわち、会いに来るときは、サウルの娘ミカルを必ず連れて来るように。さもなければ会いに来るには及ばない。」
この様に、イスラエルのアブネルはユダのダビデに、平和協定を結んで契約すれば、私はあなたの味方となって全イスラエルがあなたにつくように計らいましょうと提案したのです。この様な提案をダビデにしたのは、アブネルが王のイシュ・ボシェトに愛想をつかしただけでなく、イスラエルの人民もダビデにつきたいと願っていたからでした。それを妨げていたのはアブネルだけだったので、このような提案が出来たのです。また、アブネルがダビデに使者を送っていった「この地を誰のものと思われますか。」という言葉には、この地は神のものであり、神はあなたに王となることを許された。だから私は神に従います。ということを言おうとしたのだと思います。
これに対して、ダビデの回答はサウルの娘ミカルを連れてきたなら、契約を結ぼうということでした。このミカルというのは、ダビデがサウルに仕えていた時にペリシテ人を退治した褒美として、妻に与えられた人なのです。つまり、その妻を再び迎えれば自分がサウル王家を正当に引き継いだダビデ王家として立つことが出来るということを表しているのです。そうすれば国内の争いもなくなるだろうと考えているのです。
さて、ダビデのその回答の結果はどうなったでしょうか。不思議なことに、ダビデはサウルの子イシュ・ボシェトに使者を遣わし同じようなことを申し入れたのです。14節から16節です。
サム下 3:14 ダビデは、サウルの子イシュ・ボシェトに使者を遣わし、ペリシテ人の陽皮百枚を納めてめとった妻ミカルをいただきたい、と申し入れた。
サム下 3:15 イシュ・ボシェトは人をやって、ミカルをその夫、ライシュの子パルティエルから取り上げた。
サム下 3:16 パルティエルは泣きながらミカルを追い、バフリムまで来たが、アブネルに「もう帰れ」と言われて帰って行った。
この様にダビデは、イシュ・ボシェトに使者を遣わし、ペリシテ人の陽皮百枚を納めてめとった妻ミカルをいただきたい、と申し入れたのですが、これは王家のことなので、アブネルの一存で決められることではないので、正式に礼儀を尽くして王に申し入れたのだと思います。この事によって、アブネルの提案は正式に成立し、すでに別の夫と結婚していたミカルをその夫から取り上げて、ダビデのもとに送ったのです。この夫は突然のことに動揺し、泣きながらミカルの後を追ったのですが、アブネルにもう帰れと言われて追い払われてしまったのです。
この様に、イスラエルとユダの統一を積極的に推し進めたのはアブネルだったのです。アブネルはさらにイスラエルの内部の説得にも力を注ぎ、ユダのダビデとの交渉にも積極的に動いたのです。17節から21節です。
サム下 3:17 アブネルの言葉がイスラエルの長老たちに届いた。「あなたがたは、これまでもダビデを王にいただきたいと願っていた。
サム下 3:18 それを実現させるべき時だ。主はダビデに、『わたしは僕ダビデの手によって、わたしの民イスラエルをペリシテ人の手から、またすべての敵の手から救う』と仰せになったのだ。」
サム下 3:19 またアブネルは、ベニヤミンの人々とも直接話した後、イスラエルとベニヤミンの家全体との目に良いと映ったことについて直接ダビデに話そうと、ヘブロンのダビデのもとに行った。
サム下 3:20 アブネルは二十人の部下を連れてヘブロンのダビデのもとに着いた。ダビデは酒宴を催してアブネルとその部下をもてなした。
サム下 3:21 アブネルはダビデに言った。「わたしは立って行き、全イスラエルを主君である王のもとに集めましょう。彼らがあなたと契約を結べば、あなたはお望みのままに治めることができます。」
この様に、アブネルはイスラエルの長老たちに伝令を送って、あなた方も願っていたように、ダビデを王にするべき時が来たと連絡したのです。それは、主がダビデに、『わたしは僕ダビデの手によって、わたしの民イスラエルをペリシテ人の手から、またすべての敵の手から救う』と仰せになったのだからだ、と言ったのでした。またベニヤミンの人々に対しては敬意を払って直接赴き、説明しました。なぜかと言えば、ベニヤミンはサウル王の出身地であり、ダビデの出身地でもあるからです。そのあとアブネルはイスラエル全体にとって良いと思ったことを直接ダビデに話すために、20人の部下を連れて、ヘブロンのダビデのもとに行ったのです。ダビデはアブネルを信用し、酒宴を催して、アブネルとその部下をもてなしました。
結
この様にして、イスラエル統一の話はアブネルの努力と交渉によって、ほとんど成し遂げられるところまで来ました。ですが、このあとアブネルにとんでもないことが起こります。アブネルは、この場面では国を憂える立派な将軍に思えますが、今までやってきたことは必ずしも立派な事ばかりでないばかりか、イスラエルに傀儡政権を作って、ダビデと争った張本人だったのです。言ってみれば、力のないイシュ・ボシェト王の陰の王となり、あわゆくば、ダビデをも倒して自分がイスラエルの王になろうとしていたかもしれない男なのです。そのためにこの後とんでもない事件が起こるのです。それは次回の話となります。
(一分間黙想)(お祈り)
天の父なる神様、ダビデはサムエルに油注がれて、サウル王の後を継ぐことになっていましたが、イスラエルの司令官アブネルに妨げられていました。ですがアブネルが努力して、多くの人々と交渉し、ダビデがイスラエルの統一された王となるように働きかけました。そしてダビデと和解し、ダビデがそのイスラエル全体の王となりました。そこにはあなたのご計画と働きとがありました。アブネルはあなたに用いられて、そのような働きをしたのだと思います。あなたはすべての人を用いて導かれます。目に見える人の働きの後ろにあなたの導きの手があることを信じて歩ませてください。そのことを信じてあなたの御手に委ねて歩むことが出来ますように。
この祈りを、主イエス・キリストの御名によって、お祈りいたします。アーメン
<<聖書の箇所(旧約聖書:◇サムエル記下)>>
◆ヘブロンで生まれたダビデの息子
サム下 3:2 ヘブロンで生まれたダビデの息子は次のとおりである。長男はアムノン、母はイズレエル人アヒノアム。
サム下 3:3 次男はキルアブ、母はカルメル人ナバルの妻アビガイル。三男はアブサロム、ゲシュルの王タルマイの娘マアカの子。
サム下 3:4 四男はアドニヤ、ハギトの子。五男はシェファトヤ、アビタルの子。
サム下 3:5 六男はイトレアム、母はダビデの妻エグラ。以上がヘブロンで生まれたダビデの息子である。
◆アブネル、ダビデの側につく
サム下 3:6 サウル王家とダビデ王家の戦いが続くうちに、サウル王家ではアブネルが実権を握るようになっていた。
サム下 3:7 アヤの娘でリツパという名の女がいた。この女はサウルの側女であった。ある日イシュ・ボシェトはアブネルに、「なぜ父の側女と通じたのか」と言った。
サム下 3:8 アブネルはイシュ・ボシェトの言葉に激しく怒って言った。「わたしをユダの犬どもの頭とでも言われるのですか。今日までわたしは、あなたの父上サウルの家とその兄弟、友人たちに忠実に仕えてきました。あなたをダビデの手に渡すこともしませんでした。それを今、あの女のことでわたしを罪に問おうとなさる。
サム下 3:9 主がダビデに誓われたことを、わたしがダビデのために行わないなら、神がこのアブネルを幾重にも罰してくださるように。
サム下 3:10 わたしは王権をサウルの家から移し、ダビデの王座をダンからベエル・シェバに至るイスラエルとユダの上に打ち立てる。」
サム下 3:11 イシュ・ボシェトはアブネルを恐れ、もはや言葉を返すこともできなかった。
サム下 3:12 アブネルはダビデのもとに使者を送って言った。「この地を誰のものと思われますか。わたしと契約を結べば、あなたの味方となって全イスラエルがあなたにつくように計らいましょう。」
サム下 3:13 ダビデは答えた。「よろしい、契約を結ぼう。ただし、一つのことをわたしは要求する。すなわち、会いに来るときは、サウルの娘ミカルを必ず連れて来るように。さもなければ会いに来るには及ばない。」
サム下 3:14 ダビデは、サウルの子イシュ・ボシェトに使者を遣わし、ペリシテ人の陽皮百枚を納めてめとった妻ミカルをいただきたい、と申し入れた。
サム下 3:15 イシュ・ボシェトは人をやって、ミカルをその夫、ライシュの子パルティエルから取り上げた。
サム下 3:16 パルティエルは泣きながらミカルを追い、バフリムまで来たが、アブネルに「もう帰れ」と言われて帰って行った。
サム下 3:17 アブネルの言葉がイスラエルの長老たちに届いた。「あなたがたは、これまでもダビデを王にいただきたいと願っていた。
サム下 3:18 それを実現させるべき時だ。主はダビデに、『わたしは僕ダビデの手によって、わたしの民イスラエルをペリシテ人の手から、またすべての敵の手から救う』と仰せになったのだ。」
サム下 3:19 またアブネルは、ベニヤミンの人々とも直接話した後、イスラエルとベニヤミンの家全体との目に良いと映ったことについて直接ダビデに話そうと、ヘブロンのダビデのもとに行った。
サム下 3:20 アブネルは二十人の部下を連れてヘブロンのダビデのもとに着いた。ダビデは酒宴を催してアブネルとその部下をもてなした。
サム下 3:21 アブネルはダビデに言った。「わたしは立って行き、全イスラエルを主君である王のもとに集めましょう。彼らがあなたと契約を結べば、あなたはお望みのままに治めることができます。」