家庭礼拝 2023年5月10日 サムエル記上 25:1-44 サムエルの死(アビガイル)
起
この25章はサムエル記の中のサムエルの死があるので、小見出しにサムエルの死となっていますが、サムエルのことが書いてあるのはたった一節です。それ以外はダビデとナバルの妻アビガイルの話ですから、この小見出しはナバルの妻アビガイルとした方がよさそうです。しかしながら、このサウルとダビデの歴史を作ったのはこのサムエルなので、その死のことを大きく取り上げているものと思われます。サムエルの晩年はどうであったのかは全く分かりません。せめて逃げ回っているダビデに何か言葉をかけてくれればよかったのですが、それもありません。ですからサムエルの晩年はほとんど寝たきりで何もできなかったのかもしれません。でもその生涯はイスラエルに新しい王国を作った人として、国中の尊敬を集めていたのです。
今日の話は、ナバルという金持ちとその妻アビガイルのことが中心です。ナバルという人は大変な資産家で、羊三千匹、山羊千匹を持っていたと言います。ですがとても素性の悪い人で、物事をうまく理解できない人だったのです。一方その妻アビガイルは美しくて賢い女性でした。ダビデ達は自分たちの兵糧を賄うのに、このような資産家の財産を武力で守ってあげて、その見返りにお金や食料を捧げてもらうということをしていたのですが、この時も、ナバルに礼を尽くして、自分たちに捧げものをしてくれないかと頼んだのです。ところがこのナバルという人は状況の理解できない人で、その依頼に来たダビデの使いを侮辱し、追い返したのです。それを聞いたダビデは怒って、このナバルの者たちを一人残らず殺して、財産を奪い取ろうとしたのです。それはダビデにとって簡単にできることだったのです。そのことを恐れた、ナバルの召使がナバルの妻アビガイルに話すと、それは大変なことになると察知し、夫には相談せずに、ダビデに捧げるたくさんの食料や葡萄酒や果物を何頭かのロバに積んで、ダビデのもとに出発したのです。
まさにダビデは剣を帯びて、ナバルの者たちを皆殺しにしようと出かけたところでした。そこにアビガイルは多くの食料をもってダビデの前に現れ、そしてダビデの前にひれ伏して、どうかこの品物を受け取ってください。あのならず者のナバルのことなど問題にしないでください。主は必ずあなたのために確固とした家を興してくださいます。あなたは主の戦いをたたかわれる方で、生涯、悪いことがあなたを襲うことはございませんから。と言って、ダビデをたたえ、ダビデに捧げものをしたのです。この事によってダビデはナバルの家を襲うことをやめました。ダビデはアビガイルにこう答えました。「イスラエルの神、主はたたえられよ。主は、今日、あなたをわたしに遣わされた。あなたの判断はたたえられ、あなたもたたえられよ。わたしが流血の罪を犯し、自分の手で復讐することを止めてくれた。」ダビデは、自分もまた怒りに駆られて、流血の罪を犯してしまう所だったのを、このアビガイルの判断によって、それをとどめることが出来たことを、主に感謝し、主とアビガイルは称えられよと賛美したのです。
旧約聖書には、このような信仰深い賢い女性が時々出てきて、大きな働きをします。アビガイルが信仰によってどんな働きをし、災いのもととなったナバルがどのようになったのかを聖書に聞いてみたいと思います。
承
まずは、サムエルの死について、一言語られます。1節です。
サム上 25:1 サムエルが死んだので、全イスラエルは集まり、彼を悼み、ラマにある彼の家に葬った。ダビデは立ってパランの荒れ野に下った。
サムエルはサウルを王に立てる前はイスラエルの代表者であったのですから、その死は国葬のような感じで、全イスラエルが集まってその死を悼みました。そしてラマにある彼の家に葬ったのです。きっとサウルも参加したのだと思います。ですが、ダビデはそこに一緒になれるはずはありませんから、パランの荒れ野を移動していて、その話を聞いたのだと思います。どうしてサムエルの死の話がこのような短い一節だけなのか不思議な気がします。ここにもいろいろなドラマがあるのかもしれません。
さていよいよ本題のナバルとその妻アビガイルの話です。今日の箇所は長いので、要約して、大切な事だけを取り上げたいと思います。
では事の発端とナバルという男についてです。2節から8節です。
サム上 25:2 一人の男がマオンにいた。仕事場はカルメルにあり、非常に裕福で、羊三千匹、山羊千匹を持っていた。彼はカルメルで羊の毛を刈っていた。
サム上 25:3 男の名はナバルで、妻の名はアビガイルと言った。妻は聡明で美しかったが、夫は頑固で行状が悪かった。彼はカレブ人であった。
サム上 25:4 荒れ野にいたダビデは、ナバルが羊の毛を刈っていると聞き、
サム上 25:5 十人の従者を送ることにして、彼らにこう言った。「カルメルに上り、ナバルを訪ね、わたしの名によって安否を問い、
サム上 25:6 次のように言うがよい。『あなたに平和、あなたの家に平和、あなたのものすべてに平和がありますように。
サム上 25:7 羊の毛を刈っておられると聞きました。あなたの牧童は我々のもとにいましたが、彼らを侮辱したことはありません。彼らがカルメルに滞在していた間、無くなったものは何もないはずです。
サム上 25:8 あなたの従者に尋ねてくだされば、そう答えるでしょう。わたしの従者が御厚意にあずかれますように。この祝いの日に来たのですから、お手もとにあるものを僕たちと、あなたの子ダビデにお分けください。』」
ここに書いてあるようにナバルは非常に裕福で美しい賢い妻を持っていましたが、夫は頑固で尊大であまり振る舞いの良い人ではなかったのです。そのナバルが羊の毛を刈っていると聞いたダビデは10人の従者を送ることにしたのです。羊の毛を刈ることがいったいこの話とどんな関係があるのかと思われるでしょうが、これは収穫祭と同じような意味があるのです。この様な羊の毛を刈る時期には祝宴を設けて、多くの人に振る舞いをすることが多いのです。ですから、ダビデは羊の毛を刈っていると聞いたナバルのところに、10人の従者を送って、ナバルに鄭重に挨拶し、自分たちがあなたたちに何の危害も加えず乱暴もせず、共に平和に暮らしていたことを告げるように言ったのです。そしてこのようなお目出たい祝いの日ですから、お手元にあるものを僕たちとダビデに分け与えてくださいませんでしょうかと、腰を低くしてお願いしてきなさいと命じました。実はダビデ達は、このナバルの牧童たちと一緒にその財産を守っていたという自負があったので、当然お礼としてもらえると思っていたのです。
この様に指示された従者たちは、ナバルのところに行ってそのことを告げ答えを待ちました。9節から12節です。
サム上 25:9 ダビデの従者は到着すると、教えられたとおりダビデの名によってナバルに告げ、答えを待った。
サム上 25:10 ナバルはダビデの部下に答えて言った。「ダビデとは何者だ、エッサイの子とは何者だ。最近、主人のもとを逃げ出す奴隷が多くなった。
サム上 25:11 わたしのパン、わたしの水、それに毛を刈る者にと準備した肉を取って素性の知れぬ者に与えろというのか。」
サム上 25:12 ダビデの従者は道を引き返して帰り着くと、言われたままをダビデに報告した。
この様に、ダビデの従者の話を聞いたナバルはダビデとは何者だ、どうしてそんな奴らに自分の準備した肉やパンを上げなければらならいのかと侮辱したのです。そして何も与えずに帰したので、従者たちはそのことをダビデに報告しました。ナバルはダビデがどのような人でありどのような力を持っているのかを全く理解しておらず、自分の物が取られると思って、けちな考えを起こしたようです。
この報告を聞いたダビデは怒りました。そしてナバルの者たちを皆殺しにしようと考えました。13節から17節です。
サム上 25:13 ダビデは兵に、「各自、剣を帯びよ」と命じ、おのおの剣を帯び、ダビデも剣を帯びた。四百人ほどがダビデに従って進み、二百人は荷物のところにとどまった。
サム上 25:14 ナバルの従者の一人がナバルの妻アビガイルに報告した。「ダビデは、御主人に祝福を述べようと荒れ野から使いをよこしたのに、御主人は彼らをののしりました。
サム上 25:15 あの人たちは実に親切で、我々が野に出ていて彼らと共に移動したときも、我々を侮辱したりせず、何かが無くなったこともありません。
サム上 25:16 彼らのもとにいて羊を飼っているときはいつも、彼らが昼も夜も我々の防壁の役をしてくれました。
サム上 25:17 御主人にも、この家の者全体にも、災いがふりかかろうとしている今、あなたが何をなすべきか、しっかり考えてください。御主人はならず者で、だれも彼に話しかけることができません。」
ここで、この話のもう一人の隠れた貢献者が登場します。それはナバルの従者の一人です。ダビデが報告を聞いて怒り、400人ほどを引き連れてナバルの家を襲おうとしていた時のことです。この従者はその危険な状況をナバルにではなく、その妻アビガイルに報告しました。ナバルはならず者で、誰も彼に話しかけることが出来ず恐れていたからです。一方その妻は賢く人の話を聞きよく判断できる人だったからです。その従者はこう言いました。ダビデはご主人に祝福をのべようとして、使いをよこしたのに、ご主人は彼らを罵りました。あの人たちはいつも親切にしてくれました。そして、あの人たちがいるときには夜も昼も私たちを守ってくださいました。そのような人を侮辱したので、今この家の者全体に災いが降りかかろうとしています。どうかあなたが今どうしたらよいかよく考えてください、と言ったのです。この従者の進言で、妻のアビガイルは正しい判断をすることが出来たのです。
アビガイルは夫のナバルには相談せず、自分でどうすべきかを考えて準備しました。18節から22節です。
サム上 25:18 アビガイルは急いで、パンを二百、ぶどう酒の革袋を二つ、料理された羊五匹、炒り麦五セア、干しぶどう百房、干しいちじくの菓子を二百取り、何頭かのろばに積み、
サム上 25:19 従者に命じた。「案内しなさい。後をついて行きます。」彼女は夫ナバルには何も言わなかった。
サム上 25:20 アビガイルが、ろばに乗って山陰を進んで行くと、向こうからダビデとその兵が進んで来るのに出会った。
サム上 25:21 ダビデはこう言ったばかりであった。「荒れ野で、あの男の物をみな守り、何一つ無くならぬように気を配ったが、それは全く無益であった。彼は善意に悪意をもって報いた。
サム上 25:22 明日の朝の光が射すまでに、ナバルに属する男を一人でも残しておくなら、神がこのダビデを幾重にも罰してくださるように。」
この様にアビガイルは夫には黙って、自分でダビデに捧げる食料や葡萄酒、果物などをラクダに積み込んで、出発したのです。そしてダビデとその兵が進んでくるのに出会ったのです。その時ダビデはとても怒っていました。自分たちは誠意をもって、対応し、善意をもって、彼らを守ってきたのに、あの男はそれに悪意をもって報いた。明日の朝までに、ナバルの属する男を皆殺しにしないなら、神がこのダビデを幾重にも罰してくださるようにと、誓っていたのです。
転
その様なダビデに出会って、アビガイルは急いでロバを下りてひれ伏し、とても長い釈明をしました。23節から31節までですが、そのほとんどがアビガイル語った言葉となります。
サム上 25:23 アビガイルはダビデを見ると、急いでろばを降り、ダビデの前の地にひれ伏し礼をした。
サム上 25:24 彼女はダビデの足もとにひれ伏して言った。「御主人様、わたしが悪うございました。お耳をお貸しください。はしための言葉をお聞きください。
サム上 25:25 御主人様が、あのならず者ナバルのことなど気になさいませんように。名前のとおりの人間、ナバルという名のとおりの愚か者でございます。はしためは、お遣わしになった使者の方々にお会いしてはいないのです。
サム上 25:26 主は生きておられ、あなた御自身も生きておられます。あなたを引き止め、流血の災いに手を下すことからあなたを守ってくださったのは主です。あなたに対して災難を望む者、あなたの敵はナバルのようになりましょう。
サム上 25:27 ここにある物は、はしためが持参した贈り物でございます。お足もとに仕える従者にお取らせくださいますように。
サム上 25:28 どうかはしための失礼をお許しください。主は必ずあなたのために確固とした家を興してくださいます。あなたは主の戦いをたたかわれる方で、生涯、悪いことがあなたを襲うことはございませんから。
サム上 25:29 人が逆らって立ち、お命をねらって追い迫って来ても、お命はあなたの神、主によって命の袋に納められ、敵の命こそ主によって石投げ紐に仕掛けられ、投げ飛ばされることでございましょう。
サム上 25:30 また、主が約束なさった幸いをすべて成就し、あなたをイスラエルの指導者としてお立てになるとき、
サム上 25:31 いわれもなく血を流したり、御自分の手で復讐なさったことなどが、つまずきや、お心の責めとなりませんように。主があなたをお恵みになるときには、はしためを思い出してください。」
この様にダビデと出会ったアビガイルは、ロバからすぐに降りて地にひれ伏しました。そしてすぐに私が悪うございましたと謝罪したのです。アビガイルはダビデの使者と話をしたわけではなく自分が悪いというようなことは何もしていないのですが、まず、自分が悪かったと謝ったのです。そして、夫のナバルの言ったことなど気にしないでください。と言って、使者を追い返した夫を愚か者だと言ったのです。そしてアビガイルがダビデに言ったことは、すべては主のご計画として語ったことです。アビガイルはこう言いました。「主は生きておられ、あなた御自身も生きておられます。あなたを引き止め、流血の災いに手を下すことからあなたを守ってくださったのは主です。」
この様に、本題を話す前に、主が生きておられること、そして主が、今ダビデがなそうとしている殺戮を止め、その流血の禍に手を下すことから、ダビデを守ってくださるということを、すでに実現したかのように言ったのです。
そして、それから自分が和解のための贈り物を持ってきたことを語り、それを従者の人に受け取らせてくださいと言いました。アビガイルは、どうかはしための失礼をお許しください、と言いながら、まるで預言者の様にダビデについてこう語ります。「主は必ずあなたのために確固とした家を興してくださいます。あなたは主の戦いをたたかわれる方で、生涯、悪いことがあなたを襲うことはございませんから。人が逆らって立ち、お命をねらって追い迫って来ても、お命はあなたの神、主によって命の袋に納められ、敵の命こそ主によって石投げ紐に仕掛けられ、投げ飛ばされることでございましょう。」と言ったのです。これはまさに預言者の語る言葉なのです。そしてさらにこう言いました。「主が約束なさった幸いをすべて成就し、あなたをイスラエルの指導者としてお立てになるとき、いわれもなく血を流したり、御自分の手で復讐なさったことなどが、つまずきや、お心の責めとなりませんように。主があなたをお恵みになるときには、はしためを思い出してください。」と言ったのです。これは今ダビデが行おうとしている流血の復讐が、ダビデがイスラエルの指導者として立つ時に、傷となり躓きとなり責めとなるかもしれないので、そのようなことはしないでください言い、さらにはダビデが恵によってイスラエルの指導者となった時にはそのことを語って、復讐を止めたこのはしためのことを思い出してくださいと、自分の手柄さえも言っているのです。
ダビデはこのアビガイルの語ったことを聞いて驚き感心してこう言いました。32節から35節です、
サム上 25:32 ダビデはアビガイルに答えた。「イスラエルの神、主はたたえられよ。主は、今日、あなたをわたしに遣わされた。
サム上 25:33 あなたの判断はたたえられ、あなたもたたえられよ。わたしが流血の罪を犯し、自分の手で復讐することを止めてくれた。
サム上 25:34 イスラエルの神、主は生きておられる。主は、わたしを引き止め、あなたを災いから守られた。あなたが急いでわたしに会いに来ていなければ、明日の朝の光が射すころには、ナバルに一人の男も残されていなかっただろう。」
サム上 25:35 ダビデは、彼女の携えて来た贈り物を受け、彼女に言った。「平和に帰りなさい。あなたの言葉を確かに聞き入れ、願いを尊重しよう。」
この様に、ダビデはアビガイルが主の使いとしてダビデに遣わされて、ダビデが流血の罪を犯すことを止めてくれたと受けとめて、主を賛美したのです。そして、贈り物を受け取って、平和に帰りなさい、あなたの願いは確かに聞き入れた、と言ったのです。アビガイルの言葉によってダビデはその復讐をやめることにしたのです。この話は、ダビデがサウル王に尽くしているのにサウル王から迫害されても、自分からは復讐せず、神様にその裁きをゆだねていることと似ています。
一方、この騒動の原因を作ったナバルはどうしているかというと、36節から38節です。
サム上 25:36 アビガイルがナバルのもとへ帰ってみると、ナバルは家で王の宴会にも似た宴会の最中であった。ナバルは上機嫌で、かなり酔っていたので、翌朝、日が昇るまで、彼女は事の大小を問わず何も話さなかった。
サム上 25:37 翌朝、ナバルの酔いがさめると、彼の妻は成り行きを話して聞かせた。ナバルは意識を無くして石のようになった。
サム上 25:38 十日ほどの後、主はナバルを打たれ、彼は死んだ。
この様にアビガエルがやっとのことで、ダビデを説き伏せて危機一髪のところを超えてきたのですが、家に帰ってみると、ナバルは家で、何も知らずに、王の宴会にも似た宴会の最中であったと言います。この宴会というのは羊の毛を刈り入れたときにする祭りで、一種の収穫祭のようなものですが、大変裕福だったので、王の宴会の様であったというのです。ナバルはかなり酔っていたので、アビガエルはダビデとのことは何も話さず、翌朝の日が昇るまでは黙っていたのです。そして翌朝、ナバルの酔いがさめたときに、彼の妻はそのダビデとの事の成り行きを話して聞かせたのです。するとナバルは、驚きのあまり意識をなくして石のように硬直してしまったのです。そしてそれから10日ほどして、死にました。ここでは主はナバルを打たれたと、その原因が主であることを語っています。アビガエルの話を聞いて、あまりに驚いて血圧が上がり、脳卒中を起こしたような感じですが、これもまた主の御手の業なのです。
ナバルが死んだ後、その後どうなったでしょうか。39節から44節です。
サム上 25:39 ナバルが死んだと聞いたダビデは、「主はたたえられよ。主は、ナバルが加えた侮辱に裁きを下し、僕に悪を行わせず、かえって、ナバルの悪をナバルの頭に返された」と言った。ダビデはアビガイルに人を遣わし、彼女を妻にしたいと申し入れた。
サム上 25:40 ダビデの部下がカルメルにいたアビガイルのもとに来て、「ダビデは我々をあなたのもとに遣わし、あなたを妻として迎えたいと言っています」と告げた。
サム上 25:41 彼女は立ち上がり、地に伏して礼をし、「わたしは御主人様の僕たちの足を洗うはしためになります」と答え、
サム上 25:42 すぐに立ち、急いでろばに乗り、彼女に仕える侍女を五人連れて、ダビデの使者の後に従った。アビガイルはダビデの妻となった。
サム上 25:43 ダビデはイズレエル出身のアヒノアムをめとっていたので、この二人がダビデの妻となった。
サム上 25:44 サウルは、ダビデの妻であった自分の娘ミカルを、ガリム出身のライシュの子パルティに与えた。
この様に、このナバルが死んだという知らせをダビデは聞きました。そして主をたたえたのです。それは、主がナバルに復讐してくださり、自分が復讐して罪を犯すことのないようにしてくださったことに対する感謝です。旧約聖書に、復讐するものを主は復讐される。主は決してその罪を忘れることはないとか、復讐するは我にあり、と言って、人間が自分勝手に復讐することを禁じていたのです。そしてそのことは神様に委ねるようにと教えられていたのです。ですからダビデもまた、自分で復讐することなく、神が復讐してくださったことをたたえたのです。そしてそれを教えてくれたアビガイルに感謝したのです。よほどそのことに感激したのか、ダビデはアビガイルに人を遣わし、彼女を妻にしたいと申し入れた、と書かれています。あまりにもスムースに事が運ばれるので、これはダビデとアビガエルが事前に計画して、ナバルを殺したのではないかと疑われるところもあるのですが、それをしたのでは、ダビデは罪びととなり、神の裁きを受けることになるので、決してそのようなことはないと思います。ダビデの、妻にしたいとの申し入れを聞いたアビガエルは喜んで、はしためになりますと言って、侍女を5人連れてダビデのところに行き、妻となりました。ダビデが最初に結婚したのはサウルの娘でミカルでしたが、サウルはそれを引き離し別の人に与えたので、ダビデは他のアヒノアムという人を妻にしていたのですが、アビガエルは彼の二人目の妻となったのです。
結
今日の物語は、神様は人間の復讐を許さず、神様自らその復讐を果たしてくださる。だから、そのことは神様に委ねるのが良いことであるということを教えてくれる物語です。ダビデは怒りのあまり、危うくその復讐の罪を犯すところでした。ですが、アビガエルが、主は生きておられます、主はあなたを守ってくださいます。主はあなたが復讐されることを好まれませんと言って、ダビデを説き伏せたので、ダビデはその信仰に立ち返ることが出来て、罪を犯さずに済んだのです。そしてその代わりに神様がナバルを打って、その命を奪うと、ダビデはそのことが神の御手によって行われたことを知り、ダビデにその大切なことを教えてくれたアビガエルを妻に迎えることにしたのです。復讐は神のみにあり、人はただ神に委ねることなのです。
(一分間黙想)(お祈り)
天の父なる神様。私たちは自分たちが侮辱されたと知るとすぐに、その仕返しをしようとしますが、そのことは神様に禁じられた罪なのです。私たちのすることはただ神様に委ねて、神様の裁きを待つだけです。神様は必要に応じて、代わりに復讐してくださいます。どうか愚かな人の考えで人に復讐をしようとしたりすることがありませんように。そうすることによってそのあと多くの罪の呵責にさいなまれることを知ることが出来ますように。ただ神様に委ねさせてください。
この祈りを、主イエス・キリストの御名によって、お祈りいたします。アーメン
<<聖書の箇所(旧約聖書:◇サムエル記上)>>
◆サムエルの死
サム上 25:1 サムエルが死んだので、全イスラエルは集まり、彼を悼み、ラマにある彼の家に葬った。ダビデは立ってパランの荒れ野に下った。
サム上 25:2 一人の男がマオンにいた。仕事場はカルメルにあり、非常に裕福で、羊三千匹、山羊千匹を持っていた。彼はカルメルで羊の毛を刈っていた。
サム上 25:3 男の名はナバルで、妻の名はアビガイルと言った。妻は聡明で美しかったが、夫は頑固で行状が悪かった。彼はカレブ人であった。
サム上 25:4 荒れ野にいたダビデは、ナバルが羊の毛を刈っていると聞き、
サム上 25:5 十人の従者を送ることにして、彼らにこう言った。「カルメルに上り、ナバルを訪ね、わたしの名によって安否を問い、
サム上 25:6 次のように言うがよい。『あなたに平和、あなたの家に平和、あなたのものすべてに平和がありますように。
サム上 25:7 羊の毛を刈っておられると聞きました。あなたの牧童は我々のもとにいましたが、彼らを侮辱したことはありません。彼らがカルメルに滞在していた間、無くなったものは何もないはずです。
サム上 25:8 あなたの従者に尋ねてくだされば、そう答えるでしょう。わたしの従者が御厚意にあずかれますように。この祝いの日に来たのですから、お手もとにあるものを僕たちと、あなたの子ダビデにお分けください。』」
サム上 25:9 ダビデの従者は到着すると、教えられたとおりダビデの名によってナバルに告げ、答えを待った。
サム上 25:10 ナバルはダビデの部下に答えて言った。「ダビデとは何者だ、エッサイの子とは何者だ。最近、主人のもとを逃げ出す奴隷が多くなった。
サム上 25:11 わたしのパン、わたしの水、それに毛を刈る者にと準備した肉を取って素性の知れぬ者に与えろというのか。」
サム上 25:12 ダビデの従者は道を引き返して帰り着くと、言われたままをダビデに報告した。
サム上 25:13 ダビデは兵に、「各自、剣を帯びよ」と命じ、おのおの剣を帯び、ダビデも剣を帯びた。四百人ほどがダビデに従って進み、二百人は荷物のところにとどまった。
サム上 25:14 ナバルの従者の一人がナバルの妻アビガイルに報告した。「ダビデは、御主人に祝福を述べようと荒れ野から使いをよこしたのに、御主人は彼らをののしりました。
サム上 25:15 あの人たちは実に親切で、我々が野に出ていて彼らと共に移動したときも、我々を侮辱したりせず、何かが無くなったこともありません。
サム上 25:16 彼らのもとにいて羊を飼っているときはいつも、彼らが昼も夜も我々の防壁の役をしてくれました。
サム上 25:17 御主人にも、この家の者全体にも、災いがふりかかろうとしている今、あなたが何をなすべきか、しっかり考えてください。御主人はならず者で、だれも彼に話しかけることができません。」
サム上 25:18 アビガイルは急いで、パンを二百、ぶどう酒の革袋を二つ、料理された羊五匹、炒り麦五セア、干しぶどう百房、干しいちじくの菓子を二百取り、何頭かのろばに積み、
サム上 25:19 従者に命じた。「案内しなさい。後をついて行きます。」彼女は夫ナバルには何も言わなかった。
サム上 25:20 アビガイルが、ろばに乗って山陰を進んで行くと、向こうからダビデとその兵が進んで来るのに出会った。
サム上 25:21 ダビデはこう言ったばかりであった。「荒れ野で、あの男の物をみな守り、何一つ無くならぬように気を配ったが、それは全く無益であった。彼は善意に悪意をもって報いた。
サム上 25:22 明日の朝の光が射すまでに、ナバルに属する男を一人でも残しておくなら、神がこのダビデを幾重にも罰してくださるように。」
サム上 25:23 アビガイルはダビデを見ると、急いでろばを降り、ダビデの前の地にひれ伏し礼をした。
サム上 25:24 彼女はダビデの足もとにひれ伏して言った。「御主人様、わたしが悪うございました。お耳をお貸しください。はしための言葉をお聞きください。
サム上 25:25 御主人様が、あのならず者ナバルのことなど気になさいませんように。名前のとおりの人間、ナバルという名のとおりの愚か者でございます。はしためは、お遣わしになった使者の方々にお会いしてはいないのです。
サム上 25:26 主は生きておられ、あなた御自身も生きておられます。あなたを引き止め、流血の災いに手を下すことからあなたを守ってくださったのは主です。あなたに対して災難を望む者、あなたの敵はナバルのようになりましょう。
サム上 25:27 ここにある物は、はしためが持参した贈り物でございます。お足もとに仕える従者にお取らせくださいますように。
サム上 25:28 どうかはしための失礼をお許しください。主は必ずあなたのために確固とした家を興してくださいます。あなたは主の戦いをたたかわれる方で、生涯、悪いことがあなたを襲うことはございませんから。
サム上 25:29 人が逆らって立ち、お命をねらって追い迫って来ても、お命はあなたの神、主によって命の袋に納められ、敵の命こそ主によって石投げ紐に仕掛けられ、投げ飛ばされることでございましょう。
サム上 25:30 また、主が約束なさった幸いをすべて成就し、あなたをイスラエルの指導者としてお立てになるとき、
サム上 25:31 いわれもなく血を流したり、御自分の手で復讐なさったことなどが、つまずきや、お心の責めとなりませんように。主があなたをお恵みになるときには、はしためを思い出してください。」
サム上 25:32 ダビデはアビガイルに答えた。「イスラエルの神、主はたたえられよ。主は、今日、あなたをわたしに遣わされた。
サム上 25:33 あなたの判断はたたえられ、あなたもたたえられよ。わたしが流血の罪を犯し、自分の手で復讐することを止めてくれた。
サム上 25:34 イスラエルの神、主は生きておられる。主は、わたしを引き止め、あなたを災いから守られた。あなたが急いでわたしに会いに来ていなければ、明日の朝の光が射すころには、ナバルに一人の男も残されていなかっただろう。」
サム上 25:35 ダビデは、彼女の携えて来た贈り物を受け、彼女に言った。「平和に帰りなさい。あなたの言葉を確かに聞き入れ、願いを尊重しよう。」
サム上 25:36 アビガイルがナバルのもとへ帰ってみると、ナバルは家で王の宴会にも似た宴会の最中であった。ナバルは上機嫌で、かなり酔っていたので、翌朝、日が昇るまで、彼女は事の大小を問わず何も話さなかった。
サム上 25:37 翌朝、ナバルの酔いがさめると、彼の妻は成り行きを話して聞かせた。ナバルは意識を無くして石のようになった。
サム上 25:38 十日ほどの後、主はナバルを打たれ、彼は死んだ。
サム上 25:39 ナバルが死んだと聞いたダビデは、「主はたたえられよ。主は、ナバルが加えた侮辱に裁きを下し、僕に悪を行わせず、かえって、ナバルの悪をナバルの頭に返された」と言った。ダビデはアビガイルに人を遣わし、彼女を妻にしたいと申し入れた。
サム上 25:40 ダビデの部下がカルメルにいたアビガイルのもとに来て、「ダビデは我々をあなたのもとに遣わし、あなたを妻として迎えたいと言っています」と告げた。
サム上 25:41 彼女は立ち上がり、地に伏して礼をし、「わたしは御主人様の僕たちの足を洗うはしためになります」と答え、
サム上 25:42 すぐに立ち、急いでろばに乗り、彼女に仕える侍女を五人連れて、ダビデの使者の後に従った。アビガイルはダビデの妻となった。
サム上 25:43 ダビデはイズレエル出身のアヒノアムをめとっていたので、この二人がダビデの妻となった。
サム上 25:44 サウルは、ダビデの妻であった自分の娘ミカルを、ガリム出身のライシュの子パルティに与えた。