家庭礼拝 2023年3月22日 サムエル記上 18:1-30 ダビデに対するサウルの敵意
起
先週の17章では少年ダビデがゴリアトを倒して、イスラエル軍がペリシテ軍を打倒したのですが、今週のダビデはどんどん出世して、1000人隊長にまでなっています。でもこれはサウル王にダビデがかわいがられたからではありません。サウル王がダビデを千人隊長に命じたのは、戦いの前線に送り込んで、ダビデをペリシテ人によって殺させようとしていたからです。
なぜこんなことになったのでしょうか。ダビデの竪琴はサウルを喜ばせ、心を和ませ、この時はダビデを気に入ってサウルも喜んでいたはずなのです。
今日の小見出しはダビデに対するサウルの敵意となっています。ですがそれよりも、サウルの嫉妬とかサウルの妬みとした方が良い内容です。ダビデがゴリアテを打倒した時、サウルはすぐにダビデを召し抱えて兵士の一人にしました。ダビデを戦場に派遣するといつも勝利するので、ダビデを戦士の長に命じるようになりました。そのことはイスラエルの人々にも喜ばれ、ダビデが戦うたびに大勝利となるので、皆がダビデの戦勝を喜んで、歓迎したのです。その時、女たちは太鼓をたたき、歌いながら「サウルは千を討ち/ダビデは万を討った。」と歌って喜んだのです。サウルはこれを聞いて激怒し、悔しがりました。この時からダビデに対して嫉妬しねたみ、敵意を持つようになったのです。その敵意はダビデを殺そうとするほどのものになって行くのです。
あの謙遜で、人見知りの様だったサウルはどうしてこうなってしまったのでしょうか。それは神様がサウルから離れてしまったからです。神様に信頼し、神様に頼らない人は、弱い自分を頼ることしかできなくて、不安と恐れにとらわれるのです。そしていつも人と比較して、嫉妬したり、妬んだり、敵意を持ったりするのです。一方、ダビデの様に神様を信じ、信頼して委ねるものにはこのような不安は起こりません。なぜなら神様が代りにその問題を解決してくださるとの信仰があるからです。ダビデには神様がいつも共にいました。ですから、どんなにサウルから、いわれのない敵意を向けられても、決して恨むことなく、恐れることなく、必ず神様が守ってくださり、解決してくださるとの確信があるのです。ここに信仰を持つものと、持たないものの大きな違いが出てくるのです。信仰あるものは全能の神に信頼し、信仰のないものは小さく弱い自分や、お金や、他人の力に頼らざるを得ないのです。だからいつも不安で恐れをもって生きているのです。
今日の聖書の箇所では、このように神が去ってしまったサウルがどのように変わって行ったのかを知ることが出来ます。一方息子のヨナタンはダビデを喜びダビデと一体になろうとします。そして自分の持っているものを次々に与えてしまうのです。それはサウル王の息子としての王位継承権までも与えるに等しいことなのです。この親と子の対比が、ダビデを通してはっきりと表れてくるのです。
承
それでは聖書の言葉を読んでみます。ゴリアトを倒して、サウルに呼び出され、だれの息子かと聞かれた時の話の後です。1節から4節です。
サム上 18:1 ダビデがサウルと話し終えたとき、ヨナタンの魂はダビデの魂に結びつき、ヨナタンは自分自身のようにダビデを愛した。
サム上 18:2 サウルはその日、ダビデを召し抱え、父の家に帰ることを許さなかった。
サム上 18:3 ヨナタンはダビデを自分自身のように愛し、彼と契約を結び、
サム上 18:4 着ていた上着を脱いで与え、また自分の装束を剣、弓、帯に至るまで与えた。
この様に、ここでは、サウルとの話よりも、その息子ヨナタンとのことが多く出てきます。サウルの話では、その日のうちにダビデを召し抱えることにして、父の家に帰ることを許さなかったと言いますから、ずっとサウルのそばにいることになったのです。この時息子ヨナタンは、サウルのそばでダビデのことをずっと見ていて、その勇気、その姿にとてもひかれて敬愛するようになるのです。ヨナタンの魂はダビデの魂に結び付き、ヨナタンは自分自身の様にダビデを愛した、と書かれています。ヨナタンはダビデと契約を結び、着ていた上着を脱いで与え、また自分の装束を剣、弓、帯に至るまで与えたのです。ヨナタンとダビデの結んだ契約とは何でしょうか。契約と言うと何か事務的な契約に感じますが、そうではなくて、これは神の前で二人の約束をしたということなのです。それはたぶん二人が、これから神のみ前で兄弟として、とこしえに敬愛していく約束のようなものだと思います。ヨナタンはそのあと、自分の上着や装束を剣、弓、帯に至るまで与えたというのですから、それは自分が持っている王位継承権まで与えたようなものであって、自分の持っているすべてを与えようとしていることが分かります。それほどヨナタンはダビデにほれ込んでしまったのです。
そのあと、ダビデはサウルの兵士として戦いに出るようになるのですが、それは目覚ましい働きをするようになるのです。5節から9節です。
サム上 18:5 ダビデは、サウルが派遣するたびに出陣して勝利を収めた。サウルは彼を戦士の長に任命した。このことは、すべての兵士にも、サウルの家臣にも喜ばれた。
サム上 18:6 皆が戻り、あのペリシテ人を討ったダビデも帰って来ると、イスラエルのあらゆる町から女たちが出て来て、太鼓を打ち、喜びの声をあげ、三絃琴を奏で、歌い踊りながらサウル王を迎えた。
サム上 18:7 女たちは楽を奏し、歌い交わした。「サウルは千を討ち/ダビデは万を討った。」
サム上 18:8 サウルはこれを聞いて激怒し、悔しがって言った。「ダビデには万、わたしには千。あとは、王位を与えるだけか。」
サム上 18:9 この日以来、サウルはダビデをねたみの目で見るようになった。
ゴリアトと戦った時にはまだ少年のダビデでしたが、ここからは急に大人のダビデになったようです。ダビデはサウルの兵士として戦いに出るとそのたびに勝利したので、サウルはダビデを戦士の長に任命したとあります。たぶん50人隊長や百人隊長くらいにはなっていたのかもしれません。そのことは兵士にもサウルの家臣にも喜ばれたとありますから、ダビデの人気はどんどん上がっていたのです。
ペリシテとの戦いに勝った、サウル王がダビデや兵士達と共に帰ってくると、あらゆる町から女達が出てきて、太鼓をたたき琴をかき鳴らし歌い踊りながらサウル王を迎えたのです。これは戦いに勝った時にはいつも行われていることでした。お祭り騒ぎになるのです。ですがその時、女たちが歌っている言葉を聞いてサウルは怒りました。それは「サウルは千を討ち/ダビデは万を討った。」と言って、ダビデの方を高くほめたたえていたからです。このようなダビデの人気の高さから、サウルは王位まで与えないといけなくなるのではないかと恐れを抱いたのです。そして、この日から、サウルはダビデをねたみの眼で見るようになったのです。もしサウルが信仰をもって、この戦いの勝利は神様が与えてくださったものであると受け取っていたなら、ダビデを妬むようなことはなかったでしょう。ですが神様がサウルから去って行ったために、悪魔がサウルにささやき、サウルはいつもダビデと自分を比較し、自分の足りないことを思って、ダビデに嫉妬し、妬みを持ち、敵意を持つようになったのです。
さてそのあとサウルはどのように変わっていくのでしょうか。10節から13節です。
サム上 18:10 次の日、神からの悪霊が激しくサウルに降り、家の中で彼をものに取りつかれた状態に陥れた。ダビデは傍らでいつものように竪琴を奏でていた。サウルは、槍を手にしていたが、
サム上 18:11 ダビデを壁に突き刺そうとして、その槍を振りかざした。ダビデは二度とも、身をかわした。
サム上 18:12 主はダビデと共におられ、サウルを離れ去られたので、サウルはダビデを恐れ、
サム上 18:13 ダビデを遠ざけ、千人隊の長に任命した。ダビデは兵士の先頭に立って出陣し、また帰還した。
この様に、女たちの歌う、「サウルは千を討ち/ダビデは万を討った。」と言う言葉に妬みを覚えた次の日に、サウルは悪霊に取りつかれてしまいました。この悪霊は神からの悪霊と書かれています。すなわちこれは神の計画と言うことになります。ものに取りつかれた状態になったと言いますから、以前のサウルではなくなってしまったのです。それほどこのサウルの嫉妬は激しく、妬みは大きかったのです。この時でもまだダビデはサウルの心を慰めるために、そば近くで竪琴を奏でていました。ところがそのサウルは、ダビデを刺し殺そうとして、二度もダビデを襲ったのですが、二度とも身をかわして難を逃れたのです。ダビデには主がおられたので守ってくれたのです。一方サウルからは神様が離れ去ったので、サウルはダビデを恐れ、憎しみにとらわれ、不安になっていたのです。
この様になったので、サウルはダビデを遠ざけるようになりました。ところが千人隊長に任命したのです。これはダビデを重んじたためではなく、ダビデを危険な戦場に派遣して、戦死することを願ったためなのです。ところがダビデは神様に守られて、戦場に先頭に立って出陣しては無事に帰ってきました。
聖書にはこう書いてあります。14節から16節です。
サム上 18:14 主は彼と共におられ、彼はどの戦いにおいても勝利を収めた。
サム上 18:15 サウルは、ダビデが勝利を収めるのを見て、彼を恐れた。
サム上 18:16 イスラエルもユダも、すべての人がダビデを愛した。彼が出陣するにも帰還するにも彼らの先頭に立ったからである。
この様にダビデには主がともにおられたので、どの戦いにおいても勝利を収めることが、出来ました。ところが、ダビデが戦死することを期待して派遣したサウルは、ダビデが勝利し続けるので、ますますダビデを恐れるようになったのです。ダビデが勝利するのですから王様も喜ばなくてはならないはずなのですが、かえって恐れたのです。国民はイスラエルもユダも、すべての人がダビデを愛し称えているのに、サウルだけが違っているのです。それは神様がサウルから離れ去ってしまっているからです。物事を素直に喜べないのです。
転
ダビデの人気が高いので、サウルはダビデを恐れているのですが、表面上はダビデを重んじているようにふるまいました。千人隊長にしたのもそうでした。今度は娘を妻として与えようと言ったのです。17節から19節です。
サム上 18:17 サウルはダビデに言った。「わたしの長女メラブを、お前の妻として与えよう。わたしの戦士となり、主の戦いをたたかってくれ。」サウルは自分でダビデに手を下すことなく、ペリシテ人の手で殺そうと考えていた。
サム上 18:18 ダビデはサウルに言った。「わたしなど何者でしょう。わたしの一族、わたしの父の一族などイスラエルで何者でしょう。わたしが王の婿になるとは。」
サム上 18:19 ところが、サウルの娘メラブはダビデに嫁ぐべきときに、メホラ人アドリエルに嫁がせられた。
この様に、サウルはダビデに、私の長女メラブをお前の妻として与えようと言いました。これはゴリアトを倒したものには王女をくださるという約束にも裏打ちされていることです。ですがサウルの本心は、ダビデをさらに危険な戦場に出して、ペリシテ人の手で、戦死させようとしていたのです。この話を受けて、ダビデはあまり喜ぶことなく、「わたしなど何者でしょう。わたしの一族、わたしの父の一族などイスラエルで何者でしょう。わたしが王の婿になるとは。」と言って、やんわりと断っているのです。と言うのも王女を嫁にもらうためにはそれなりの結納金を納めなければならないので、お金と地位とが必要だったのです。この話がまだはっきりしていないうちに、サウルは心が変わり、その娘メラブをダビデにやらないで、メホラ人アドリエルに嫁がせたのです。これは後に娘メラブの悲劇となります。その子孫の子供たちが、サウルの犯した罪のために殺されてしまうことになるからです。ここでもサウルの身勝手が出てきました。
更に、サウルはもう一つの策略を考えるのです。20節から24節です。
サム上 18:20 サウルの娘ミカルはダビデを愛していた。それをサウルに告げる者があり、サウルは好都合だと思った。
サム上 18:21 サウルは、「彼女を与えてダビデを罠にかけ、ペリシテ人の手にかけよう」と考え、ダビデに言った。「二番目の娘を嫁にし、その日わたしの婿になりなさい。」
サム上 18:22 サウルは家臣に命じた。「ダビデにひそかにこう言え。『王はあなたが気に入っておられるし、家臣たちも皆、あなたを愛しているのだから、王の婿になってください。』」
サム上 18:23 サウルの家臣はこれらの言葉をダビデの耳に入れた。ダビデは言った。「王の婿になることが、あなたたちの目には容易なことと見えるのですか。わたしは貧しく、身分も低い者です。」
サム上 18:24 サウルの家臣は、ダビデの言ったことをサウルに報告した。
この様に、もう一つの策略とは、二番目の娘をダビデの嫁にするということでした。その娘ミカルはダビデのことを好きだったので、そのことを聞いたサウルはちょうどいい話だと思ったのです。そして二人を結婚させ、そこでもダビデを罠にかけて、戦場に送り出し、ペリシテ人に殺させようと考えていたのです。そこでサウルは家臣に命じて、ダビデに、『王はあなたが気に入っておられるし、家臣たちも皆、あなたを愛しているのだから、王の婿になってください。』と言うことをダビデの耳に入れるように言ったのです。サウルは本当には悪人になれないのです。善人の顔をして、自分の恐れを取り除こうとしているのです。神様がサウルから離れてしまったので不安でしょうがないのです。サウルの家臣はダビデに王の婿になってほしいというサウルの意向を伝えました。するとダビデの答えはこうでした。「王の婿になることが、あなたたちの目には容易なことと見えるのですか。わたしは貧しく、身分も低い者です。」この様に、身分の違うものが結婚するにはとても大きな障壁があったのです。その一つはその身分に見合う結納金です。ダビデはとてもその結納金を支払う余裕のある家ではなかったのです。
この事を聞いたサウルの家臣は、サウルにそのことを報告しました。24節から27節です。
サム上 18:24 サウルの家臣は、ダビデの言ったことをサウルに報告した。
サム上 18:25 サウルは言った。「では、ダビデにこう言ってくれ。『王は結納金など望んではおられない。王の望みは王の敵への報復のしるし、ペリシテ人の陽皮百枚なのだ』と。」サウルはペリシテ人の手でダビデを倒そうと考えていた。
サム上 18:26 家臣はダビデにこのことを告げた。ダビデはこうして王の婿になることは良いことだと思い、何日もたたないうちに、
サム上 18:27 自分の兵を従えて出立し、二百人のペリシテ人を討ち取り、その陽皮を持ち帰った。王に対し、婿となる条件である陽皮の数が確かめられたので、サウルは娘のミカルを彼に妻として与えなければならなかった。
この様に、この結婚の話に対して、ダビデが貧しく身分も低いことから、その結婚に応じることは難しいと言っていることをサウルは聞かされました。するとサウルはここでも偽善者となって、いかにもダビデのことを思っているようにこう言いました。「では、ダビデにこう言ってくれ。『王は結納金など望んではおられない。王の望みは王の敵への報復のしるし、ペリシテ人の陽皮百枚なのだ』と。」サウルの本音は、この様にペリシテ人と戦わせれば、ダビデは戦死するかもしれないということを期待していたのです。陽皮とは割礼の時に切り落とす包皮のことです。
サウルの言葉を家臣がダビデに伝えると、ダビデはそれも悪くはないと思い、数日後には200人の兵士を従えて、ペリシテのもとに向かいました。そしてサウルの言った陽皮百枚ではなく、その倍の200人の陽皮を切り取ってきたのです。そしてその数が王のもとで確かめられました。約束通りであったので、サウルは娘のミカルを彼に妻として与えなければならなかったのです。本当はサウルは娘を与えたくはなかったのです。だから長女の時はそれを翻して別の人に与えたのです。
この様に、サウルの思惑はことごとく外れました。むしろダビデに主の祝福があることがますますはっきりしてきたのです。28節から30節です。
サム上 18:28 サウルは、主がダビデと共におられること、娘ミカルがダビデを愛していることを思い知らされて、
サム上 18:29 ダビデをいっそう恐れ、生涯ダビデに対して敵意を抱いた。
サム上 18:30 ペリシテの将軍たちが出撃して来ると、ダビデはそのたびにサウルの家臣のだれよりも武勲を立て、名声を得た。
この様に、サウルはダビデが主とともにおられて祝福されていること、さらには娘ミカルまでがダビデを愛していることを思い知らされて、この結婚を進めざるを得なかったのです。この事がダビデを一層恐れさすことになりました。そして、サウルは生涯ダビデに対して敵意を抱くようになったのです。その後ペリシテ軍が攻撃してくるときにはダビデはいつもサウルの家臣の誰よりも手柄を立て、名声を得、多くの人から愛されて、支持を受けるようになるのです。
結
ペリシテの巨人ゴリアトを倒した後のダビデはサウルのもとで兵士として仕えていきました。ダビデには主が共におられたので、戦いにはいつも勝つことが出来、人々からは称賛を受け「サウルは千を討ち/ダビデは万を討った。」と褒め称えられ、多くの支持を受けるようになりました。ところがそれを喜んでいいはずの王サウルは、神が自分から離れてしまったので、そのことが妬ましく、そして不安になって、ダビデを殺そうとまで思うようになったのです。ダビデを殺すためには、自分の娘と結婚させるという約束までして、その地位を千人隊長まで上げて、ペリシテの戦場に送り込みペリシテ人によって殺させようとしましたが、サウルのすべてのたくらみはうまくいかず、ダビデはすべてのことがうまく導かれていくのです。サウルもまたダビデに主が共におられることを知って更にダビデを恐れ敵意を抱くようになるのです。
(一分間黙想)(お祈り)
天の父なる神様。あなたが共におられる人と、離れ去った人の違いをダビデとサウルから教えられました。サウルは、あなたが去ってしまった後、自分一人の力ですることに不安を感じ恐れにとらわれ、疑心暗鬼になり、いつも人と比較し、妬み嫉妬しています。その心に平安はなく、わずかにダビデの竪琴で慰められるだけです。一方あなたが共におられるダビデはすべてのことが良い方に導かれていき、いつもあなたに守られて自由に闊達に活動していることを思います。どうか私たちの歩みの上にもあなたが共におられますように。不安になった時、自分の力に頼るのではなく、ただあなたの御力に委ねることが出来ますように。この祈りを、主イエス・キリストの御名によって、お祈りいたします。アーメン
<<聖書の箇所(旧約聖書:◇サムエル記上)>>
◆ダビデに対するサウルの敵意
サム上 18:1 ダビデがサウルと話し終えたとき、ヨナタンの魂はダビデの魂に結びつき、ヨナタンは自分自身のようにダビデを愛した。
サム上 18:2 サウルはその日、ダビデを召し抱え、父の家に帰ることを許さなかった。
サム上 18:3 ヨナタンはダビデを自分自身のように愛し、彼と契約を結び、
サム上 18:4 着ていた上着を脱いで与え、また自分の装束を剣、弓、帯に至るまで与えた。
サム上 18:5 ダビデは、サウルが派遣するたびに出陣して勝利を収めた。サウルは彼を戦士の長に任命した。このことは、すべての兵士にも、サウルの家臣にも喜ばれた。
サム上 18:6 皆が戻り、あのペリシテ人を討ったダビデも帰って来ると、イスラエルのあらゆる町から女たちが出て来て、太鼓を打ち、喜びの声をあげ、三絃琴を奏で、歌い踊りながらサウル王を迎えた。
サム上 18:7 女たちは楽を奏し、歌い交わした。「サウルは千を討ち/ダビデは万を討った。」
サム上 18:8 サウルはこれを聞いて激怒し、悔しがって言った。「ダビデには万、わたしには千。あとは、王位を与えるだけか。」
サム上 18:9 この日以来、サウルはダビデをねたみの目で見るようになった。
サム上 18:10 次の日、神からの悪霊が激しくサウルに降り、家の中で彼をものに取りつかれた状態に陥れた。ダビデは傍らでいつものように竪琴を奏でていた。サウルは、槍を手にしていたが、
サム上 18:11 ダビデを壁に突き刺そうとして、その槍を振りかざした。ダビデは二度とも、身をかわした。
サム上 18:12 主はダビデと共におられ、サウルを離れ去られたので、サウルはダビデを恐れ、
サム上 18:13 ダビデを遠ざけ、千人隊の長に任命した。ダビデは兵士の先頭に立って出陣し、また帰還した。
サム上 18:14 主は彼と共におられ、彼はどの戦いにおいても勝利を収めた。
サム上 18:15 サウルは、ダビデが勝利を収めるのを見て、彼を恐れた。
サム上 18:16 イスラエルもユダも、すべての人がダビデを愛した。彼が出陣するにも帰還するにも彼らの先頭に立ったからである。
サム上 18:17 サウルはダビデに言った。「わたしの長女メラブを、お前の妻として与えよう。わたしの戦士となり、主の戦いをたたかってくれ。」サウルは自分でダビデに手を下すことなく、ペリシテ人の手で殺そうと考えていた。
サム上 18:18 ダビデはサウルに言った。「わたしなど何者でしょう。わたしの一族、わたしの父の一族などイスラエルで何者でしょう。わたしが王の婿になるとは。」
サム上 18:19 ところが、サウルの娘メラブはダビデに嫁ぐべきときに、メホラ人アドリエルに嫁がせられた。
サム上 18:20 サウルの娘ミカルはダビデを愛していた。それをサウルに告げる者があり、サウルは好都合だと思った。
サム上 18:21 サウルは、「彼女を与えてダビデを罠にかけ、ペリシテ人の手にかけよう」と考え、ダビデに言った。「二番目の娘を嫁にし、その日わたしの婿になりなさい。」
サム上 18:22 サウルは家臣に命じた。「ダビデにひそかにこう言え。『王はあなたが気に入っておられるし、家臣たちも皆、あなたを愛しているのだから、王の婿になってください。』」
サム上 18:23 サウルの家臣はこれらの言葉をダビデの耳に入れた。ダビデは言った。「王の婿になることが、あなたたちの目には容易なことと見えるのですか。わたしは貧しく、身分も低い者です。」
サム上 18:24 サウルの家臣は、ダビデの言ったことをサウルに報告した。
サム上 18:25 サウルは言った。「では、ダビデにこう言ってくれ。『王は結納金など望んではおられない。王の望みは王の敵への報復のしるし、ペリシテ人の陽皮百枚なのだ』と。」サウルはペリシテ人の手でダビデを倒そうと考えていた。
サム上 18:26 家臣はダビデにこのことを告げた。ダビデはこうして王の婿になることは良いことだと思い、何日もたたないうちに、
サム上 18:27 自分の兵を従えて出立し、二百人のペリシテ人を討ち取り、その陽皮を持ち帰った。王に対し、婿となる条件である陽皮の数が確かめられたので、サウルは娘のミカルを彼に妻として与えなければならなかった。
サム上 18:28 サウルは、主がダビデと共におられること、娘ミカルがダビデを愛していることを思い知らされて、
サム上 18:29 ダビデをいっそう恐れ、生涯ダビデに対して敵意を抱いた。
サム上 18:30 ペリシテの将軍たちが出撃して来ると、ダビデはそのたびにサウルの家臣のだれよりも武勲を立て、名声を得た。