家庭礼拝 2023年3月8日 サムエル記上 17:1-30 ダビデとゴリアト①
起
今日の箇所は、有名な巨人ゴリアトとダビデの戦いの場面です。この章は長いので二つに分割して、今日の箇所は、ダビデがゴリアトと戦う寸前の場面までです。このゴリアトと言う巨人は、身長が3mもある大きな人です。この地方には巨人が住んでいるという話はいくつかあるので本当に住んでいたのかもしれません。この巨人の種族はアナク人と言い、もともとカナンに住んでいたのが、へブル人の侵入によって、ペリシテの町々に逃れたということです。
この巨人のことは申命記の1章28節にも書かれているように、イスラエルの12人の偵察隊が行ってカナンを調べてきたとき、「その土地が我々の神、主が与えてくださる土地は良い土地です」と報告したのですが、イスラエルの人々は上って行こうとはせず、「どうしてそんなところに行かねばならないのだ。我々の仲間も、そこの住民は我々よりも強くて、背が高く、町々は大きく、城壁は天に届くほどで、しかもアナク人の子孫さえ見たと言って、われわれの心をくじいたではないか。」と言いました。この時の背の高い人々、アナク人の子孫が巨人ゴリアトの種族なのです。ですからこのような巨人がペリシテ人の中にはたくさんいて、その中で最も自信のある巨人がゴリアトだったと思われます。
そのゴリアトを恐れて誰も戦いを挑むことはできなかったのですが、イスラエルとペリシテが谷をはさんで対峙しているときに、毎日現れて、自分と一騎打ちして勝ったなら、我々はお前たちの奴隷となる。自分が勝ったならお前たちは我々の奴隷になれと言って、40日もの間、朝に夕に大声で語っていたのです。そして自分に戦いを挑まないイスラエルの兵士を、臆病者と言って侮辱したのです。そこのイスラエルの陣営にはダビデの兄3人が、兵士として勤めていました。
ダビデはその兄たちに食料をもっていくように父に言われてその前線に行ってそのゴリアトの声を聞きました。そして、いける神の戦列に挑戦するとは、あの無割礼のペリシテ人はいったい何者ですかと怒ったのです。ダビデはその巨人のゴリアトを恐れませんでした。どうして小さな子供のダビデが巨人を恐れず、勝つことが出来るのでしょうか。ダビデはライオンやクマが羊を襲ってきたときに、それらを打ち倒してきたという自信がありました。それは神様がともにいてくださって守ってくださるから大丈夫だという信仰なのです。ですから、ダビデにとって、いける神の戦列に挑戦する、無割礼のペリシテ人など、神の力によって退治することが出来ると信じていたのです。自分の力で勝とうとすれば勝てないが、神の力をもってすれば無割礼の者など恐れるに足りないと思っていたのです。さてこのダビデとゴリアトの戦いはどうなるでしょうか。今日はまずその前半です。
承
まずは、巨人ゴリアトの登場です。1節から7節です。
サム上 17:1 ペリシテ人は戦いに備えて軍隊を召集した。彼らはユダのソコに集結し、ソコとアゼカの間にあるエフェス・ダミムに陣を張った。
サム上 17:2 一方、サウルとイスラエルの兵も集結し、エラの谷に陣を敷き、ペリシテ軍との戦いに備えた。
サム上 17:3 ペリシテ軍は一方の山に、イスラエル軍は谷を挟んでもう一方の山に陣取った。
サム上 17:4 ペリシテの陣地から一人の戦士が進み出た。その名をゴリアトといい、ガト出身で、背丈は六アンマ半、
サム上 17:5 頭に青銅の兜をかぶり、身には青銅五千シェケルの重さのあるうろことじの鎧を着、
サム上 17:6 足には青銅のすね当てを着け、肩に青銅の投げ槍を背負っていた。
サム上 17:7 槍の柄は機織りの巻き棒のように太く、穂先は鉄六百シェケルもあり、彼の前には、盾持ちがいた。
まずこのペリシテとイスラエルの戦いのあった場所ですが、ユダの町のソコとアゼカと言う町の間に陣を張りました。一方サウルとイスラエル兵もその町の間にあるエラの谷に陣を敷きました。この場所は、ダビデの家のあるベツレヘムから西側の山を越えて下った中腹にある町のあるところなのです。この辺がペリシテとイスラエルが、前線となって戦っている場所なのです。ですからベツレヘムからはそんなに遠くはありません。ユダの町だった、ソコとアゼカはペリシテに占領されているのだと思います。ですから、次はベツレヘムに攻め込んできます。
ペリシテ軍は一方の山に、イスラエル軍は谷を挟んでもう一方の山に陣取って、互いににらみ合っていたのですが、そこにゴリアトと言う、ガト出身で、背丈は六アンマ半、の巨人が現れたのです。1アンマは約45㎝ですから、3m以上の巨人と言うことになります。その男が、頭に青銅の兜をかぶり、身には青銅五千シェケルの重さのあるうろことじの鎧を着、足には青銅のすね当てを着け、肩に青銅の投げ槍を背負っていた。と言うのです。青銅五千シュケルの重さの鎧と言うのは、1シュケルが11.4gだというのですから、57kgの重さの鎧と言うことになります。このほかに青銅の兜や青銅の脛あて、青銅の投げ槍を背負っていたというのですから、全部で100㎏近くなっていたかもしれません。この様な完全武装の巨人に対して、イスラエルの兵士は誰もそのような鎧や兜を持っているものはいません。それどころか剣を持っているのもサウルとヨナタンだけで、他の兵士は鎌やこん棒やなたなどで戦おうとしているのです。しかも身長はこの巨人の半分くらいしかないでしょう。これでは一対一で戦う勇気のある者などはいないのです。
この様なイスラエル人の恐れを見透かしたように、ゴリアトは毎日イスラエルの人々を挑発してこう言うのです。8節から11節です。
サム上 17:8 ゴリアトは立ちはだかり、イスラエルの戦列に向かって呼ばわった。「どうしてお前たちは、戦列を整えて出て来るのか。わたしはペリシテ人、お前たちはサウルの家臣。一人を選んで、わたしの方へ下りて来させよ。
サム上 17:9 その者にわたしと戦う力があって、もしわたしを討ち取るようなことがあれば、我々はお前たちの奴隷となろう。だが、わたしが勝ってその者を討ち取ったら、お前たちが奴隷となって我々に仕えるのだ。」
サム上 17:10 このペリシテ人は続けて言った。「今日、わたしはイスラエルの戦列に挑戦する。相手を一人出せ。一騎打ちだ。」
サム上 17:11 サウルとイスラエルの全軍は、このペリシテ人の言葉を聞いて恐れおののいた。
この様に、ゴリアトは朝に夕に現れて、イスラエルの人々を挑発し恐れを抱かせるためにこう言うのです。お前たちが戦うために来たのならば、私と一対一の一騎打ちをしろ。もし私が負けたなら我々はお前たちの奴隷になるが、もしお前たちが負けたなら我々の奴隷になれ、サウルの家臣を一人選んで、こっちにこい。そのように言うのです。そう言ってもだれも来ないだろうことを知っていて、罵り馬鹿にしながらあざけって士気をくじこうとしているのです。
転
さていよいよダビデの登場です。12節から16節です。
サム上 17:12 ダビデは、ユダのベツレヘム出身のエフラタ人で、名をエッサイという人の息子であった。エッサイには八人の息子があった。サウルの治世に、彼は人々の間の長老であった。
サム上 17:13 エッサイの年長の息子三人は、サウルに従って戦いに出ていた。戦いに出た三人の息子の名は、長男エリアブ、次男アビナダブ、三男シャンマであり、
サム上 17:14 ダビデは末の子であった。年長の三人はサウルに従って出ていたが、
サム上 17:15 このダビデは行ったり来たりして、サウルに仕えたり、ベツレヘムの父の羊を世話したりしていた。
サム上 17:16 かのペリシテ人は、四十日の間、朝な夕なやって来て、同じ所に立った。
ここに書かれているように、ダビデはベツレヘム出身で父はエッサイであり、その地域の長老をしている人でした。そしてその子は8人の息子がおり、年長の息子3人はサウルに従って戦いに出ていたのです。この戦いの場はベツレヘムから西の方の地中海に向かって下った山の中腹だったので、ダビデの住んでいたところからは、それほど遠くなかったのです。ダビデの兄の長男、次男、三男の3人はサウルに仕えてこの戦争に参加していました。ペリシテ軍はベツレヘム近くまで来ていたのです。
ここでは、サムエルによって油を注がれた末っ子のダビデが、サウルのそばで働き、竪琴でサウルの心をいやしていましたが、それは毎日のことではなくて、サウルのところで仕えたり、父のもとに帰って羊の世話をしたりして、二股生活を暮らしていたのです。
さてこのような状況の下で、戦いが起ころうとしていた時に、ダビデの父親のエッサイが、ダビデをその前線にいる兄たちに使い物をさせました。17節から20節です。
サム上 17:17 さて、エッサイは息子ダビデに言った。「兄さんたちに、この炒り麦一エファと、このパン十個を届けなさい。陣営に急いで行って兄さんたちに渡しなさい。
サム上 17:18 このチーズ十個は千人隊の長に渡しなさい。兄さんたちの安否を確かめ、そのしるしをもらって来なさい。」
サム上 17:19 サウルも彼らも、イスラエルの兵は皆、ペリシテ軍とエラの谷で戦っていた。
サム上 17:20 ダビデは翌朝早く起き、羊の群れを番人に任せ、エッサイが命じたものを担いで出かけた。彼が幕営に着くと、兵は鬨の声をあげて、戦線に出るところだった。
サム上 17:21 イスラエル軍とペリシテ軍は、向かい合って戦列を敷いていた。
この様に、父親のエッサイがダビデに言いつけたお使いとは、前線にいるお兄さんたちに、炒り麦1エファとパン10個と届けることでした。1エファとは23リットルですから、私たちが見かける20リットル灯油缶よりも少し大きいくらいです。その量の煎り麦で、3人で食べる量をもって行ったのです。これは煎り麦ですから、そのまますぐに食べられる、携帯食品として、戦場に持って行ったものと思われます。それとパン10個ですから、これは戦場でも煮炊きして食べるときのおいしいパンのようです。この時代の兵士たちは、自分の食料は自分で持って行ったようです。まだロジスティックスのようなシステムはなかったようです。そのほかに、チーズ10個を千人隊長への心づけとして渡しなさいと言いつけました。これは特別に兄たちの安否を確かめるための贈り物で、確かな印をもらってきなさいとダビデに言いつけました。
ダビデは翌朝早く起きて、父親に頼まれた一エファの煎り麦と10個のパンと、チーズ10個を担いで、その戦場の幕舎に向かいました。するとちょうど兵士たちは鬨の声をあげて、戦場に出るところでした。イスラエル軍とペリシテ軍は向かい合って戦列を敷いていたのです。
ダビデが幕舎に付くと兵士たちは戦場に向かおうとしていたので、ダビデは急いで兄たちを探しました。22節から25節です。
サム上 17:22 ダビデは持参したものを武具の番人に託すと、戦列の方へ走って行き、兄たちの安否を尋ねた。
サム上 17:23 彼が兄たちと話しているとき、ガトのペリシテ人で名をゴリアトという戦士が、ペリシテ軍の戦列から現れて、いつもの言葉を叫んだのでダビデはこれを聞いた。
サム上 17:24 イスラエルの兵は皆、この男を見て後退し、甚だしく恐れた。
サム上 17:25 イスラエル兵は言った。「あの出て来た男を見たか。彼が出て来るのはイスラエルに挑戦するためだ。彼を討ち取る者があれば、王様は大金を賜るそうだ。しかも、王女をくださり、更にその父の家にはイスラエルにおいて特典を与えてくださるということだ。」
この様に、ダビデはまず重い荷物を幕舎の武具の番人に預けて、急いで戦列の方へ走って行き、兄たちを探しました。すると兄たちを見つけることが出来て、持ってきた荷物のことなどを兄たちに説明していたのだと思います。
その時にガトのペリシテ人でゴリアトと言う戦士が、戦列から前に出て、イスラエル軍に呼び掛け挑戦している叫び声をダビデは聞いたのです。これは毎日のようになされている、挑戦の叫び声でした。イスラエルの兵たちはこの男を見て、恐ろしくて、後ずさりしました。イスラエル兵たちは口々に言いました。あの男を見たか、彼が前に出てくるのは一騎打ちの挑戦をイスラエルにするためだ。でも誰も挑戦するものがいないので、王様のサウルは、彼を打ち取ったものには大金を褒美にやる、しかも王女も下さる。さらにその実家にはイスラエルの特典を与えてくれる、と言うことだということをささやいていたのです。ダビデはこれらの言葉をここで聞き知ったのです。
するとダビデはその話の真偽を確かめ始めたのです。その話は本当だろうかと思ったのです。26節から30節です。
サム上 17:26 ダビデは周りに立っている兵に言った。「あのペリシテ人を打ち倒し、イスラエルからこの屈辱を取り除く者は、何をしてもらえるのですか。生ける神の戦列に挑戦するとは、あの無割礼のペリシテ人は、一体何者ですか。」
サム上 17:27 兵士たちはダビデに先の言葉を繰り返し、「あの男を討ち取る者はこのようにしてもらえる」と言った。
サム上 17:28 長兄エリアブは、ダビデが兵と話しているのを聞き、ダビデに腹を立てて言った。「何をしにここへ来たのか。荒れ野にいるあの少しばかりの羊を、誰に任せてきたのか。お前の思い上がりと野心はわたしが知っている。お前がやって来たのは、戦いを見るためだろう。」
サム上 17:29 ダビデは言った。「わたしが、今、何をしたというのですか。話をしているだけではありませんか。」
サム上 17:30 ダビデは兄から他の人の方に向き直って、前と同じことを聞いた。兵士の答えは、最初と同じであった。
この様に、ダビデは周りに立っている兵に、あのペリシテ人を倒すものには何をしてもらえるのですかと確認しました。そして、いける神の戦列に挑戦するとは、あの無割礼のペリシテ人はいったい何者ですかと言ったのです。他の兵士たちは、そのゴリアが巨人で倍も背が高く、しかも鎧兜に脛あてなど槍も楯も持っている完全武装の姿に、とても歯が立たないとあきらめていたのです。すなわちイスラエル兵たちはその外見の姿に圧倒されていたのです。ですがダビデは違っていたのです。ダビデが見ていたのはそのような外見的なことではなく、無割礼のような神を信じないものが、神を信じ神様に守られている者たちにどうして勝てるわけがあるだろうか、あの無割礼のペリシテ人は、いったい何者ですかと、問題にしていないのです。すなわち信仰のないものが信仰のあるものに勝てるわけがないと、信仰を基準としてみていたのです。ダビデの、あの男を倒したら何をしてもらえるのかという質問に対して、兵士たちは、同じことを繰り返して言いました。そこに長男のエリアブがダビデのところにやってきて、ダビデが兵士たちと話していることに腹を立てて、「何をしにここへ来たのか。荒れ野にいるあの少しばかりの羊を、誰に任せてきたのか。お前の思い上がりと野心はわたしが知っている。お前がやって来たのは、戦いを見るためだろう。」と言って、ダビデの思い上がりをたしなめたのです。ダビデはいつもの生活の中でも自信に満ちていて、兄たちからすれば思い上がっていると思われていたようです。ダビデは兄に言いました。「わたしが、今、何をしたというのですか。話をしているだけではありませんか。」と言って反抗したのです。長男と末っ子の八男の差ですから、20歳以上は離れていたと思われますが、ダビデはそのような年の差など問題にしないで、自分の考えを貫いたのです。そしてその後、兄の方は問題にしないで、他の兵士たちにまた同じことを聞いて確認しました。その答えも同じだったので、その褒美の話は本当だと信じたのだと思います。
結
この様に、ダビデは末っ子であったにもかかわらず、大きな年の差のある長男の話なども相手にせず、自分の考えを押し通すような強い意志を持った人でした。きっと兄弟からは、生意気な弟だと思われていたに違いありません。ですがダビデの強さは、兄たちとの年の差とか、ゴリアトの外見の強さとかそのようなことに惑わされないものを持っていることにありました。ダビデの強さは、神様がともにいてくだされば、何も畏れるものはないという信仰の強さなのです。ですから外見で判断したイスラエル軍はゴリアトを恐れ、信仰で判断したダビデはゴリアトを恐れなかったのです。
(一分間黙想)(お祈り)
天の父なる神様、ダビデはイスラエルの兵士たちが恐れた、ゴリアトを少しも恐れませんでした。それは外見を見て恐れるのではなく、その信仰を見ていたからです。生ける神の戦列に挑戦するとは、あの無割礼のペリシテ人は、一体何者ですか。この言葉がダビデの強さを物語るのです。どうか私たちも外見で判断し恐れるのではなく、信仰をもって神様がともにいてくださることを覚え、信じるものには恐れるものがないことを、信じて歩ませてください。
この祈りを、主イエス・キリストの御名によって、お祈りいたします。アーメン
<<聖書の箇所(旧約聖書:◇サムエル記上)>>
◆ダビデとゴリアト
サム上 17:1 ペリシテ人は戦いに備えて軍隊を召集した。彼らはユダのソコに集結し、ソコとアゼカの間にあるエフェス・ダミムに陣を張った。
サム上 17:2 一方、サウルとイスラエルの兵も集結し、エラの谷に陣を敷き、ペリシテ軍との戦いに備えた。
サム上 17:3 ペリシテ軍は一方の山に、イスラエル軍は谷を挟んでもう一方の山に陣取った。
サム上 17:4 ペリシテの陣地から一人の戦士が進み出た。その名をゴリアトといい、ガト出身で、背丈は六アンマ半、
サム上 17:5 頭に青銅の兜をかぶり、身には青銅五千シェケルの重さのあるうろことじの鎧を着、
サム上 17:6 足には青銅のすね当てを着け、肩に青銅の投げ槍を背負っていた。
サム上 17:7 槍の柄は機織りの巻き棒のように太く、穂先は鉄六百シェケルもあり、彼の前には、盾持ちがいた。
サム上 17:8 ゴリアトは立ちはだかり、イスラエルの戦列に向かって呼ばわった。「どうしてお前たちは、戦列を整えて出て来るのか。わたしはペリシテ人、お前たちはサウルの家臣。一人を選んで、わたしの方へ下りて来させよ。
サム上 17:9 その者にわたしと戦う力があって、もしわたしを討ち取るようなことがあれば、我々はお前たちの奴隷となろう。だが、わたしが勝ってその者を討ち取ったら、お前たちが奴隷となって我々に仕えるのだ。」
サム上 17:10 このペリシテ人は続けて言った。「今日、わたしはイスラエルの戦列に挑戦する。相手を一人出せ。一騎打ちだ。」
サム上 17:11 サウルとイスラエルの全軍は、このペリシテ人の言葉を聞いて恐れおののいた。
サム上 17:12 ダビデは、ユダのベツレヘム出身のエフラタ人で、名をエッサイという人の息子であった。エッサイには八人の息子があった。サウルの治世に、彼は人々の間の長老であった。
サム上 17:13 エッサイの年長の息子三人は、サウルに従って戦いに出ていた。戦いに出た三人の息子の名は、長男エリアブ、次男アビナダブ、三男シャンマであり、
サム上 17:14 ダビデは末の子であった。年長の三人はサウルに従って出ていたが、
サム上 17:15 このダビデは行ったり来たりして、サウルに仕えたり、ベツレヘムの父の羊を世話したりしていた。
サム上 17:16 かのペリシテ人は、四十日の間、朝な夕なやって来て、同じ所に立った。
サム上 17:17 さて、エッサイは息子ダビデに言った。「兄さんたちに、この炒り麦一エファと、このパン十個を届けなさい。陣営に急いで行って兄さんたちに渡しなさい。
サム上 17:18 このチーズ十個は千人隊の長に渡しなさい。兄さんたちの安否を確かめ、そのしるしをもらって来なさい。」
サム上 17:19 サウルも彼らも、イスラエルの兵は皆、ペリシテ軍とエラの谷で戦っていた。
サム上 17:20 ダビデは翌朝早く起き、羊の群れを番人に任せ、エッサイが命じたものを担いで出かけた。彼が幕営に着くと、兵は鬨の声をあげて、戦線に出るところだった。
サム上 17:21 イスラエル軍とペリシテ軍は、向かい合って戦列を敷いていた。
サム上 17:22 ダビデは持参したものを武具の番人に託すと、戦列の方へ走って行き、兄たちの安否を尋ねた。
サム上 17:23 彼が兄たちと話しているとき、ガトのペリシテ人で名をゴリアトという戦士が、ペリシテ軍の戦列から現れて、いつもの言葉を叫んだのでダビデはこれを聞いた。
サム上 17:24 イスラエルの兵は皆、この男を見て後退し、甚だしく恐れた。
サム上 17:25 イスラエル兵は言った。「あの出て来た男を見たか。彼が出て来るのはイスラエルに挑戦するためだ。彼を討ち取る者があれば、王様は大金を賜るそうだ。しかも、王女をくださり、更にその父の家にはイスラエルにおいて特典を与えてくださるということだ。」
サム上 17:26 ダビデは周りに立っている兵に言った。「あのペリシテ人を打ち倒し、イスラエルからこの屈辱を取り除く者は、何をしてもらえるのですか。生ける神の戦列に挑戦するとは、あの無割礼のペリシテ人は、一体何者ですか。」
サム上 17:27 兵士たちはダビデに先の言葉を繰り返し、「あの男を討ち取る者はこのようにしてもらえる」と言った。
サム上 17:28 長兄エリアブは、ダビデが兵と話しているのを聞き、ダビデに腹を立てて言った。「何をしにここへ来たのか。荒れ野にいるあの少しばかりの羊を、誰に任せてきたのか。お前の思い上がりと野心はわたしが知っている。お前がやって来たのは、戦いを見るためだろう。」
サム上 17:29 ダビデは言った。「わたしが、今、何をしたというのですか。話をしているだけではありませんか。」
サム上 17:30 ダビデは兄から他の人の方に向き直って、前と同じことを聞いた。兵士の答えは、最初と同じであった。