家庭礼拝 2023年1月11日 サムエル記上 11:1-15 サウルの勝利と即位
賛美歌513主は命を聖書朗読 祈り 奨励説教 一分黙想 全員祈り 主の祈り 賛美歌515きみのたまものと
起
サウルは前回の10章でサムエルによって、公にイスラエルの王として指名されました。9章ではすでにサムエルによって油を注がれて、王としての権能を与えられていました。ですがイスラエルの中には、こんな男に我々が救えるかと思って、侮っているものもいたのです。
それでもサウルは幾人かの部下を抱えて、王になっているのかと思いきや、今日の11章では、まだ牛を追って農夫として働いていたのです。サウルが本当の王となるには至っていなかったのです。そのためには、王としての働きが必要だったのです。今日の箇所ではその試練の場が与えられるのです。
イスラエルの人々が王が欲しいといった背景にはヨルダン川の東側のギレアド地方にはアンモン族の脅威があり、西側の地中海地方にはペリシテ人の脅威があったのです。その中で、王がいなければ、イスラエルの力を結集して戦うことが出来ないという不安があったのです。そしてこの11節ではその脅威が実際に起こったのです。
それは東のアンモン族がギレアドのヤベシュを攻めて包囲したのです。そしてその民を助けてやるには、全員の右の眼を抉り出すことが条件だと言ったのです。これはイスラエルを甘く見て、侮辱し、脅威を与えるために言ったのです。悔しかったらかかってこいと言った感じなのです。するとヤベシュの長老はイスラエルの全土に使者を立てて救ってくれるように言いますから、7日間待ってください。誰も救ってくれないなら、あなたたちの言うとおりにしますと言ったのです。普通なら、包囲されている者たちの言うことなど聞かないはずですが、イスラエルに知らせても誰もかかって来ないだろうと高をくくって、使者を出すことを許しているのです。そしてその使者がサウルのいるギブアに来ました。ギブアと言うのはエルサレムに近いところにあるサウルの家のあるところです。このギブアでサウルに聖霊が下って預言者状態になったところなのです。サウルはこの話を聞くと、神の霊が下って大いに怒り、一軛の牛を切り裂いてイスラエル全土に送り、サウルとサムエルに従って兵を出すようにと命じたのです。もし従わなければこの牛のように切り裂かれるという意味なのです。この当時には、兵を集めるときにこの様に何かを切り裂いて各部族に送り、兵を動員するということがあったのです。時にはそれが人の死体であることもあったのです。
このことによってサウルはイスラエルの兵を動員することが出来、アンモン人の陣営に突入したのです。そしてアンモン人を追い払いました。この様にして、ギレアドのヤベシュはサウルによっては救われたのです。この事があって、サウルを王と認めなかったものも、サウルをイスラエルの王として認め、そして再度ギルガルと言う場所で、サウルを王として、主のみ前に立てました。このアンモン族の脅威があったためにサウルはその災いを転じて福となしたのです。これからがサウルの本当の王としての地位が築かれるのです。
承
聖書に戻ると、事の起こりは、東側のアンモン族がヨルダン川の東側にあるギレアドのヤベシュに攻めてきたことから始まりました。1節から3節です。
サム上 11:1 さて、アンモン人のナハシュが攻め上って来て、ギレアドのヤベシュを包囲した。ヤベシュの全住民はナハシュに言った。「我々と契約を結んでください。我々はあなたに仕えます。」
サム上 11:2 アンモン人のナハシュは答えた。「お前たちと契約を結ぼう。ただし、お前たち全員の右の目をえぐり出すのが条件だ。それをもって全イスラエルを侮辱しよう。」
サム上 11:3 ヤベシュの長老たちは彼に言った。「七日間の猶予をください。イスラエルの全土に使者を立てます。救ってくれる者がいなければ、我々はあなたのもとへ出て行きます。」
この様にアンモン族はギレアドのヤベシュを包囲して、この町は皆殺しの脅威にさらされていたのです。このヨルダン川の東側のギレアド地方はマナセの半部族が定着していたところで、その外側にはアンモン族がいたのです。イスラエルはまだ国家としての体制がなく、部族単位だったので、このマナセの半部族だけではアンモン族の力には立ち向かえませんでした。それで、包囲されたヤベシュの人々はどうか命だけは助けてください、あなた方と契約を結んで、あなた方に仕えますと言ったのです。すると、アンモン族のリーダーのナハシュは、「お前たちと契約を結ぼう。ただし、お前たち全員の右の目をえぐり出すのが条件だ。それをもって全イスラエルを侮辱しよう。」と言ったのです。ヤベシュの長老たちは震え上がりました。そしてこう言ったのです。「七日間の猶予をください。イスラエルの全土に使者を立てます。救ってくれる者がいなければ、我々はあなたのもとへ出て行きます。」アンモン人のナハシュはよほどイスラエルを甘く見ていたようです。これほど侮辱して、震え上がらせても、イスラエルには自分に歯向かってくる勇気も力もないだろうと思っているのです。しかもこのヤベシュの長老たちも、イスラエル全土に使者を立てて、私たちを救ってくださいとお願いしても救ってくれるものがいないのではないかと思っているのです。だから誰も救ってくれなければ、私たちは、あなたたちに右の眼を抉り出されても、従いますと言っていたのです。この使者を遣わすことが許されたということは、だれもイスラエルに戦う勇気があるとは思っていなかったということです。むしろこの後、アンモン族のナハシュはさらに恐怖によって、イスラエルを攻めこもうとしているのです。
このヤベシュの使者は、イスラエルの王となっているはずのギブアのサウルのところにやってきました。そしてその悲惨な出来事を伝えたのです。4節から7節です。
サム上 11:4 使者はサウルのいるギブアに来て、事の次第を民に報告した。民のだれもが声をあげて泣いた。
サム上 11:5 そこへ、サウルが牛を追って畑から戻って来た。彼は尋ねた。「民が泣いているが、何事か起こったのか。」彼らはヤベシュの人々の言葉を伝えた。
サム上 11:6 それを聞くうちに神の霊がサウルに激しく降った。彼は怒りに燃えて、
サム上 11:7 一軛の牛を捕らえ、それを切り裂き、使者に持たせて、イスラエル全土に送り、次のように言わせた。「サウルとサムエルの後について出陣しない者があれば、その者の牛はこのようにされる。」民は主への恐れにかられ、一丸となって出陣した。
この使者はサウルのいるギブアに来たのですが、サウルはいなかったのです。それでそのことを回りにいる民に報告すると、それを聞いて民の誰もが声をあげて泣いたのです。サウルはどうしていたかと言うと、そのことを知らずに、牛を追って畑から帰ってきたのです。まだ農夫としての仕事をしていて、ちっとも王様ではありませんでした。そこで皆が泣いているので不思議に思い、「民が泣いているが、何事か起こったのか。」と言うと、彼らはヤベシュの人々の言葉を伝えました。
その話を聞くと、サウルも一緒に泣いたのではなく、神の霊が下って、激しく怒ったのです。そして、一軛の牛を捕らえ、それを切り裂き、使者に持たせて、イスラエル全土に送り、次のように言わせました。「サウルとサムエルの後について出陣しない者があれば、その者の牛はこのようにされる。」民は主への恐れにかられ、一丸となって出陣した。と書かれています。旧約聖書時代には、時々このように、家畜や人間の体を切り裂いて、イスラエル全土に送り、怒りを集めて、全イスラエルの兵を結集するということが行われました。まさにサウルは、王としてこのことを行ったのです。その使者の知らせを聞いた人々は主への恐れに駆られて、一丸となって出陣したのです。その切り裂いた牛の体を見て、神の怒りを感じたのです。切り裂いた牛がわざわざ一軛と書いてあるのは、一匹ではなくて2匹かもしれません。二匹で軛を負うことが多いからです。
転
さて、サウルはベゼクで兵を集結して、兵の数を確認しました。そしてまさに攻め込もうとしていたのです。8節から11節です。
サム上 11:8 サウルがベゼクで彼らを点呼すると、イスラエルが三十万、ユダが三万であった。
サム上 11:9 彼らはヤベシュから送られて来た使者に言った。「ギレアドのヤベシュの人々にこう言うのだ。『明日、日盛りのころ、あなたがたに救いが来る。』」使者が帰って来てそう知らせると、ヤベシュの人々は喜び祝った。
サム上 11:10 ヤベシュの人々は言った。「明日、我々はあなたたちのもとに出て行きます。よいようにしてください。」
サム上 11:11 翌日、サウルは民を三つの組に分け、朝の見張りの時刻にアンモン人の陣営に突入し、日盛りのころまで彼らを討った。生き残った者はちりぢりになり、二人一緒に生き残った者はいなかった。
さて、兵を動員したサウルは陣営を引き連れて、ゼベクで彼らを点呼しました。いよいよ決戦が始まるからです。ゼベクと言うのは、ちょうどヨルダン川をはさんで、東側のヤベシュの反対側のイスラエル側の谷間にある町です。そこにはイスラエルが30万ユダが3万だと言いますが、これはかなり数字を盛っていると思います。そして、ヤベシュの使いに対して、「ギレアドのヤベシュの人々にこう言うのだ。『明日、日盛りのころ、あなたがたに救いが来る。』」そう伝えたのです。ヤベシュの人は大喜びでした。そして次の日、サウルは民を三つの組に分けて、明け方にアンモン人の陣営に攻め入りました。日が昇ったころには彼らを打って、残ったものはちりぢりになっていなくなってしまいました。サウルの大勝利となったのです。
サウルはこの戦いの勝利によって、王としての信頼を大きく集めることが出来たのです。12節から15節です。
サム上 11:12 民はサムエルに言った。「『サウルが我々の王になれようか』と言っていた者はだれであろうと引き渡してください。殺します。」
サム上 11:13 しかし、サウルは言った。「今日は、だれも殺してはならない。今日、主がイスラエルにおいて救いの業を行われたのだから。」
サム上 11:14 サムエルは民に言った。「さあ、ギルガルに行こう。そこで王国を興そう。」
サム上 11:15 民は全員でギルガルに向かい、そこでサウルを王として主の御前に立てた。それから、和解の献げ物を主の御前にささげ、サウルもイスラエルの人々もすべて、大いに喜び祝った。
この戦いに酔いしれた民は、それまでサウルを侮っていた者たちを憤りました。そして、サムエルに、「『サウルが我々の王になれようか』と言っていた者はだれであろうと引き渡してください。殺します。」とさえ言ったのです。それほどサウル王に対する忠誠心が高まったのです。ですがサウルは、「今日は、だれも殺してはならない。今日、主がイスラエルにおいて救いの業を行われたのだから。」と言って、栄光を神にささげ、寛容な思いを尽くしたのです。
サウルを王にしたサムエルはまた、もう一度ギルガルに行こうと言いました。そこで今度こそ本当の王国を起こそうと言ったのです。今度は名実ともにサウルが王となったからです。そこでサウロを王として主の御前に立てました。それから、和解の献げ物を主の御前にささげ、サウルもイスラエルの人々もすべて、大いに喜び祝ったのでした。ギルガルと言うのは神の祭壇のあるところです。サウルがサムエルに油注がれた時にも、さうるはサムエルに、ギルガルに行きなさいと言われ、そこで焼き尽くす捧げものと和解の捧げものを捧げましょうと言われたのです。そして名実ともに王となったこの時もそのギルガルで、サウルを王として主のみ前に立てて、和解の捧げものを主のみ前に捧げたのです。
結
このように、サムエルはサウルを選び王としての権能を与えて油を注いでも、人々の前で、神の選びによる王としての宣言をしても、それでもまだサウルは本当の王となることはできませんでした。本当の王となるためには、このアンモン人との戦いによって勝利を収めることが必要だったのです。そのことはイスラエルにとってもサウルにとっても苦しい試練に違いはないのですが、神の御心を行うためにはそのような試練の時を通り抜ける必要があったのです。試練は私たちにとって、本物になるための通過儀礼なのです。
(一分間黙想)(お祈り)
天の父なる神様。サウルがイスラエルの王となるためには、最後の試練が必要でした。その災いはそれを乗り越えることによって、本物の王となるために必要だったのです。サムエルの油注ぎだけではなく、公の宣言だけではなく、自分でその試練に立ち向かうことによって、神の栄光を表し、王にふさわしいものとなったのです。どんな災い、どんな試練をも逃れようとするのではなく、神様が備えてくださったものとして、受け入れ立ち向かっていくことが出来ますように。
この祈りを、主イエス・キリストの御名によって、お祈りいたします。アーメン
<<聖書の箇所(旧約聖書:◇サムエル記上)>>
◆サウルの勝利と即位
サム上 11:1 さて、アンモン人のナハシュが攻め上って来て、ギレアドのヤベシュを包囲した。ヤベシュの全住民はナハシュに言った。「我々と契約を結んでください。我々はあなたに仕えます。」
サム上 11:2 アンモン人のナハシュは答えた。「お前たちと契約を結ぼう。ただし、お前たち全員の右の目をえぐり出すのが条件だ。それをもって全イスラエルを侮辱しよう。」
サム上 11:3 ヤベシュの長老たちは彼に言った。「七日間の猶予をください。イスラエルの全土に使者を立てます。救ってくれる者がいなければ、我々はあなたのもとへ出て行きます。」
サム上 11:4 使者はサウルのいるギブアに来て、事の次第を民に報告した。民のだれもが声をあげて泣いた。
サム上 11:5 そこへ、サウルが牛を追って畑から戻って来た。彼は尋ねた。「民が泣いているが、何事か起こったのか。」彼らはヤベシュの人々の言葉を伝えた。
サム上 11:6 それを聞くうちに神の霊がサウルに激しく降った。彼は怒りに燃えて、
サム上 11:7 一軛の牛を捕らえ、それを切り裂き、使者に持たせて、イスラエル全土に送り、次のように言わせた。「サウルとサムエルの後について出陣しない者があれば、その者の牛はこのようにされる。」民は主への恐れにかられ、一丸となって出陣した。
サム上 11:8 サウルがベゼクで彼らを点呼すると、イスラエルが三十万、ユダが三万であった。
サム上 11:9 彼らはヤベシュから送られて来た使者に言った。「ギレアドのヤベシュの人々にこう言うのだ。『明日、日盛りのころ、あなたがたに救いが来る。』」使者が帰って来てそう知らせると、ヤベシュの人々は喜び祝った。
サム上 11:10 ヤベシュの人々は言った。「明日、我々はあなたたちのもとに出て行きます。よいようにしてください。」
サム上 11:11 翌日、サウルは民を三つの組に分け、朝の見張りの時刻にアンモン人の陣営に突入し、日盛りのころまで彼らを討った。生き残った者はちりぢりになり、二人一緒に生き残った者はいなかった。
サム上 11:12 民はサムエルに言った。「『サウルが我々の王になれようか』と言っていた者はだれであろうと引き渡してください。殺します。」
サム上 11:13 しかし、サウルは言った。「今日は、だれも殺してはならない。今日、主がイスラエルにおいて救いの業を行われたのだから。」
サム上 11:14 サムエルは民に言った。「さあ、ギルガルに行こう。そこで王国を興そう。」
サム上 11:15 民は全員でギルガルに向かい、そこでサウルを王として主の御前に立てた。それから、和解の献げ物を主の御前にささげ、サウルもイスラエルの人々もすべて、大いに喜び祝った。