家庭礼拝 2022年11月23日 サムエル記上 4:2-22 神の箱、奪われる
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起
神様がサムエルに呼び掛けて、エリの裁きの運命を話しましたが、それからサムエルは成長して、サムエルの言葉が全イスラエルまで及ぶようになったことが先週の話で語られました。ところがこの4章から6章までの3つの章ではサムエルのことが全く語られなくなるのです。ここで語られているのはペリシテ人との戦いの話とその戦いに負けて、神の箱が奪われたという話になります。この時サムエルはどうしていたのでしょうか。
この三つの章の話は、もともとサムエルの話とは別に独立してあった話のようです。その話をこのサムエルの物語の間に入れて、エリとその息子たちがどのようにして死んだのかを語っているのです。それは神様がサムエルを通して予言した話が実現するということになるのです。このイスラエルとペリシテの戦いというのは因縁的なものがあって、イスラエルは山岳地方にすむ民族で、ペリシテ人たちは海岸地方に住む人たちです。イスラエルの人々が山から勢力を広げて下りてきたところと、ペリシテの人々が山のほうに勢力を拡大したところでぶつかり合う前線ができるのです。そしてこの辺でいつも争いが起こるのです。有名な話ではダビデがペリシテのゴリアテと戦った話などはこのような戦いが何代にも続いていることが分かります。この二つの戦いを見ると、なんとなく、イスラエルのほうが進んでいるのかなと思ってしまいますが、実はそうではないのです。ペリシテのほうは海に向かっているので、ギリシャなどの文明が海を通して入っていているので、戦争をするにしても、ペリシテ人は戦車を使ったり、金属の甲冑をつけたりして、本格的な兵士がおり、イスラエルとは格段の差があるのです。イスラエルは、羊飼いや農夫たちが、鋤や桑の代わりに剣をもって集まっているだけの集団なのです。でもイスラエルには、神様が付いていてくださっているので、いつも不思議な力が働いて、勝利へと導かれていたのです。
ですが今回は違います。イスラエルは大負けするのです。その戦いの中で、エリの二人の息子ホフニとピネハスも共に死んでしまいました。神様が預言していた災いはこの事だったのです。イスラエル人たちは自分たちが戦いに負けるのは、神様が近くにいないからだと思って、エリのところにある契約の箱を持ち出して、自分たちの陣営の中に置いたのです。そのことで人々は大いに喜びましたが、それでも戦いには勝つことが出来ず、それどころか、この神の箱までも奪われてしまうのです。そのことを聞いたエリは卒倒して倒れ、首の骨を折って、死んでしまいました。これでエリの家に予言されたことが実現したのです。
どうして神の箱まで持ってきたのにイスラエルはペリシテとの戦いに勝つことが出来なかったのでしょうか。神様の力が弱くなったのでしょうか。そうではないのです。これは神様のイスラエルに対する罰なのです。ですからわざと負けるようにして、苦しみを与えたのです。エリの家に対してはエリと二人の息子に死を与え、その子孫にも暗い影を落としました。戦いのために神の箱を利用しようとしたイスラエルには、ペリシテ人たちに完敗するという屈辱を与えました。これはイスラエルに戒めを与えるための敗戦なのです。この様にして、神様がサムエルに与えた預言が実現するという話がこれから続くのです。
承
サムエルの話は突然、ペリシテ人との戦いの話に変わります。1節後半から3節です。
イスラエルはペリシテに向かって出撃し、エベン・エゼルに陣を敷いた。一方、ペリシテ軍はアフェクに陣を敷き、
サム上 4:2 イスラエル軍に向かって戦列を整えた。戦いは広がり、イスラエル軍はペリシテ軍に打ち負かされて、この野戦でおよそ四千の兵士が討ち死にした。
サム上 4:3 兵士たちが陣営に戻ると、イスラエルの長老たちは言った。「なぜ主は今日、我々がペリシテ軍によって打ち負かされるままにされたのか。主の契約の箱をシロから我々のもとに運んで来よう。そうすれば、主が我々のただ中に来て、敵の手から救ってくださるだろう。」
イスラエルとペリシテ人とが戦いました。ですがイスラエル軍はペリシテ軍に打ち負かされて、およそ4千の兵士が討ち死にしました。今までは戦えば神様の力が働いて、ほとんどイスラエルは戦いに勝ってきました。ですが今回は負けてしまったのです。それで長老たちは、なぜ主は今日、イスラエルがペリシテ軍に打ち負かされるままにされたのかと議論しあいました。ここで、神様に対する罪を悔い改めるならば神様はイスラエルに味方してくださったかもしれません。ところが長老たちはそのように悔い改めをすることなく、戦いに負けたのは主の契約の箱が自分たちのただなかにないから、敵の手から救ってくれなかったという結論に達したのです。すなわち、神様が近くにいないからだと考え、神様を近くに持ってこようと考えたのです。これは神様を道具のように考える考え方です。自分たちで神様をうまく使おうとしたのです。その結果はどうなるでしょうか。
兵士たちは長老たちの結論に従って、契約の箱を戦いの場に運んできたのです。4節から8節です。
サム上 4:4 兵士たちはシロに人をやって、ケルビムの上に座しておられる万軍の主の契約の箱を、そこから担いで来させた。エリの二人の息子ホフニとピネハスも神の契約の箱に従って来た。
サム上 4:5 主の契約の箱が陣営に到着すると、イスラエルの全軍が大歓声をあげたので、地がどよめいた。
サム上 4:6 ペリシテ軍は歓声を聞いて言った。「ヘブライ人の陣営にどよめくあの大歓声は何だろう。」そして、主の箱がイスラエル軍の陣営に到着したと知ると、
サム上 4:7 ペリシテ軍は、神がイスラエル軍の陣営に来たと言い合い、恐れて言った。「大変だ。このようなことはついぞなかったことだ。
サム上 4:8 大変なことになった。あの強力な神の手から我々を救える者があろうか。あの神は荒れ野でさまざまな災いを与えてエジプトを撃った神だ。
兵士たちは長老たちに言われたようにシロにやってきました。そこにはエリが神殿で守っていた契約の箱があったからです。そしてその契約の箱をそこからかついて持って行ったのです。その時、エリの二人の息子ホフニとピネハスもその契約の箱に従ってついてきたのです。その主の契約の箱が陣営に到着するとイスラエルの全軍が大歓声を上げました。もうこれで勝ったと思ったのです。神様がともにいてくださって負けたことはないからです。ペリシテ軍はそのイスラエルの歓声を聞いて怯えました。ペリシテ人たちも、イスラエルの神様のことはよく知っていたのです。その神様は、あの強国エジプト軍をも打ち負かした神様であることは世界中に知れ渡っていたのです。ですから、その神様が陣営に入ったと聞いて、ペリシテ軍はそんなことは今まで聞いたこともない、大変なことになったと恐れおののいたのです。
この様に恐れおののいていたペリシテ軍ですが、そのペリシテ軍を励ます声がしたのです。9節から11節です。
サム上 4:9 ペリシテ人よ、雄々しく男らしくあれ。さもなければ、ヘブライ人があなたたちに仕えていたように、あなたたちが彼らに仕えることになる。男らしく彼らと戦え。」
サム上 4:10 こうしてペリシテ軍は戦い、イスラエル軍は打ち負かされて、それぞれの天幕に逃げ帰った。打撃は非常に大きく、イスラエルの歩兵三万人が倒れた。
サム上 4:11 神の箱は奪われ、エリの二人の息子ホフニとピネハスは死んだ。
ここではまるで、イスラエルとペリシテが反対になったように、何者かが、ペリシテを励ますのです。雄々しく男らしくあれ、男らしく彼らと戦え、という声が聞こえたのです。この声に励まされて、ペリシテ軍は戦い、イスラエル軍は打ち負かされて、天幕に逃げ帰ったのです。この時イスラエルの歩兵3万人が倒れたとあります。いつもの戦いのときには、イスラエルに神様の励ましの声が聞こえるのですが、この時にはペリシテのほうに何者かの声が聞こえているのです。この戦いで、神の箱は奪われ、エリの二人の息子ホフニとピネハスは死んだのです。
転
その戦争の状況を、イスラエルの中心都市シロの人々はまだ知りませんでした。そこに戦場から駆け付けた男がその知らせを持ってきたのです。12節から18節です。
サム上 4:12 ベニヤミン族の男が一人、戦場を出て走り、その日のうちにシロに着いた。彼の衣は裂け、頭には塵をかぶっていた。
サム上 4:13 到着したとき、エリは道の傍らに設けた席に座り、神の箱を気遣って目を凝らしていた。その男が町に知らせをもたらすと、町全体から叫び声があがった。
サム上 4:14 エリは叫び声を耳にして、尋ねた。「この騒々しい声は何だ。」男は急いでエリに近寄り報告した。
サム上 4:15 エリは九十八歳で目は動かず、何も見ることができなかった。
サム上 4:16 男はエリに言った。「わたしは戦場から戻って来た者です。今日戦場から落ちのびて来ました。」エリは尋ねた。「わが子よ、状況はどうなのか。」
サム上 4:17 知らせをもたらした者は答えた。「イスラエル軍はペリシテ軍の前から逃げ去り、兵士の多くが戦死しました。あなたの二人の息子ホフニとピネハスも死に、神の箱は奪われました。」
サム上 4:18 その男の報告が神の箱のことに及ぶと、エリは城門のそばの彼の席からあおむけに落ち、首を折って死んだ。年老い、太っていたからである。彼は四十年間、イスラエルのために裁きを行った。
戦場から駆け付けて知らせを持ってきた兵士は、頭に塵をかぶり衣は裂けていました。これは戦いのために傷ついたとか、知らせに急いで駆けつけて転んでそうなったとかいうものではありません。旧約聖書ではよく頭に塵をかぶったり灰をかぶったりします。また同時に衣を割いたりします。これは悲惨な状況にあった時にその悲しみを表す動作なのです。ですから戦争の知らせを持ってきた人はその姿で、戦争が負けたということを知らせに来たのです。そのような姿の知らせが来た時に、町全体から叫び声が上がったのです。それは悲しみの叫びなのです。その時エリは神の箱の事ばかりが気になっていたのです。そしてその知らせを待っていたのですが、目が悪かったので、この知らせを持ってきた男を見ることが出来ず、ただその騒ぎに気が付いて、「この騒々しい声は何だ。」と言ったのです。その知らせを持った男は急いでエリに報告し、「わたしは戦場から戻って来た者です。今日戦場から落ちのびて来ました。」と言った後で、「イスラエル軍はペリシテ軍の前から逃げ去り、兵士の多くが戦死しました。あなたの二人の息子ホフニとピネハスも死に、神の箱は奪われました。」と言ったのです。息子が死んだことよりも、神の箱が奪われたと聞いたエリは、その驚きのあまり城門のそばの彼の席からあおむけに落ち、首を折って死んだのです。これはサムエルに語られた神の言葉が実現したのです。そしてその前にエリに現れた神の人の言葉が実現したのです。それはエリの家には長命なものがいなくなること、二人の息子は同じ日に死ぬこと、ということが実現したのです。ですからこのペリシテとの戦いに敗れたのは、イスラエルとエリの家に罰を与えるために神様が行ったことであり、神の箱が奪われたのも神様のなされたことなのです。その結果、エリと二人の息子は死んだのです。
この時の悲惨な出来事はこれだけでは終わりませんでした。エリの嫁に当たる、ピネハスの妻にもこの不幸が訪れたのです。19節から22節です。
サム上 4:19 エリの嫁に当たる、ピネハスの妻は出産間近の身であったが、神の箱が奪われ、しゅうとも夫も死んだとの知らせを聞くと、陣痛に襲われてかがみ込み、子を産んだ。
サム上 4:20 死の迫っている彼女に、付き添っていた女たちが語りかけた。「恐れることはありません。男の子が生まれました。」しかし彼女は答えず、心を留めなかった。
サム上 4:21 神の箱が奪われ、しゅうとも夫も死に、栄光はイスラエルを去ったと考えて、彼女は子供をイカボド(栄光は失われた)と名付けた。
サム上 4:22 彼女は言った。「栄光はイスラエルを去った。神の箱が奪われた。」
ピネハスの妻は出産まぢかでした。夫婦二人でその出産を待ち望んでいたことと思います。ところが突然、この日、夫が死に、その舅も死んだのです。この妻は身寄りのない、やもめとなってしまったのです。しかも神の箱が奪われたことも聞きました。その知らせの、あまりにも大きいショックのために、突然陣痛に襲われて、子供を産みました。ですが彼女は死にかけていたのです。付き添っていた人たちは励まそうとして、「恐れることはありません。男の子が生まれました。」と言って励ましたのです。ですが彼女は答えませんでした。彼女の心は空っぽになっていたのです。夫も、舅も、神の箱も奪われて、栄光はイスラエルを去ったと考えたのです。自分たちの生活の基盤となるものがすべて奪われたのです。この神殿にも、もう誰も来ることがなくなるだろうと思ったのです。そして、彼女は「栄光はイスラエルを去った。神の箱が奪われた。」と語り、生まれてきた子供をイカボド(栄光は失われた)と名付けたのです。この子供の運命も神様の預言によって、長生きできないことになっていたのです。「
(一分間黙想)(お祈り)
イスラエルはペリシテと戦いました。いつもは優勢に戦いをしていたのに、今回は負けてしまいました。この様な時、いつものイスラエルならば神様に尋ねて悔い改め、その罪の許しを願うのです。ですが、イスラエルは悔い改めることなく、神様の箱を持ち出せば勝てると思い陣営に運び出しました。神様を自分の都合の良いように使おうとしたのです。私たちが祈りをささげるとき、神様を自分の都合の良いように使うことはできないのです。むしろ自分を悔い改め自分を変えていただかなければなりません。神様どうか思い高ぶることなく、自分の罪を悔い改め、御心にかなうようにと祈ることが出来ますように。神様に背いた罪がいつか現実の罰として現れることを思って、罪を清めてくださいますように祈らせてください。
この祈りを、主イエス・キリストの御名によって、お祈りいたします。アーメン
<<聖書の箇所(旧約聖書:◇サムエル記上)>>
◆神の箱、奪われる
イスラエルはペリシテに向かって出撃し、エベン・エゼルに陣を敷いた。一方、ペリシテ軍はアフェクに陣を敷き、
サム上 4:2 イスラエル軍に向かって戦列を整えた。戦いは広がり、イスラエル軍はペリシテ軍に打ち負かされて、この野戦でおよそ四千の兵士が討ち死にした。
サム上 4:3 兵士たちが陣営に戻ると、イスラエルの長老たちは言った。「なぜ主は今日、我々がペリシテ軍によって打ち負かされるままにされたのか。主の契約の箱をシロから我々のもとに運んで来よう。そうすれば、主が我々のただ中に来て、敵の手から救ってくださるだろう。」
サム上 4:4 兵士たちはシロに人をやって、ケルビムの上に座しておられる万軍の主の契約の箱を、そこから担いで来させた。エリの二人の息子ホフニとピネハスも神の契約の箱に従って来た。
サム上 4:5 主の契約の箱が陣営に到着すると、イスラエルの全軍が大歓声をあげたので、地がどよめいた。
サム上 4:6 ペリシテ軍は歓声を聞いて言った。「ヘブライ人の陣営にどよめくあの大歓声は何だろう。」そして、主の箱がイスラエル軍の陣営に到着したと知ると、
サム上 4:7 ペリシテ軍は、神がイスラエル軍の陣営に来たと言い合い、恐れて言った。「大変だ。このようなことはついぞなかったことだ。
サム上 4:8 大変なことになった。あの強力な神の手から我々を救える者があろうか。あの神は荒れ野でさまざまな災いを与えてエジプトを撃った神だ。
サム上 4:9 ペリシテ人よ、雄々しく男らしくあれ。さもなければ、ヘブライ人があなたたちに仕えていたように、あなたたちが彼らに仕えることになる。男らしく彼らと戦え。」
サム上 4:10 こうしてペリシテ軍は戦い、イスラエル軍は打ち負かされて、それぞれの天幕に逃げ帰った。打撃は非常に大きく、イスラエルの歩兵三万人が倒れた。
サム上 4:11 神の箱は奪われ、エリの二人の息子ホフニとピネハスは死んだ。
サム上 4:12 ベニヤミン族の男が一人、戦場を出て走り、その日のうちにシロに着いた。彼の衣は裂け、頭には塵をかぶっていた。
サム上 4:13 到着したとき、エリは道の傍らに設けた席に座り、神の箱を気遣って目を凝らしていた。その男が町に知らせをもたらすと、町全体から叫び声があがった。
サム上 4:14 エリは叫び声を耳にして、尋ねた。「この騒々しい声は何だ。」男は急いでエリに近寄り報告した。
サム上 4:15 エリは九十八歳で目は動かず、何も見ることができなかった。
サム上 4:16 男はエリに言った。「わたしは戦場から戻って来た者です。今日戦場から落ちのびて来ました。」エリは尋ねた。「わが子よ、状況はどうなのか。」
サム上 4:17 知らせをもたらした者は答えた。「イスラエル軍はペリシテ軍の前から逃げ去り、兵士の多くが戦死しました。あなたの二人の息子ホフニとピネハスも死に、神の箱は奪われました。」
サム上 4:18 その男の報告が神の箱のことに及ぶと、エリは城門のそばの彼の席からあおむけに落ち、首を折って死んだ。年老い、太っていたからである。彼は四十年間、イスラエルのために裁きを行った。
サム上 4:19 エリの嫁に当たる、ピネハスの妻は出産間近の身であったが、神の箱が奪われ、しゅうとも夫も死んだとの知らせを聞くと、陣痛に襲われてかがみ込み、子を産んだ。
サム上 4:20 死の迫っている彼女に、付き添っていた女たちが語りかけた。「恐れることはありません。男の子が生まれました。」しかし彼女は答えず、心を留めなかった。
サム上 4:21 神の箱が奪われ、しゅうとも夫も死に、栄光はイスラエルを去ったと考えて、彼女は子供をイカボド(栄光は失われた)と名付けた。
サム上 4:22 彼女は言った。「栄光はイスラエルを去った。神の箱が奪われた。」