家庭礼拝 2022年5月4日 ヨシュア記 2:1-24 エリコを探る
起
強く雄々しくあれと神様に励まされたヨシュアは、ヨルダン川を越えて、いよいよカナンの地を征服しようとしています。その最初の要塞がエリコにあります。ここは、周りは荒れ地ですが、城砦に囲まれたところは緑豊かなオアシスになっています。古くから栄えた街なのです。ヨシュアはこのエリコを攻めるために、二人の斥候をこのエリコに遣わして、その様子を探らしたのです。そして二人はエリコの遊女ラハブの所に行って泊まったのです。
するとこの二人が敵の斥候であることをエリコの王に伝えるものがあったのです。それで、王は人を遣わして、その捜索を始めました。普通ならば、ラハブは自分の国の王様に協力して、その斥候を引き渡すはずなのですが、驚いたことに、この二人をかくまったのです。それはこの国に対する大きな裏切り行為です。どうしてそんなことをしたのでしょうか。それはラハブはイスラエルの民の不思議な奇跡をいろいろと聞いていて、そこには神様の力が働いていると信じていたのです。エジプト人から追いかけられた時に、葦の海の水をひかせてそこを渡って、エジプト軍を滅ぼしたことやアモリ人の二人の王を滅ぼしたことなども知っていたのです。それだけならば、恐ろしい敵のイスラエル人と思うだけなのですが、そこには人間の力を超えた神様の力が働いているということを信じていたので、自分の国の人間の王様よりも、神様の方に味方するのが正しいと思ったのです。このように、この人には神の力が宿っていると思った時には敵味方関係なく、その神の力の前にひれ伏すのです。このことによって、ラハブは、旧約聖書の中では有名な信仰深い女として取り上げられることが多いのです。
承
それでは聖書に基づいて読み解いていきましょう。1節から7節です。
ヨシュ 2:1 ヌンの子ヨシュアは二人の斥候をシティムからひそかに送り出し、「行って、エリコとその周辺を探れ」と命じた。二人は行って、ラハブという遊女の家に入り、そこに泊まった。
ヨシュ 2:2 ところが、エリコの王に、「今夜、イスラエルの何者かがこの辺りを探るために忍び込んで来ました」と告げる者があったので、
ヨシュ 2:3 王は人を遣わしてラハブに命じた。「お前のところに来て、家に入り込んだ者を引き渡せ。彼らはこの辺りを探りに来たのだ。」
ヨシュ 2:4 女は、急いで二人をかくまい、こう答えた。「確かに、その人たちはわたしのところに来ましたが、わたしはその人たちがどこから来たのか知りませんでした。
ヨシュ 2:5 日が暮れて城門が閉まるころ、その人たちは出て行きましたが、どこへ行ったのか分かりません。急いで追いかけたら、あるいは追いつけるかもしれません。」
ヨシュ 2:6 彼女は二人を屋上に連れて行き、そこに積んであった亜麻の束の中に隠していたが、
ヨシュ 2:7 追っ手は二人を求めてヨルダン川に通じる道を渡し場まで行った。城門は、追っ手が出て行くとすぐに閉じられた。
このように、ヨシュアに派遣された二人の斥候はエリコの周辺を探るためにエリコに潜り込んでラハブという遊女の家に入って泊まりました。ところがそのことを知った王は、その者たちを引き渡せとラハブの所にやってきたのです。二人の斥候は絶体絶命です。ラハブがその人たちならここに居ますと言えばすぐにつかまって殺されたでしょう。ですが、ラハブは二人を急いでかくまい、屋上に積んであった亜麻の束の中に隠したのです。そして調べに来た役人たちにはその人たちは来たけれども、日暮れにその人たちは出ていったと言ったのです。そして急いで追いかければ追いつくかもしれないと言って、その役人たちを追い払ったのです。
考えてみればおかしな話です。ラハブはエリコの人間なのに、どうしてエリコを滅ぼそうとするイスラエル人の斥候をかくまったのでしょうか。それも自分たちのしたことがわかれば殺されるかもしれないほどの危険を冒して、したのです。
その理由をラハブは二人のイスラエル人に、このように語りました。8節から14節です。
ヨシュ 2:8 二人がまだ寝てしまわないうちに、ラハブは屋上に上って来て、
ヨシュ 2:9 言った。「主がこの土地をあなたたちに与えられたこと、またそのことで、わたしたちが恐怖に襲われ、この辺りの住民は皆、おじけづいていることを、わたしは知っています。
ヨシュ 2:10 あなたたちがエジプトを出たとき、あなたたちのために、主が葦の海の水を干上がらせたことや、あなたたちがヨルダン川の向こうのアモリ人の二人の王に対してしたこと、すなわち、シホンとオグを滅ぼし尽くしたことを、わたしたちは聞いています。
ヨシュ 2:11 それを聞いたとき、わたしたちの心は挫け、もはやあなたたちに立ち向かおうとする者は一人もおりません。あなたたちの神、主こそ、上は天、下は地に至るまで神であられるからです。
ヨシュ 2:12 わたしはあなたたちに誠意を示したのですから、あなたたちも、わたしの一族に誠意を示す、と今、主の前でわたしに誓ってください。そして、確かな証拠をください。
ヨシュ 2:13 父も母も、兄弟姉妹も、更に彼らに連なるすべての者たちも生かし、わたしたちの命を死から救ってください。」
ヨシュ 2:14 二人は彼女に答えた。「あなたたちのために、我々の命をかけよう。もし、我々のことをだれにも漏らさないなら、主がこの土地を我々に与えられるとき、あなたに誠意と真実を示そう。」
このラハブは遊女ですから、教養もなく財産もない貧しい生活をしていたに違いありません。ですが、ラハブはイスラエル人に起こった不思議な出来事の数々を噂で知っていたのです。そしてその不思議な力はイスラエルの神様からきていることも聞いていたのです。ですから、エジプトを出た時に、神様が葦の海を干上がらせて海を渡らせてくださって、エジプトの追手から逃げることが出来たことや、アモリ人の二人の王たちを滅ぼしつくしたことなどで、その神様の前にはとても逆らうことが出来ないことを思っていたので、このエリコの王様のことよりも、イスラエルの神様にしたがった方がよいと考えていたのです。そして、「あなたたちの神、主こそ、上は天、下は地に至るまで神であられるからです。」とその信仰を告白したのです。このことによって、ラハブは信仰深い女として、旧約聖書の中で認められるようになったのです。そしてラハブは、この二人の斥候を助けた代わりに、エリコの町がイスラエルの人々に襲撃されたときに、自分達の親兄弟や親族たちを助けてくれるように誓ってくれと頼んだのです。すると、この二人の斥候はあなたたちのために自分たちの命を懸けて、約束することを誓ったのです。このようにして、ラハブの信仰と知恵とによって、その親兄弟一族のものがその命を救われることになるのです。
転
このように、二人の斥候を救い、自分たちの命の補償をさせたラハブは二人を町から逃れさせるのです。15節から21節です。
ヨシュ 2:15 ラハブは二人を窓から綱でつり降ろした。彼女の家は、城壁の壁面を利用したものであり、城壁の内側に住んでいたからである。
ヨシュ 2:16 彼女は二人に言った。「追っ手に会わないように、山の方へ行きなさい。三日間はそこに身を隠し、追っ手が引き揚げてから帰りなさい。」
ヨシュ 2:17 二人は彼女に言った。「あなたが我々に誓わせた誓いから、我々が解かれることもある。
ヨシュ 2:18 我々がここに攻め込むとき、我々をつり降ろした窓にこの真っ赤なひもを結び付けておきなさい。またあなたの父母、兄弟、一族を一人残らず家に集めておきなさい。
ヨシュ 2:19 もし、だれかが戸口から外へ出たなら、血を流すことになっても、その責任はその人にある。我々には責任がない。だが、あなたと一緒に家の中にいる者に手をかけるなら、その血の責任は我々にある。
ヨシュ 2:20 もし、あなたが我々のことをだれかに知らせるなら、我々は、あなたの誓わせた誓いから解かれる。」
ヨシュ 2:21 ラハブは、「お言葉どおりにいたしましょう」と答えて、二人を送り出し、彼らが立ち去ると、真っ赤なひもを窓に結び付けた。
エリコの町は城壁に囲まれていましたが、実はその城壁の中にも人の住む家があったのです。いちばん外側の家が城壁になった感じです。そこは外から攻撃されやすいですから、きっとそこに住む人々は貧しい人々だったと思います。今でいうと、ガード下に住んでいるようなものです。豊かな人たちは城壁の内側に家を建てて住んでいました。遊女ラハブはこの城壁の家に住んでいたのです。ですからラハブはイスラエルの斥候を逃がすのに、窓から綱でつり降ろしたのです。そこはもう城壁の外側になるからです。そして二人に言いました。「追っ手に会わないように、山の方へ行きなさい。三日間はそこに身を隠し、追っ手が引き揚げてから帰りなさい。」そう教えたのです。この二人は逃げるときに、ラハブにこう言いました。「我々がここに攻め込むとき、我々をつり降ろした窓にこの真っ赤なひもを結び付けておきなさい。またあなたの父母、兄弟、一族を一人残らず家に集めておきなさい。」このようにラハブたちを助ける目印は窓につけた真っ赤な紐となりました。でもこの部屋から出てしまったら、たとえ死んでも自分たちの責任ではないと言いました。また自分たちのことを他の人に知らせるなら助ける保証はないとも言いました。ラハブは、「お言葉どおりにいたしましょう」と答えて、二人を送り出し、彼らが立ち去ると、真っ赤なひもを窓に結び付けたのでした。
そのあと二人は山に逃げ込んで、隠れ、そして無事にヨシュアの元に戻ってエリコの状況を報告したのです。22節から24節です。
ヨシュ 2:22 二人は山に入って行き、そこに三日間とどまって、追っ手が引き揚げるのを待った。追っ手はくまなく捜したが、見つけ出すことはできなかった。
ヨシュ 2:23 その後、二人は帰途につき、山を下り、川を渡って、ヌンの子ヨシュアのもとに戻り、自分たちが経験したことを一部始終報告して、
ヨシュ 2:24 こう言った。「主は、あの土地をことごとく、我々の手に渡されました。土地の住民は皆、我々のことでおじけづいています。」
二人は城壁を降りてから、ラハブに教えられたとおり、山に入っていき、そこに三日間隠れていました。そして追手が見つけ出すことが出来ずに引き上げた後、ヨシュアのもとに戻るために山を降り川を渡って、無事に帰っていったのです。そしてヨシュアにエリコの状況を報告しました。もちろんラハブたちのことも説明したのです。そして、「主は、あの土地をことごとく、我々の手に渡されました。土地の住民は皆、我々のことでおじけづいています。」と報告して、攻撃しても大丈夫だということを説明したのです。この言葉はラハブが言った、「主がこの土地をあなたたちに与えられたこと、またそのことで、わたしたちが恐怖に襲われ、この辺りの住民は皆、おじけづいていることを、わたしは知っています。」という言葉に基づいたものなのです。これでイスラエルは、神様の力を信じて、攻め込むことが出来たのです。
結
ラハブは人間の権威よりも神様の権威の方を選んだのです。人間の力は神様の力に及ばないと信じて、イスラエルの神様の方に自分たちの運命をゆだねたのです。このことはラハブの信仰によって、その家族も兄弟も一族もみな救われることになるのです。このことは私たちの信仰も、私達だけでなく、その家族も兄弟も救われることを表しているのです。だから、自分だけのことだけとしないで、家族のためにも兄弟のためにも信仰をしっかりと持って、神様にとりなしていきたいと思うのです。
(一分間黙想)(お祈り)
ラハブはイスラエルの斥候をかくまい逃がしましたが、それはイスラエルの神の力が人間の力に勝ることを信じたからでした。そしてその信仰によってその家族も兄弟たちも皆救われることになりました。私たちも与えられた信仰をもって、信仰を持たない兄弟たちのためにもとりなすことがどんなに大切かを思います。どうかあなたを信じて、私たちの家族や兄弟たちの救いを願い求めていくことが出来ますように。どうか、皆があなたの救いにあずかることが出来ますように。
この祈りを、主イエス・キリストの御名によって、お祈りいたします。アーメン
<<聖書の箇所(旧約聖書:◇ヨシュア記)>>
◆エリコを探る
ヨシュ 2:1 ヌンの子ヨシュアは二人の斥候をシティムからひそかに送り出し、「行って、エリコとその周辺を探れ」と命じた。二人は行って、ラハブという遊女の家に入り、そこに泊まった。
ヨシュ 2:2 ところが、エリコの王に、「今夜、イスラエルの何者かがこの辺りを探るために忍び込んで来ました」と告げる者があったので、
ヨシュ 2:3 王は人を遣わしてラハブに命じた。「お前のところに来て、家に入り込んだ者を引き渡せ。彼らはこの辺りを探りに来たのだ。」
ヨシュ 2:4 女は、急いで二人をかくまい、こう答えた。「確かに、その人たちはわたしのところに来ましたが、わたしはその人たちがどこから来たのか知りませんでした。
ヨシュ 2:5 日が暮れて城門が閉まるころ、その人たちは出て行きましたが、どこへ行ったのか分かりません。急いで追いかけたら、あるいは追いつけるかもしれません。」
ヨシュ 2:6 彼女は二人を屋上に連れて行き、そこに積んであった亜麻の束の中に隠していたが、
ヨシュ 2:7 追っ手は二人を求めてヨルダン川に通じる道を渡し場まで行った。城門は、追っ手が出て行くとすぐに閉じられた。
ヨシュ 2:8 二人がまだ寝てしまわないうちに、ラハブは屋上に上って来て、
ヨシュ 2:9 言った。「主がこの土地をあなたたちに与えられたこと、またそのことで、わたしたちが恐怖に襲われ、この辺りの住民は皆、おじけづいていることを、わたしは知っています。
ヨシュ 2:10 あなたたちがエジプトを出たとき、あなたたちのために、主が葦の海の水を干上がらせたことや、あなたたちがヨルダン川の向こうのアモリ人の二人の王に対してしたこと、すなわち、シホンとオグを滅ぼし尽くしたことを、わたしたちは聞いています。
ヨシュ 2:11 それを聞いたとき、わたしたちの心は挫け、もはやあなたたちに立ち向かおうとする者は一人もおりません。あなたたちの神、主こそ、上は天、下は地に至るまで神であられるからです。
ヨシュ 2:12 わたしはあなたたちに誠意を示したのですから、あなたたちも、わたしの一族に誠意を示す、と今、主の前でわたしに誓ってください。そして、確かな証拠をください。
ヨシュ 2:13 父も母も、兄弟姉妹も、更に彼らに連なるすべての者たちも生かし、わたしたちの命を死から救ってください。」
ヨシュ 2:14 二人は彼女に答えた。「あなたたちのために、我々の命をかけよう。もし、我々のことをだれにも漏らさないなら、主がこの土地を我々に与えられるとき、あなたに誠意と真実を示そう。」
ヨシュ 2:15 ラハブは二人を窓から綱でつり降ろした。彼女の家は、城壁の壁面を利用したものであり、城壁の内側に住んでいたからである。
ヨシュ 2:16 彼女は二人に言った。「追っ手に会わないように、山の方へ行きなさい。三日間はそこに身を隠し、追っ手が引き揚げてから帰りなさい。」
ヨシュ 2:17 二人は彼女に言った。「あなたが我々に誓わせた誓いから、我々が解かれることもある。
ヨシュ 2:18 我々がここに攻め込むとき、我々をつり降ろした窓にこの真っ赤なひもを結び付けておきなさい。またあなたの父母、兄弟、一族を一人残らず家に集めておきなさい。
ヨシュ 2:19 もし、だれかが戸口から外へ出たなら、血を流すことになっても、その責任はその人にある。我々には責任がない。だが、あなたと一緒に家の中にいる者に手をかけるなら、その血の責任は我々にある。
ヨシュ 2:20 もし、あなたが我々のことをだれかに知らせるなら、我々は、あなたの誓わせた誓いから解かれる。」
ヨシュ 2:21 ラハブは、「お言葉どおりにいたしましょう」と答えて、二人を送り出し、彼らが立ち去ると、真っ赤なひもを窓に結び付けた。
ヨシュ 2:22 二人は山に入って行き、そこに三日間とどまって、追っ手が引き揚げるのを待った。追っ手はくまなく捜したが、見つけ出すことはできなかった。
ヨシュ 2:23 その後、二人は帰途につき、山を下り、川を渡って、ヌンの子ヨシュアのもとに戻り、自分たちが経験したことを一部始終報告して、
ヨシュ 2:24 こう言った。「主は、あの土地をことごとく、我々の手に渡されました。土地の住民は皆、我々のことでおじけづいています。」