家庭礼拝 2021年11月24日 出エジプト記 25:1-40 幕屋建設の指示
起
前回の24章で、モーセはシナイ山に入り、40日40夜山におりました。そのあとに続く25章から31章は臨在の幕屋と掟の箱を中心とした、幕屋の建設をどのようになすべきかを指示している、指示書です。これをこの時のシナイ山でモーセが神様から与えられた指示と考えてはいけないでしょう。モーセがこの40日40夜の山籠もりの後で持ち帰ったのは、十戒の書かれている石の板二つであって、このような幕屋と契約の箱についてのこまごまとした指示ではなかったはずです。ですから、これから学ぶ、25章から31章の指示書は祭司資料として伝えられた話を、このモーセがシナイ山で教えられたこととして、ここに挿入したものと考えてよいでしょう。
ここの小見出しは幕屋建設の指示、という言葉で始まっていますが、これはまさに臨在の幕屋を作って、それを中心に神様の存在を感じることになるという、信仰の転換点でもあるのです。それまでは何によって神様の臨在を感じていたかというと、雲の柱と火の柱なのです。これが出エジプトの時にイスラエル人を導いた神様の存在だったのです。そしてその神様の言葉を受けて、それを実行するのがモーセだったのです。ですから、モーセがシナイ山に40日もこもってしまうと、イスラエルの人々は不安になって神様がどこにいるかわからなくなってしまったのです。それでイスラエルの人々はエジプトで覚えてきた、金の子牛の像を作って、それを自分たちを導く神としようとしたのです。その時留守を守るはずのアロンでさえもが、そのような考えになってしまったのです。アロンの信仰はモーセの信仰に比べるとずっと弱いものだったのです。
ですからこの幕屋の存在というのは、モーセがいなくてもだれが祭司になっても、イスラエルを導く神様はいつもこの幕屋におられるという、信仰上の原点と安心感を与えるものだったのです。そしてこの時から、ユダヤ人はこの幕屋に臨在する、神様に従って、歩んでいくという信仰生活を送るようになるのです。ですから、これからの25章から31章の記述はその臨在の幕屋がどうあるべきかを神様から聞いてその通りに建設していくという指示書になるのです。その指示は実際に細かくそのものを作ることが出来るようにした設計書といったものですが、あまり細かく学ぶよりも、私たちの信仰にかかわる部分を重点的に学んでいきたいと思います。
承
まず最初は幕屋建設の指示です。1節から9節です。
◆幕屋建設の指示
出 25:1 主はモーセに仰せになった。
出 25:2 イスラエルの人々に命じて、わたしのもとに献納物を持って来させなさい。あなたたちは、彼らがおのおの進んで心からささげるわたしへの献納物を受け取りなさい。
出 25:3 彼らから受け取るべき献納物は以下のとおりである。金、銀、青銅、
出 25:4 青、紫、緋色の毛糸、亜麻糸、山羊の毛、
出 25:5 赤く染めた雄羊の毛皮、じゅごんの皮、アカシヤ材、
出 25:6 ともし火のための油、聖別の油と香草の香とに用いる種々の香料、
出 25:7 エフォドや胸当てにはめ込むラピス・ラズリやその他の宝石類である。
出 25:8 わたしのための聖なる所を彼らに造らせなさい。わたしは彼らの中に住むであろう。
出 25:9 わたしが示す作り方に正しく従って、幕屋とそのすべての祭具を作りなさい。
ここでは、幕屋建設を指示する前に、まず、神様に捧げる献納物について書かれています。献納物として書かれているものはみな貴重なものばかりです。金銀宝石、高級な糸や毛皮、香料とともし火の油などです。これらはみな礼拝用に使われるものと考えてよいでしょう。
幕屋に関しては、このように記されています。
出 25:8 わたしのための聖なる所を彼らに造らせなさい。わたしは彼らの中に住むであろう。
出 25:9 わたしが示す作り方に正しく従って、幕屋とそのすべての祭具を作りなさい。
聖なる幕屋を作るならば、神様はそこにおられて、イスラエルの民の中にともに住むであろうと約束してくれました。その幕屋は、神様が示す作り方に従って正しく作りなさいと命じており、これからその作り方を詳しく指示してくれるのです。
私達もまた、心の中に、このような神殿を作り、神様が共に住んでくださるようにするのです。その神殿は私たちが信仰をもって、神様の指示に従って生きるとき、金銀宝石で飾られた神殿を自分のうちに持つことが出来るのです。
転
さて、その神殿の中に入れるものとして、まず最初に書かれているのは箱を作れというのです。それはとても立派な箱ですが、なんに使うものでしょうか。それは、モーセが神様から授かった十戒の書かれた2枚の石の板を入れる箱なのです。これは契約の箱と呼ばれ、これに触れると死んでしまうほど神聖なのです。この2枚の石の板を神様の臨在の証拠として、この箱の中に入れておくのです。その箱の作り方をここでは詳しく指示しています。10節から22節です。
◆箱
出 25:10 アカシヤ材で箱を作りなさい。寸法は縦二・五アンマ、横一・五アンマ、高さ一・五アンマ。
出 25:11 純金で内側も外側も覆い、周囲に金の飾り縁を作る。
出 25:12 四つの金環を鋳造し、それを箱の四隅の脚に、すなわち箱の両側に二つずつ付ける。
出 25:13 箱を担ぐために、アカシヤ材で棒を作り、それを金で覆い、箱の両側に付けた環に通す。
出 25:15 棒はその環に通したまま抜かずに置く。
出 25:16 この箱に、わたしが与える掟の板を納めなさい。
出 25:17 次に、贖いの座を純金で作りなさい。寸法は縦二・五アンマ、横一・五アンマとする。
出 25:18 打ち出し作りで一対のケルビムを作り、贖いの座の両端、
出 25:19 すなわち、一つを一方の端に、もう一つを他の端に付けなさい。一対のケルビムを贖いの座の一部としてその両端に作る。
出 25:20 一対のケルビムは顔を贖いの座に向けて向かい合い、翼を広げてそれを覆う。
出 25:21 この贖いの座を箱の上に置いて蓋とし、その箱にわたしが与える掟の板を納める。
出 25:22 わたしは掟の箱の上の一対のケルビムの間、すなわち贖いの座の上からあなたに臨み、わたしがイスラエルの人々に命じることをことごとくあなたに語る。
まず、その箱の材料はアカシヤの木で作ると決められています。アカシアの木は耐久性が強く、フローリング材や食器などにも使われます。また花も美しくはちみつや香水などにも用いられます。そんなことでアカシア材で箱を作るのだと思います。寸法が書かれていますが、アンマとは45㎝ですから縦112.5cm横と高さが67.5ですから1mくらいの少し大きめのお茶箱くらいの大きさかもしれません。これは内側も外側も純金の箔で覆い、金の飾りをつけて、四隅の柱となるところに金の輪をつけてその穴に棒を通して担げるようにしたものです。これは担ぐだけでなく、直接箱に触れないようにするために、いつもこの棒は取り付けてあり、みこしの棒のようになって、置いてあるのです。そしてその中に、十戒が書かれた石の板を収めたのです。
つぎに贖いの座を純金で作りなさいと言われていますが、贖いの座とはこの箱のふたのことです。人間の罪を覆ってくれる蓋なのからか、いけにえの血を振りかける蓋だからなのかそのように呼ばれています。そしてその蓋の上の両端に一対のケルビムを向かい合わせで羽で蓋を覆うように作りなさいと言っています。こうなると日本のみこしにも屋根の上に鳳凰の鳥が付けられているのもあるので、似たような感じになってきます。向き合っているところなどは金のシャチホコのような感じかもしれません。神様は、このケルビムの間から人々に臨んで、必要なことを命じると言いました。ケルビムはエデンの東でその門を守っていたもので、人間、獅子、牡牛、鷲の顔と四枚の翼をつけた姿で表わされるものです。
次は机を作りなさいとし指示ました。これは供え物のパンをささげるときに乗せる机です。23節から30節です。
◆机
出 25:23 アカシヤ材で机を作りなさい。寸法は縦二アンマ、横一アンマ、高さ一・五アンマ。
出 25:24 純金で覆い、金の飾り縁を作る。
出 25:25 一トファの幅の枠で四本の脚を補強し、枠にも金の飾り縁を作る。
出 25:26 四つの金環を作り、それぞれの脚の外側に付けるが、
出 25:27 枠の高さに付け、机を担ぐ棒を通す環とする。
出 25:28 アカシヤ材で棒を作って金で覆い、机を担ぐ棒とする。
出 25:29 皿、柄杓、小瓶、水差しを作り、ぶどう酒の献げ物をささげるのに用いる。これらは、純金で作る。
出 25:30 この机に供えのパンを、絶えずわたしの前に供えなさい。
この机は供え物のパンを載せる台ですが。寸法は縦、90cm横45㎝高さ67.5㎝ですから、結構小さな机というよりも台です。先ほどの契約の箱よりも一回り小さなものです。それが契約の箱の前に置かれて捧げもののパンを載せているのです。これも純金で覆われ、金の飾り縁がついているのです。これもまた、その机を担ぐ棒を通す環が付けられており、担いで運べるようにしてあるのです。これらの礼拝用の道具はいつも幕屋ごと運び出して移動できるように、すべて担いで動かせるようにしてあるのです。
小さなものでは皿、柄杓、小瓶、水差しを作り、ぶどう酒の献げ物をささげるのに用いる容器を純金で作りなさいと命じられていますが、神様に捧げるものは先ほどの机の上に乗ったパンと、小瓶に入った葡萄酒であって、イエス様の聖餐式に使うパンとぶどう酒と同じなのです。でもその意味合いは全く違っており、幕屋では神様に捧げる捧げもので、皆金の容器、金の台で捧げられますが、教会ではイエス様から与えられる、イエス様の体なるパンと、イエス様の贖罪の血である葡萄酒であり、その容器は問わないのです。
次は燭台を作りなさいと指示されます。この契約の箱と捧げものの机と燭台があれば、祭壇用のセットが整います。31節から40節です。
◆燭台
出 25:31 純金で燭台を作りなさい。燭台は打ち出し作りとし、台座と支柱、萼(がく)と節と花弁は一体でなければならない。
出 25:32 六本の支柱が左右に出るように作り、一方に三本、他方に三本付ける。
出 25:33 一本の支柱には三つのアーモンドの花の形をした萼(がく)と節と花弁を付け、もう一本の支柱にも三つのアーモンドの花の形をした萼(がく)と節と花弁を付ける。燭台から分かれて出ている六本の支柱を同じように作る。
出 25:34 燭台の主柱には四つのアーモンドの花の形をした萼と節と花弁を付ける。
出 25:35 節は、支柱が対になって出ている所に一つ、その次に支柱が対になって出ている所に一つ、またその次に支柱が対になって出ている所に一つと、燭台の主柱から出ている六本の支柱の付け根の所に作る。
出 25:36 これらの節と支柱は主柱と一体でなければならず、燭台全体は一枚の純金の打ち出し作りとする。
出 25:37 次に、七個のともし火皿を作り、それを上に載せて光が前方に届くようにする。
出 25:38 また、芯切り鋏と火皿を純金で作る。
出 25:39 燭台とこれらすべての祭具とを重さ一キカルの純金で作る。
出 25:40 あなたはこの山で示された作り方に従い、注意して作りなさい。
この燭台も実に細かくその作り方が指定されています。大まかな形は真ん中に芯となる主柱があり、その両脇に三つづつ支柱が出ていて、ろうそくを載せるように上を向いているのです。それらの支柱には装飾がなされていて、四つのアーモンドの花の形をした萼(がく)と節と花弁を付ける、となっています。これを純金の打ち出しで作りなさいというのです。すなわち切ったり取り付けたり、削ったりすることなく、すべてたたき出しで作るというのですから大変な技術です。これと同じ方法で作っていたのがケルビムです。この燭台と、芯切狭と火皿を含めて、重さ1キカルの純金で作るという重さ制限もあるのです。1キカルというのは約34.2gなので、今の金相場のグラム7000円で換算すると、24万円分ほどなのでそれほど驚く量ではありません。でもこの分量でそれだけのものを作るのは大変なことだと思います。よほど薄く延ばして形を作るのだと思います。そして最後に、「あなたはこの山で示された作り方に従い、注意して作りなさい。」と、モーセがシナイ山で、神様から指示された内容であることがわかるように書いてあります。でも神様の指示はこれだけでなくまだまだあるので、これだけのことをモーセが一人で聞いてくるのはちょっと無理だと思っています。
結
ここには事細かに幕屋の祭壇を作るためにいろいろなことが指示されています。どうしてこれほど細かく指示しているのかと言えば、神様のことを一つもおろそかにすることなく、きちんと決めて間違いのないようにしたいと思っているのがひしひしと伝わってきます。決して裕福な民族でもないユダヤ人たちが、これほどの金や宝石を使って、この祭壇を作り、そこに自分たちの持っている、一番高価なものをささげていることを思います。ユダヤ人たちはこれほどの熱心さをもって、幕屋を作り祭壇を作りました。私たちの祭壇はどこにあるのか、どれほどのものをささげているのかが問われるような気がします。
(一分間黙想)(お祈り)
天の父なる神様、モーセは神様から、幕屋建設の指示を与えられました。それは神様がいつもイスラエルの民と共にいる臨在の幕屋となることが必要だったからです。その神様の臨在を見失うと、イスラエルは不安になってすぐに偶像にすがりつくのです。神様はその幕屋の一つ一つに詳しく指示を与え、イスラエルの民はその通りにこの幕屋を作ったのです。あなたと共にいることが何よりも大切だったからです。私たちにとってもあなたと共にいることが何よりも大切なことです。どうか私たちも心の中に神殿を築いてあなたを崇め賛美し続けることが出来ますように。私たちの心をささげることが出来ますように。この祈りを、主イエスキリストの御名によって、お祈りいたします。アーメン
<<聖書の箇所(旧約聖書:◇出エジプト記)>>
◆幕屋建設の指示
出 25:1 主はモーセに仰せになった。
出 25:2 イスラエルの人々に命じて、わたしのもとに献納物を持って来させなさい。あなたたちは、彼らがおのおの進んで心からささげるわたしへの献納物を受け取りなさい。
出 25:3 彼らから受け取るべき献納物は以下のとおりである。金、銀、青銅、
出 25:4 青、紫、緋色の毛糸、亜麻糸、山羊の毛、
出 25:5 赤く染めた雄羊の毛皮、じゅごんの皮、アカシヤ材、
出 25:6 ともし火のための油、聖別の油と香草の香とに用いる種々の香料、
出 25:7 エフォドや胸当てにはめ込むラピス・ラズリやその他の宝石類である。
出 25:8 わたしのための聖なる所を彼らに造らせなさい。わたしは彼らの中に住むであろう。
出 25:9 わたしが示す作り方に正しく従って、幕屋とそのすべての祭具を作りなさい。
◆箱
出 25:10 アカシヤ材で箱を作りなさい。寸法は縦二・五アンマ、横一・五アンマ、高さ一・五アンマ。
出 25:11 純金で内側も外側も覆い、周囲に金の飾り縁を作る。
出 25:12 四つの金環を鋳造し、それを箱の四隅の脚に、すなわち箱の両側に二つずつ付ける。
出 25:13 箱を担ぐために、アカシヤ材で棒を作り、それを金で覆い、箱の両側に付けた環に通す。
出 25:15 棒はその環に通したまま抜かずに置く。
出 25:16 この箱に、わたしが与える掟の板を納めなさい。
出 25:17 次に、贖いの座を純金で作りなさい。寸法は縦二・五アンマ、横一・五アンマとする。
出 25:18 打ち出し作りで一対のケルビムを作り、贖いの座の両端、
出 25:19 すなわち、一つを一方の端に、もう一つを他の端に付けなさい。一対のケルビムを贖いの座の一部としてその両端に作る。
出 25:20 一対のケルビムは顔を贖いの座に向けて向かい合い、翼を広げてそれを覆う。
出 25:21 この贖いの座を箱の上に置いて蓋とし、その箱にわたしが与える掟の板を納める。
出 25:22 わたしは掟の箱の上の一対のケルビムの間、すなわち贖いの座の上からあなたに臨み、わたしがイスラエルの人々に命じることをことごとくあなたに語る。
◆机
出 25:23 アカシヤ材で机を作りなさい。寸法は縦二アンマ、横一アンマ、高さ一・五アンマ。
出 25:24 純金で覆い、金の飾り縁を作る。
出 25:25 一トファの幅の枠で四本の脚を補強し、枠にも金の飾り縁を作る。
出 25:26 四つの金環を作り、それぞれの脚の外側に付けるが、
出 25:27 枠の高さに付け、机を担ぐ棒を通す環とする。
出 25:28 アカシヤ材で棒を作って金で覆い、机を担ぐ棒とする。
出 25:29 皿、柄杓、小瓶、水差しを作り、ぶどう酒の献げ物をささげるのに用いる。これらは、純金で作る。
出 25:30 この机に供えのパンを、絶えずわたしの前に供えなさい。
◆燭台
出 25:31 純金で燭台を作りなさい。燭台は打ち出し作りとし、台座と支柱、萼と節と花弁は一体でなければならない。
出 25:32 六本の支柱が左右に出るように作り、一方に三本、他方に三本付ける。
出 25:33 一本の支柱には三つのアーモンドの花の形をした萼と節と花弁を付け、もう一本の支柱にも三つのアーモンドの花の形をした萼と節と花弁を付ける。燭台から分かれて出ている六本の支柱を同じように作る。
出 25:34 燭台の主柱には四つのアーモンドの花の形をした萼と節と花弁を付ける。
出 25:35 節は、支柱が対になって出ている所に一つ、その次に支柱が対になって出ている所に一つ、またその次に支柱が対になって出ている所に一つと、燭台の主柱から出ている六本の支柱の付け根の所に作る。
出 25:36 これらの節と支柱は主柱と一体でなければならず、燭台全体は一枚の純金の打ち出し作りとする。
出 25:37 次に、七個のともし火皿を作り、それを上に載せて光が前方に届くようにする。
出 25:38 また、芯切り鋏と火皿を純金で作る。
出 25:39 燭台とこれらすべての祭具とを重さ一キカルの純金で作る。
出 25:40 あなたはこの山で示された作り方に従い、注意して作りなさい。