家庭礼拝 2021年5月26 出エジプト記 7:8-24 アロンの杖
起
今日からいよいよモーセとアロンはエジプトの王との交渉の戦いに出ます。その戦いは魔法と魔法の戦いのようにも思えます。モーセたちが奇跡をおこなうと、それと同じことをエジプトの魔術師も行って対抗するのです。ですから、エジプトの王はモーセたちの奇跡を本当には信じることが出来ず、イスラエルの神様が命じていることも信じることが出来なかったのです。エジプトの王ファラオは信じることが出来ず、かたくなになったと言われているのです。
これからモーセとアロンは10の災いの奇跡を立て続けに行います。それは非常にドラマチックで、映画でもよく描かれるモーセの代表的な奇跡です。それをあげてみると
① 血の災い、②蛙の災い、③ぶよの災い、④あぶの災い、⑤疫病の災い、⑥はれ物の災い、⑦雹の災い、⑧イナゴの災い、⑨暗闇の災い、⑩最後の災い
と続きます。このような災いを次々にもたらすことによって、エジプトの王ファラオにイスラエルの神は本当の神様であり、その方と戦うのをあきらめさせようとするのです。ここまでやって、やっとファラオは、モーセにはイスラエルの神様が付いていたことが分かったのです。
今日の最初の話は、アロンの杖となっていますが、これはアロンの杖が蛇になる話です。でも確か以前に出てきたときにはモーセの杖が蛇になるのではなかったのかと思います。それで以前の個所を見てみると、4章に、モーセが召命を受ける場面があり、主がモーセに現れたその証拠として、モーセの杖を地面に投げ捨てると蛇になり、その尾をつかむと杖に戻るという話があります。これを見せれば、皆イスラエルの神があなたに現れたことを知るようになると言われていたのです。それが今日の場面ではモーセの杖ではなく、アロンの杖になっているところがちょっと違うのです。これはどうも出典の違いのようです。P文書と言われる祭司文書と、J文書と言われるヤーウィスト文書の違いです。今日の個所は祭司文書によるもので、祭司文書ではアロンがもともと祭司であることから、相対的に祭司の地位を高くしている感じなのです。それでアロンの杖のほうにしたようです。ここではあまりこのことに突っ込まないでそのまま読んでいきましょう。
承
神様はモーセとアロンにその役割と使命を与えた後で、このように言ったのです。8節から10節です。
出
7:8 主はモーセとアロンに言われた。
出
7:9 「もし、ファラオがあなたたちに向かって、『奇跡を行ってみよ』と求めるならば、あなたはアロンに、『杖を取って、ファラオの前に投げよ』と言うと、杖は蛇になる。」
出
7:10 モーセとアロンはファラオのもとに行き、主の命じられたとおりに行った。アロンが自分の杖をファラオとその家臣たちの前に投げると、杖は蛇になった。
これは、モーセたちがファラオと会見する時に説明する話で、イスラエルの神が現れて、イスラエルの人々を荒れ野で捧げものをあげるために、連れ出すようにと命じたという話が本当かどうか確認するために、それが本当ならば奇跡をおこなってみよとファラオは言うだろうということなのです。そう言われたならば、モーセがアロンに『杖を取って、ファラオの前に投げよ』と言うと、杖は蛇になると言われたのです。この杖はアロンのもので、モーセのものではありません。この話にはモーセの杖を投げたという話も別にあるのです。モーセたちがファラオと会ったときにそのような場面になり、神様が命じられたとおりにアロンの杖を投げると杖は蛇になったのです。
その蛇を見て、最初は驚いたファラオや家臣たちは、自分の国にもこのくらいの魔術を使うものはいると思って、魔術師たちを呼び出したのです。11節から13節です。
出
7:11 そこでファラオも賢者や呪術師を召し出した。エジプトの魔術師もまた、秘術を用いて同じことを行った。
出
7:12 それぞれ自分の杖を投げると、蛇になったが、アロンの杖は彼らの杖をのみ込んだ。
出
7:13 しかし、ファラオの心はかたくなになり、彼らの言うことを聞かなかった。主が仰せになったとおりである。
その呼び出された魔術師たちも、モーセやアロンがやったように、杖を蛇に変える秘術を行ったのです。これで、モーセたちのやった奇跡が神の奇跡ではなく、魔術師たちならば誰でもできるマジックだと思って、モーセたちの言うことは信じなかったのです。モーセたちと、ファラオの魔術師たちとが対決し、お互いに杖を投げ入れ、蛇に変えて、競い合ったのです。ところがその両者の蛇を見ていると、アロンの杖の蛇が、彼らの杖の蛇を飲み込んだのです。これでアロンの杖のほうが強いとなって、モーセたちの神様のほうが偉大な神様であるとわかったはずなのですが、ファラオの心はかたくなになって、言うことを聞かなかったようです。
転
この様なことがあってもファラオはモーセたちの言うことを信じませんでした。それで神様は次の手をモーセに指示したのです。14節から17節です。
出
7:14 主はモーセに言われた。「ファラオの心は頑迷で、民を去らせない。
出
7:15 明朝、ファラオのところへ行きなさい。彼は水辺に下りて来る。あなたは蛇になったあの杖を手に持ち、ナイル川の岸辺に立って、彼を待ち受け、
出
7:16 彼に言いなさい。ヘブライ人の神、主がわたしをあなたのもとに遣わして、『わたしの民を去らせ、荒れ野でわたしに仕えさせよ』と命じられたのに、あなたは今に至るまで聞き入れない。
出
7:17 主はこう言われた。『このことによって、あなたは、わたしが主であることを知る』と。見よ、わたしの手にある杖でナイル川の水を打つと、水は血に変わる。
主がモーセに指示した次の手はナイル川の水を血に変える奇跡です。神様はモーセに現れて、ファラオはあなたの奇跡を信じないで、イスラエルの民を去らせないから、明日の朝、ファラオが水辺に下ってくるところを待ち伏せし、昨日蛇になった杖を使って、主が『わたしの民を去らせ、荒れ野でわたしに仕えさせよ』と命じられたのに、あなたは今に至るまで聞き入れない。と言って、ナイル川を杖でたたいて、血に変える奇跡を行いなさいと言ったのです。そうすれば、川の魚は死に臭くなって、ナイル川の水が飲めなくなるだろう。というのです。
ここでは最初、わたしの手にある杖でナイル川の水を打つと、水は血に変わる。と神様が言われたように、その杖はモーセの杖のように言われたのですが、その後からはアロンの杖に変わります。
モーセとアロンは神様が言われたように、杖で、ナイル川だけでなく、モーセがアロンに命じて『杖を取り、エジプトの水という水の上、河川、水路、池、水たまりの上に手を伸ばし、血に変えなさい』と言われたようにいろいろな水を血に変えたのです。エジプト人は飲み水がなくなったので、ナイル川のほとりを掘って、飲み水を得ようとしたとさえ書かれているのです。
今日の奇跡の個所は、杖を中心にした箇所でしたが、この杖には神様が宿っているとのことでした。この様な奇跡をおこなっても、ファラオはまだモーセたちの奇跡を信ぜず、このようなことならこの国の魔術師でもできると思って、魔術師たちに同じことをさせたのです。するとこの魔術師たちも同じことが出来たので、ファラオはモーセたちの奇跡を信じなかったのです。本物と偽物の区別がつかなかったのです。エジプトの魔術師も秘術を用いて同じことを行ったのでファラオの心はかたくなになり、二人の言うことを聞かなかった、と書かれています。神様が仰せになったとおりであったのです。ファラオは王宮に引き返し、このことをも心に留めなかった、とあるように、この奇跡を単なるマジックとして気に求めることがなかったのです。
結
今日の聖書の個所は、モーセたちがファラオを説得するために行った魔術師たちとの奇跡合戦でした。これが本当に神様の力による奇跡なのか、人間でもできるトリックなのか、それを証明するために行ったのですが、魔術師たちも負けてはいませんでした。同じようなことを行って、なかなかファラオを説得することが出来なかったのです。これはあらかじめ神様が言っていたことでした。これからさらにいくつもの奇跡をおこなって、ファラオを屈服させるまでこの奇跡を起こし続けるのです。
(一分間黙想)(お祈り)
天の父なる神様、モーセとアロンは、神様の宿っている杖を用いて、蛇の奇跡、血の奇跡を行いましたが、ファラオはそれを信じることが出来ませんでした。信じようとしないものには、どのような奇跡を見せても信じることが出来ないのです。ですから、神様を信じるにはまず信じようとする心が信仰が必要なのです。何かを学んで信じるものではありません。神様どうか私たちにも、まず信じることから始めさせてください。理屈によって信じるのではなく、信じることによって現れる奇跡を信じさせてください。この祈りを、主イエスキリストの御名によって、お祈りいたします。アーメン
<<聖書の箇所(旧約聖書:◇出エジプト記)>>
◆アロンの杖
出
7:8 主はモーセとアロンに言われた。
出
7:9 「もし、ファラオがあなたたちに向かって、『奇跡を行ってみよ』と求めるならば、あなたはアロンに、『杖を取って、ファラオの前に投げよ』と言うと、杖は蛇になる。」
出
7:10 モーセとアロンはファラオのもとに行き、主の命じられたとおりに行った。アロンが自分の杖をファラオとその家臣たちの前に投げると、杖は蛇になった。
出
7:11 そこでファラオも賢者や呪術師を召し出した。エジプトの魔術師もまた、秘術を用いて同じことを行った。
出
7:12 それぞれ自分の杖を投げると、蛇になったが、アロンの杖は彼らの杖をのみ込んだ。
出
7:13 しかし、ファラオの心はかたくなになり、彼らの言うことを聞かなかった。主が仰せになったとおりである。
◆血の災い
出
7:14 主はモーセに言われた。「ファラオの心は頑迷で、民を去らせない。
出
7:15 明朝、ファラオのところへ行きなさい。彼は水辺に下りて来る。あなたは蛇になったあの杖を手に持ち、ナイル川の岸辺に立って、彼を待ち受け、
出
7:16 彼に言いなさい。ヘブライ人の神、主がわたしをあなたのもとに遣わして、『わたしの民を去らせ、荒れ野でわたしに仕えさせよ』と命じられたのに、あなたは今に至るまで聞き入れない。
出
7:17 主はこう言われた。『このことによって、あなたは、わたしが主であることを知る』と。見よ、わたしの手にある杖でナイル川の水を打つと、水は血に変わる。
出
7:18 川の魚は死に、川は悪臭を放つ。エジプト人はナイル川の水を飲むのを嫌がるようになる。」
出
7:19 主は更にモーセに言われた。「アロンに言いなさい。『杖を取り、エジプトの水という水の上、河川、水路、池、水たまりの上に手を伸ばし、血に変えなさい』と。エジプトの国中、木や石までも血に浸るであろう。」
出
7:20 モーセとアロンは、主の命じられたとおりにした。彼は杖を振り上げて、ファラオとその家臣の前でナイル川の水を打った。川の水はことごとく血に変わり、
出
7:21 川の魚は死に、川は悪臭を放ち、エジプト人はナイル川の水を飲めなくなった。こうして、エジプトの国中が血に浸った。
出
7:22 ところが、エジプトの魔術師も秘術を用いて同じことを行ったのでファラオの心はかたくなになり、二人の言うことを聞かなかった。主が仰せになったとおりである。
出
7:23 ファラオは王宮に引き返し、このことをも心に留めなかった。
出
7:24 エジプト人は皆、飲み水を求めて、ナイル川の周りを掘った。ナイルの水が飲めなくなったからである。