家庭礼拝 2021年4月14 出エジプト記 4:18-31 モーセ、エジプトに戻る

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起 

 今日の個所は、短い個所ですが、舅に別れの挨拶をし、兄のアロンに会い、エジプトに行き、イスラエルの長老たちとあって、主の言葉を伝え、民の面前でしるしを行うという、大きな出来事が短い文章の中でとても簡単に書かれています。これだけでもいろいろなドラマが書けそうなくらいです。ですがそのことには時間をかけないで、早速ファラオとの対決に入るのがこの出エジプト記です。先週の個所では、神様から召命を受けたモーセが、何とかその使命を逃れようと、自信のない言葉を繰り返し、神様から叱られるような場面もありました。ですが今日からはしっかりとその使命を果たすべく、エジプトに向かったのです。この時モーセは家族を置いて一人で行ったのかと思っていましたが、妻子をロバに乗せて、全員連れて行ったのです。舅と妻の姉妹たちは残ったようですが、よく許してくれたと思います。家族も連れて行ったのは、エジプトに住み着くためではありません。この使命を果たすには長い時間がかかると思い、その間、家族と生活を共にして、使命を果たそうとしていたのだと思います。その覚悟が、この時のモーセにはできていました。

これからが本格的な出エジプトの話です。この話がどこまで歴史的事実なのかはわかりませんが、イスラエル人にずっと長く語り継がれて、モーセの律法を守り、その信仰を受け継いでいったのですから、その働きの大きさはたとえようもありません。その働きがどのようなものであったのかをこれから学んでいきたいと思います。

モーセはエジプトへ行くのに、きちんと舅のエトロに話をし、説明しましたが、神様の召命によっていくとは言いませんでした。こう言ったのです。18節と19節です。

出 4:18 モーセがしゅうとのエトロのもとに帰って、「エジプトにいる親族のもとへ帰らせてください。まだ元気でいるかどうか見届けたいのです」と言うと、エトロは言った。「無事で行きなさい。」

出 4:19 主はミディアンでモーセに言われた。「さあ、エジプトに帰るがよい、あなたの命をねらっていた者は皆、死んでしまった。」

 この様に、モーセがエトロに語ったのは「エジプトにいる親族のもとへ帰らせてください。まだ元気でいるかどうか見届けたいのです」と言ったのです。確かにその父や母や兄弟の消息を知りたいと思うのはもっともなことです。モーセがエジプトから逃れてミディアンに住んでからもう50年ほどたっているのですから、みんな相当の年になっているはずです。それでエジプトにいる親族のもとへ帰って元気かどうか見届けさせてくれと願ったのは当然な話です。それに対してはエトロは無事で行きなさいとだけ言いました。これで、エジプトに行く準備はできました。その後、主がモーセに現れて「さあ、エジプトに帰るがよい、あなたの命をねらっていた者は皆、死んでしまった。」と言いました。いよいよ出発の時が熟したと言ったのです。それには、モーセを殺そうとしていたものは皆死んでしまったから、安心して、エジプトに行ってその使命を果たすが良いということです。ということは、神様はこの時が熟するのを待って、モーセを召命したということなのです。この時もまた計画されていたのです。

 そしてモーセはエジプトに出発するのですが、一人ではありませんでした。20節です。

出 4:20 モーセは、妻子をろばに乗せ、手には神の杖を携えて、エジプトの国を指して帰って行った。

 この様に、モーセは妻子をロバに乗せ、手には神の杖を携えてエジプトの国を目指していったのです。モーセは家族全員でエジプトに行ったのです。妻子をロバに乗せ、と書いてあると、まだ小さな子供達かと思ってしまいますが、もう50年もたっているのですから、成人しているはずです。よく家族もモーセについていったと思いますが、きっと神様の言葉を説明して、その使命を聞かせていたのだと思います。舅にもそのことを説明していたのだと思います。そうでなくてはなぜ家族でエジプトに向かうのかを舅に理解させるのは難しそうです。手には神の杖がありました。これは神様がモーセと共にあることの絶対的なしるしでした。このしるしに勇気づけられて、モーセは出発したのです。

神様は再びモーセに現れて、これからどうすべきか、どんなことが起こるかを語りました。21節から23節です。

出 4:21 主はモーセに言われた。「エジプトに帰ったら、わたしがあなたの手に授けたすべての奇跡を、心してファラオの前で行うがよい。しかし、わたしが彼の心をかたくなにするので、王は民を去らせないであろう。

出 4:22 あなたはファラオに言うがよい。主はこう言われた。『イスラエルはわたしの子、わたしの長子である。

出 4:23 わたしの子を去らせてわたしに仕えさせよと命じたのに、お前はそれを断った。それゆえ、わたしはお前の子、お前の長子を殺すであろう』と。」

 神様はモーセに、エジプトに帰ったら、神様がモーセに与えた三つの奇跡のしるしをファラオの前で行いなさいと言いました。それでもファラオはイスラエルの民を去らせないだろうというのです。それはファラオの思いによるものだけではなく、神様がファラオの心をかたくなにするので、ファラオは神様の奇跡を理解することが出来なくて、イスラエルの民を去らせないだろうというのです。これもみな神様の計画であるというのです。

その時あなたはファラオにこう言いなさいと語りました。それは、『イスラエルはわたしの子、わたしの長子である。わたしの子を去らせてわたしに仕えさせよと命じたのに、お前はそれを断った。それゆえ、わたしはお前の子、お前の長子を殺すであろう』ということでした。ファラオは、神の長子であるイスラエルの民を帰らせないために、神様はファラオの長子を殺すだろうと、言いなさいと言ったのです。こんなことは普通は言えるものではありません。王様の長男を神様が殺すと言っているのですから、反対にそれを言った人が殺されるのが当たり前です。でも神様はそれを言いなさいとモーセに語りました。

旅の途中で、モーセは大変な目にあいました。ファラオと戦うどころか、神様に殺されそうになったのです。なぜそんなことが起こったのでしょうか。ここの個所はとても難解で、いったい何が起こったのか理解するのが難しいのです。24節から26節です。

出 4:24 途中、ある所に泊まったとき、主はモーセと出会い、彼を殺そうとされた。

出 4:25 ツィポラは、とっさに石刀を手にして息子の包皮を切り取り、それをモーセの両足に付け、「わたしにとって、あなたは血の花婿です」と叫んだので、

出 4:26 主は彼を放された。彼女は、そのとき、割礼のゆえに「血の花婿」と言ったのである。

モーセたち家族がエジプトに向かって旅をし、ある所に泊まっていた時、神様がモーセと出会って、モーセを殺そうとしたというのです。この話はあまりにも唐突で、いったい何が起こったのかがわかりません。何が起こったのかは妻のツィポラのした行動によって理解できます。ツィポラは、とっさに石刀を手にして息子の包皮を切り取り、それをモーセの両足につけ、「わたしにとって、あなたは血の花婿です」と叫んだのです。そうすると神様はモーセを開放しました。これはどういう意味でしょうか。これは割礼が関係している話と理解できますが、いったいどういうことでしょうか。殺されなければならないようなことなのでしょうか。

これにはアブラハムが最初に割礼を始めた時の神様の約束の言葉が関係しているのです。創世記17章の9節から11節でこう言われています。「神はまた、アブラハムに言われた。『だからあなたも、私の契約を守りなさい、あなたの後に続く子孫も。あなたたち、およびあなたの後に続く子孫と、わたしとの間で守るべき契約はこれである。すなわち、あなたたちの男子はすべて、割礼を受ける。包皮の部分を切り取りなさい。これが、私とあなたたちとの間の契約のしるしとなる。』」このように、その子孫たちもみな割礼を受けなければならないと契約されているのです。それに対して、モーセは果たして割礼を受けたでしょうか。またその息子たちは割礼を受けたでしょうか。生まれてくる男の子供は皆8日目には割礼を受けなければならないことになっています。モーセは3か月はレビ人である親の家に住んでいたので、たぶん割礼は受けていたのだと思いますが、「生まれた男の子は、一人残らずナイル川に放り込め。女の子は皆、生かしておけ」、という命令が出ていたので、割礼せず女の子として生かしていたかもしれません。一方、ミディアンで生まれたモーセの息子たちは、明らかに割礼を受けていませんでした。その地方ではあまり徹底していなかったのかもしれません。割礼を受けていないとどうなるのでしょうか。それは同じ17章の13節と14節にこう書いてあります。「あなたの家で生まれた奴隷も、買い取った奴隷も、必ず割礼を受けなければならない。それによって、私の契約はあなたの体に記されて永遠の契約となる。包皮の部分を切り取らない無割礼の男がいたなら、その人は民の間から断たれる。私の契約を破ったからである。」ということなのです。すなわち、割礼の契約を破ったものは殺されるということなのです。モーセが神様から殺されそうになったのは、モーセが割礼を受けていなかったからかもしれません。その時、妻のツィポラがとっさに石刀を手にして息子の包皮を切り取り、それをモーセの両足につけたとあります。ですから息子は割礼を受けていなかったのですが、妻のツィポラが包皮を切り取って割礼しました。そしてそれをモーセの両足につけたということはどういうことでしょうか。これは両足の間につけたということで、男性性器につけたということのようです。そして「わたしにとって、あなたは血の花婿です」と叫んだのです。血の花婿とは割礼をした花婿ということです。すなわち、ツィポラはモーセは割礼を受けていましたと証言したのです。このことによって、モーセは割礼を受けたものとされたようです。そして神様から解放されたのです。これからイスラエルの民を解放しようとするものが、割礼を受けていないという大きな間違いを正すために、神様がなさった突然の出来事だったのです。大変緊迫した状況でした。これに関しては、まだまだいろいろな解釈を想像できるのですが、ここでとどめておきます。

さてこの事件の後で、モーセは兄のアロンに会い、そしてエジプトでイスラエルの長老たちと会うことになります。27節から31節です。

出 4:27 主はアロンに向かって、「さあ、荒れ野へ行って、モーセに会いなさい」と命じられたので、彼は出かけて行き、神の山でモーセと会い、口づけした。

出 4:28 モーセは自分を遣わされた主の言葉と、命じられたしるしをすべてアロンに告げた。

出 4:29 モーセはアロンを伴って出かけ、イスラエルの人々の長老を全員集めた。

出 4:30 アロンは主がモーセに語られた言葉をことごとく語り、民の面前でしるしを行ったので、

出 4:31 民は信じた。また、主が親しくイスラエルの人々を顧み、彼らの苦しみを御覧になったということを聞き、ひれ伏して礼拝した。

 アロンは神様の声を聴いて、荒れ野に行って、モーセに会いなさいと命じられました。その出会った場所はシナイ半島のホレブの山すなわちシナイ山です。ここはカナンからもエジプトからもちょうど中間地点のところで、モーセが初めて燃える芝の中に神様を見出したところです。この神の山で、アロンはモーセと会い口づけしたとあります。そして、モーセは自分を遣わされた主の言葉と、命じられたしるしをすべてアロンに語り、アロンの役割についてもアロンの同意を得て、アロンを伴ってエジプトに行きイスラエルの長老たちと会うことになったのです。

そこで長老たちに説明したのは雄弁なアロンでした。モーセから聞かされた言葉をことごとく生き生きと語り、モーセは神の杖をもって、イスラエルの民の面前でそのしるしの奇跡をおこなったのです。それを見てイスラエルの人々はモーセが神様によって遣わされた人であり、このエジプトから連れ出そうとしていることを信じたのです。その話の中で、神様がいかにイスラエルの人々を顧みられているか、その苦しみに同情されているかを知って、イスラエルの人々は皆、神様にひれ伏して礼拝したのです。

モーセはいよいよエジプトに行くことになりました。舅に別れを告げ、家族を連れて、エジプトに向かいました。その途中で自分たちが割礼を受けていないことに気づかされ、割礼をしました。その後シナイ半島のホレブの山で兄アロンと会い、神様が語られた出来事をすべて話して、モーセの代わりの口となってアロンに語ってほしいことを話しました。そしてエジプトに着くと、イスラエルの長老たちに、神様の語られたことを話し、人々に神様から遣わされたしるしとしての奇跡を示したのです。そのうえで、神様がいかにイスラエルの民を大切にされているか、その苦しみに同情しているかを語って、人々はそのことに心を打たれてひれ伏し礼拝したのです。そしてここからイスラエルの民はいよいよエジプトを脱出する決意をするのです。

 

(一分間黙想)(お祈り)

天の父なる神様、迷いに迷っていたモーセはついに心を定めて、エジプトに行く決意をしました。そして家族を連れて、エジプトに向かいました。それにあたっては、割礼を行って、イスラエルの契約の民としてその証をすることを忘れませんでした。兄のアロンにも会い、いよいよその救済の活動が始まりました。そこにはすべてが神様の計画のうちにあることが示されています。エジプトの王ファラオが奇跡を見てもその心が変わらなかったのは、神様がその心をかたくなにしたからでした。自分たちの思いでやっていると思う事が、神様のみ手の中の出来事であることを思います。あなたの御心がどこにあるのか、何が良いことで神様に喜ばれることなのかを覚えつつ歩ませてください。この祈りを、主イエスキリストの御名によって、お祈りいたします。アーメン

 


<<聖書の箇所(旧約聖書:◇出エジプト記)>>  

◆モーセ、エジプトに戻る

出 4:18 モーセがしゅうとのエトロのもとに帰って、「エジプトにいる親族のもとへ帰らせてください。まだ元気でいるかどうか見届けたいのです」と言うと、エトロは言った。「無事で行きなさい。」

出 4:19 主はミディアンでモーセに言われた。「さあ、エジプトに帰るがよい、あなたの命をねらっていた者は皆、死んでしまった。」

出 4:20 モーセは、妻子をろばに乗せ、手には神の杖を携えて、エジプトの国を指して帰って行った。

出 4:21 主はモーセに言われた。「エジプトに帰ったら、わたしがあなたの手に授けたすべての奇跡を、心してファラオの前で行うがよい。しかし、わたしが彼の心をかたくなにするので、王は民を去らせないであろう。

出 4:22 あなたはファラオに言うがよい。主はこう言われた。『イスラエルはわたしの子、わたしの長子である。

出 4:23 わたしの子を去らせてわたしに仕えさせよと命じたのに、お前はそれを断った。それゆえ、わたしはお前の子、お前の長子を殺すであろう』と。」

出 4:24 途中、ある所に泊まったとき、主はモーセと出会い、彼を殺そうとされた。

出 4:25 ツィポラは、とっさに石刀を手にして息子の包皮を切り取り、それをモーセの両足に付け、「わたしにとって、あなたは血の花婿です」と叫んだので、

出 4:26 主は彼を放された。彼女は、そのとき、割礼のゆえに「血の花婿」と言ったのである。

出 4:27 主はアロンに向かって、「さあ、荒れ野へ行って、モーセに会いなさい」と命じられたので、彼は出かけて行き、神の山でモーセと会い、口づけした。

出 4:28 モーセは自分を遣わされた主の言葉と、命じられたしるしをすべてアロンに告げた。

出 4:29 モーセはアロンを伴って出かけ、イスラエルの人々の長老を全員集めた。

出 4:30 アロンは主がモーセに語られた言葉をことごとく語り、民の面前でしるしを行ったので、

出 4:31 民は信じた。また、主が親しくイスラエルの人々を顧み、彼らの苦しみを御覧になったということを聞き、ひれ伏して礼拝した。