家庭礼拝 2021年3月24 出エジプト記 2:11-25 エジプトからの逃亡

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起 

この出エジプト記での、モーセの生い立ちの話は、この2章だけで、赤ん坊の時から成人して結婚し子供が生まれるまでのことが書かれています。モーセは、生まれてすぐに、川に捨てられ、王女に拾われ、そして成人となり、エジプト人を殺したために、ミディアン地方に逃げていき、そこで結婚し、子供をもうけたということまでが一気に進んでいきます。

よくある大河ドラマや朝ドラの主人公のように子供時代の話が結構あってそれから、やっと本題の話になるのとは大違いです。モーセの生い立ちの話は2章で終わって、3章からは、本題の召命による、エジプト脱出の話にいきなり入っていきます。そしてその話は40章まで続くのです。1年は52週と少しですから、全部休みなく行っても今年いっぱいはかかります。ですから無駄なことはできるだけ省いていきなり本題に入っているようなものです。

今日の聖書の話は、王女に拾われて、王子として育てられ成長したはずのモーセがどうして、エジプトから逃亡しなければならなかったのかが書かれています。ここにはモーセのヘブライ人としての意識の高さがそのことをさせたことを物語っています。モーセはその逃亡先で神様からの召命を受けて、エジプトで奴隷になって苦しんでいる人々を開放させるために、再びエジプトに戻ってくるのです。

ではどうして王女の子として育ったモーセがエジプトから逃亡しなければならなかったのかを、この2章から学んでみましょう。

この今日の個所の書き出しのところから、すでにモーセは成人となっています。そしてある時事件が起こります。一体何が起こったのでしょうか。11節と12節です。

出 2:11 モーセが成人した頃のこと、彼は同胞のところへ出て行き、彼らが重労働に服しているのを見た。そして一人のエジプト人が、同胞であるヘブライ人の一人を打っているのを見た。

出 2:12 モーセは辺りを見回し、だれもいないのを確かめると、そのエジプト人を打ち殺して死体を砂に埋めた。

 モ-セは王女の子として、特別の教育を受け、立派に育っていたのですが、自分がエジプト人ではなくヘブライ人であることを自覚していました。自分が決して王になることはないし、きっとほかの人からもヘブライ人であることで、何かしらの差別待遇を受けていたのだと思います。そこでモーセの心は同胞であるヘブライ人の方に傾いていったのです。モーセは同胞のヘブライ人たちが、重労働を強制されているのを見て、気の毒に思っていました。自分だけがこんなに楽をしていていいのだろうかという思いがあったかもしれません。そのとき、一人のエジプト人が、同胞であるヘブライ人の一人を打っているのを見たのです。モーセはエジプト人の側で育ったはずなのですが、その時はヘブライ人の味方になっていたのです。そしてエジプト人が自分の同胞のヘブライ人にひどい仕打ちをしているのを見て、辺りに誰もいないのを確かめてそのエジプト人を打ち殺したのです。決してヘブライ人を助けるために割って入ったわけではなく、そのエジプト人のことを憎いと思って一人になった時に誰にも気づかれないようにして殺し、死体を砂に埋めたのです。それは自分のヘブライ人としての気持ちがそうせずにはいられなかったからなのです。この悪いエジプト人を殺せば、同胞のヘブライ人がいじめられずに済むかもしれないと思ったのかもしれません。

そして次の日もモーセは同胞たちのいるところを見に行きました。そこでまた事件に合うのです。13節から14節です。

出 2:13 翌日、また出て行くと、今度はヘブライ人どうしが二人でけんかをしていた。モーセが、「どうして自分の仲間を殴るのか」と悪い方をたしなめると、

出 2:14 「誰がお前を我々の監督や裁判官にしたのか。お前はあのエジプト人を殺したように、このわたしを殺すつもりか」と言い返したので、モーセは恐れ、さてはあの事が知れたのかと思った。

 この日はエジプト人がヘブライ人をいじめていたのではなくて、ヘブライ人同士が二人でけんかしていたのでした。ヘブライ人には平和に仲良く楽しく暮らしてほしいと願っていたモーセは、そのけんかを仲裁して、「どうして自分の仲間を殴るのか」と悪い方をたしなめると、「誰がお前を我々の監督や裁判官にしたのか。お前はあのエジプト人を殺したように、このわたしを殺すつもりか」と言い返したので、モーセは恐れ、さてはあの事が知れたのかと思ったのです。この男は知っていたのです。モーセは誰にも知れないように殺したと思っていたのですが、見ている者がいたのです。それでこの男は誰がお前を我々の監督や裁判官にしたのか、と言ったのです。人は上から目線で偉そうに裁こうとする人には、誰がお前を裁判官にしたのかというのです。モーセは王女の子となっていたので、現場の監督や裁判官よりも偉いような気がするのですが、そうでもなかったようです。このような奴隷のヘブライ人に、お前はいったい何者になった気でいるのかと、言われるくらいですから、それほど強い力はなかったようです。むしろ自分が人を殺したことを知られれば、自分のほうが捕らえられると恐れたのです。本当に王の子供ならば、まず殺す前に乱暴するなと指示することが出来ただろうし、もし人を殺しても、王の特権でその罪を無視することが出来ると思うのですが、モーセはむしろその法律で、裁かれて殺されるかもしれないと恐れたのですから、普通の人とあまり変わらないのです。その後やはりこの事件が発覚して、ファラオがモーセを捕らえようとしたのです。15節から17節です。

出 2:15 ファラオはこの事を聞き、モーセを殺そうと尋ね求めたが、モーセはファラオの手を逃れてミディアン地方にたどりつき、とある井戸の傍らに腰を下ろした。

出 2:16 さて、ミディアンの祭司に七人の娘がいた。彼女たちがそこへ来て水をくみ、水ぶねを満たし、父の羊の群れに飲ませようとしたところへ、

出 2:17 羊飼いの男たちが来て、娘たちを追い払った。モーセは立ち上がって娘たちを救い、羊の群れに水を飲ませてやった。

 王様のファラオはこの事件を聞いて、モーセを捕らえて殺そうとしたのです。ファラオにとって、モーセはただの人のようです。ヘブライ人にエジプト人が殺されてなるものかと思ったのかもしれません。モーセもそのことを知って、ファラオの追っ手を逃れて、ミディアン地方まで逃げたのです。ミディアン地方というのはシナイ半島を超えてアラビア半島に入ったところにある土地です。ここはアブラハムの後妻ケトラの子のミディアンの子孫が住んでいた土地なのです。これは、アブラハムがイサクに全財産を譲り家督を譲った後、後妻のケトラの子供たちといさかいを起こさないようにその子供たちを遠くの地へ追いやったのです。その一人の子がミディアンで、このシナイ半島の近くに住んでいたのです。ですから、ヘブライ人の一族に属する人たちなのです。

そのミディアン地方にたどり着いて、井戸の傍らで休んでいました。すると娘たちがやってきて、水をくみ、水舟を満たして羊の群れに水を飲ませようとしたのです。この娘たちはミディアンの祭司の娘たちで7人の娘がいたのです。ところがその羊に水を飲ませようとしているところに、別の羊飼いの男たちが来て、娘たちを追い払ったので、モーセは立ち上がって娘たちを救って、羊の群れに水を飲ませてやったのです。ここでもモーセの正義感がいかんなく発揮されています。弱いものをいじめるものに対しては我慢がならない性分なのです。

さてこの後どうなったでしょうか。娘たちはこのことを父に話したのです。18節から20節です。

出 2:18 娘たちが父レウエルのところに帰ると、父は、「どうして今日はこんなに早く帰れたのか」と尋ねた。

出 2:19 彼女たちは言った。「一人のエジプト人が羊飼いの男たちからわたしたちを助け出し、わたしたちのために水をくんで、羊に飲ませてくださいました。」

出 2:20 父は娘たちに言った。「どこにおられるのだ、その方は。どうして、お前たちはその方をほうっておくのだ。呼びに行って、食事を差し上げなさい。」

 羊に水を飲ませるときに、男たちが割り込んできて、水を飲ませるのに時間がかかるのはいつもの事だったようです。それで、父のレウエルは「どうして今日はこんなに早く帰れたのか」と尋ねました。彼女たちは「一人のエジプト人が、羊飼いの男たちからわたしたちを助け出し、わたしたちのために水をくんで、羊に飲ませてくださいました。」と答えたのです。娘たちにはモーセがヘブライ人ではなくエジプト人に見えたようです。そしてそのエジプト人が自分たちを助けて羊に水を飲ませてくださったことを伝えたのです。その話をしている時モーセはまだ井戸のあたりで休んでいたのかもしれません。それを聞いた父親はすぐにお礼を言わなくてはと思い、「どこにおられるのだ、その方は。どうして、お前たちはその方をほうっておくのだ。呼びに行って、食事を差し上げなさい。」と言ったのです。このようにして、モーセは食事を誘われて、この家に入ったのです。

 このレウエルの家は、娘だけが7人なので、男手が欲しかったのです。レウエルはきっと熱心にモーセを家に引き留めておいたのだと思います。そして結局モーセはこの家のもとにとどまることにしたのです。21節と22節です。

出 2:21 モーセがこの人のもとにとどまる決意をしたので、彼は自分の娘ツィポラをモーセと結婚させた。

出 2:22 彼女は男の子を産み、モーセは彼をゲルショムと名付けた。彼が、「わたしは異国にいる寄留者(ゲール)だ」と言ったからである。

 モーセがこの家にとどまる決心をすると、父親は娘のツィポラをモーセと結婚させたのです。そして、彼女は男の子を生んだのです。モーセはその男の子をゲルショムと名付けました。寄留者を意味するゲールから取ったゲルショムという名前なのです。このようにしてモーセはこのミディアンの地で、しばらく平穏な日々を過ごすことになるのです。

それからどうなったでしょうか。23節から25節です。

出 2:23 それから長い年月がたち、エジプト王は死んだ。その間イスラエルの人々は労働のゆえにうめき、叫んだ。労働のゆえに助けを求める彼らの叫び声は神に届いた。

出 2:24 神はその嘆きを聞き、アブラハム、イサク、ヤコブとの契約を思い起こされた。

出 2:25 神はイスラエルの人々を顧み、御心に留められた。

長い年月とはどのくらいでしょうか。きっと何十年にもなっているはずです。モーセがシナイ山で召命を受けるのが80歳くらいですから、きっと50年は経っていたと思います。その頃にはモーセを殺そうとしたエジプトのファラオは死んでしまいました。でもその間、イスラエルの人々は重労働に呻きあえいでいたのです。そしてその苦しみの中で、神様に助けを求める声が神様に届いたのです。神様はその嘆きの声を聴いて、アブラハム、イサク、ヤコブとの契約を思い起こされたとあります。それはこのイスラエルの民を必ずカナンの地に呼び戻すという契約です。それで、神様はイスラエルの人々を顧み御心に止められたのです。これがモーセの召命のきっかけとなっていくのです。

神様の御計画は不思議なものです。飢饉の時の備えとして、先にヨセフがエジプトに奴隷として売られて、そこでエジプトの宰相となって、イスラエルの民を救ったように、今度は、モーセがエジプト脱出のリーダーとなるように先にエジプトのリーダーとしての教育を受け、次にミディアンの地で、ヘブライ人の祭司の教育を受けたのです。でもそれからどうなるかはモーセには何もわかりませんでした。神様の召命があって初めてそのことに気が付いて行くのです。そこには何十年もの月日が立っています。神様に対する思いがなければとても気が付くようなことではないのです。でもそこには神様の計画がありました。そして。イスラエルの人々はモーセによって導かれ、エジプトを脱出して、カナンに向かっていくのです。

 

(一分間黙想)(お祈り)

天の父なる神様、あなたの計画は人の目にはとても信じられないがない長い年月の御計画です。ヨセフが先にエジプトに送られたように、モーセが先にエジプトを脱出して、イスラエルの民を連れ戻しに行きました。私たちの人生には、私たちには思いもよらないようなあなたの御計画があるに違いないのです。あなたは私たちを必要とされて、この世に生かしてくださっています。それがどのようなことであるかはわからなくても、ただあなたの御計画の御用に立っていることを信じて生きていくことが出来ますように。どうかあなたの御心がなって、御国の完成へと近づいていくことが出来ますように。この祈りを、主イエスキリストの御名によって、お祈りいたします。アーメン

 


<<聖書の箇所(旧約聖書:◇出エジプト記)>>  

◆エジプトからの逃亡

出 2:11 モーセが成人したころのこと、彼は同胞のところへ出て行き、彼らが重労働に服しているのを見た。そして一人のエジプト人が、同胞であるヘブライ人の一人を打っているのを見た。

出 2:12 モーセは辺りを見回し、だれもいないのを確かめると、そのエジプト人を打ち殺して死体を砂に埋めた。

出 2:13 翌日、また出て行くと、今度はヘブライ人どうしが二人でけんかをしていた。モーセが、「どうして自分の仲間を殴るのか」と悪い方をたしなめると、

出 2:14 「誰がお前を我々の監督や裁判官にしたのか。お前はあのエジプト人を殺したように、このわたしを殺すつもりか」と言い返したので、モーセは恐れ、さてはあの事が知れたのかと思った。

出 2:15 ファラオはこの事を聞き、モーセを殺そうと尋ね求めたが、モーセはファラオの手を逃れてミディアン地方にたどりつき、とある井戸の傍らに腰を下ろした。

出 2:16 さて、ミディアンの祭司に七人の娘がいた。彼女たちがそこへ来て水をくみ、水ぶねを満たし、父の羊の群れに飲ませようとしたところへ、

出 2:17 羊飼いの男たちが来て、娘たちを追い払った。モーセは立ち上がって娘たちを救い、羊の群れに水を飲ませてやった。

出 2:18 娘たちが父レウエルのところに帰ると、父は、「どうして今日はこんなに早く帰れたのか」と尋ねた。

出 2:19 彼女たちは言った。「一人のエジプト人が羊飼いの男たちからわたしたちを助け出し、わたしたちのために水をくんで、羊に飲ませてくださいました。」

出 2:20 父は娘たちに言った。「どこにおられるのだ、その方は。どうして、お前たちはその方をほうっておくのだ。呼びに行って、食事を差し上げなさい。」

出 2:21 モーセがこの人のもとにとどまる決意をしたので、彼は自分の娘ツィポラをモーセと結婚させた。

出 2:22 彼女は男の子を産み、モーセは彼をゲルショムと名付けた。彼が、「わたしは異国にいる寄留者(ゲール)だ」と言ったからである。

出 2:23 それから長い年月がたち、エジプト王は死んだ。その間イスラエルの人々は労働のゆえにうめき、叫んだ。労働のゆえに助けを求める彼らの叫び声は神に届いた。

出 2:24 神はその嘆きを聞き、アブラハム、イサク、ヤコブとの契約を思い起こされた。

出 2:25 神はイスラエルの人々を顧み、御心に留められた。