家庭礼拝 2021年3月10 出エジプト記 1:1-21 エジプトでのイスラエル人
起
今日からいよいよ、出エジプト記です。これはヤコブの民イスラエルが、エジプトで数世代を経て増えて行き、エジプト人から恐れられるようになり、奴隷のように酷使されたため、モーセに率いられてエジプトを脱出し、カナンの地を目指していくという話です。
この表題の出エジプト記というのは中国の漢字表現の表題であり、もともとはエクソドス、すなわち「脱出」という単純明快な表題なのです。なぜ、イスラエル人はエジプト人にそんなに恐れられたのでしょうか。それはイスラエル人の繁殖力が大きく、どんどんその子孫が増えるので、もし敵が襲ってきたときに、イスラエル人が寝返ると、エジプトは彼らに奪い取られるのではないかと恐れたのです。ヨセフがいた時にはまだほんのわずかの民だったので、王様のファラオもヤコブの民を大切に扱い、ヨセフの同族だということで特別の扱いもあったのです。ですが時代を経て、新しい王様が出てくると、ヨセフの功績も忘れ、ただ、どんどん増えていくイスラエル人が怖い存在になっていったのです。この箇所ではイスラエル人のことをヘブライ人と呼ぶ箇所が出てきます。それは助産婦のことをヘブライ人と呼んでいます。この違いは何でしょうか。イスラエル人というのはヤコブがイスラエルと呼ばれたように、その子孫全体をイスラエル人と呼び、その宗教的民族的な後継者を意識して、イスラエル人と呼んでいるのです。一方でヘブライ人というのはイスラエル人以外の人がイスラエル人を呼ぶときの言い方なのです。それは、イスラエル人が自分たちの事を寄留者と呼ぶように、ほかの人々はイスラエル人を遊牧民とか流れ者と呼ぶ感じの流動的集団を意味してヘブライ人と呼んでいるのです。
今日の聖書の個所ではそのイスラエル人がいかに虐待されているかを物語る、出来事がいきなり書かれているのです。ここにはモーセが生まれた時にすぐに殺されそうになる運命について語られています。どうしてそうなったのかをここの聖書から読み取っていきましょう。
承
それでは1節から7節です。
出 1:1 ヤコブと共に一家を挙げてエジプトへ下ったイスラエルの子らの名前は次のとおりである。
出 1:2 ルベン、シメオン、レビ、ユダ、
出 1:3 イサカル、ゼブルン、ベニヤミン、
出 1:4 ダン、ナフタリ、ガド、アシェル。
出 1:5 ヤコブの腰から出た子、孫の数は全部で七十人であった。ヨセフは既にエジプトにいた。
出 1:6 ヨセフもその兄弟たちも、その世代の人々も皆、死んだが、
出 1:7 イスラエルの人々は子を産み、おびただしく数を増し、ますます強くなって国中に溢れた。
ここにヤコブの子供たちの名前が挙がっていますが、ヨセフの名前は4節までは出てきません。ヨセフはすでにエジプトにいたので、エジプトにやって来た残りの11人の息子たちの名前が挙がっています。でも今まで見た息子たちの名前の順番とは違っています。これは生まれた順番ではなく、前半の2節、3節は正妻の子で、ヨセフが入るとすればゼブルンとベニヤミンの間ということになります。正妻の子では、ルベンからゼブルンまではレアの子で、ヨセフとベニヤミンがラケルの子です。後半の4節は側女の子で、ラケルの側女ビルハの子がダンとナフタリ、レアの側女ジルバの子がガドとアシェルです。このように分類された形で名前が挙がっています。これは正妻の子と側女の子を差別しているとも思えます。そしてヤコブの子と孫は全部で70人であったというから大変な子孫です。同じ様にその子孫たちも多くの子を産むので、イスラエルの人々はエジプトで、おびただしく数を増して、ますます強くなっていったというのです。これがエジプト人を恐れさせ後に問題を起こすのです。
ヨセフが生きていたころは何の問題もありませんでしたが、ヨセフがなくなりヨセフのことを知らない新しい王様が出てきてから、イスラエル人の人口の多さが問題になってきました。8節から11節です。
出
1:8 そのころ、ヨセフのことを知らない新しい王が出てエジプトを支配し、
出
1:9 国民に警告した。「イスラエル人という民は、今や、我々にとってあまりに数多く、強力になりすぎた。
出
1:10 抜かりなく取り扱い、これ以上の増加を食い止めよう。一度戦争が起これば、敵側に付いて我々と戦い、この国を取るかもしれない。」
出
1:11 エジプト人はそこで、イスラエルの人々の上に強制労働の監督を置き、重労働を課して虐待した。イスラエルの人々はファラオの物資貯蔵の町、ピトムとラメセスを建設した。
世代が変わって、ヨセフのことを知らない新しい王様がエジプトに出てくると、イスラエル人が急激に増えてくることに不安を感じるようになってきました。どうしてでしょうか。それは、戦争が起こった時に、エジプトを裏切って、敵側について、自分たちを滅ぼして国を取ってしまうかもしれないという不安なのです。今のアメリカの白人たちが、増え続ける黒人やヒスパニックの人々を不安視して差別や虐待をするのと同じ感じです。それでエジプト人はこのイスラエル人があまりに数が多く強力になりすぎたので、これ以上の増加を食い止めようと画策したのです。それで、エジプト人はイスラエルの人々の上に、強制労働の監督を置き、重労働を課して、虐待したのです。そうすれば子孫が増えないだろうと思ったのです。その重労働で、エジプト人はイスラエル人にピトムとラメセスというファラオの物資貯蔵の町を作ったのです。イスラエル人がエジプト人の奴隷となったというのはこの時からかと思うのですが、ですがヨセフがいた時の飢饉のときから、食べ物と引き換えに、エジプトに住む人々はほとんどみな奴隷にされていたのですから、イスラエル人だけではないのです。
この虐待の結果、イスラエル人は人口が増えなかったでしょうか、2節から4節です。
出 1:12 しかし、虐待されればされるほど彼らは増え広がったので、エジプト人はますますイスラエルの人々を嫌悪し、
出 1:13 イスラエルの人々を酷使し、
出 1:14 粘土こね、れんが焼き、あらゆる農作業などの重労働によって彼らの生活を脅かした。彼らが従事した労働はいずれも過酷を極めた。
普通は虐待されると、人々は元気がなくなり人口も増えなくなるはずですが、イスラエル人は違いました。虐待されればされるほど増えたというのです。それでエジプト人はますますイスラエル人を嫌悪し、更にいろいろな重労働につかせたのです。粘土コネやレンガ焼き、厳しい農作業などの重労働を負わせて、過酷に扱ったのです。これでイスラエル人の人口増加は収まったでしょうか。
転
ところが、イスラエルの王様は、このような過酷な重労働だけではうまくいかないので、もっと直接的にイスラエル人の人口を減らす手を考えました。それは生まれてくる子供を殺すという方法です。そこには二人の助産婦がかかわりました。15節から17節です。
出 1:15 エジプト王は二人のヘブライ人の助産婦に命じた。一人はシフラといい、もう一人はプアといった。
出 1:16 「お前たちがヘブライ人の女の出産を助けるときには、子供の性別を確かめ、男の子ならば殺し、女の子ならば生かしておけ。」
出 1:17 助産婦はいずれも神を畏れていたので、エジプト王が命じたとおりにはせず、男の子も生かしておいた。
エジプトの王様が二人のヘブライ人の助産婦に命じてこう言ったのです。「お前たちがヘブライ人の女の出産を助けるときには、子供の性別を確かめ、男の子ならば殺し、女の子ならば生かしておけ。」これにはその助産婦も驚きました。その二人の助産婦は同じイスラエル人であり、神様を恐れていたので、誰も殺さず男の子であっても生かしていました。この二人のヘブライ人の名前はシフラと言い、もう一人はプアと言いました。ここでは助産婦のイスラエル人のことを、少し見下してヘブライ人と呼んでいます。このように、エジプトの王は、直接イスラエル人の男の子孫が増えないように殺すことまで考えたのです。この話は、イエス様が生まれた時に、3歳以下の男の子を殺すように命じたヘロデ王の話と似ている感じもします。
助産婦たちが男の子を殺していないことは、すぐに王様にわかってしまいました。ですから王様は二人の助産婦を呼び出して、問いただしたのです。18節から21節です。
出 1:18 エジプト王は彼女たちを呼びつけて問いただした。「どうしてこのようなことをしたのだ。お前たちは男の子を生かしているではないか。」
出 1:19 助産婦はファラオに答えた。「ヘブライ人の女はエジプト人の女性とは違います。彼女たちは丈夫で、助産婦が行く前に産んでしまうのです。」
出 1:20 神はこの助産婦たちに恵みを与えられた。民は数を増し、甚だ強くなった。
出 1:21 助産婦たちは神を畏れていたので、神は彼女たちにも子宝を恵まれた。
王様は二人の助産婦を呼び出して、こう問いただしました。「どうしてこのようなことをしたのだ。お前たちは男の子を生かしているではないか。」すると、助産婦はファラオにこう答えたのです。「ヘブライ人の女はエジプト人の女性とは違います。彼女たちは丈夫で、助産婦が行く前に産んでしまうのです。」このようにうまい言い逃れをして、さばかれずに済んだのです。その後もイスラエル人は増え続け、神を畏れた助産婦たちにも神様は恵みを与え、彼女たちにも子宝が与えられたということです。
結
イスラエルに定住したヤコブの子孫は、子供だけで12人、孫まで含めると70人にまで増えました。これは一人の子供が平均5人ずつ子供を持ったということです。この調子で増えていくと5世代くらいで男女合わせて10万人以上にはなるのです。驚くべき数字になるのです。ヤコブの子供たちが全員元気に育ったように、イスラエル人は元気に育ったようです。これに恐れをなしたファラオは生まれてくる男の子を助産婦に殺すように命令しますが、助産婦は神を畏れて殺すことはしませんでした。返って祝福されて、自分も子供を持つようになったのです。このようにイスラエル人はエジプトでその数を増やし続けましたがエジプト人に嫌われて、過酷な重労働を課せられて苦しむことにもなったのです。
(一分間黙想)(お祈り)
天の父なる神様。ヤコブの子孫は、神様の祝福を得て、預言されたように海の砂のごとく増え始めました。ですがそれがエジプト人から嫌われ恐れられることになり、過酷な重労働を与えられました。それでも神様の祝福を与えられたイスラエル人たちは増え続けました。あなたの祝福を与えられるものは、どのような環境の中でもその実を結ぶことが出来ます。どうかあなたを信じ、あなたの大いなる祝福のもとで生きていくことが出来ますように。あなたが約束されたことが必ず実現することを信じていくことが出来ますように。
この祈りを、主イエスキリストの御名によって、お祈りいたします。アーメン
<<聖書の箇所(旧約聖書:◇出エジプト記)>>
◆エジプトでのイスラエル人
出
1:1 ヤコブと共に一家を挙げてエジプトへ下ったイスラエルの子らの名前は次のとおりである。
出
1:2 ルベン、シメオン、レビ、ユダ、
出
1:3 イサカル、ゼブルン、ベニヤミン、
出
1:4 ダン、ナフタリ、ガド、アシェル。
出
1:5 ヤコブの腰から出た子、孫の数は全部で七十人であった。ヨセフは既にエジプトにいた。
出
1:6 ヨセフもその兄弟たちも、その世代の人々も皆、死んだが、
出
1:7 イスラエルの人々は子を産み、おびただしく数を増し、ますます強くなって国中に溢れた。
出
1:8 そのころ、ヨセフのことを知らない新しい王が出てエジプトを支配し、
出
1:9 国民に警告した。「イスラエル人という民は、今や、我々にとってあまりに数多く、強力になりすぎた。
出
1:10 抜かりなく取り扱い、これ以上の増加を食い止めよう。一度戦争が起これば、敵側に付いて我々と戦い、この国を取るかもしれない。」
出
1:11 エジプト人はそこで、イスラエルの人々の上に強制労働の監督を置き、重労働を課して虐待した。イスラエルの人々はファラオの物資貯蔵の町、ピトムとラメセスを建設した。
出
1:12 しかし、虐待されればされるほど彼らは増え広がったので、エジプト人はますますイスラエルの人々を嫌悪し、
出
1:13 イスラエルの人々を酷使し、
出
1:14 粘土こね、れんが焼き、あらゆる農作業などの重労働によって彼らの生活を脅かした。彼らが従事した労働はいずれも過酷を極めた。
◆男児殺害の命令
出
1:15 エジプト王は二人のヘブライ人の助産婦に命じた。一人はシフラといい、もう一人はプアといった。
出
1:16 「お前たちがヘブライ人の女の出産を助けるときには、子供の性別を確かめ、男の子ならば殺し、女の子ならば生かしておけ。」
出
1:17 助産婦はいずれも神を畏れていたので、エジプト王が命じたとおりにはせず、男の子も生かしておいた。
出
1:18 エジプト王は彼女たちを呼びつけて問いただした。「どうしてこのようなことをしたのだ。お前たちは男の子を生かしているではないか。」
出
1:19 助産婦はファラオに答えた。「ヘブライ人の女はエジプト人の女性とは違います。彼女たちは丈夫で、助産婦が行く前に産んでしまうのです。」
出
1:20 神はこの助産婦たちに恵みを与えられた。民は数を増し、甚だ強くなった。
出
1:21 助産婦たちは神を畏れていたので、神は彼女たちにも子宝を恵まれた。