家庭礼拝 2021年2月24 創世記 49:29-50:1-14ヤコブの死と埋葬
起
ついにヤコブは、遺言を残して死ぬことになりました。ヤコブは遺言で、カナン地方のマムレの前のマクペラの畑にある洞穴に葬ってほしいと言うことを言い残しています。そこにはアブラハムと妻サラそして、イサクと妻リベカ、さらにヤコブの妻レアがそこに葬られています。そこに自分も一緒に葬ってくれと遺言したのです。こうなると、ヤコブの最愛の妻ラケルだけが、別の場所に葬られているので、かわいそうな気になります。なぜでしょうか、よくわかりません。
この葬儀のためにヨセフはエジプトをあげて、ヤコブのために葬儀を行ったのですから、大変な出来事です。これでほとんどこの旧約聖書の創世記の物語は終わります。あと一回を残すだけです。天地が作られ、アダムとエバで始まった人類の歴史が、ノアの洪水の出来事を経て、アブラハムの信仰的な生活、イサクの静かな生活、ヤコブの人間的な欲望にとらわれながらも信仰から離れなかった生活、ヨセフの神と共にある生活を経て、最後にエジプトをあげて、この一族の長の葬儀をあげるのです。それはまるで世界中がこのヤコブのために葬儀を取り行ったに等しい出来事でした。このようにして、この創世記は終わるのです。
この創世記は言ってみれば、神様が天地を作り、動物を作り、人間を作り、そして人間に聖霊と信仰を与えた物語と言っていいのかもしれません。神様がこれらのものを作って人間を生かしてくださっていることを教えているのです。
承
まずは、ヤコブの死についてです。29節から33節です。
創
49:29 ヤコブは息子たちに命じた。「間もなくわたしは、先祖の列に加えられる。わたしをヘト人エフロンの畑にある洞穴に、先祖たちと共に葬ってほしい。
創
49:30 それはカナン地方のマムレの前のマクペラの畑にある洞穴で、アブラハムがヘト人エフロンから買い取り、墓地として所有するようになった。
創
49:31 そこに、アブラハムと妻サラが葬られている。そこに、イサクと妻リベカも葬られている。そこに、わたしもレアを葬った。
創
49:32 あの畑とあそこにある洞穴は、ヘトの人たちから買い取ったものだ。」
創
49:33 ヤコブは、息子たちに命じ終えると、寝床の上に足をそろえ、息を引き取り、先祖の列に加えられた。
ヤコブは、ヨセフだけでなく息子たちにも自分が死んだら、カナン地方のマレムの前のマクペラの畑にある洞穴に葬るように言いました。そこは、アブラハムがサラのために墓地として買い取ったものです。そこにはアブラハムとサラ、イサクとリベカ、そしてレアが葬られています。ヤコブにとって、ヤコブの故郷はカナンであり、神様が約束された、契約の地でもあるのです。ヤコブはその墓がどういうものであるかを息子たちに説明して、そこに葬るように遺言したのです。特に、土地を持たない遊牧民であったヤコブは、その土地はアブラハムがヘト人から買い取ったものであることを二回も繰り返して言っているのです。そして、その後でヤコブは寝床の後で足をそろえて息を引き取り、先祖の列に加えられたと書かれています。ヤコブは130歳でエジプトに移りそれから17年生きて147歳で死んだのです。まさに大往生です。
転
その後、ヨセフはどうしたでしょうか。1節から3節です。
創 50:1 ヨセフは父の顔に伏して泣き、口づけした。
創 50:2 ヨセフは自分の侍医たちに、父のなきがらに薬を塗り、防腐処置をするように命じたので、医者はイスラエルにその処置をした。
創 50:3 そのために四十日を費やした。この処置をするにはそれだけの日数が必要であった。エジプト人は七十日の間喪に服した。
ヨセフは死んだ父の顔に伏して泣き、口づけしたとあります。他の兄弟たちはどうしたのかはわかりません。でも一番かわいがられたヨセフとしては、このようにするのは自然だったかもしれません。
その後ヨセフは自分の侍医たちに父の亡骸に薬を塗り防腐処置をするように命じたとあります。いったいこれはどういうことでしょうか。このような防腐処置と言うのはエジプトで死後やられている、遺骸をミイラ化するための処置です。このような習慣はイスラエルの人々にはないはずなので、どうしてこのようにしたのでしょうか。それは、この遺骸をカナンまで運ぶうちに腐ってしまうので、そうならないように防腐処理をしたのです。通常喪に服するのは長くて30日で短くて7日です。ヤコブの場合は長い30日の喪に服したのですが、それだけでなく、この防腐処理のために40日もかかったので、それらを合わせて70日間の間喪に服したのです。この喪に服したのは、ヤコブの遺族だけでなく、エジプト人全体も共に喪に服したのです。宰相ヨセフの父の死に敬意を払ったのです。このようにヤコブの場合は防腐処置をしているのですが、カナン地方では、遺骸が腐り始めると臭いにおいが出るので、没薬を使って、匂いを消すことはするのですが、このような防腐処置をすることは普通はしないのです。ミイラ化するには徐々に水分を抜き取っていくので、40日もかかったようです。
私たちの場合ですと、埋葬してから何日間か喪に服すると言うことをしますが、この場合は違うようです。その喪が明けてから、ファラオに埋葬したいと願い出るのです。4節から6節です。
創 50:4 喪が明けると、ヨセフはファラオの宮廷に願い出た。「ぜひともよろしくファラオにお取り次ぎください。
創 50:5 実は、父がわたしに誓わせて、『わたしは間もなく死ぬ。そのときは、カナンの土地に用意してある墓にわたしを葬ってくれ』と申しました。ですから、どうか父を葬りに行かせてください。わたしはまた帰って参ります。」
創 50:6 ファラオは答えた。「父上が誓わせたとおりに、葬りに行って来るがよい。」
ヨセフが、ヤコブの喪が明けてからファラオに願い出たのは、父をカナンの土地に葬らせに行かせてほしいと言うことでした。それは父の遺言であり、ヨセフに誓わせて言わせたことだと言うのです。するとファラオは寛容にも、「父上が誓わせたとおりに、葬りに行って来るがよい。」と言って、ヨセフが葬りのためカナンに行くことを許したのです。
カナンにヤコブを葬りに行ったのは12人の息子たちだけではなかったのです。大変な数のエジプト人がそれに付いて行ったのです。エジプトの宰相の父の葬儀にふさわしい葬儀を行うためです。7節から9節です。
創
50:7 ヨセフは父を葬りに上って行った。ヨセフと共に上って行ったのは、ファラオの宮廷の元老である重臣たちすべてとエジプトの国の長老たちすべて、
創
50:8 それにヨセフの家族全員と彼の兄弟たち、および父の一族であった。ただ幼児と、羊と牛の群れはゴシェンの地域に残した。
創
50:9 また戦車も騎兵も共に上って行ったので、それはまことに盛大な行列となった。
ヤコブの葬儀のためにヨセフに付き従ったもの達は、ファラオの宮廷の元老たち重臣全てと、エジプトの国の長老すべてです。当然ヨセフの家族全員と彼の兄弟たちは行きました。そして、父の一族もそこに付き従ったのです。この人たちはヤコブたちと一緒に移住してきたのでしょうか。ゴシェンに残して行ったのは幼児と、羊と牛の群れだけだと言うのですから、ほとんどのイスラエル人はこの葬儀のためにカナンへの行列に付き従ったのです。ですが、幼児だけでは生きられないですから、その世話をする女性たちは残ったはずです。また羊と牛の群れを世話するもの者も残ったはずです。このように、国の主だった人たちは皆ヤコブの葬儀のためにカナンに行ったのです。これは王様がなくなった時に匹敵する葬儀です。エジプトの政府が空っぽになるほどの大移動です。この重臣たちを守るために、戦車や騎兵も一緒に上って行ったので、その行列はまことに盛大なものとなりました。
私たちの感覚では葬儀と埋葬は一つのものですが、この時代は葬儀は葬儀で盛大にやり、埋葬はまた別に行われたようです。10節と11節です。
創 50:10 一行はヨルダン川の東側にあるゴレン・アタドに着き、そこで非常に荘厳な葬儀を行った。父の追悼の儀式は七日間にわたって行われた。
創 50:11 その土地に住んでいるカナン人たちは、ゴレン・アタドで行われた追悼の儀式を見て、「あれは、エジプト流の盛大な追悼の儀式だ」と言った。それゆえ、その場所の名は、アベル・ミツライム(エジプト流の追悼の儀式)と呼ばれるようになった。それは、ヨルダン川の東側にある。
葬儀を行った場所はヨルダン川の東側にあるゴレン・アタドと言うところです。そこで非常に荘厳な葬儀を行ったとあります。その追悼の儀式は7日間にわたって行われたと言うのですからいったいどのように行ったのでしょうか。いろいろと儀式ばったやり方があったのでしょう。それを見ていたカナン人たちが、あれは、エジプト流の盛大な追悼の儀式だと言ったので、その地名がアベル・ミツライム(エジプト流の追悼の儀式)と呼ばれるようになったと言います。ゴレン・アタドと言うのはヨルダン川が死海に注ぎ込む河口の近くですから、広く平坦な土地があったのだと思います。そこに大勢の人々が葬儀のために集まって、しばらく過ごすことになるのです。埋葬する場所はそこから30kmほど南西のマレムの墓地のある所です。そこには、また少人数で埋葬しに行ったのだと思います。
そのことはこのように書かれています。12節から14節です。
創 50:12 それから、ヤコブの息子たちは父に命じられたとおりに行った。
創 50:13 すなわち、ヤコブの息子たちは、父のなきがらをカナンの土地に運び、マクペラの畑の洞穴に葬った。それは、アブラハムがマムレの前にある畑とともにヘト人エフロンから買い取り、墓地として所有するようになったものである。
創 50:14 ヨセフは父を葬った後、兄弟たちをはじめ、父を葬るために一緒に上って来たすべての人々と共にエジプトに帰った。
この葬儀が行われた後、父に命じられたとおりに、カナンのマクペラの畑の洞穴に葬りました。ここでもしつこいくらいに、そこはヘト人から買い取って墓地としたものであることが書かれています。このようにして、葬儀と埋葬が行われると、ヨセフも兄弟たちも、一族の者達もすべてまたエジプトに帰って行ったのです。自分たちの故郷に残るものはいなかったのです。自分たちの故郷に上るのは、奴隷になった後モーセに率いられて、帰る時なのです。
結
この様にして、ヤコブの波乱に富んだ人生は終わりました。そしてその祝福されたヨセフの一生ももうすぐ終わります。それによってこの創世記は終わりとなります。創世記は神様の天地創造の物語でありますが、また信仰の創造の物語でもあるのです。その信仰はアブラハムによって起こされ、イサク、ヤコブと伝えられて、イスラエル全体の神様となっていったのです。
(一分間黙想)(お祈り)
天の父なる神様。ヤコブの一生は終わりました。決して、ほめられたところばかりとは言えない、むしろ人間的なヤコブの一生でしたが、その人生は神様に守られた一生でした。それはヤコブが、神様が共にいてくださるとの思いから、決して離れることがなかったからです。それは神様の恵みであって、ヤコブが何か正しいことをしたからと言うのでもなく、何か偉大なことをしたからと言うものでもありません。良いことも悪いこともすべて神様の恵みとして受け取ったので、ヤコブはその先祖の列に加えられたのです。そしてその息子のヨセフもまた同じなのです。
私たちにも何も取り得はありませんが、あなたに生かされていることを知るものとして、どうかあなたの憐れみと慈しみとを賜ることが出来ますように。
この祈りを、主イエスキリストの御名によって、お祈りいたします。アーメン
<<聖書の箇所(旧約聖書:◇創世記)>>
◆ヤコブの死
創
49:29 ヤコブは息子たちに命じた。「間もなくわたしは、先祖の列に加えられる。わたしをヘト人エフロンの畑にある洞穴に、先祖たちと共に葬ってほしい。
創
49:30 それはカナン地方のマムレの前のマクペラの畑にある洞穴で、アブラハムがヘト人エフロンから買い取り、墓地として所有するようになった。
創
49:31 そこに、アブラハムと妻サラが葬られている。そこに、イサクと妻リベカも葬られている。そこに、わたしもレアを葬った。
創
49:32 あの畑とあそこにある洞穴は、ヘトの人たちから買い取ったものだ。」
創
49:33 ヤコブは、息子たちに命じ終えると、寝床の上に足をそろえ、息を引き取り、先祖の列に加えられた。
◆ヤコブの埋葬
創
50:1 ヨセフは父の顔に伏して泣き、口づけした。
創
50:2 ヨセフは自分の侍医たちに、父のなきがらに薬を塗り、防腐処置をするように命じたので、医者はイスラエルにその処置をした。
創
50:3 そのために四十日を費やした。この処置をするにはそれだけの日数が必要であった。エジプト人は七十日の間喪に服した。
創
50:4 喪が明けると、ヨセフはファラオの宮廷に願い出た。「ぜひともよろしくファラオにお取り次ぎください。
創
50:5 実は、父がわたしに誓わせて、『わたしは間もなく死ぬ。そのときは、カナンの土地に用意してある墓にわたしを葬ってくれ』と申しました。ですから、どうか父を葬りに行かせてください。わたしはまた帰って参ります。」
創
50:6 ファラオは答えた。「父上が誓わせたとおりに、葬りに行って来るがよい。」
創
50:7 ヨセフは父を葬りに上って行った。ヨセフと共に上って行ったのは、ファラオの宮廷の元老である重臣たちすべてとエジプトの国の長老たちすべて、
創
50:8 それにヨセフの家族全員と彼の兄弟たち、および父の一族であった。ただ幼児と、羊と牛の群れはゴシェンの地域に残した。
創
50:9 また戦車も騎兵も共に上って行ったので、それはまことに盛大な行列となった。
創
50:10 一行はヨルダン川の東側にあるゴレン・アタドに着き、そこで非常に荘厳な葬儀を行った。父の追悼の儀式は七日間にわたって行われた。
創
50:11 その土地に住んでいるカナン人たちは、ゴレン・アタドで行われた追悼の儀式を見て、「あれは、エジプト流の盛大な追悼の儀式だ」と言った。それゆえ、その場所の名は、アベル・ミツライム(エジプト流の追悼の儀式)と呼ばれるようになった。それは、ヨルダン川の東側にある。
創
50:12 それから、ヤコブの息子たちは父に命じられたとおりに行った。
創
50:13 すなわち、ヤコブの息子たちは、父のなきがらをカナンの土地に運び、マクペラの畑の洞穴に葬った。それは、アブラハムがマムレの前にある畑とともにヘト人エフロンから買い取り、墓地として所有するようになったものである。
創
50:14 ヨセフは父を葬った後、兄弟たちをはじめ、父を葬るために一緒に上って来たすべての人々と共にエジプトに帰った。