家庭礼拝 2021年1月27日 創世記 47:1-12 ファラオとの会見

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今日の聖書の個所は短い個所です。それはヤコブがファラオと会見し、エジプトの定住を許される場面です。今日の聖書の個所でとても大切なところがあるのですが、何気なく読んでしまい見逃してしまいそうな箇所です。それは何でしょうか。ファラオとの会話でしょうか。ヨセフの言葉でしょうか。ファラオがエジプトに住んでよいと言ったことでしょうか。私たちはこの世的な出来事の中にばかり目を注いでいるので、偉い人の言ったことにばかり気を取られているので、なかなか気が付かないのです。

実は今日の個所で一番大切で一番信仰的な事柄は、ヤコブはファラオを祝福した、と言うことなのです。ファラオはエジプトの王様で何一つ不自由をしていない人です。一方ヤコブはカナンの田舎から、飢饉のために食べるものもなくなり、エジプトの片隅に住まわせてくださいとお願いしに来た避難民です。その姿もみすぼらしいものであったでしょう。ですから、王様の前にあって、ただ小さくなっているのかと思うと、ヤコブのほうがファラオを祝福しているのです。と言うことはヤコブのほうがファラオよりも高いところから祝福しているのです。アブラハムの祝福は、イサクに引き継がれ、ヤコブがエサウに与えられる予定であった祝福を横取りしてまで、その祝福を受け継いできたのです。ですからヤコブには、自分が祝福するものであると言う、自覚があるのです。祝福の基なのです。私たちは祝福を受け継ぐために召されました。第一ペテロ3章9節で、ペトロは「あなた方が召されたのは、祝福を受け継ぐためなのである」と言っています。私たちはその祝福を受け継ぎ、そしてその祝福を与える役割を持っているのです。祝福を与えることが出来るのは、神様を通してだけできることですから、ヤコブは相手が王様でも、少しも動じることなく恐れることなく、神様に選ばれたものとして、ファラオに祝福を与えました。でもそのことの意味をファラオは気が付かなかったかもしれません。きっとヨセフは気が付いたでしょう。ヤコブの祝福はヨセフが受け継いだからです。

この祝福のことはほんの一言書かれているだけなので、なかなかそのことの意味には気が付きませんが、この時ファラオとどんなことが話し合われたのかを、今日の聖書から読んでみましょう。

ゴシェン地方で、ヨセフと、ヤコブの家族が再開して、ヤコブや兄弟たちと涙の抱擁をして、喜びあい、これからファラオと会うときの注意なども指示していよいよファラオとの会見が始まります。ヨセフはあらかじめ、自分の家族のことをファラオに報告して、そのあとファラオの前に連れて行ったのです。1節と2節です。

創 47:1 ヨセフはファラオのところへ行き、「わたしの父と兄弟たちが、羊や牛をはじめ、すべての財産を携えて、カナン地方からやって来て、今、ゴシェンの地におります」と報告した。

創 47:2 そのときヨセフは、兄弟の中から五人を選んで、ファラオの前に連れて行った。

 ヨセフがファラオのところに報告したのは、「わたしの父と兄弟たちが、羊や牛をはじめ、すべての財産を携えて、カナン地方からやって来て、今、ゴシェンの地におります」と言うことでした。きっとファラオも喜んでくれて、それなら自分からも直接言葉をかけるから、ここに連れてくるようにと言われたのだと思います。ヨセフは兄弟全員ではなく、11人の男の兄弟の中から5人だけを選んでファラオの前に連れてきたのです。誰が5人に入っていたのかはわかりませんが、長男のルベンと4男のユダ、そしてヤコブの弟ベニヤミンもいたのだと思います。

ファラオと直接会うことが出来たのは、この5人の兄弟と、父ヤコブだけです。そこではどんな話がなされたのでしょうか。打ち合わせ道理にうまく進んだのでしょうか。3節から6節です。

創 47:3 ファラオはヨセフの兄弟たちに言った。「お前たちの仕事は何か。」兄弟たちが、「あなたの僕であるわたしどもは、先祖代々、羊飼いでございます」と答え、

創 47:4 更に続けてファラオに言った。「わたしどもはこの国に寄留させていただきたいと思って、参りました。カナン地方は飢饉がひどく、僕たちの羊を飼うための牧草がありません。僕たちをゴシェンの地に住まわせてください。」

創 47:5 ファラオはヨセフに向かって言った。「父上と兄弟たちが、お前のところにやって来たのだ。

創 47:6 エジプトの国のことはお前に任せてあるのだから、最も良い土地に父上と兄弟たちを住まわせるがよい。ゴシェンの地に住まわせるのもよかろう。もし、一族の中に有能な者がいるなら、わたしの家畜の監督をさせるがよい。」

 ヨセフの兄弟たちがファラオの前に出ると、ファラオはやはり予定していた通り、「お前たちの仕事は何か。」と聞いてきました。ですから、ヨセフが教えていたように、「あなたの僕である私どもは、先祖代々、幼い時から今日まで家畜の群れを飼うものでございます」と答えるのかと思ったら、兄弟たちは「あなたの僕であるわたしどもは、先祖代々、羊飼いでございます」と答えたのです。羊飼いはすべて、エジプト人のいとうものであったと書かれているので、これはしまったことになるのかなと思ったのですが、特にお咎めもなく次の話を続けます。それは、「わたしどもはこの国に寄留させていただきたいと思って、参りました。カナン地方は飢饉がひどく、僕たちの羊を飼うための牧草がありません。僕たちをゴシェンの地に住まわせてください。」と、エジプトのゴシェン地方に住むことを許していただきたいとお願いしているのです。それに対して、ファラオは直接それにこたえるのではなく、ヨセフに対して、「父上と兄弟たちが、お前のところにやって来たのだ。エジプトの国のことはお前に任せてあるのだから、最も良い土地に父上と兄弟たちを住まわせるがよい。ゴシェンの地に住まわせるのもよかろう。もし、一族の中に有能な者がいるなら、わたしの家畜の監督をさせるがよい。」と言ったのです。ヨセフにお前任せてあるのだからよいようにしてやれ、家畜の監督に採用しても良い、と言ったのです。これで、ヤコブたちの移住は何事もなく許可されたのです。

 この会見にはヨセフの父ヤコブも来ていました。兄弟5人による会見で、移住が許可されると、ヨセフは父ヤコブをファラオの前に連れてきました。ファラオが連れてくるように言ったのかもしれません。そこで話されたことは次のようなことでした。7節から10節です。

創 47:7 それから、ヨセフは父ヤコブを連れて来て、ファラオの前に立たせた。ヤコブはファラオに祝福の言葉を述べた。

創 47:8 ファラオが、「あなたは何歳におなりですか」とヤコブに語りかけると、

創 47:9 ヤコブはファラオに答えた。「わたしの旅路の年月は百三十年です。わたしの生涯の年月は短く、苦しみ多く、わたしの先祖たちの生涯や旅路の年月には及びません。」

創 47:10 ヤコブは、別れの挨拶をして、ファラオの前から退出した。

 ファラオの前に立たされたヤコブがしたことは、まずファラオに対する祝福の言葉を述べたのです。相手は、何でも手に入れることのできるエジプトの王様です。ヤコブはカナンの田舎から出てきた、エジプト人が厭う羊飼いの遊牧民です。それが飢饉で避難してきて、エジプトに住まわせてくれと頼む立場の人たちです。そのヤコブが王様に対して祝福の言葉を述べたのです。この祝福の言葉を述べると言うのは、ただ単に、王様に対して、形式的な挨拶をしたと言うことではなく、神様に選ばれたものだけがすることのできる、祝福の継承者ヤコブが祝福の基として、王様を祝福したのです。そこには王様よりも高い位置から祝福を与える、神の僕の姿があるのです。この祝福の言葉をファラオはただの挨拶と思ったかもしれません。そこで、ファラオはヤコブに、「あなたは何歳におなりですか」とごくありふれたことを語りかけました。するとヤコブは「わたしの旅路の年月は百三十年です。わたしの生涯の年月は短く、苦しみ多く、わたしの先祖たちの生涯や旅路の年月には及びません。」と答えたのです。ヤコブは130歳になると答えたのです。ですが、その人生は苦しみが多く、先祖たちの寿命には及びませんと、謙遜に語るのです。

 ヤコブがその人生は苦しみが多かったと語るのにはちょっと意外な気がします。ヤコブには神様が付いていたので、何でも恵まれ祝福されていたような気がしましたが、何が苦しみだったのでしょうか。まず思い当たるのは双子の兄弟エサウとの確執です。ヤコブはエサウの長子の権利を取り、イサクの祝福を得たいと考えていろいろなことをやって、そして本当にイサクの祝福を得ました。ですがそのことによって、エサウから殺されるのではないかと恐怖に駆られて、ラバンの居る、ハランの地へと逃れていくのです。ですがそこで、ヤコブはラケルを見初めて結婚しようとしたのですが、7年働かなければ娘のラケルは嫁がせるわけにはいかないと言われて、辛抱して働きました。そしてめでたく結婚したと思ったらそれが姉のレアだったのです。ラケルと結婚するためにもう一度さらに7年働いて、ラケルとも結婚することが出来たのですが、このことのために故郷の父母のもとへも帰れず、14年も辛抱して働いたヤコブには苦労があったと思います。今度はそれだけでなく、ラバンの息子たちにも妬まれて、その地にいることが出来なくなり、二人の妻と子供たちを連れて、カナンに逃亡することになるのです。ラバンは追いかけてきましたが、事なきを得ました。次はカナンで兄のエサウと会うことを恐れました。まだ殺されるかもしれないと恐れをなしていたのです。ですがそれも和解することが出来たのです。これで落ち着いたかと思うと、子供たちが今度は問題を起こすようになります。レアとヤコブとの間に生まれた娘ディナのことで、シケムが恋をして、ディナを汚す事件があり、結婚させてくれと頼んだのですが、兄のシメオンとレビがその一族を襲って、皆殺しにすると言う事件が起こったのです。やむなくヤコブはその地を去って、別の地ベテルで生活するようになりました。ここでヨセフは、愛するラケルの息子ヨセフをかわいがって、特別待遇で育てていたのですが、それがほかの兄弟たちに妬まれて、殺されそうになったのです。ヨセフは結局殺されないで、エジプトに売られてしまったのですが、父親のヤコブには獣に食い殺されてしまったと報告して、ヤコブは深い嘆きに入っていたのです。ヤコブの一生の中にはこのような苦しみが次から次へと起こって来たのですが、ヤコブはそのことに、神様の御計画の意味を見出して、受け入れて生きてきたのです。これが、ファラオから年齢を聞かれたときに、「わたしの旅路の年月は百三十年です。わたしの生涯の年月は短く、苦しみ多く、わたしの先祖たちの生涯や旅路の年月には及びません。」と答えた理由なのです。聖書には苦しかったり恐ろしかったりと言うことはあまり表現されてはいませんでしたが、ヤコブの人生は苦しみに満ちていたのです。このような言葉を、会見の時にファラオと話をして、ヤコブたちはその場を離れたのです。

 このあとヤコブたちはどうしたかと言うと、ファラオに許可をもらい命じられたように、ヨセフによって、住むところを与えられて、エジプトに住むようになったのです。11節と12節です。

創 47:11 ヨセフはファラオが命じたように、父と兄弟たちの住まいを定め、エジプトの国に所有地を与えた。そこは、ラメセス地方の最も良い土地であった。

創 47:12 ヨセフはまた、父と兄弟たちと父の家族の者すべてを養い、扶養すべき者の数に従って食糧を与えた。

 ヨセフは父と兄弟の住まいを、ラメセス地方のもっともよい土地のところに与えてやったことが書かれています。ゴシェン地方はエジプトのはずれのほうですが、その中でもラメセスはナイル川のデルタ地帯のはずれのほうで、荒れ地と言うよりも豊かな放牧地のある場所だったのです。そこにヤコブの一族は永住することになったのです。ヨセフは父と兄弟たちと父の家族のものすべてを養い、世話をして、食料を与えて、暮らせるようにしてあげたのです。

この様にして、ヤコブの一族はエジプトに永住するようになりました。そこは神様の約束の地カナンから離れてしまうことになるのですが、神様はヤコブに現れて、エジプトへ下ることを恐れてはならない、私はあなたをそこで大いなる国民にする、と約束された場所でもあるのです。ここでイスラエルの一族は大いに繁栄して、エジプトを圧迫するほどに増えてしまい、のちに、モーセによって、エジプトを脱出することに至るのです。創世記の人の歴史はアダムとエバに始まり、アブラハム、イサク、ヤコブの生涯を経て、ここで終わるのです。

 

(一分間黙想)(お祈り)

天の父なる神様、エデンの園から始まった人間の歴史はカナンを経て、エジプトまでやってきました。そこには神様と人間の約束によって、不思議な奇跡の物語が続きます。ヤコブもまた、神様の御力の大いなることを信じて、その長子の権利をエサウから、得て、イサクの祝福を得ました。神様に守られたその生涯でしたが、そこには多くの苦しみもあったのです。ですが、ヤコブはそこに神様の御心を見出して、苦しみを苦しみとせず、受け入れてその人生を歩むことが出来ました。あなたがともにいてくだされば、すべての事は良きことに変えられていくことを信じます。どうかどのような境遇にあってもあなたを信じてすべてを受け入れて歩むことが出来ますように。あなたの祝福を受け継ぐものとして、祝福の基となることが出来ますように。

この祈りを、主イエス・キリストの御名によってお祈りいたします。アーメン

 


<<聖書の箇所(旧約聖書:◇創世記)>>  

◆ファラオとの会見

創 47:1 ヨセフはファラオのところへ行き、「わたしの父と兄弟たちが、羊や牛をはじめ、すべての財産を携えて、カナン地方からやって来て、今、ゴシェンの地におります」と報告した。

創 47:2 そのときヨセフは、兄弟の中から五人を選んで、ファラオの前に連れて行った。

創 47:3 ファラオはヨセフの兄弟たちに言った。「お前たちの仕事は何か。」兄弟たちが、「あなたの僕であるわたしどもは、先祖代々、羊飼いでございます」と答え、

創 47:4 更に続けてファラオに言った。「わたしどもはこの国に寄留させていただきたいと思って、参りました。カナン地方は飢饉がひどく、僕たちの羊を飼うための牧草がありません。僕たちをゴシェンの地に住まわせてください。」

創 47:5 ファラオはヨセフに向かって言った。「父上と兄弟たちが、お前のところにやって来たのだ。

創 47:6 エジプトの国のことはお前に任せてあるのだから、最も良い土地に父上と兄弟たちを住まわせるがよい。ゴシェンの地に住まわせるのもよかろう。もし、一族の中に有能な者がいるなら、わたしの家畜の監督をさせるがよい。」

創 47:7 それから、ヨセフは父ヤコブを連れて来て、ファラオの前に立たせた。ヤコブはファラオに祝福の言葉を述べた。

創 47:8 ファラオが、「あなたは何歳におなりですか」とヤコブに語りかけると、

創 47:9 ヤコブはファラオに答えた。「わたしの旅路の年月は百三十年です。わたしの生涯の年月は短く、苦しみ多く、わたしの先祖たちの生涯や旅路の年月には及びません。」

創 47:10 ヤコブは、別れの挨拶をして、ファラオの前から退出した。

創 47:11 ヨセフはファラオが命じたように、父と兄弟たちの住まいを定め、エジプトの国に所有地を与えた。そこは、ラメセス地方の最も良い土地であった。

創 47:12 ヨセフはまた、父と兄弟たちと父の家族の者すべてを養い、扶養すべき者の数に従って食糧を与えた。