家庭礼拝 2020年12月30日 創世記 43:1-38 再びエジプトへ

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起 今日の聖書の個所も長い個所ですが、途中で切ることが出来ないので一気に進めます。これからしばらくヨセフ物語のクライマックスに入り、しばらく長い物語の章が続きますが、それらも途中で切らずに一気に進めます。

 今日の聖書の個所では、再び兄弟たちがエジプトに行く話になります。それは一刻も早く次男のシメオンを助け出すために、一番末のベニヤミンを連れてまたエジプトに行くのかと思っていると、実はちょっと違うのです。この再びエジプトに行くのは帰ってきてからもうだいぶたってからの話なのです。エジプトに行く一番の目的は、兄弟シメオンを助け出すためではなく、自分たちの食料がなくなって来たからなのです。エジプトからたくさんの食料を10人の兄弟が持ってきたはずなのですがそれがなくなりかけていたのです。きっとヤコブとその子供たちの所帯は結構大きかったのだと思います。ヤコブが12人の子供を持ったのですから、その息子たちが所帯をもって子供を持つようになれば5人ずつ子供を持ったとしても、妻も入れて、77人になります。そこに使用人も入れれば百数十人の所帯になります。このように大勢の食料を確保するのは並大抵ではありません。10人で行ってエジプトから持ち帰ってきた食料も、半年ほどで無くなったのだと思います。

それでヤコブが息子たちに、もう一度エジプトに行って食糧を買ってきなさいと言うのですが、今度行くときはベニヤミンを連れて行かないと殺されてしまうと言うので、父親のヤコブと言い争いになるのです。そしていろいろ話し合ったあとヤコブはやっと受け入れて、ベニヤミンを一緒に行かせることになりました。

そして再びエジプトで、ヨセフと出会うのですが、兄弟たちが恐れていたのとは違って、大変な接待に合うのです。最初はそれすらも警戒して殺されるのではないか奴隷にされるのではないかと心配するのですが、そんなことはなくヨセフとの祝宴の席に着くことになるのです。ここでヨセフは初めて大きくなったベニヤミンを見ることになるのです。ですがまだその素性は明かすことなく、ベニヤミンには特別にほかの兄弟よりも5倍も多い料理を出してあげたりするのでした。さてこの物語はどのような展開となっていくのでしょうか。

それでは聖書の1節から5節を読んでみましょう。

創 43:1 この地方の飢饉はひどくなる一方であった。

創 43:2 エジプトから持ち帰った穀物を食べ尽くすと、父は息子たちに言った。「もう一度行って、我々の食糧を少し買って来なさい。」

創 43:3 しかし、ユダは答えた。「あの人は、『弟が一緒でないかぎり、わたしの顔を見ることは許さぬ』と、厳しく我々に言い渡したのです。

創 43:4 もし弟を一緒に行かせてくださるなら、我々は下って行って、あなたのために食糧を買って参ります。

創 43:5 しかし、一緒に行かせてくださらないのなら、行くわけにはいきません。『弟が一緒でないかぎり、わたしの顔を見ることは許さぬ』と、あの人が我々に言ったのですから。」

 ヤコブの住んでいるカナン地方の飢饉もひどくなる一方でした。息子たちがエジプトで得てきた食料もほとんど食べつくしたので、ヤコブはもう一度行って、我々の食料を少し買ってきなさいと、息子たちに言うのです。ここでちょっと変に思うのは前の章では、次男のシメオンが人質になっているので、一番末の弟ベニヤミンをエジプトに連れて行って、助けてやらなければと言うことで父ヤコブと長男ルベンが議論をしていたと思ったのですが、そのシメオンの話がここでは出てこないのです。まるで終わってしまったことのような感じです。一体助けに行く気はないのでしょうか。

そんな事とは関係ないように、ヤコブは息子たちにエジプトに食糧を買いに行くようにというのです。すると4男のユダが「あの人は、『弟が一緒でないかぎり、わたしの顔を見ることは許さぬ』と、厳しく我々に言い渡したのです。もし弟を一緒に行かせてくださるなら、我々は下って行って、あなたのために食糧を買って参ります。しかし、一緒に行かせてくださらないのなら、行くわけにはいきません。『弟が一緒でないかぎり、わたしの顔を見ることは許さぬ』と、あの人が我々に言ったのですから。」と言いました。兄弟の中でこの4男のユダの発言力がだんだん高まってきています。ユダは弟が一緒でなければ行くことはできない、エジプトのあの人が弟が一緒でなければ許さないと言っていると主張します。ヤコブを説得できるのはユダになってきました。長男も次男も3男も脛に傷を持った罪びととなってしまったので、相対的にユダが力をつけてきたのです。

この様に反論されて、父ヤコブは困ってしまいました。そしてこう嘆くのです6節から10節です。

創 43:6 「なぜお前たちは、その人にもう一人弟がいるなどと言って、わたしを苦しめるようなことをしたのか」とイスラエルが言うと、

創 43:7 彼らは答えた。「あの人が、我々のことや家族のことについて、『お前たちの父親は、まだ生きているのか』とか、『お前たちには、まだほかに弟がいるのか』などと、しきりに尋ねるものですから、尋ねられるままに答えただけです。まさか、『弟を連れて来い』などと言われようとは思いも寄りませんでしたから。」

創 43:8 ユダは、父イスラエルに言った。「あの子をぜひわたしと一緒に行かせてください。それなら、すぐにでも行って参ります。

創 43:9 あの子のことはわたしが保障します。その責任をわたしに負わせてください。もしも、あの子をお父さんのもとに連れ帰らず、無事な姿をお目にかけられないようなことにでもなれば、わたしがあなたに対して生涯その罪を負い続けます。

創 43:10 こんなにためらっていなければ、今ごろはもう二度も行って来たはずです。」

 ここでも頑張ってヤコブを説得するのは4男のユダです。4章の時には長男のルベンが「もしも、お父さんのところにベニヤミンを連れ帰らないようなことがあれば、私の二人の息子を殺してもかまいません。どうか、彼を私に任せてください。私が必ずお父さんのところに連れ帰りますから。」と必死に頼んだのですが、ルベンは父親のヤコブを説得することが出来なくて、そのままになっていたのです。それで今回は4男のユダが、「あの子のことはわたしが保障します。その責任をわたしに負わせてください。もしも、あの子をお父さんのもとに連れ帰らず、無事な姿をお目にかけられないようなことにでもなれば、わたしがあなたに対して生涯その罪を負い続けます。」と主張して説得しようとするのです。次男のシメオンはエジプトで拘束されているし、三男のレビは乱暴者で、どうもヤコブには信用がなさそうです。それで、4男のユダが父親を一生懸命説得して、ベニヤミンをエジプトに連れて行こうとするのです。そして、そうすれば、我々も、あなたも、子供たちも死なずに生き延びることができます、と語って説得したのです。ヤコブ一族の食糧難はかなり切迫した状況だったのです。そしてユダは、こんなにためらっていなければ、今ごろはもう二度も行って来たはずです、と言って、いつまでもぐずぐずしてベニヤミンを出そうとしない父ヤコブを非難したのです。

このユダの説得に折れて、ついにヤコブはベニヤミンを出す決心をしました。11節から14節です。

創 43:11 すると、父イスラエルは息子たちに言った。「どうしてもそうしなければならないのなら、こうしなさい。この土地の名産の品を袋に入れて、その人への贈り物として持って行くのだ。乳香と蜜を少し、樹脂と没薬、ピスタチオやアーモンドの実。

創 43:12 それから、銀を二倍用意して行きなさい。袋の口に戻されていた銀も持って行ってお返しするのだ。たぶん何かの間違いだったのだろうから。

創 43:13 では、弟を連れて、早速その人のところへ戻りなさい。

創 43:14 どうか、全能の神がその人の前でお前たちに憐れみを施し、もう一人の兄弟と、このベニヤミンを返してくださいますように。このわたしがどうしても子供を失わねばならないのなら、失ってもよい。」

 ヤコブはついに覚悟したのです。このわたしがどうしても子供を失わねばならないのなら、失ってもよい、と覚悟してベニヤミンを出すことにしたのです。もしそうならば神様の御心だと受け止めたのです。神様にお委ねしたのです。そうすると、ヤコブは具体的に行くにあたっての注意を息子たちに指示しました。それは、この土地の名産品を袋に入れて、贈り物として持っていくこと。それは乳香と蜜を少し、樹脂と没薬、ピスタチオやアーモンドの実などでした。それから、穀物を買う銀とは別に、前回持ち帰ってきた銀はお返しするように準備しなさいと言うことでした。そのうえで、こう祈りました。どうか、全能の神がその人の前でお前たちに憐れみを施し、もう一人の兄弟と、このベニヤミンを返してくださいますように、と祈ったのです。ヤコブにとって、シメオンも大切な息子だったのです。二人とも無事に帰ってくることを神様にお祈りしました。

 さて、このようなことがあって、やっと息子たちはエジプトにベニヤミンを連れて行って、食料を買ってくることと、シメオンを開放してもらうことを、ヨセフに願い出ることが出来ました。するとそこで何が起こったでしょうか。15節から23節です。

創 43:15 息子たちは贈り物と二倍の銀を用意すると、ベニヤミンを連れて、早速エジプトへ下って行った。さて、一行がヨセフの前に進み出ると、

創 43:16 ヨセフはベニヤミンが一緒なのを見て、自分の家を任せている執事に言った。「この人たちを家へお連れしなさい。それから、家畜を屠って料理を調えなさい。昼の食事をこの人たちと一緒にするから。」

創 43:17 執事はヨセフに言われたとおりにし、一同をヨセフの屋敷へ連れて行った。

創 43:18 一同はヨセフの屋敷へ連れて来られたので、恐ろしくなって、「これはきっと、前に来たとき我々の袋に戻されていたあの銀のせいだ。それで、ここに連れ込まれようとしているのだ。今に、ろばもろとも捕らえられ、ひどい目に遭い、奴隷にされてしまうにちがいない」と思った。

創 43:19 彼らは屋敷の入り口のところでヨセフの執事の前に進み出て、話しかけて、

創 43:20 言った。「ああ、御主人様。実は、わたしどもは前に一度、食糧を買うためにここへ来たことがございます。

創 43:21 ところが、帰りに宿で袋を開けてみると、一人一人の袋の口のところにそれぞれ自分の銀が入っておりました。しかも、銀の重さは元のままでした。それで、それをお返ししなければ、と持って参りました。

創 43:22 もちろん、食糧を買うための銀は、別に用意してきております。一体誰がわたしどもの袋に銀を入れたのか分かりません。」

創 43:23 執事は、「御安心なさい。心配することはありません。きっと、あなたたちの神、あなたたちの父の神が、その宝を袋に入れてくださったのでしょう。あなたたちの銀は、このわたしが確かに受け取ったのですから」と答え、シメオンを兄弟たちのところへ連れて来た。

 息子たちはエジプトまで行き、贈り物と二倍の銀をもって、ヨセフの前に出ました。するとヨセフの関心はそんな事よりも、弟のベニヤミンが来たことを喜んだのです。そしてその労苦をねぎらうために、昼の食事でもてなそうとしヨセフの家に連れて行かせたのです。ところがヨセフの思いがわからない兄たちは、それをとても怖がり、こう言いました。「これはきっと、前に来たとき我々の袋に戻されていたあの銀のせいだ。それで、ここに連れ込まれようとしているのだ。今に、ろばもろとも捕らえられ、ひどい目に遭い、奴隷にされてしまうにちがいない」と思ったのです。それで、ヨセフの家の前まで来ると、ヨセフの執事に縋りつくようにして、こう訴えたのです。「ああ、御主人様。実は、わたしどもは前に一度、食糧を買うためにここへ来たことがございます。ところが、帰りに宿で袋を開けてみると、一人一人の袋の口のところにそれぞれ自分の銀が入っておりました。しかも、銀の重さは元のままでした。それで、それをお返ししなければ、と持って参りました。もちろん、食糧を買うための銀は、別に用意してきております。一体誰がわたしどもの袋に銀を入れたのか分かりません。」このように、兄たちは前に来た時に銀が袋に入っていたのは盗んだのではなく、誰かがその袋に入れておいたのだと、そのことを釈明して開放してもらおうとしたのです。この家には牢があるので、その牢に入れられてしまうと思ったのです。ですがその牢には、次男のシメオンが入っていたので、シメオンに合わせるためにもこのヨセフの家まで連れてきたのです。そこでその執事はこう言いました。「御安心なさい。心配することはありません。きっと、あなたたちの神、あなたたちの父の神が、その宝を袋に入れてくださったのでしょう。あなたたちの銀は、このわたしが確かに受け取ったのですから」と答え、シメオンを兄弟たちのところへ連れて来た。この執事は全部わかっていたのです。ヨセフの指示で、この執事がその銀を袋に入れさせたのです。ですから安心なさいと言いました。そしてその家の牢からシメオンを連れてきて、兄弟に合わせたのです。これで、兄弟たちは安心しました。きっとシメオンは髯も剃り、服もきれいにして、出てきたと思います。

 そして兄弟たちは、ヨセフの家に入り、身ぎれいにして、ヨセフの帰りを待って食事をする準備をしていたのです。24節から30節です。

創 43:24 執事は一同をヨセフの屋敷に入れ、水を与えて足を洗わせ、ろばにも餌を与えた。

創 43:25 彼らは贈り物を調えて、昼にヨセフが帰宅するのを待った。一緒に食事をすることになっていると聞いたからである。

創 43:26 ヨセフが帰宅すると、一同は屋敷に持って来た贈り物を差し出して、地にひれ伏してヨセフを拝した。

創 43:27 ヨセフは一同の安否を尋ねた後、言った。「前に話していた、年をとった父上は元気か。まだ生きておられるか。」

創 43:28 「あなたさまの僕である父は元気で、まだ生きております」と彼らは答え、ひざまずいて、ヨセフを拝した。

創 43:29 ヨセフは同じ母から生まれた弟ベニヤミンをじっと見つめて、「前に話していた末の弟はこれか」と尋ね、「わたしの子よ。神の恵みがお前にあるように」と言うと、

創 43:30 ヨセフは急いで席を外した。弟懐かしさに、胸が熱くなり、涙がこぼれそうになったからである。ヨセフは奥の部屋に入ると泣いた。

 ヨセフが帰ってくると、一同は屋敷に持って来た贈り物を差し出して、地にひれ伏してヨセフを拝したのです。これはヨセフが17歳の時に夢を見てそれを話したときと同じ状況になったのです。兄たちがヨセフを拝したのです。ヨセフの関心事は父親が元気かどうかということでした。ヨセフは、「前に話していた、年をとった父上は元気か。まだ生きておられるか。」というと「あなたさまの僕である父は元気で、まだ生きております」と答えました。これでヨセフは安心しました。次にヨセフは同じ母の子で、弟のベニヤミンをじっと見つめました。そしてこう言ったのです。「前に話していた末の弟はこれか」と尋ね、「わたしの子よ。神の恵みがお前にあるように」と言って、神様の祝福を唱えたのです。ヤコブとベニアミンは子供のころ一緒に生活をしていたのですが、ベニヤミンはもうすっかり大人になっていて、姿かたちは変わっていたのだと思います。でもヨセフはその弟に会えたことで、胸が熱くなり、涙がこぼれそうになったのです。きっと幼いころの思い出を思い出したのだと思います。ヨセフは奥の部屋に入って、人知れず泣いたのです。

 さてそのあとは祝宴となりました。兄弟たちはどうしてこんなにもてなしを受けるのかはまだわかりませんでした。この祝宴にはヨセフを含めた12人の兄弟だけでなく、ヨセフは偉い人でしたので、ほかのエジプト人も招かれて、盛大な食事会となったのです。31節から34節です。

創 43:31 やがて、顔を洗って出て来ると、ヨセフは平静を装い、「さあ、食事を出しなさい」と言いつけた。

創 43:32 食事は、ヨセフにはヨセフの、兄弟たちには兄弟たちの、相伴するエジプト人にはエジプト人のものと、別々に用意された。当時、エジプト人は、ヘブライ人と共に食事をすることはできなかったからである。それはエジプト人のいとうことであった。

創 43:33 兄弟たちは、いちばん上の兄から末の弟まで、ヨセフに向かって年齢順に座らされたので、驚いて互いに顔を見合わせた。

創 43:34 そして、料理がヨセフの前からみんなのところへ配られたが、ベニヤミンの分はほかのだれの分より五倍も多かった。一同はぶどう酒を飲み、ヨセフと共に酒宴を楽しんだ。

 奥の部屋で思いっきり泣いて来たヨセフは顔を洗い、平静を装って出てきました。そして食事を出しなさいと言って、食事会が始まったのです。そこには招かれたエジプト人もいたので、ヨセフの食事と、エジプト人の食事と、兄弟であるヘブライ人の食事と三種類を用意して給仕されました。兄弟たちは年齢順に座らされたので驚いて顔を見合わせました。きっとそうすれば、顔がわからなくなった兄弟たちの誰がそうなのかを分かる様にしたのだと思います。ですがベニヤミンだけは特別扱いで、ほかのだれよりも多くの料理が出されたのです。そして、皆で葡萄酒を飲み祝宴を楽しんだのです。

ヨセフはついに、同じ母ラケルの子で弟のベニヤミンに合うことが出来ました。そしてその顔をじっと見ては、感無量になり奥の部屋に入って泣いたのです。ベニヤミンをエジプトに出すには、父ヤコブの猛烈な反対がありましたが、ユダがそれを説得して連れてきました。そして、無事に再会を果たして、ともに祝宴を楽しむことが出来たのです。ヨセフの夢は現実となりました。兄弟たちは皆、ヨセフにひれ伏したのです。ですがまだヨセフの正体は明かされていません。

 

(一分間黙想)(お祈り)

天の父なる神様。父ヤコブはベニヤミンをエジプトに行かせたくはありませんでしたが、ユダの説得で、最後には、神様にゆだねて、もし死ぬようなことがあったとしてもそれを受け入れようと覚悟して、エジプトに派遣しました。そして兄弟ヨセフと出会うことが出来ました。あなたにゆだねることが最善の方法です。それまでは自分の考えで、守ろうとしていたものが、神様にゆだねることで、前進することが出来ました。あなたの御力の大いなることを覚えて賛美いたします。この祈りを、主イエス・キリストの御名によってお祈りいたします。アーメン


<<聖書の箇所(旧約聖書:◇創世記)>>  

◆再びエジプトへ

創 43:1 この地方の飢饉はひどくなる一方であった。

創 43:2 エジプトから持ち帰った穀物を食べ尽くすと、父は息子たちに言った。「もう一度行って、我々の食糧を少し買って来なさい。」

創 43:3 しかし、ユダは答えた。「あの人は、『弟が一緒でないかぎり、わたしの顔を見ることは許さぬ』と、厳しく我々に言い渡したのです。

創 43:4 もし弟を一緒に行かせてくださるなら、我々は下って行って、あなたのために食糧を買って参ります。

創 43:5 しかし、一緒に行かせてくださらないのなら、行くわけにはいきません。『弟が一緒でないかぎり、わたしの顔を見ることは許さぬ』と、あの人が我々に言ったのですから。」

創 43:6 「なぜお前たちは、その人にもう一人弟がいるなどと言って、わたしを苦しめるようなことをしたのか」とイスラエルが言うと、

創 43:7 彼らは答えた。「あの人が、我々のことや家族のことについて、『お前たちの父親は、まだ生きているのか』とか、『お前たちには、まだほかに弟がいるのか』などと、しきりに尋ねるものですから、尋ねられるままに答えただけです。まさか、『弟を連れて来い』などと言われようとは思いも寄りませんでしたから。」

創 43:8 ユダは、父イスラエルに言った。「あの子をぜひわたしと一緒に行かせてください。それなら、すぐにでも行って参ります。そうすれば、我々も、あなたも、子供たちも死なずに生き延びることができます。

創 43:9 あの子のことはわたしが保障します。その責任をわたしに負わせてください。もしも、あの子をお父さんのもとに連れ帰らず、無事な姿をお目にかけられないようなことにでもなれば、わたしがあなたに対して生涯その罪を負い続けます。

創 43:10 こんなにためらっていなければ、今ごろはもう二度も行って来たはずです。」

創 43:11 すると、父イスラエルは息子たちに言った。「どうしてもそうしなければならないのなら、こうしなさい。この土地の名産の品を袋に入れて、その人への贈り物として持って行くのだ。乳香と蜜を少し、樹脂と没薬、ピスタチオやアーモンドの実。

創 43:12 それから、銀を二倍用意して行きなさい。袋の口に戻されていた銀も持って行ってお返しするのだ。たぶん何かの間違いだったのだろうから。

創 43:13 では、弟を連れて、早速その人のところへ戻りなさい。

創 43:14 どうか、全能の神がその人の前でお前たちに憐れみを施し、もう一人の兄弟と、このベニヤミンを返してくださいますように。このわたしがどうしても子供を失わねばならないのなら、失ってもよい。」

創 43:15 息子たちは贈り物と二倍の銀を用意すると、ベニヤミンを連れて、早速エジプトへ下って行った。さて、一行がヨセフの前に進み出ると、

創 43:16 ヨセフはベニヤミンが一緒なのを見て、自分の家を任せている執事に言った。「この人たちを家へお連れしなさい。それから、家畜を屠って料理を調えなさい。昼の食事をこの人たちと一緒にするから。」

創 43:17 執事はヨセフに言われたとおりにし、一同をヨセフの屋敷へ連れて行った。

創 43:18 一同はヨセフの屋敷へ連れて来られたので、恐ろしくなって、「これはきっと、前に来たとき我々の袋に戻されていたあの銀のせいだ。それで、ここに連れ込まれようとしているのだ。今に、ろばもろとも捕らえられ、ひどい目に遭い、奴隷にされてしまうにちがいない」と思った。

創 43:19 彼らは屋敷の入り口のところでヨセフの執事の前に進み出て、話しかけて、

創 43:20 言った。「ああ、御主人様。実は、わたしどもは前に一度、食糧を買うためにここへ来たことがございます。

創 43:21 ところが、帰りに宿で袋を開けてみると、一人一人の袋の口のところにそれぞれ自分の銀が入っておりました。しかも、銀の重さは元のままでした。それで、それをお返ししなければ、と持って参りました。

創 43:22 もちろん、食糧を買うための銀は、別に用意してきております。一体誰がわたしどもの袋に銀を入れたのか分かりません。」

創 43:23 執事は、「御安心なさい。心配することはありません。きっと、あなたたちの神、あなたたちの父の神が、その宝を袋に入れてくださったのでしょう。あなたたちの銀は、このわたしが確かに受け取ったのですから」と答え、シメオンを兄弟たちのところへ連れて来た。

創 43:24 執事は一同をヨセフの屋敷に入れ、水を与えて足を洗わせ、ろばにも餌を与えた。

創 43:25 彼らは贈り物を調えて、昼にヨセフが帰宅するのを待った。一緒に食事をすることになっていると聞いたからである。

創 43:26 ヨセフが帰宅すると、一同は屋敷に持って来た贈り物を差し出して、地にひれ伏してヨセフを拝した。

創 43:27 ヨセフは一同の安否を尋ねた後、言った。「前に話していた、年をとった父上は元気か。まだ生きておられるか。」

創 43:28 「あなたさまの僕である父は元気で、まだ生きております」と彼らは答え、ひざまずいて、ヨセフを拝した。

創 43:29 ヨセフは同じ母から生まれた弟ベニヤミンをじっと見つめて、「前に話していた末の弟はこれか」と尋ね、「わたしの子よ。神の恵みがお前にあるように」と言うと、

創 43:30 ヨセフは急いで席を外した。弟懐かしさに、胸が熱くなり、涙がこぼれそうになったからである。ヨセフは奥の部屋に入ると泣いた。

創 43:31 やがて、顔を洗って出て来ると、ヨセフは平静を装い、「さあ、食事を出しなさい」と言いつけた。

創 43:32 食事は、ヨセフにはヨセフの、兄弟たちには兄弟たちの、相伴するエジプト人にはエジプト人のものと、別々に用意された。当時、エジプト人は、ヘブライ人と共に食事をすることはできなかったからである。それはエジプト人のいとうことであった。

創 43:33 兄弟たちは、いちばん上の兄から末の弟まで、ヨセフに向かって年齢順に座らされたので、驚いて互いに顔を見合わせた。

創 43:34 そして、料理がヨセフの前からみんなのところへ配られたが、ベニヤミンの分はほかのだれの分より五倍も多かった。一同はぶどう酒を飲み、ヨセフと共に酒宴を楽しんだ。