家庭礼拝 2020年12月23日 創世記 42:1-38 兄たちエジプトへ下る
起
今日の聖書の個所は、ヤコブの居たカナンにも飢饉が及び、ヨセフの兄たちが父ヤコブに促されて、エジプトに食糧を買いに行く箇所です。この42章は長いですが、二つに分けられる箇所がないので、通しで学んでみます。
ここの個所ではヨセフの兄たちがエジプトに来て、ヨセフに再会するのですが、何年振りなのでしょうか。この話が起こったのはヨセフが17歳でエジプトに奴隷として売られて、30歳で、エジプトの宰相になり、その後7年の豊作の時がすぎて飢饉のときに入っていますから、ヨセフは37歳と少しということになります。すなわちこの再開は20年ぶりなのです。ヨセフは兄たちに出会ったときにすぐにそれが兄たちであることがわかりました。エジプトの高官になっているヨセフが監督として、穀物を販売するところにいた時に、この兄たちを見て、すぐにそれが兄たちだと気が付いたのです。その姿や言葉やしぐさですぐにわかったのだと思います。一方兄たちは、その高官がヨセフだとは夢にも思っていません。ヨセフは兄たちに会って、すぐに自分が弟のヨセフだとは言いません。むしろ、相手がまだ気づいていないことで、厳しく対応するのです。お前たちは回し者ではないかという疑いをかけて、信用できるかどうかを試すのです。それはどうしてでしょうか。昔自分がエジプトに売られたときのことを恨みに思っているのでしょうか。そうではなさそうなのです。兄弟たちが、このように自分たちが厳しく取り締まられているのは、弟のことで罰を受けているのだと言って、話し合っているのを聞いて、ヨセフはひそかに陰で泣いていたのです。それではなぜ、ヨセフは兄たちに厳しく当たり、しかも一番末の弟をここに連れてくるようにとまで言ったのでしょうか。それは自分たちは正直な人間で、決して回し者などではありませんと言ったことに対して、本当に正直かどうかを試そうとしたのです。すなわち、また昔のヨセフと同じような状況になった時、兄弟たちはどのようにするのかを確認しようとしたのです。そして今日の一番大切な言葉をヨセフが言うのです。それは、兄たちの命を助けてやるための条件を言うときに、自分のことを「私は神を畏れるものだ。」と言って、自分は必ず言ったことを守り、神様に従うことを神に懸けて誓うのです。ヨセフがこのような試練を兄弟たちに課したのは、神様がその試練を兄弟たちに課して試していたのです。このヨセフの不思議な行動を、ヨセフ個人の思いからではなく、神様の御心から理解するとよいのかもしれません。ヨセフはすぐにでも名乗って、兄弟たちと手を取り合いたかったのかもしれませんが、神様が、それを抑えて、兄弟たちが本当に、悔い改めているものなのかを確認させようとしたのではないかと思います。神様は、いつもヨセフとともにいたのです。
承
事の始まりは、ヤコブの家族のところにも飢饉がやってきて、食料が乏しくなってきたことから始まります。ヤコブは息子たちにこう言うのです。1節から5節です。
創
42:1 ヤコブは、エジプトに穀物があると知って、息子たちに、「どうしてお前たちは顔を見合わせてばかりいるのだ」と言い、更に、
創
42:2 「聞くところでは、エジプトには穀物があるというではないか。エジプトへ下って行って穀物を買ってきなさい。そうすれば、我々は死なずに生き延びることができるではないか」と言った。
創
42:3 そこでヨセフの十人の兄たちは、エジプトから穀物を買うために下って行った。
創
42:4 ヤコブはヨセフの弟ベニヤミンを兄たちに同行させなかった。何か不幸なことが彼の身に起こるといけないと思ったからであった。
創
42:5 イスラエルの息子たちは、他の人々に混じって穀物を買いに出かけた。カナン地方にも飢饉が襲っていたからである。
ヤコブは、息子たちが飢饉のために食糧が乏しくなってきたことを心配して、顔を見合わせて心配ばかりしているので、エジプトには穀物があると言うから、心配ばかりしていないで、エジプトに行って穀物を買ってくればいいではないか、そうすれば生き延びることが出来るではないか、と言ったのです。
そこでヨセフの兄弟10人で、エジプトに穀物を買いに行くことになったのですが、一番下のヨセフの弟ベニヤミンだけは兄たちに同行させなかったのです。ヤコブはヨセフが、兄たちのところに行って、死んでしまったと思われてからは、その息子たちを信用しなくなっていたのです。ヨセフの弟ベニヤミンももしかすると死んでしまうようなことになってしまうのではないかと心配したのです。ヤコブにとってはいまだにヨセフとベニヤミンすなわち最愛の妻ラケルの子供たちを一番愛していたのです。最後に残ったベニヤミンだけは失いたくないと思ったのです。
ヤコブの息子たちは、このカナン地方の人々がエジプトに穀物を買いに行くのに交じって、一緒に買いに行ったのです。
そしていよいよ、ヨセフと兄弟たちの劇的な出会いの時が始まります。6節から17節です。
創
42:6 ところで、ヨセフはエジプトの司政者として、国民に穀物を販売する監督をしていた。ヨセフの兄たちは来て、地面にひれ伏し、ヨセフを拝した。
創
42:7 ヨセフは一目で兄たちだと気づいたが、そしらぬ振りをして厳しい口調で、「お前たちは、どこからやって来たのか」と問いかけた。彼らは答えた。「食糧を買うために、カナン地方からやって参りました。」
創
42:8 ヨセフは兄たちだと気づいていたが、兄たちはヨセフとは気づかなかった。
創
42:9 ヨセフは、そのとき、かつて兄たちについて見た夢を思い起こした。ヨセフは彼らに言った。「お前たちは回し者だ。この国の手薄な所を探りに来たにちがいない。」
創
42:10 彼らは答えた。「いいえ、御主君様。僕どもは食糧を買いに来ただけでございます。
創
42:11 わたしどもは皆、ある男の息子で、正直な人間でございます。僕どもは決して回し者などではありません。」
創
42:12 しかしヨセフが、「いや、お前たちはこの国の手薄な所を探りに来たにちがいない」と言うと、
創
42:13 彼らは答えた。「僕どもは、本当に十二人兄弟で、カナン地方に住むある男の息子たちでございます。末の弟は、今、父のもとにおりますが、もう一人は失いました。」
創
42:14 すると、ヨセフは言った。「お前たちは回し者だとわたしが言ったのは、そのことだ。
創
42:15 その点について、お前たちを試すことにする。ファラオの命にかけて言う。いちばん末の弟を、ここに来させよ。それまでは、お前たちをここから出すわけにはいかぬ。
創
42:16 お前たちのうち、だれか一人を行かせて、弟を連れて来い。それまでは、お前たちを監禁し、お前たちの言うことが本当かどうか試す。もしそのとおりでなかったら、ファラオの命にかけて言う。お前たちは間違いなく回し者だ。」
創
42:17 ヨセフは、こうして彼らを三日間、牢獄に監禁しておいた。
ヨセフが、エジプトの責任者として穀物の販売をしているところの監督をしていると、ヨセフの兄たちが来て、地面にひれ伏し、ヨセフを拝したのです。穀物を売ってもらうためです。この姿はヨセフが17歳の時見た夢で、畑での束の話とそっくりです。兄たちはヨセフにひれ伏したのです。ヨセフはすぐにそれが自分の兄弟だとわかりましたが、素知らぬ顔で、いろいろと質問したのです。ここでヨセフは不思議な行動をとります。それはお前たちは敵のスパイだろう、そして手薄なところを調べようとしているのだろうと言う嫌疑をかけたのです。どうしてそんなことを言うのだろうかと思います。実はそのような行動をとったのは、かつて兄たちについて見た夢を思い起こしたからなのです。すなわち、夢で神様が示したことを行うために、このようなことを言っているのです。それは、その兄弟たちの本心を神様が試すためなのです。
ヨセフと、この兄弟の問答にはどのような背景があったのでしょうか。どうして回し者だと言う疑いが出たのでしょうか。それは13節の次の言葉から推測できます。
創
42:13 彼らは答えた。「僕どもは、本当に十二人兄弟で、カナン地方に住むある男の息子たちでございます。末の弟は、今、父のもとにおりますが、もう一人は失いました。」
すなわち、ここでは、この兄弟たちが本当に12人兄弟なのか、それとも嘘をついて外にもたくさんいて、残りのものがこの国を探っているのではないのかという嫌疑なのです。それで兄弟たちは本当に12人兄弟で、一人は死んだが、末の弟は、今父のもとにいますと、正直に答えたのです。するとヨセフは、それなら、誰か一人帰って、その弟をここに連れてこいと言って、お前たちの言っていることが本当かどうか確かめると言ったのです。そして兄たちを3日間牢屋に監禁しておいたのです。
そして3日後、ヨセフは兄弟たちに一つの条件を出しました。それは彼らの命を助けてやるための条件でした。18節から24節です。
創
42:18 三日目になって、ヨセフは彼らに言った。「こうすれば、お前たちの命を助けてやろう。わたしは神を畏れる者だ。
創
42:19 お前たちが本当に正直な人間だというのなら、兄弟のうち一人だけを牢獄に監禁するから、ほかの者は皆、飢えているお前たちの家族のために穀物を持って帰り、
創
42:20 末の弟をここへ連れて来い。そうして、お前たちの言い分が確かめられたら、殺されはしない。」彼らは同意して、
創
42:21 互いに言った。「ああ、我々は弟のことで罰を受けているのだ。弟が我々に助けを求めたとき、あれほどの苦しみを見ながら、耳を貸そうともしなかった。それで、この苦しみが我々にふりかかった。」
創
42:22 すると、ルベンが答えた。「あのときわたしは、『あの子に悪いことをするな』と言ったではないか。お前たちは耳を貸そうともしなかった。だから、あの子の血の報いを受けるのだ。」
創
42:23 彼らはヨセフが聞いているのを知らなかった。ヨセフと兄弟たちの間に、通訳がいたからである。
創
42:24 ヨセフは彼らから遠ざかって泣いた。それからまた戻って来て、話をしたうえでシメオンを選び出し、彼らの見ている前で縛り上げた。
ヨセフが兄弟たちに出した、命を助ける条件とは、兄弟のうち一人だけを残して、ほかのものは穀物をもって家に帰り、末の弟を連れてこい、と言ったのです。その通り正直にするならば信用して殺しはしないと言ったのです。三日前には誰か一人帰って連れて来いと言ったのですが、今回は一人だけ残して、帰っても良いと言ったのです。末の弟というと何か小さい子供のような気がしますが、ヨセフがもう37歳ですから、末の弟ベニヤミンも30歳以上にはなっており、結婚して子供もいるのではないかと思います。そして兄の兄弟たちはほとんどが40歳以上で、長男のルベンは50歳を超えているはずです。みんな所帯を持っているのだと思います。ですからみんな意外と年を取っているのです。
でもこのような条件を出されて、皆動揺したのです。きっと残されたものは殺されると思ったのかもしれません。すると兄弟たちは、周りに人には自分たちの国の言葉はわからないだろうと思っていろいろと後悔に似た話をするのです。それは、「ああ、我々は弟のことで罰を受けているのだ。弟が我々に助けを求めたとき、あれほどの苦しみを見ながら、耳を貸そうともしなかった。それで、この苦しみが我々にふりかかった。」と、互いに語り合ったのです。弟ヨセフを穴の中に入れて、助けなかったためにエジプトに売られてしまったから、今は自分たちがエジプトで、苦しい思いをしなければならないのだ、神様の罰を受けているのだと、後悔したのです。すると、長男のルベンは「あのときわたしは、『あの子に悪いことをするな』と言ったではないか。お前たちは耳を貸そうともしなかった。だから、あの子の血の報いを受けるのだ。」と兄弟を叱りました。きっと兄弟で一番の乱暴者の次男のシメオンと、三男のレビに向かって言ったと思います。この二人はあの妹ディナのことで、シケムの住人を皆殺しにした、乱暴者です。彼らは、ヨセフがそばで聞いているのを知らなかったのです。通訳以外、誰も自分たちの言葉を理解できるものはいないと思っていたのです。ヨセフはその兄弟たちの話を聞いて、陰に隠れて泣いたのです。兄弟たちの苦しみもわかって来たし、事情も分かって来たからです。そして戻ってきて、多分ヨセフを穴に入れた首謀者である次男のシメオンを選び出して、皆の前で縛り上げたのです。
転
さて、ヨセフは一人を残して縛り上げ牢に入れると、本当に戻ってくるかどうか試すために、ほかの者たちは家に帰らせました。25節から35節です。
創 42:25 ヨセフは人々に命じて、兄たちの袋に穀物を詰め、支払った銀をめいめいの袋に返し、道中の食糧を与えるように指示し、そのとおり実行された。
創 42:26 彼らは穀物をろばに積んでそこを立ち去った。
創 42:27 途中の宿で、一人がろばに餌をやろうとして、自分の袋を開けてみると、袋の口のところに自分の銀があるのを見つけ、
創 42:28 ほかの兄弟たちに言った。「戻されているぞ、わたしの銀が。ほら、わたしの袋の中に。」みんなの者は驚き、互いに震えながら言った。「これは一体、どういうことだ。神が我々になさったことは。」
創 42:29 一行はカナン地方にいる父ヤコブのところへ帰って来て、自分たちの身に起こったことをすべて報告した。
創 42:30 「あの国の主君である人が、我々を厳しい口調で問い詰めて、この国を探りに来た回し者にちがいないと言うのです。
創 42:31 もちろん、我々は正直な人間で、決して回し者などではないと答えました。
創 42:32 我々が十二人兄弟で、一人の父の息子であり、一人は失いましたが、末の弟は今、カナンの地方に住む父のもとにいますと言ったところ、
創 42:33 あの国の主君である人が言いました。『では、お前たちが本当に正直な人間かどうかを、こうして確かめることにする。お前たち兄弟のうち、一人だけここに残し、飢えているお前たちの家族のために、穀物を持ち帰るがいい。
創 42:34 ただし、末の弟を必ずここへ連れて来るのだ。そうすれば、お前たちが回し者ではなく、正直な人間であることが分かるから、お前たちに兄弟を返し、自由にこの国に出入りできるようにしてやろう。』」
創 42:35 それから、彼らが袋を開けてみると、めいめいの袋の中にもそれぞれ自分の銀の包みが入っていた。彼らも父も、銀の包みを見て恐ろしくなった。
一人を除いて無事に家に帰る旅路に着いた兄たちは、穀物の入った袋をロバに積んで、出発しました。途中の宿で、一人がロバに餌をやろうと袋を開けてみてびっくりしました。なんと支払いの銀が袋に入っていたのです。他の兄弟たちの袋にもその銀が入っていました。これはヨセフが命じてやらせたことですが、それを見て兄弟たちは驚き震えました。銀が入っていると言うのは兄弟たちにとって、儲けたと言うことと、このことがエジプトにしれたら、盗んだと言うことで、みんな殺されてしまうかもしれないので恐ろしくて震えたのです。このことは兄弟たちにとって大きな誘惑だったのかもしれません。このままエジプトに戻らなければ、このお金ももうかり、弟ベニヤミンを連れて行くこともなくて済むからです。ですがその犠牲として、シメオンの命はなくなるのです。これは、ヨセフが穴に入れられて、売り飛ばそうとしているときの状況と同じ誘惑にかられるのです。ヨセフは同じ状況を作って、今度は正直に一人の命を助けるかどうかを試しているのです。
兄弟たちは無事に家にたどり着きましたが、すぐに父ヤコブに今まで起こったことを話しました。そして、回し者だと疑われ、一人シメオンを残し、末の弟を連れてくるように言われたこと、帰りの袋に銀が入っていたことなどを話すと、兄弟たちも父ヤコブも恐ろしくなったのです。何が起こるかわからない恐ろしさです。
ヤコブはこの話を聞いて、もうシメオンはだめだろうと思ったのです。そして、ベニヤミンを連れて行けばベニヤミンも殺されるだろうと思い苦しみました。そしてこう言ったのです。36節から38節です。
創 42:36 父ヤコブは息子たちに言った。「お前たちは、わたしから次々と子供を奪ってしまった。ヨセフを失い、シメオンも失った。その上ベニヤミンまでも取り上げるのか。みんなわたしを苦しめることばかりだ。」
創 42:37 ルベンは父に言った。「もしも、お父さんのところにベニヤミンを連れ帰らないようなことがあれば、わたしの二人の息子を殺してもかまいません。どうか、彼をわたしに任せてください。わたしが、必ずお父さんのところに連れ帰りますから。」
創 42:38 しかし、ヤコブは言った。「いや、この子だけは、お前たちと一緒に行かせるわけにはいかぬ。この子の兄は死んでしまい、残っているのは、この子だけではないか。お前たちの旅の途中で、何か不幸なことがこの子の身に起こりでもしたら、お前たちは、この白髪の父を、悲嘆のうちに陰府に下らせることになるのだ。」
話を聞き終わったヤコブは息子たちにこう言ったのです。「お前たちは、わたしから次々と子供を奪ってしまった。ヨセフを失い、シメオンも失った。その上ベニヤミンまでも取り上げるのか。みんなわたしを苦しめることばかりだ。」ヤコブは、ヨセフを失ったのも、シメオンを失ったのもみな兄弟たちが自分の事ばかり考えているからだと思ったのです。ヨセフの中ではもうシメオンは失われているのです。そしてそのうえベニアミンまでも取り上げるのかと、苦しみ訴えたのです。すると長男のルベンが父にこう言いました。「もしも、お父さんのところにベニヤミンを連れ帰らないようなことがあれば、わたしの二人の息子を殺してもかまいません。どうか、彼をわたしに任せてください。わたしが、必ずお父さんのところに連れ帰りますから。」ルベンは長男らしい責任感を持ってこう言ったのです。もし連れ帰らなければ、自分の二人の息子を殺しても良いとさえ言ったのです。ルベンはヨセフの時に助けられなかったことの後悔から、今度は命を懸けてもシメオンを助け出そうと父ヤコブを説得するのです。
しかしヤコブは、今度は妥協しようとしませんでした。ヤコブはこう言ったのです。「いや、この子だけは、お前たちと一緒に行かせるわけにはいかぬ。この子の兄は死んでしまい、残っているのは、この子だけではないか。お前たちの旅の途中で、何か不幸なことがこの子の身に起こりでもしたら、お前たちは、この白髪の父を、悲嘆のうちに陰府に下らせることになるのだ。」最愛のヤコブを、兄弟たちと一緒に行かせたために、ヤコブを失った後悔から、今度は絶対に、お前たちに一人残ったベニアミンをお前たちと一緒に行かせはしないと頑張るのです。もしこの子に不幸なことが起こったら、この年老いた父を悲嘆のうちに死なせることになるのだと言って、今度はヤコブの二の舞にはしまいと頑張るのです。
結
ヨセフがいなくなったことは父にも兄弟たちにも大きな傷を残していました。父はヨセフを兄弟のところに一人で行かせたために、不幸な目にあったと自分を責めているのです。ですから今回はベニヤミンをお前たちには渡さないと頑張っているのです。一方、長男のルベンはヨセフが穴に入れられた時に助けようとしたのですが、うまく助けられず、やはり自分がしっかりしていないから助けられなかったと自分を責めていたのです。ですから、今回は、自分の命も息子たちの命もかけて、必ず連れ戻してくるからと言って、父を説得するのです。この試練を与えたのはヨセフではありません。ヨセフは夢に見たことを思い出して、したことなのです。これは神様の計画であり試練なのです。そして最後には良い結果が与えられることを信じて行っていることなのです。ヨセフ物語には神様は現れませんが、ヨセフの側にはいつも神様がともにいて、なすべきことを教えてくれていたのです。
(一分間黙想)(お祈り)
天の父なる神様、ヨセフを失った心の傷を抱える、父と子の葛藤の物語を知ることが出来ました。今度こそヨセフの二の舞はしないぞと決心する姿のぶつかり合いです。ヨセフはすべてを神様にゆだねて行いました。この父と子たちも神様にゆだねて、道が開かれるのかもしれません。どのようなことの中にも神様の御計画があり、自分たちの思いを超えた、出来事が、着々と進んでいきます。神様、私たちもあなたの御計画を信じて、何事の中にもあなたの御心を知ることが出来ますように。信じてゆだねて、歩ませてください。この祈りを、主イエス・キリストの御名によってお祈りいたします。アーメン
<<聖書の箇所(旧約聖書:◇創世記)>>
◆兄たち、エジプトへ下る
創
42:1 ヤコブは、エジプトに穀物があると知って、息子たちに、「どうしてお前たちは顔を見合わせてばかりいるのだ」と言い、更に、
創
42:2 「聞くところでは、エジプトには穀物があるというではないか。エジプトへ下って行って穀物を買ってきなさい。そうすれば、我々は死なずに生き延びることができるではないか」と言った。
創
42:3 そこでヨセフの十人の兄たちは、エジプトから穀物を買うために下って行った。
創
42:4 ヤコブはヨセフの弟ベニヤミンを兄たちに同行させなかった。何か不幸なことが彼の身に起こるといけないと思ったからであった。
創
42:5 イスラエルの息子たちは、他の人々に混じって穀物を買いに出かけた。カナン地方にも飢饉が襲っていたからである。
創
42:6 ところで、ヨセフはエジプトの司政者として、国民に穀物を販売する監督をしていた。ヨセフの兄たちは来て、地面にひれ伏し、ヨセフを拝した。
創
42:7 ヨセフは一目で兄たちだと気づいたが、そしらぬ振りをして厳しい口調で、「お前たちは、どこからやって来たのか」と問いかけた。彼らは答えた。「食糧を買うために、カナン地方からやって参りました。」
創
42:8 ヨセフは兄たちだと気づいていたが、兄たちはヨセフとは気づかなかった。
創
42:9 ヨセフは、そのとき、かつて兄たちについて見た夢を思い起こした。ヨセフは彼らに言った。「お前たちは回し者だ。この国の手薄な所を探りに来たにちがいない。」
創
42:10 彼らは答えた。「いいえ、御主君様。僕どもは食糧を買いに来ただけでございます。
創
42:11 わたしどもは皆、ある男の息子で、正直な人間でございます。僕どもは決して回し者などではありません。」
創
42:12 しかしヨセフが、「いや、お前たちはこの国の手薄な所を探りに来たにちがいない」と言うと、
創
42:13 彼らは答えた。「僕どもは、本当に十二人兄弟で、カナン地方に住むある男の息子たちでございます。末の弟は、今、父のもとにおりますが、もう一人は失いました。」
創
42:14 すると、ヨセフは言った。「お前たちは回し者だとわたしが言ったのは、そのことだ。
創
42:15 その点について、お前たちを試すことにする。ファラオの命にかけて言う。いちばん末の弟を、ここに来させよ。それまでは、お前たちをここから出すわけにはいかぬ。
創
42:16 お前たちのうち、だれか一人を行かせて、弟を連れて来い。それまでは、お前たちを監禁し、お前たちの言うことが本当かどうか試す。もしそのとおりでなかったら、ファラオの命にかけて言う。お前たちは間違いなく回し者だ。」
創
42:17 ヨセフは、こうして彼らを三日間、牢獄に監禁しておいた。
創
42:18 三日目になって、ヨセフは彼らに言った。「こうすれば、お前たちの命を助けてやろう。わたしは神を畏れる者だ。
創
42:19 お前たちが本当に正直な人間だというのなら、兄弟のうち一人だけを牢獄に監禁するから、ほかの者は皆、飢えているお前たちの家族のために穀物を持って帰り、
創
42:20 末の弟をここへ連れて来い。そうして、お前たちの言い分が確かめられたら、殺されはしない。」彼らは同意して、
創
42:21 互いに言った。「ああ、我々は弟のことで罰を受けているのだ。弟が我々に助けを求めたとき、あれほどの苦しみを見ながら、耳を貸そうともしなかった。それで、この苦しみが我々にふりかかった。」
創
42:22 すると、ルベンが答えた。「あのときわたしは、『あの子に悪いことをするな』と言ったではないか。お前たちは耳を貸そうともしなかった。だから、あの子の血の報いを受けるのだ。」
創
42:23 彼らはヨセフが聞いているのを知らなかった。ヨセフと兄弟たちの間に、通訳がいたからである。
創
42:24 ヨセフは彼らから遠ざかって泣いた。それからまた戻って来て、話をしたうえでシメオンを選び出し、彼らの見ている前で縛り上げた。
創
42:25 ヨセフは人々に命じて、兄たちの袋に穀物を詰め、支払った銀をめいめいの袋に返し、道中の食糧を与えるように指示し、そのとおり実行された。
創
42:26 彼らは穀物をろばに積んでそこを立ち去った。
創
42:27 途中の宿で、一人がろばに餌をやろうとして、自分の袋を開けてみると、袋の口のところに自分の銀があるのを見つけ、
創
42:28 ほかの兄弟たちに言った。「戻されているぞ、わたしの銀が。ほら、わたしの袋の中に。」みんなの者は驚き、互いに震えながら言った。「これは一体、どういうことだ。神が我々になさったことは。」
創
42:29 一行はカナン地方にいる父ヤコブのところへ帰って来て、自分たちの身に起こったことをすべて報告した。
創
42:30 「あの国の主君である人が、我々を厳しい口調で問い詰めて、この国を探りに来た回し者にちがいないと言うのです。
創
42:31 もちろん、我々は正直な人間で、決して回し者などではないと答えました。
創
42:32 我々が十二人兄弟で、一人の父の息子であり、一人は失いましたが、末の弟は今、カナンの地方に住む父のもとにいますと言ったところ、
創
42:33 あの国の主君である人が言いました。『では、お前たちが本当に正直な人間かどうかを、こうして確かめることにする。お前たち兄弟のうち、一人だけここに残し、飢えているお前たちの家族のために、穀物を持ち帰るがいい。
創
42:34 ただし、末の弟を必ずここへ連れて来るのだ。そうすれば、お前たちが回し者ではなく、正直な人間であることが分かるから、お前たちに兄弟を返し、自由にこの国に出入りできるようにしてやろう。』」
創
42:35 それから、彼らが袋を開けてみると、めいめいの袋の中にもそれぞれ自分の銀の包みが入っていた。彼らも父も、銀の包みを見て恐ろしくなった。
創
42:36 父ヤコブは息子たちに言った。「お前たちは、わたしから次々と子供を奪ってしまった。ヨセフを失い、シメオンも失った。その上ベニヤミンまでも取り上げるのか。みんなわたしを苦しめることばかりだ。」
創
42:37 ルベンは父に言った。「もしも、お父さんのところにベニヤミンを連れ帰らないようなことがあれば、わたしの二人の息子を殺してもかまいません。どうか、彼をわたしに任せてください。わたしが、必ずお父さんのところに連れ帰りますから。」
創
42:38 しかし、ヤコブは言った。「いや、この子だけは、お前たちと一緒に行かせるわけにはいかぬ。この子の兄は死んでしまい、残っているのは、この子だけではないか。お前たちの旅の途中で、何か不幸なことがこの子の身に起こりでもしたら、お前たちは、この白髪の父を、悲嘆のうちに陰府に下らせることになるのだ。」