家庭礼拝 2020年12月2日 創世記 40:1-23 夢を解くヨセフ
起
ヨセフ物語は、一つ一つの独立した物語がつなげてあるような気がします。先週はヨセフとポティファルの妻の出来事で、ヨセフは濡れ衣の罪を着せられて、投獄されました。この話はこれで一つの物語として独立しています。そして今日の話の夢を解くヨセフも物語としては、ほぼ独立していると考えてもいいのです。
ヨセフは小さいころから、夢見る人として、兄弟からも敬遠され、ヨセフが見た夢を語ったせいで、兄弟からも嫌われて、エジプトに売られることになってしまいました。この夢見る人が、今日の個所では夢を解く人として登場します。夢は聖書では重要な働きをしています。夢の中で神様が現れた、ヤコブの話や、マリアの夫ヨセフに現れた神様や、重要な場面でよく神様が夢の中に現れます。それは実際に神様を見ると、死ぬと言われているからかもしれません。それで、直接神様が現れるのではなく、夢で現れたり、神様の代わりに天使が現れたりして、神様との対話を行っているわけです。そういう意味ではこのヨセフ物語のヨセフも夢の中で神様と何度も対話をしているのだと思います。ですから人の夢もその意味がなんであるかを、理解できるようになってきたのかもしれません。
今日の話は、エジプト王の給仕役と料理役が主君であるエジプト王に過ちを犯したために投獄されて、ヨセフと同じ牢に入れられたのです。そして今回の不思議な夢を見て不安になり、ヨセフに相談してきたのです。さてその結果はどうなるでしょうか。ここではこのように、ヨセフの夢解きに期待をしてしまいます。でもここで言われていることで大切なことは、最後に、ところが、給仕役の長はヨセフのことを思い出さず、忘れてしまった、と書いてあることなのです。ヨセフはこの夢解きをして、給仕役の人は三日後に開放されるから、私を忘れずに、ファラオに私のことを話して、ここから出られるようにしてください、と頼んだのですが、人は自分の事しか考えていないので、牢から出たらもう忘れてしまって、そのままにしてしまったと言うことです。ここで使われる言葉が、ところが、という言葉です。この給仕長は命を救われるほどのことをヨセフにしてもらったのです。ところが、牢から出れば、自分の事しか考えなくなったと言うことなのです。期待に反して、という意味が、この、ところが、と言う言葉です。この聖書にはこのところが、という言葉が非常に多いのです。自分の思いに反して、神様が違ったことをするとき、ところが、と言い、自分の期待に反して人が、違ったことをするとき、ところが、というのです。すなわち、自分の考えや期待は、自分の思い通りにはならないと言うことです。そこには、神様の働きがあるからです。このことをも考えながら、今日の聖書を読んでみましょう。
承
事の始まりはこのように語られています。1節から3節です。
創
40:1 これらのことの後で、エジプト王の給仕役と料理役が主君であるエジプト王に過ちを犯した。
創
40:2 ファラオは怒って、この二人の宮廷の役人、給仕役の長と料理役の長を、
創
40:3 侍従長の家にある牢獄、つまりヨセフがつながれている監獄に引き渡した。
これらのことの後、というのは、ポティファルの妻によって濡れ衣を着せられ牢に入れられた後、ということです。ある事件で二人の人が牢に入れられました。その二人の人とはエジプト王の給仕役と料理役の人です。この二人がエジプト王に過ちを犯したと言うのです。どんな過ちを犯したのかは何も書かれていませんが、死罪に相当する過ちであると言うならば、容易に想像できます。それはこの時代によくあった、食事に毒を入れて暗殺すると言う罪です。それができるのは、料理役の人か、給仕役の人です。この二人の人は、その料理役の長であり、給仕役の長なので、その責任を取らされたのです。でも、どちらも罪を犯したのではなく、どちらか一方であるはずです。王様のファラオは怒って、この二人を牢に入れました。この牢獄というのはヨセフが仕えていた侍従長の家にある牢獄で、ヨセフも入れられていた牢獄なのです。
それから幾日か過ぎて、二人が不思議な夢を見てふさぎ込んでいたのです。4節から8節です。
創
40:4 侍従長は彼らをヨセフに預け、身辺の世話をさせた。牢獄の中で幾日かが過ぎたが、
創
40:5 監獄につながれていたエジプト王の給仕役と料理役は、二人とも同じ夜にそれぞれ夢を見た。その夢には、それぞれ意味が隠されていた。
創
40:6 朝になって、ヨセフが二人のところへ行ってみると、二人ともふさぎ込んでいた。
創
40:7 ヨセフは主人の家の牢獄に自分と一緒に入れられているファラオの宮廷の役人に尋ねた。「今日は、どうしてそんなに憂うつな顔をしているのですか。」
創
40:8 「我々は夢を見たのだが、それを解き明かしてくれる人がいない」と二人は答えた。ヨセフは、「解き明かしは神がなさることではありませんか。どうかわたしに話してみてください」と言った。
ここで、料理役とか、給仕役とか侍従長とかいう王様の僕が出てきますが、これらの人は王様の側近の高官なのです。相当の権限のある人たちなので、普通は近寄れないような偉い人たちなのです。その中でもヨセフが使えていた、侍従長とは官房長官のようなもので、事務方のトップだったのだと思います。その侍従長がこの二人をヨセフに預け、身辺の世話をさせたとあります。以前は、監守長が、ヨセフの手にゆだねたとありましたが、今度は侍従長その人がヨセフの手にゆだねたので、この侍従長も、ヨセフのことを悪くは思っていなかったのかもしれません。
ある日、この牢に入れられた二人が、不思議な夢を見て、二人ともふさぎ込んでいたと言うのです。きっと罪の大きさにおびえ、死刑になるのではないかと思って、その夢の意味を知りたかったのです。ヨセフが牢獄の二人のところへ行くと、二人ともふさぎ込んでいるので、「今日は、どうしてそんなに憂うつな顔をしているのですか。」と尋ねると、二人は、「我々は夢を見たのだが、それを解き明かしてくれる人がいない」と答えました。この時代は夢の解き明かしは魔術師がしていたので、そのような人がいないことを嘆いていたのです。ヨセフは、「解き明かしは神がなさることではありませんか。どうかわたしに話してみてください」と言ったのです。ヨセフは夢の解き明かしは、魔術師ではなく神様の働きであると言うことをはっきりと言ったのです。
転
そこでまず最初に給仕役のほうが話をしました。9節から15節です。
創 40:9 給仕役の長はヨセフに自分の見た夢を話した。「わたしが夢を見ていると、一本のぶどうの木が目の前に現れたのです。
創 40:10 そのぶどうの木には三本のつるがありました。それがみるみるうちに芽を出したかと思うと、すぐに花が咲き、ふさふさとしたぶどうが熟しました。
創 40:11 ファラオの杯を手にしていたわたしは、そのぶどうを取って、ファラオの杯に搾り、その杯をファラオにささげました。」
創 40:12 ヨセフは言った。「その解き明かしはこうです。三本のつるは三日です。
創 40:13 三日たてば、ファラオがあなたの頭を上げて、元の職務に復帰させてくださいます。あなたは以前、給仕役であったときのように、ファラオに杯をささげる役目をするようになります。
創 40:14 ついては、あなたがそのように幸せになられたときには、どうかわたしのことを思い出してください。わたしのためにファラオにわたしの身の上を話し、この家から出られるように取り計らってください。
創 40:15 わたしはヘブライ人の国から無理やり連れて来られたのです。また、ここでも、牢屋に入れられるようなことは何もしていないのです。」
その給仕長の夢とはブドウの木の夢でした。その木には3本の蔓があって、見る見るうちに芽を出し、花が咲き、立派なブドウを実らせたのです。この給仕長はそのブドウを絞って、ファラオの杯に入れ、ファラオに捧げたと言うのです。ヨセフはこの夢の解き明かしをしました。それは、あなたは三日後に罪の疑いが解けて、元の職務に復帰するようになると言うものでした。ヨセフはその時には私のことを思い出して、ファラオに私の身の上を話し、この家、すなわち牢から出られるようにしてくださいと頼んだのです。自分は何も悪いことはしていないのですと言ったのです。この給仕長なら、同じ無実のヨセフの身の上をわかるだろうと思ったのです。この三日後というのはファラオの誕生日のある日で、祝宴があったのです。そこでその運命が決まるのです。
するとその解き明しの見事なのを聞いていた、もう一人の料理長も、自分の夢を解き明かしてほしくて語りだしました。16節から19節です。
創 40:16 料理役の長は、ヨセフが巧みに解き明かすのを見て言った。「わたしも夢を見ていると、編んだ籠が三個わたしの頭の上にありました。
創 40:17 いちばん上の籠には、料理役がファラオのために調えたいろいろな料理が入っていましたが、鳥がわたしの頭の上の籠からそれを食べているのです。」
創 40:18 ヨセフは答えた。「その解き明かしはこうです。三個の籠は三日です。
創 40:19 三日たてば、ファラオがあなたの頭を上げて切り離し、あなたを木にかけます。そして、鳥があなたの肉をついばみます。」
料理長の夢はこうでした。「わたしも夢を見ていると、編んだ籠が三個わたしの頭の上にありました。いちばん上の籠には、料理役がファラオのために調えたいろいろな料理が入っていましたが、鳥がわたしの頭の上の籠からそれを食べているのです。」それは、頭の上の3個のかごの一番上に調えた、ファラオのための料理を鳥が食べているという夢でした。この夢を聞いたヨセフは、淡々とこう答えました。三日後に、あなたは頭を切り離されて、木にかけられるだろう。そして鳥が来てあなたの肉をついばむだろうと言う、恐ろしい解き明かしでした。鳥というのは普通はカラスのことをさすことが多く、不吉な感じなのです。これを聞いた料理長はどんなにか驚いたことでしょうか。
さてその三日目がやってきました。それはファラオの誕生日なのです。そこで運命が決せられました。20節から23節です。
創 40:20 三日目はファラオの誕生日であったので、ファラオは家来たちを皆、招いて、祝宴を催した。そして、家来たちの居並ぶところで例の給仕役の長の頭と料理役の長の頭を上げて調べた。
創 40:21 ファラオは給仕役の長を給仕の職に復帰させたので、彼はファラオに杯をささげる役目をするようになったが、
創 40:22 料理役の長は、ヨセフが解き明かしたとおり木にかけられた。
創 40:23 ところが、給仕役の長はヨセフのことを思い出さず、忘れてしまった。
この三日目にファラオの誕生日で家来たちを招いて祝宴をもようしたのですが、そこで、例の給仕長と、料理長みんなの居るところで、調べられて裁かれたのです。このような多くの人の中での裁きですから、決してその料理がおいしくなかったとか料理の内容の話ではないのです。国を挙げての大問題だったのです。ですから暗殺計画の責任を問われたのです。ここで、その責任は料理長にあると言うことがはっきりし、給仕長は無罪放免となって、また、ファラオの給仕役に復帰したのです。一方、料理長はヨセフが解き明かしたように、木にかけられて殺されたのです。この様に命にかかわる問題だったのですから、この給仕長は、大変な恩をヨセフから受けたはずなのですが、もう牢から出たら、ヨセフのことなどすっかり忘れてしまったのです。人間はこのようにどんなに恩を受けても、自分の苦しい時期が過ぎるとすぐにその恩を忘れて、自分勝手になることを言っているのです。これは私たちが、神様から大変な恵みと恩を受けていながら、すぐに苦しいところを超えると自分勝手になり、神様のことを忘れてしまうことを言っているのです。
結
ヨセフは、給仕長の夢を解き明かしました。そして彼は解放されて、また元の給仕長の働きに戻ることを予言しました。これは神様が、ヨセフと共におられたので、その解き明しができたのです。ですが、その苦しい時期を過ぎた給仕長は、恩のある、ヨセフの願いをすっかり忘れて、自分の事しか考えなくなっていたのです。この給仕長は決して悪い人ではなく普通の人ですが、それでも人は皆、うまくいっているときには自分の事しか考えなくなって、恩のある人の事は忘れてしまうのです。これは神様のことをも言っています。神様から恩と恵みをたくさんいただいている私たちも、うまくいっているときには神様のことを忘れてしまうので、うぬぼれたり、傲慢になったりするのです。うまくいったときほど神様に感謝を捧げましょう。神様のみ言葉を忘れないように大切にして、神様に従いしましょう。
(一分間黙想)(お祈り)
天の父なる神様、私たちはあなたによって多くの恵みを与えられております。また、いろいろなことを通してあなたは私たちに教えております。ですが、私たちは苦しい時にはあなたに願い、うまくいっているときには自分勝手になって、何でも自分の力でできると思ってしまいます。神様、どうか私たちを謙遜なものとさせてください。うまくいっているときほどあなたに従わせてください。何時もあなたの指し示すことを聞き取ることが出来ますように。
この祈りを、主イエス・キリストの御名によってお祈りいたします。アーメン
<<聖書の箇所(旧約聖書:◇創世記)>>
◆夢を解くヨセフ
創 40:1 これらのことの後で、エジプト王の給仕役と料理役が主君であるエジプト王に過ちを犯した。
創 40:2 ファラオは怒って、この二人の宮廷の役人、給仕役の長と料理役の長を、
創 40:3 侍従長の家にある牢獄、つまりヨセフがつながれている監獄に引き渡した。
創 40:4 侍従長は彼らをヨセフに預け、身辺の世話をさせた。牢獄の中で幾日かが過ぎたが、
創 40:5 監獄につながれていたエジプト王の給仕役と料理役は、二人とも同じ夜にそれぞれ夢を見た。その夢には、それぞれ意味が隠されていた。
創 40:6 朝になって、ヨセフが二人のところへ行ってみると、二人ともふさぎ込んでいた。
創 40:7 ヨセフは主人の家の牢獄に自分と一緒に入れられているファラオの宮廷の役人に尋ねた。「今日は、どうしてそんなに憂うつな顔をしているのですか。」
創 40:8 「我々は夢を見たのだが、それを解き明かしてくれる人がいない」と二人は答えた。ヨセフは、「解き明かしは神がなさることではありませんか。どうかわたしに話してみてください」と言った。
創 40:9 給仕役の長はヨセフに自分の見た夢を話した。「わたしが夢を見ていると、一本のぶどうの木が目の前に現れたのです。
創 40:10 そのぶどうの木には三本のつるがありました。それがみるみるうちに芽を出したかと思うと、すぐに花が咲き、ふさふさとしたぶどうが熟しました。
創 40:11 ファラオの杯を手にしていたわたしは、そのぶどうを取って、ファラオの杯に搾り、その杯をファラオにささげました。」
創 40:12 ヨセフは言った。「その解き明かしはこうです。三本のつるは三日です。
創 40:13 三日たてば、ファラオがあなたの頭を上げて、元の職務に復帰させてくださいます。あなたは以前、給仕役であったときのように、ファラオに杯をささげる役目をするようになります。
創 40:14 ついては、あなたがそのように幸せになられたときには、どうかわたしのことを思い出してください。わたしのためにファラオにわたしの身の上を話し、この家から出られるように取り計らってください。
創 40:15 わたしはヘブライ人の国から無理やり連れて来られたのです。また、ここでも、牢屋に入れられるようなことは何もしていないのです。」
創 40:16 料理役の長は、ヨセフが巧みに解き明かすのを見て言った。「わたしも夢を見ていると、編んだ籠が三個わたしの頭の上にありました。
創 40:17 いちばん上の籠には、料理役がファラオのために調えたいろいろな料理が入っていましたが、鳥がわたしの頭の上の籠からそれを食べているのです。」
創 40:18 ヨセフは答えた。「その解き明かしはこうです。三個の籠は三日です。
創 40:19 三日たてば、ファラオがあなたの頭を上げて切り離し、あなたを木にかけます。そして、鳥があなたの肉をついばみます。」
創 40:20 三日目はファラオの誕生日であったので、ファラオは家来たちを皆、招いて、祝宴を催した。そして、家来たちの居並ぶところで例の給仕役の長の頭と料理役の長の頭を上げて調べた。
創 40:21 ファラオは給仕役の長を給仕の職に復帰させたので、彼はファラオに杯をささげる役目をするようになったが、
創 40:22 料理役の長は、ヨセフが解き明かしたとおり木にかけられた。
創 40:23 ところが、給仕役の長はヨセフのことを思い出さず、忘れてしまった。