家庭礼拝 2020年11月18日 創世記 38:1-30 ユダとタマル

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起 

今学んでいるヨセフ物語は、旧約聖書創世記の伝承物語の中で、ヨブ記などと同じようにヨセフ物語が一つの物語として、独立して、完成していることを以前に話をしましたが、ヨセフ物語が始まったと思ったら、すぐにまたヨセフ物語の中に、それとは違う物語が挿入されているのです。それが、今日のタマル物語です。すなわち、ヤコブ物語の中にヨセフ物語が挿入され、そのヨセフ物語にさらにタマル物語が挿入されているのです。

なぜこの物語がここに唐突に挿入されているのかというと、イスラエルの大きな流れ、イスラエル王国とユダ王国の成り立ちの元がここにあることを示すためなのです。ヤコブは、イスラエルと呼ばれ、その流れはエジプトに売られた、ヨセフが受け継いでいって、その子孫たちが後にカナンに戻って、イスラエル王国を築きます。一方このユダ、すなわち、ヤコブの4男であり、先週の個所では兄たちがヤコブを殺そうと言っているときに、殺しても何の得にもならないからあのイシュマエル人に売ろうと言って、兄弟の意見をまとめた人です。このユダは兄弟たちの中でだんだん力をつけて行って、ユダ王国の礎を築いたのですが、どうしてその上の兄たちはそれができなかったのでしょうか。それは大きな罪を犯していたからではないでしょうか。それはシケムでの出来事で娘のディナのことで、兄の次男のシメオンと3男のレビは策略によってシケムの人々を皆殺しにして罪を犯し、長男のルベンはこの時の騒動には加わりませんでしたが、父であるヤコブ・イスラエルの側女ビルハのところへ入って寝たことが罪として数えられているのです。ですから、祝福はこの兄たち三人を超えて、4男のユダのところに行ったのかもしれません。ですがこのユダであっても、とても、ほめられたものではないと言うのが今日の物語なのです。結構長い物語なので半分にしたかったのですが、そうするとどうも落ち着きが悪いので一気に読んでいこうと思います。

このユダとタマルの物語が重要なのは、この子孫からダビデが生まれ、イエス・キリストが生まれたからです。ヨセフのほうの系統ではないのです。このユダとタマルの関係が今日の話で分かるように、不純なものであり、その子孫の中にも遊女や、ルツ記にも出てくるようなモアブ人の女がいたりしてとてもきれいな血統の中で、ダビデやイエスが生まれたわけではないことがわかるのです。いろいろな罪びとがたくさんいる家系の中からダビデや、イエス様が生まれて来たのです。またイエス様自身も、姦淫によって生まれた子としての疑いがかけられていたのであって、そのよう中から、このタマルの子孫のイエス・キリストの福音によって、先祖も含めてすべての罪が清められたと言うことが大切なのです。

今日の、とんでもないと思える出来事がなければ、ダビデも、イエスも現れることなく世界の歴史が変わっていたと言うことを思い起こしながら、今日の物語を読んでみましょう。

では事の始まりです。1節から10節を読んでみます。

創 38:1 そのころ、ユダは兄弟たちと別れて、アドラム人のヒラという人の近くに天幕を張った。

創 38:2 ユダはそこで、カナン人のシュアという人の娘を見初めて結婚し、彼女のところに入った。

創 38:3 彼女は身ごもり男の子を産んだ。ユダはその子をエルと名付けた。

創 38:4 彼女はまた身ごもり男の子を産み、その子をオナンと名付けた。

創 38:5 彼女は更にまた男の子を産み、その子をシェラと名付けた。彼女がシェラを産んだとき、ユダはケジブにいた。

創 38:6 ユダは長男のエルに、タマルという嫁を迎えたが、

創 38:7 ユダの長男エルは主の意に反したので、主は彼を殺された。

創 38:8 ユダはオナンに言った。「兄嫁のところに入り、兄弟の義務を果たし、兄のために子孫をのこしなさい。」

創 38:9 オナンはその子孫が自分のものとならないのを知っていたので、兄に子孫を与えないように、兄嫁のところに入る度に子種を地面に流した。

創 38:10 彼のしたことは主の意に反することであったので、彼もまた殺された。

ヨセフがエジプトに売られてしまった後で、ヤコブの4男のユダは、ヘブロンにいる父ヤコブや兄弟たちと別れて、そこから15kmほど北に離れたアドラム人のヒラという近くに住むようになりました。これは、彼らの生活圏からすれば、すぐ隣みたいなものです。そこでユダはカナン人のシュアの娘と結婚して、子供を作りました。イサク、ヤコブの時代は皆カナンから娘をもらうことを避けて、アラム・ナハライムのハランにいる親族から妻をもらいました。特にイサク夫婦はカナンから嫁を貰うことを嫌ったのです。ですが、ヤコブの子供の代になると、カナン人の娘をもらうことを自然に行うようになったのです。そして、ユダはカナンの娘と結婚して、長男エル、次男オナン、三男シェラの子供たちを得たのです。その子供たちが成長したので、ユダは長男のエルにタマルと言う嫁を迎えましたが、すぐに不慮の死を迎えたのです。聖書では、ユダの長男エルは主の意に反したので、主は彼を殺された、とあります。何をしたのかはわかりません。当時の習慣で、結婚しても子供を作らずにその夫が死んだならば、その子孫を作り、その家の財産を引き継ぐことができるようにするため、そのやもめと残った兄弟が結婚して子供を作ることが推奨されていたのです。それで父親のユダは、次男のナオンに「兄嫁のところに入り、兄弟の義務を果たし、兄のために子孫をのこしなさい。」と言ったのです。ナオンは兄嫁のところに入ったのですが、そこで子供を作ってもその子供が自分のものとならないのを知っていたので、兄に子孫を与えないように、子種を地面に流したと言うのです。これは兄嫁に子供ができるとその父の財産が生まれてくる長男の子供に取られることを嫌がったのだと思います。ところがこの次男のナオンのしたことは、主の意に反することであったので、彼もまた殺された、とあります。病気か事故で死んだのでしょう。この嫁のタマルも不運な人です。

 それではそのあとはどうなるのでしょうか。11節です。

創 38:11 ユダは嫁のタマルに言った。「わたしの息子のシェラが成人するまで、あなたは父上の家で、やもめのまま暮らしていなさい。」それは、シェラもまた兄たちのように死んではいけないと思ったからであった。タマルは自分の父の家に帰って暮らした。

 ユダにはもう一人男の子がいました。その子はまだ小さく、成人していなかったので、ユダは嫁のタマルにこう言いました。「わたしの息子のシェラが成人するまで、あなたは父上の家で、やもめのまま暮らしていなさい。」タマルと結婚した二人の息子が、不思議な死に方をしたので、ユダは心配になったのです。このタマルに不気味さを感じたのです。それですぐに三男と結婚させると言わないで、しばらく実家に帰っていなさい、シェラが成人したら結婚させようと言ったのです。実はこれは体よく、不気味なタマルを実家に追い返したのです。最後の子供まで死んだら大変だと思ったのです。

 そして、ことはタマルの期待通りには進みませんでした。タマルがいくら待ってもシェラと結婚する話が来ないのです。そうする間にかなりの年月が経ってしまいました。タマルは結婚をあきらめかけたのです。そしてその頃、ユダの妻が死んでしまったのです。それでユダは喪に服して、禁欲していました。その喪が明けて、友人と一緒に、ティムナの羊の毛を切る者のところに上って行きました。この時、ユダは、死んだ妻の喪から解放されて、浮かれ気分になっていたのです。そしてその時事件が起こったのです。12節から23節です。

創 38:12 かなりの年月がたって、シュアの娘であったユダの妻が死んだ。ユダは喪に服した後、友人のアドラム人ヒラと一緒に、ティムナの羊の毛を切る者のところへ上って行った。

創 38:13 ある人がタマルに、「あなたのしゅうとが、羊の毛を切るために、ティムナへやって来ます」と知らせたので、

創 38:14 タマルはやもめの着物を脱ぎ、ベールをかぶって身なりを変え、ティムナへ行く途中のエナイムの入り口に座った。シェラが成人したのに、自分がその妻にしてもらえない、と分かったからである。

創 38:15 ユダは彼女を見て、顔を隠しているので娼婦だと思った。

創 38:16 ユダは、路傍にいる彼女に近寄って、「さあ、あなたの所に入らせてくれ」と言った。彼女が自分の嫁だとは気づかなかったからである。「わたしの所にお入りになるのなら、何をくださいますか」と彼女が言うと、

創 38:17 ユダは、「群れの中から子山羊を一匹、送り届けよう」と答えた。しかし彼女は言った。「でも、それを送り届けてくださるまで、保証の品をください。」

創 38:18 「どんな保証がいいのか」と言うと、彼女は答えた。「あなたのひもの付いた印章と、持っていらっしゃるその杖です。」ユダはそれを渡し、彼女の所に入った。彼女はこうして、ユダによって身ごもった。

創 38:19 彼女はそこを立ち去り、ベールを脱いで、再びやもめの着物を着た。

創 38:20 ユダは子山羊を友人のアドラム人の手に託して送り届け、女から保証の品を取り戻そうとしたが、その女は見つからなかった。

創 38:21 友人が土地の人々に、「エナイムの路傍にいた神殿娼婦は、どこにいるでしょうか」と尋ねると、人々は、「ここには、神殿娼婦などいたことはありません」と答えた。

創 38:22 友人はユダのところに戻って来て言った。「女は見つかりませんでした。それに土地の人々も、『ここには、神殿娼婦などいたことはありません』と言うのです。」

創 38:23 ユダは言った。「では、あの品はあの女にそのままやっておこう。さもないと、我々が物笑いの種になるから。とにかく、わたしは子山羊を届けたのだが、女が見つからなかったのだから。」

 タマルが実家に帰った後で、タマルが、再婚の事で連絡が来ないので悩んでいることを知っている人が、タマルに「あなたのしゅうとが、羊の毛を切るために、ティムナへやって来ます」と知らせたのです。きっと、姑を捕まえて、約束のことを聞いて相談してごらんと言うつもりで言ったのです。そこでタマルはとても大胆なことをしました。シェラが成人したのに、自分がその妻にしてもらえない、と分かったからなのです。これでは自分は夫の子供を作れず、その財産を相続することもできないことになるのです。タマルはやもめの着物を脱ぎ、ベールをかぶって身なりを変え、ティムナへ行く途中のエナイムの入り口に座りました。このエナイムというのは神殿の近くで、このころ神殿には神殿娼婦というものがいて客を引いていたのです。これが公に認められていました。

そこを通りかかったユダは彼女を見て、顔を隠しているので娼婦だと思ったのです。タマルには喪に服させているのに、自分は妻の喪が明けたので、自由になったと思い、娼婦と関係を持とうとしたのです。二人はそこでタマルとは気づかずに関係を持つわけですが、その時の約束で、あとで子山羊を一匹届けるまで、保証として、「あなたのひもの付いた印章と、持っていらっしゃるその杖」を置いていくようにと言いました。そしてユダはそのようにしたのです。ユダとタマルはそこで関係を持ち、タマルは身ごもったのです。ですがユダにはそのことが気づきませんでした。後で、友人に頼んで約束の子山羊をその娼婦にもっていきましたが、そこにはいませんでした。誰に聞いてもそこに神殿娼婦がいたなどという人はいなかったのです。そしてそのことはそのままにしておくことになったのです。

 そして、3か月後に、そのことが暴露されるのです。それはタマルが身ごもっていることが分かったからでした。24節から26節です。

創 38:24 三か月ほどたって、「あなたの嫁タマルは姦淫をし、しかも、姦淫によって身ごもりました」とユダに告げる者があったので、ユダは言った。「あの女を引きずり出して、焼き殺してしまえ。」

創 38:25 ところが、引きずり出されようとしたとき、タマルはしゅうとに使いをやって言った。「わたしは、この品々の持ち主によって身ごもったのです。」彼女は続けて言った。「どうか、このひもの付いた印章とこの杖とが、どなたのものか、お調べください。」

創 38:26 ユダは調べて言った。「わたしよりも彼女の方が正しい。わたしが彼女を息子のシェラに与えなかったからだ。」ユダは、再びタマルを知ることはなかった。

 それから3か月ほどして、タマルには妊娠している症状が出てきたので、周りのものはそれに気が付くようになりました。そして、「あなたの嫁タマルは姦淫をし、しかも、姦淫によって身ごもりました」とユダに告げる者があったのです。当時は姦淫はとても罪の重いもので普通は石打の刑で殺されることになっていたのです。ユダはその姦淫の話を聞くと、怒って、「あの女を引きずり出して、焼き殺してしまえ。」と言いました。これはとても激しい言い方なのです。普通は石打の刑なのに、焼き殺すのは祭司の家のものが姦淫を犯したときに取られる、厳しい刑なのです。ユダは、自分の息子たちが死んだのはこの嫁のせいだと思っていたのかもしれません。ところが、引きずり出されようとしたとき、タマルはしゅうとに使いをやってこう言ったのです。「わたしは、この品々の持ち主によって身ごもったのです。」「どうか、このひもの付いた印章とこの杖とが、どなたのものか、お調べください。」そう言ったのです。タマルはとても賢く、手段を択ばず、姑と関係を結んで子供を得、その財産を相続しようとしたのですが、そのことが姦淫による子供ではないかと疑われたときに、その相手が姑であることがわかるように証拠を取っていたのです。その証拠を見せられたユダは、「わたしよりも彼女の方が正しい。わたしが彼女を息子のシェラに与えなかったからだ。」と理解を示したのです。このようにして、タマルは生き延び、そしてそこからユダの一族の子孫が繁栄していく道を作っていくのです。

 さて身ごもったタマルはどうなったでしょうか。27節から30節です。

創 38:27 タマルの出産の時が来たが、胎内には双子がいた。

創 38:28 出産の時、一人の子が手を出したので、助産婦は、「これが先に出た」と言い、真っ赤な糸を取ってその手に結んだ。

創 38:29 ところがその子は手を引っ込めてしまい、もう一人の方が出てきたので、助産婦は言った。「なんとまあ、この子は人を出し抜いたりして。」そこで、この子はペレツ(出し抜き)と名付けられた。

創 38:30 その後から、手に真っ赤な糸を結んだ方の子が出てきたので、この子はゼラ(真っ赤)と名付けられた。

 タマルは無事に出産したのです。その子は双子でした。その時不思議なことが起こったのです。最初に手を出して出てきた子供に、赤い糸をつけて、この子が先だとわかるようにしたのですが、その子が手を引っ込めて、もう一人の人が出てきたと言うのです。その子は人を出し抜いて出てきたと言うので、ペレツ(出し抜き)と名付けられ、最初に赤い糸をつけた子はゼラ(真っ赤)と名付けられたと言うのです。何かこれからまた何かが起こりそうな感じがします。まるで、エサウとヤコブの双子がが生まれた時のような感じです。

この旧約聖書の系図はとても不思議です。ダビデや、イエス様が生まれるためには、ほとんど絶えてしまいそうな系図の場面が何度も出てくるのです。そもそも、最初のアブラハムのところから、サラには子供ができず、年老いてからやっと一人の息子イサクができたのでした。そのイサクの子供もエサウとヤコブの関係で、ヤコブが殺されるのではないかという、恐怖の中でやっと和解が得られ、12人の息子を持つようになりました。ですが、ヤコブの子供たちは罪を犯し、4男のユダでさえもタマルと言う嫁がいなければ、その子孫が絶えてしまいそうな状況にあったのです。その後も何度も子孫が絶えてしまいそうになりました。ルツ記もそのような物語です。ですがそのような状況の中で、神様の御業が働いて、この系統は生き延びて、ダビデや、イエス様まで続いていくのです。そこには神様の祝福の計画が与えられているのです。

 

(一分間黙想)(お祈り)

天の父なる神様、今日はユダの家系の中に起こった不思議な出来事を学びました。イエス様の家系の中にいろいろな人間的な罪を犯した人が多く出てくるのを見て、不思議な思いがします。聖書はそれを隠すことなく、この中に神様の御業があることを知れ、とばかり語ってきます。聖書はきれいごとばかりではなく、私たちに現実を突きつけてきます。その中にあって、イエス・キリストの贖いが与えられ、私たちの罪の許しが与えられていることに感謝をいたします。私たちが罪を犯すことがあっても悔い改めて、あなたの元に戻ることができますように、導いてください。

この祈りを、主イエス・キリストの御名によってお祈りいたします。アーメン

 


<<聖書の箇所(旧約聖書:◇創世記)>>  

◆ユダとタマル

創 38:1 そのころ、ユダは兄弟たちと別れて、アドラム人のヒラという人の近くに天幕を張った。

創 38:2 ユダはそこで、カナン人のシュアという人の娘を見初めて結婚し、彼女のところに入った。

創 38:3 彼女は身ごもり男の子を産んだ。ユダはその子をエルと名付けた。

創 38:4 彼女はまた身ごもり男の子を産み、その子をオナンと名付けた。

創 38:5 彼女は更にまた男の子を産み、その子をシェラと名付けた。彼女がシェラを産んだとき、ユダはケジブにいた。

創 38:6 ユダは長男のエルに、タマルという嫁を迎えたが、

創 38:7 ユダの長男エルは主の意に反したので、主は彼を殺された。

創 38:8 ユダはオナンに言った。「兄嫁のところに入り、兄弟の義務を果たし、兄のために子孫をのこしなさい。」

創 38:9 オナンはその子孫が自分のものとならないのを知っていたので、兄に子孫を与えないように、兄嫁のところに入る度に子種を地面に流した。

創 38:10 彼のしたことは主の意に反することであったので、彼もまた殺された。

創 38:11 ユダは嫁のタマルに言った。「わたしの息子のシェラが成人するまで、あなたは父上の家で、やもめのまま暮らしていなさい。」それは、シェラもまた兄たちのように死んではいけないと思ったからであった。タマルは自分の父の家に帰って暮らした。

創 38:12 かなりの年月がたって、シュアの娘であったユダの妻が死んだ。ユダは喪に服した後、友人のアドラム人ヒラと一緒に、ティムナの羊の毛を切る者のところへ上って行った。

創 38:13 ある人がタマルに、「あなたのしゅうとが、羊の毛を切るために、ティムナへやって来ます」と知らせたので、

創 38:14 タマルはやもめの着物を脱ぎ、ベールをかぶって身なりを変え、ティムナへ行く途中のエナイムの入り口に座った。シェラが成人したのに、自分がその妻にしてもらえない、と分かったからである。

創 38:15 ユダは彼女を見て、顔を隠しているので娼婦だと思った。

創 38:16 ユダは、路傍にいる彼女に近寄って、「さあ、あなたの所に入らせてくれ」と言った。彼女が自分の嫁だとは気づかなかったからである。「わたしの所にお入りになるのなら、何をくださいますか」と彼女が言うと、

創 38:17 ユダは、「群れの中から子山羊を一匹、送り届けよう」と答えた。しかし彼女は言った。「でも、それを送り届けてくださるまで、保証の品をください。」

創 38:18 「どんな保証がいいのか」と言うと、彼女は答えた。「あなたのひもの付いた印章と、持っていらっしゃるその杖です。」ユダはそれを渡し、彼女の所に入った。彼女はこうして、ユダによって身ごもった。

創 38:19 彼女はそこを立ち去り、ベールを脱いで、再びやもめの着物を着た。

創 38:20 ユダは子山羊を友人のアドラム人の手に託して送り届け、女から保証の品を取り戻そうとしたが、その女は見つからなかった。

創 38:21 友人が土地の人々に、「エナイムの路傍にいた神殿娼婦は、どこにいるでしょうか」と尋ねると、人々は、「ここには、神殿娼婦などいたことはありません」と答えた。

創 38:22 友人はユダのところに戻って来て言った。「女は見つかりませんでした。それに土地の人々も、『ここには、神殿娼婦などいたことはありません』と言うのです。」

創 38:23 ユダは言った。「では、あの品はあの女にそのままやっておこう。さもないと、我々が物笑いの種になるから。とにかく、わたしは子山羊を届けたのだが、女が見つからなかったのだから。」

創 38:24 三か月ほどたって、「あなたの嫁タマルは姦淫をし、しかも、姦淫によって身ごもりました」とユダに告げる者があったので、ユダは言った。「あの女を引きずり出して、焼き殺してしまえ。」

創 38:25 ところが、引きずり出されようとしたとき、タマルはしゅうとに使いをやって言った。「わたしは、この品々の持ち主によって身ごもったのです。」彼女は続けて言った。「どうか、このひもの付いた印章とこの杖とが、どなたのものか、お調べください。」

創 38:26 ユダは調べて言った。「わたしよりも彼女の方が正しい。わたしが彼女を息子のシェラに与えなかったからだ。」ユダは、再びタマルを知ることはなかった。

創 38:27 タマルの出産の時が来たが、胎内には双子がいた。

創 38:28 出産の時、一人の子が手を出したので、助産婦は、「これが先に出た」と言い、真っ赤な糸を取ってその手に結んだ。

創 38:29 ところがその子は手を引っ込めてしまい、もう一人の方が出てきたので、助産婦は言った。「なんとまあ、この子は人を出し抜いたりして。」そこで、この子はペレツ(出し抜き)と名付けられた。

創 38:30 その後から、手に真っ赤な糸を結んだ方の子が出てきたので、この子はゼラ(真っ赤)と名付けられた。