家庭礼拝 2020年11月4日 創世記 37:1-11 ヨセフの夢

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起 

きょうから、いよいよヨセフ物語が始まります。この話はよくまとまっていて、一つの物語として完結しています。旧約聖書の話はいろいろ物語もありますが、ほとんどは伝承に基づいて、記述されたものです。ですがヨセフ物語はそれらの物語とは違って、本来独立に記述された、文学作品ではないかということが言われています。その文学作品のヨセフ物語を、伝承による、ヤコブ物語に組み込んだものが、この旧約聖書となっているのではないかということです。このヨセフ物語が続く中でも、ヤコブはずっと生きていて、全体的にはヤコブの話も並行して出てくるので、ヤコブ物語の中にヨセフ物語が出てくる感じになっているのです。

ヤコブには12人の息子がいました。その中で、ヤコブが愛した正妻ラケルの子供がヨセフとベニヤミンです。ですが、ラケルにはずっと子供ができなかったので、ヨセフは11番目の息子であり、ベニヤミンは最後の12番目の息子なのです。しかもラケルはこの最後の12番目の子供ベニヤミンを難産で産んで死んでしまったのです。ヤコブがラケルを特別に愛していたこともあり、また、ヨセフとベニヤミンは最後の小さい息子たちであったので、この二人をヤコブは特別に愛するようになったのです。

そのためにほかの息子たちからは、この二人がえこひいきされていることを毛嫌いするようになっていたのです。実はそれだけではなく、このヨセフには変わったところがあったのです。それは、夢で見たことをまるで神様からの啓示のように力強く、ありありと語る力があったのです。

旧約聖書にはこのように夢の中で起こったことを、神様の啓示として語ることができた人々がたくさんいます。父親のヤコブもそのような人でした。最初にその夢を見たのは後にベテルと呼ばれるようになったルズというところで起こりました。それはヤコブがエサウから逃れて、ラケルの兄ラバンの居るハランに向かって旅をしていた時に、石を枕にして寝ていると、天まで上る階段を神のみ使いたちが上り下りしている夢を見た後で、神様が夢の中で、「私はあなたの父祖、アブラハムの神、イサクの神主である、」と言って現れたのです。ヤコブはそのことを夢としないで、本当に神様が現れたこととして信じたのです。主イエスの父ヨセフもいいなづけマリアのことで悩んでいた時、主のみ使いが夢に現れて、「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである」という言葉を聞いたのです。ヨセフはこの眠りから覚めると、天使が命じた通り妻を向かい入れたのです。夢の出来事を、本当のこととして信じたのです。イエス様が生まれた時には、当方から来た博士たちは幼子のイエス様と出会った後で、夢で、「ヘロデのところへ帰るな」とお告げがあったので、別の道を通って帰りました。さらにはそのあとで、またヨセフに主の天使が夢に現れて、「起きて、子供とその母親を連れて、エジプトに逃げ、私が告げるまで、そこにとどまっていなさい。」という声を聴いてそれに従ったのです。このように、重大な事柄の決定が、夢の中の出来事から行われていくことがいろいろとあったのです。

ヨセフは、不思議な夢を見ると、兄たちにその夢をよく話していたのです。それは面白がって言っているのではなく、その夢があまりにも不思議なので、兄たちの意見を聞きたかったのです。ですが、ヤコブの息子たちは、このヨセフの夢を語る話が嫌いだったのです。それは自分たちにはなんだかわからないけれども、何かとんでもないことが本当に起こるのではないかと思ったりするからでした。ヨセフはほかの兄弟からは、あの夢見るお方と、皮肉られるほどだったのです。そのようなヨセフがこれからどんな運命をたどっていくのかを学んでいきたいと思います。

では導入部の1節から3節です。

創 37:1 ヤコブは、父がかつて滞在していたカナン地方に住んでいた。

創 37:2 ヤコブの家族の由来は次のとおりである。ヨセフは十七歳のとき、兄たちと羊の群れを飼っていた。まだ若く、父の側女ビルハやジルパの子供たちと一緒にいた。ヨセフは兄たちのことを父に告げ口した。

創 37:3 イスラエルは、ヨセフが年寄り子であったので、どの息子よりもかわいがり、彼には裾の長い晴れ着を作ってやった。

 ヤコブは、祖父アブラハムも父イサクも住んでいたカナン地方に住んでいました。ここが神様から与えられた土地であると知っていたからです。一方兄のエサウは南のセイルの山地のほうに住んでいました。ヤコブの子供たちの中で、カナン地方で生まれたのは一番末っ子で、ヨセフの弟になるベニヤミンだけで、ヨセフも含めて11人の男の子は皆、ラバンの居るハランで生まれた子供たちでした。

2節はヤコブの家族の由来は次のとおりであると始まりますが、家族のことを書いているのではなく、ヨセフを中心とした、子供たちの関係のことを書いています。これはヨセフが17歳になった時のことであり、兄たちと羊の群れを飼っていたと言います。でもヨセフは兄弟とはあまりうまくいっていませんでした。17歳と言えばこの時代にはもう一人前に仕事のできる年です。ヨセフは父の側女のビルハやジルパの子供たちと一緒にいたと言います。ビルハは愛する妻ラケルが子供ができなかったためにヤコブに与えた側女で、ダンとナフタリ、を生みました。ジルパはラケルの姉レアの側女で、ガドとアシェルを生んだのです。ヨセフはその側女たちの子供たちと一緒にいたと言います。このほかにレアの子供たちがいますが、その子たちとはどうして一緒にいなかったのでしょうか。最初に生まれたのはレアの子供たちなので、年の差が離れていたからでしょうか。その子たちは、ルベン、シメオン、レビ、ユダです。ですが側女たちの後からもまたレアは子供を産んで、イサカルとゼブルンを生んだので、ヨセフとはこちらの方が年が近いのです。ですが一緒には、いませんでした。

ヨセフは側女たちの兄と一緒にいましたが、兄たちの事を父に告げ口をしたと言いますから、何か悪いことを告げ口していたのでしょう。そのようなことも嫌われる元となったのでしょうか。それでもヤコブ・イスラエルはヨセフが年寄り子であったので、どの息子よりもかわいがり、彼には裾の長い晴れ着を作ってやった、とあります。裾の長い晴れ着というのは、高貴な人の着る着物なので、ヨセフだけが特別扱いになっていたのです。もしかするとヤコブは、ヨセフを特別扱いするために、レアの子供たちとは一緒にさせなかったのかもしれません。このように特別扱いされることによって、ヨセフは父親に甘えて、兄たちの悪いことを告げ口したりするようになるのです。

 さて、ヨセフはこのような微妙な兄弟関係の中で、決定的な問題を起こしてしまうのです。4節から8節です。

創 37:4 兄たちは、父がどの兄弟よりもヨセフをかわいがるのを見て、ヨセフを憎み、穏やかに話すこともできなかった。

創 37:5 ヨセフは夢を見て、それを兄たちに語ったので、彼らはますます憎むようになった。

創 37:6 ヨセフは言った。「聞いてください。わたしはこんな夢を見ました。

創 37:7 畑でわたしたちが束を結わえていると、いきなりわたしの束が起き上がり、まっすぐに立ったのです。すると、兄さんたちの束が周りに集まって来て、わたしの束にひれ伏しました。」

創 37:8 兄たちはヨセフに言った。「なに、お前が我々の王になるというのか。お前が我々を支配するというのか。」兄たちは夢とその言葉のために、ヨセフをますます憎んだ。

 父ヨセフはどの兄弟よりもヨセフをかわいがったと言います。それは年老いてからできた子供だからということもあるでしょうが、もう死んでしまった愛する妻ラケルの忘れ形見ということもあり、きっとその妻に面影が似ていたのだと思います。そのために兄弟たちは嫉妬して、妬み、ヨセフを憎むようになり、穏やかに話すこともできなかったと言います。これだけでもヨセフは浮き上がっていたのですが、ヨセフには変わった癖があったのです。それは夢を見ると兄弟の兄たちにその夢を語って聞かせていたのです。その夢は単に楽しかった、怖かったという夢ではなく、まるで、神様からのお告げのような夢なので、ヨセフは大事なことだと思って兄たちに語り、聞いた兄たちもその話を聞くと、恐ろしい気持ちになってそんなことを語るヨセフをますます憎むようになったのです。

 あるときヨセフは夢を見て兄たちにこんな話をしました。「聞いてください。わたしはこんな夢を見ました。畑でわたしたちが束を結わえていると、いきなりわたしの束が起き上がり、まっすぐに立ったのです。すると、兄さんたちの束が周りに集まって来て、わたしの束にひれ伏しました。」と言ったのです。ヨセフは何の思いも抱かずに、その不思議な夢を兄たちに聞いてほしいという思いで語ったのですが、それを聞いた兄たちにはその夢の意味をすぐに勘繰り、怒ったのです。そしてこう言いました。「なに、お前が我々の王になるというのか。お前が我々を支配するというのか。」と言ったのです。兄たちは夢とその言葉のために、ヨセフをますます憎むようになったのです。その夢の内容は、実りの時期になると、兄たちがヨセフに対して、ひれ伏すようになるという内容だったので、怒られても仕方のないことなのかもしれません。兄たちにもプライドがあったのです。

 ヨセフの夢はこれだけに留まりませんでした。そしてまた、兄たちにその夢を語ってしまったのです。9節から11節です。

創 37:9 ヨセフはまた別の夢を見て、それを兄たちに話した。「わたしはまた夢を見ました。太陽と月と十一の星がわたしにひれ伏しているのです。」

創 37:10 今度は兄たちだけでなく、父にも話した。父はヨセフを叱って言った。「一体どういうことだ、お前が見たその夢は。わたしもお母さんも兄さんたちも、お前の前に行って、地面にひれ伏すというのか。」

創 37:11 兄たちはヨセフをねたんだが、父はこのことを心に留めた。

 その夢というのは、太陽と月と十一の星がヨセフにひれ伏しているという夢でした。それを兄たちに語ったのですからきっと兄たちはまた怒って、ヨセフを憎んだと思います。この夢で太陽というのは父ヤコブであり、月というのは母ラケルのことです。そして、11の星というのは12人兄弟の自分を除いたすべての兄弟のことです。その人たちがみな、ヨセフの前にひれ伏すというのです。その話を、ヨセフは父のヤコブにも話をしたのです。ヨセフは自分でも胸騒ぎをして、父に相談したかったのかもしれません。でも父はヨセフを叱ってこう言いました。「一体どういうことだ、お前が見たその夢は。わたしもお母さんも兄さんたちも、お前の前に行って、地面にひれ伏すというのか。」と言ったのです。さすがに父ヤコブもヨセフの夢の不謹慎なことを思って叱りましたが、兄たちはもっとそのことを怒り妬んだのです。ですが、父ヨセフはその夢の不思議を思い、このことを心にとめていたのです。

 この父ヨセフが、心にとめたようなことが、ほかのところにもあるのを思い出します。それはイエス様が生まれた時に、羊飼いたちがやってきて、この幼子について天使が話してくれたことを人々に知らせた時に、人々は不思議に思っただけですが、マリアはこれらの出来事をすべて心に収めて、思いめぐらしていたのです。これもまた同じようなことなのです。

 ヨセフはこのように夢を見る人でもありましたが、大きくなるとその夢を解き明かす人にもなるのです。ヨセフはこのように、夢を通して啓示を与えられ、成長していくのです。


いよいよヨセフ物語が始まりましたが、ヨセフは小さいころから人と違ったところがあったようです。父ヤコブにかわいがられて、特別の服を着せてもらったりしたこともありましたが、不思議な夢を何度も見る人でもありました。ヨセフはその夢をそのままにしておかないないで、その夢の意味を知ろうとしたのです。それで兄たちや、父にその夢の話をしたのですが、かえって叱られたり憎まれたりしたのです。ですがヨセフはその夢をいつも思いめぐらせて、これから起こる出来事を知ろうとしていたのではないでしょうか。このヨセフ物語は、ヨセフが夢を見る人であって、兄弟からは憎まれていたというところから始まったのです。

 

(一分間黙想)(お祈り)

天の父なる神様、ヨセフは不思議な夢を何度も見ました。そしてその夢を他愛もないこととしてすぐ忘れてしまうのではなく、そのことを心にとめその意味を知ろうとしました。そのために兄たちや父に相談したのですが、かえって叱られたり憎まれたりすることになってしまいました。ですが、ヨセフは、その夢が天からくるものであることを感じていたのだと思います。いつも心を天に向けているのでそこからくるものに思いを巡らせて、その意味を知ろうとしていたのだと思います。私たちにもいろいろな神様からの啓示が与えられているかもしれません。そのことに気づかず、すぐに忘れ去っているかもしれません。私たちもいつも神様の思いに心をはせて、神様の示してくださることの意味を読み取り、神様の御心にかなって歩むことができるように導いてください。あなたの御心を知るものとなりますように。この祈りを、主イエス・キリストの御名によってお祈りいたします。アーメン

 

<<聖書の箇所(旧約聖書:◇創世記)>>  

◆ヨセフの夢

創 37:1 ヤコブは、父がかつて滞在していたカナン地方に住んでいた。

創 37:2 ヤコブの家族の由来は次のとおりである。ヨセフは十七歳のとき、兄たちと羊の群れを飼っていた。まだ若く、父の側女ビルハやジルパの子供たちと一緒にいた。ヨセフは兄たちのことを父に告げ口した。

創 37:3 イスラエルは、ヨセフが年寄り子であったので、どの息子よりもかわいがり、彼には裾の長い晴れ着を作ってやった。

創 37:4 兄たちは、父がどの兄弟よりもヨセフをかわいがるのを見て、ヨセフを憎み、穏やかに話すこともできなかった。

創 37:5 ヨセフは夢を見て、それを兄たちに語ったので、彼らはますます憎むようになった。

創 37:6 ヨセフは言った。「聞いてください。わたしはこんな夢を見ました。

創 37:7 畑でわたしたちが束を結わえていると、いきなりわたしの束が起き上がり、まっすぐに立ったのです。すると、兄さんたちの束が周りに集まって来て、わたしの束にひれ伏しました。」

創 37:8 兄たちはヨセフに言った。「なに、お前が我々の王になるというのか。お前が我々を支配するというのか。」兄たちは夢とその言葉のために、ヨセフをますます憎んだ。

創 37:9 ヨセフはまた別の夢を見て、それを兄たちに話した。「わたしはまた夢を見ました。太陽と月と十一の星がわたしにひれ伏しているのです。」

創 37:10 今度は兄たちだけでなく、父にも話した。父はヨセフを叱って言った。「一体どういうことだ、お前が見たその夢は。わたしもお母さんも兄さんたちも、お前の前に行って、地面にひれ伏すというのか。」

創 37:11 兄たちはヨセフをねたんだが、父はこのことを心に留めた。