家庭礼拝 2020年10月21日 創世記 36:1-19 エサウの子孫
起
この36章は不思議な章です。アブラハム、イサク、ヤコブの神様の祝福の系列から外れた人々の系図なのです。言ってみれば、神様のことを知ろうとする人にとって、この章は何の関係もない部族の系図の羅列なのです。なぜこのような章があるのでしょうか。普通に聖書を読んでいるならば、この章は飛ばしてしまいたいような箇所なのです。
まだエサウの子孫に関してはイサクの直接の子供でもあるし、ヤコブの兄弟でもあるので、たとえ神様の祝福から漏れたとしてもその後どうなったのだろうと知りたい気持ちはあります。ですが、そのあとに続く、セイルの子孫や、エドムの王国などは何の関係もない子孫の系図でもあるし、王国の様子なのです。
実は似たようなことは前にもありました。アブラハムの妻サラの側女ハガルの子イシュマエルの系図が、アブラハムが死んだあと詳しく載せられているのです。そこにはヤコブと同じように12人の息子がおり、12部族の首長になったことが記されているのです。
確かに神様の救いの系列はアブラハム、イサク、ヤコブと続き、その子孫に受け継がれていくのですが、神様はそこから外れている人を見捨てたわけではないということです。特別の恵みがあったわけではないですが、世界中の人々を神様が見守っているということなのです。ですからエサウの子孫も見守られ、セイルの子孫もエドムの王国も神様のみ手のうちにあるということなのです。ただ神様を知ることができたのは、神の国の救いの系列にある、アブラハム、イサク、ヤコブの子孫だけだったのです。
なぜ、エサウが神様の救いの歴史から漏れてしまったかと言えば、長子の特権を軽んじて、ヤコブに食事と交換してしまったり、ヤコブがイサクをだまして、その祝福を受けたからでした。というのも実はイサクも妻リベカもエサウの妻たちをよく思っていなかったのです。きっと信仰的な対立があったのだと思います。エサウはこの時二人の妻を持っていましたが、二人ともカナン地方の妻であり、その土地の信仰をもって家に入って来たのだと思います。それで、ヤコブには兄のラバンの居る、アラムナハライムのハランの地で、妻をめとるようにと言ったのです。ですから、両親とも祝福はエサウではなく、ヤコブに与えようと思っていたのでした。
その祝福を受けたヤコブがいろいろな試練を超えて、またこのカナンの地にやってきたとき、エサウと同じ土地に住むようになってきたのです。エサウはセイル地方に住んでいて、カナン地方には住んでいなかったのかと思いましたが、今日の個所ではカナン地方に住んでいたことになります。ということは年老いたイサクの面倒を見てその財産を管理していたのもエサウということになります。そしてイサクの葬儀が終わった後、この二人の兄弟が同じ場所に住むことに多少問題が出てきたのです。それは二人の家族たちがすむにはこの地が狭すぎたのです。その時なんと、今までイサクの世話をしてカナン地方に住んでいたエサウのほうがヤコブにそのカナン地方の土地を譲り、自分はセイル地方に移っていくのです。エサウがなぜ穏やかに、カナンの地をヤコブに譲ったのかがよくわかりません。祝福をヤコブに与えた神様がそうしたとしか思えないのです。
承
それでは、今日の個所は系図だらけなのですが、大きく分けると、4つに分かれます。最初はエサウの妻たちと子供たちの事です。次になぜエサウはカナンを去ってセイルの山地に住むようになったのかです。三つめは、孫たちの事です。四つ目は、エサウの子孫の首長のことです。ここには何度も同じことが表現を変えて繰り返し語られているところがあるので、注意深く読まないと何が何だか分からなくなってしまいます。
では最初のエサウの妻たちと子供たちについてです。1節から5節までです。
創
36:1 エサウ、すなわちエドムの系図は次のとおりである。
創
36:2 エサウは、カナンの娘たちの中から妻を迎えた。ヘト人エロンの娘アダ、ヒビ人ツィブオンの孫娘でアナの娘オホリバマ、
創
36:3 それに、ネバヨトの姉妹でイシュマエルの娘バセマトである。
創
36:4 アダは、エサウとの間にエリファズを産み、バセマトはレウエルを産んだ。
創
36:5 オホリバマは、エウシュ、ヤラム、コラを産んだ。これらは、カナン地方で生まれたエサウの息子たちである。
エサウは、エドム人の先祖と言われているので、エサウすなわちエドムの系図と言って始まります。ここにはエサウが3人の妻をめとったことが書かれています。そして3人ともカナンの娘たちなのです。これがイサクとリベカに嫌われたことでした。それぞれに子供が生まれ、一人目の妻ヘト人エロンの娘アダ、はエリファズを生み、二人目の妻、ヒビ人ツィブオンの孫娘でアナの娘オホリバマは、3人の子供を産み、それぞれエウシュ、ヤラム、コラと名付けました。三人目の妻は、ネバヨトの姉妹でイシュマエルの娘バセマトで、レウエルという子供を産みました。このバセマトはあのサラに追放されたアブラハムの側女ハガイの子供のイシュマエルの娘なのかもしれません。そうだったら驚きです。ですがその可能性もあるのです。イシュマエルは、セイルの山々のすぐ南のほうに住んでいたのですから隣のようなものです。
ヤコブが12人の子供を持った割には、エサウは全部で5人ですから、意外と少ないと思います。エサウの子供たちは皆、カナン地方で生まれた子供たちなのです。
そのカナン地方をどうしてエサウは離れて行ったのかが次の個所に書かれています。6節から8節までです。
創
36:6 エサウは、妻、息子、娘、家で働くすべての人々、家畜の群れ、すべての動物を連れ、カナンの土地で手に入れた全財産を携え、弟ヤコブのところから離れてほかの土地へ出て行った。
創
36:7 彼らの所有物は一緒に住むにはあまりにも多く、滞在していた土地は彼らの家畜を養うには狭すぎたからである。
創
36:8 エサウはこうして、セイルの山地に住むようになった。エサウとはエドムのことである。
ここに、エサウが、家族全員を引き連れて、家畜と全財産をもって、弟ヤコブの居るカナンから離れてずっと南のシナイ半島に近いセイルの山地に住むようになったと言います。どうして、エサウはカナンから離れたのでしょうか。それは、ヤコブとエサウの所有物は一緒に住むにはあまりに多く、その土地は二つの家族の持っている家畜を養うには狭すぎたと書かれています。でもそれだけの理由なら、もともと住んでいたエサウにそのまま住む権利があり、ヤコブがどこか別のところへ行くべきなのです。ところがエサウが出て行ったということは、エサウはもともとセイルの山々をよく知っていたので、カナンに残るよりもセイルの山々に行った方が楽に生活できるということを知っていたのではないかと思います。そうだとすればいかにもエサウらしい、割り切った考えなのです。それで、先祖が生きたカナンのことには何の未練も感じないで、セイルの山々に移り住んだのだと思います。一方ヤコブはこのカナンが、神様から与えられた土地であり、アブラハム、イサクが住んだ大切な土地だという思いがあったので、ほかのところには行かずカナンに住み続けたのだと思います。ここにもエサウとヤコブの考え方の違いがはっきり出てくるのです。エサウは、このセイルの山地に住むようになってからはエドムと呼ばれたようです。そしてその子孫がその一帯で、エドム人と呼ばれるようになったのです。
転
今まではエサウの妻と子供のことが書かれていましたが、ここに、系図として、エサウから子供そしてその孫までが詳しく書かれています。9節から14節までです。
創 36:9 セイルの山地に住む、エドム人の先祖エサウの系図は次のとおりである。
創 36:10 まず、エサウの息子たちの名前を挙げると、エリファズはエサウの妻アダの子で、レウエルはエサウの妻バセマトの子である。
創 36:11 エリファズの息子たちは、テマン、オマル、ツェフォ、ガタム、ケナズである。
創 36:12 エサウの息子エリファズの側女ティムナは、エリファズとの間にアマレクを産んだ。以上が、エサウの妻アダの子孫である。
創 36:13 レウエルの息子たちは、ナハト、ゼラ、シャンマ、ミザである。以上が、エサウの妻バセマトの子孫である。
創 36:14 ツィブオンの孫娘で、アナの娘であるエサウの妻オホリバマの息子たちは、次のとおりである。彼女は、エサウとの間にエウシュ、ヤラム、コラを産んだ。
まずエサウには3人の妻がいるので、その妻の子供とさらに孫までのことをまとめて語ったほうがわかりやすそうです。まとめるとこうなります。
最初の妻アダにはエリファズが生まれ、エリファズからは、テマン、オマル、ツェフォ、ガタム、ケナズの5人の孫が生まれました。エリファズは側女ティムナにも子供をもってアマレクが生まれたので、最初の妻アダの孫は、側女の分も含めて6人ということになります。
二番目の妻バセマトはレウエルを産んで、レウエルはナハト、ゼラ、シャンマ、ミザの子供を持ったので、二番目の妻の孫は4人ということになります。彼女はイシュマエルの娘です。
三番目の妻オホリバマはエサウとの間に3人の子供を産んで、エウシュ、ヤラム、コラという子供を持ちました。ですが孫のことは何も語られていません。
このようになるのですが、ただ読んでいるとなかなかこの系図が頭に入らないので注意が必要です。
この後に今度はその子供たちが首長になった、すなわち部族として成長したことが書かれています。そのような部族にまで成長しその首長となったもののことがここに書かれているのですが、系図とよく似ているのでどこが違うのかを探りながら読んでみます。15節から19節です。
創 36:15 エサウの子孫である首長は次のとおりである。まず、エサウの長男エリファズの息子たちについていえば、首長テマン、首長オマル、首長ツェフォ、首長ケナズ、
創 36:16 首長コラ、首長ガタム、首長アマレクである。これらは、エドム地方に住むエリファズ系の首長で、アダの子孫である。
創 36:17 次に、エサウの子レウエルの息子たちについていえば、首長ナハト、首長ゼラ、首長シャンマ、首長ミザである。これらは、エドム地方に住むレウエル系の首長で、エサウの妻バセマトの子孫である。
創 36:18 エサウの妻オホリバマの息子たちについていえば、首長エウシュ、首長ヤラム、首長コラである。これらは、アナの娘であるエサウの妻オホリバマから生まれた首長である。
創 36:19 以上が、エサウ、すなわちエドムの子孫である首長たちである。
この様に、ここに挙げられた首長の名前は、先ほどの系図の名前とほとんど同じです。ということは子供も孫も一人も失われることなく成長し、それぞれ首長となったということです。これはこの時代では珍しいことです。エサウの長男エリファズの息子たちの中に首長コラという名前が出てきますが、この人だけが系図にない名前です。オホリバマの息子の中にもコラという名前の人がいますが、この人とは違うようです。ここでわざわざ、また息子と孫を紹介するように、首長の紹介をしているのはなぜでしょうか。ここで気が付くのはエリファズの息子たちと、レウエルの息子たちに関してはエサウの孫にあたる者たちが首長になり、エサウの妻オホリバマについては、その息子たちが首長になっていることです。もしかするとオホリバマはまだ若かったので、その子供は他の孫たちと同世代だったのかもしれません。首長の数は14名です。息子だけを首長にすると5名になるので、その孫が増えて、10名以上になるのを待ったのかもしれません。いずれにしてもエサウの子孫もヤコブの子孫の12部族のように、14部族を形作っていったのです。これもまた神様の祝福ではないでしょうか。
結
エサウは、神様から見放されたわけではありませんでした。どちらかというと人の良いエサウは多くの人に愛されたのかもしれません。セイルの山地に住み、その孫の代で、14部族を形成するまでになったのです。ですが、神様の救いの流れの中には入れませんでした。神様を自分たちの神様として信じるものにはなれなかったのです。ですがイサクの子孫としてその繁栄は守られていたのです。神様はたとえ、救いの中に漏れた人であっても、いつもその歩みを見守ってくださる方なのです。
(一分間黙想)(お祈り)
天の父なる神様。今日はエサウの系図について学びを得ました。エサウもまた、エドムでその繁栄を果たしました。そしてエドム人の祖先として、14部族を形作るまでになりました。あなたの救いの流れからは漏れてしまいましたが、あなたは、エサウをも見捨てたわけではありませんでした。世界中の人があなたによって見守られているのです。その中であなたの救いを信じる者だけがあなたの救いの歴史の中にとどまるのです。どうかあなたを信じて歩むことができますように。
この祈りを、主イエス・キリストの御名によってお祈りいたします。アーメン
<<聖書の箇所(旧約聖書:◇創世記)>>
◆エサウの子孫
創
36:1 エサウ、すなわちエドムの系図は次のとおりである。
創
36:2 エサウは、カナンの娘たちの中から妻を迎えた。ヘト人エロンの娘アダ、ヒビ人ツィブオンの孫娘でアナの娘オホリバマ、
創
36:3 それに、ネバヨトの姉妹でイシュマエルの娘バセマトである。
創
36:4 アダは、エサウとの間にエリファズを産み、バセマトはレウエルを産んだ。
創
36:5 オホリバマは、エウシュ、ヤラム、コラを産んだ。これらは、カナン地方で生まれたエサウの息子たちである。
創
36:6 エサウは、妻、息子、娘、家で働くすべての人々、家畜の群れ、すべての動物を連れ、カナンの土地で手に入れた全財産を携え、弟ヤコブのところから離れてほかの土地へ出て行った。
創
36:7 彼らの所有物は一緒に住むにはあまりにも多く、滞在していた土地は彼らの家畜を養うには狭すぎたからである。
創
36:8 エサウはこうして、セイルの山地に住むようになった。エサウとはエドムのことである。
創
36:9 セイルの山地に住む、エドム人の先祖エサウの系図は次のとおりである。
創
36:10 まず、エサウの息子たちの名前を挙げると、エリファズはエサウの妻アダの子で、レウエルはエサウの妻バセマトの子である。
創
36:11 エリファズの息子たちは、テマン、オマル、ツェフォ、ガタム、ケナズである。
創
36:12 エサウの息子エリファズの側女ティムナは、エリファズとの間にアマレクを産んだ。以上が、エサウの妻アダの子孫である。
創
36:13 レウエルの息子たちは、ナハト、ゼラ、シャンマ、ミザである。以上が、エサウの妻バセマトの子孫である。
創
36:14 ツィブオンの孫娘で、アナの娘であるエサウの妻オホリバマの息子たちは、次のとおりである。彼女は、エサウとの間にエウシュ、ヤラム、コラを産んだ。
創
36:15 エサウの子孫である首長は次のとおりである。まず、エサウの長男エリファズの息子たちについていえば、首長テマン、首長オマル、首長ツェフォ、首長ケナズ、
創
36:16 首長コラ、首長ガタム、首長アマレクである。これらは、エドム地方に住むエリファズ系の首長で、アダの子孫である。
創
36:17 次に、エサウの子レウエルの息子たちについていえば、首長ナハト、首長ゼラ、首長シャンマ、首長ミザである。これらは、エドム地方に住むレウエル系の首長で、エサウの妻バセマトの子孫である。
創
36:18 エサウの妻オホリバマの息子たちについていえば、首長エウシュ、首長ヤラム、首長コラである。これらは、アナの娘であるエサウの妻オホリバマから生まれた首長である。
創
36:19 以上が、エサウ、すなわちエドムの子孫である首長たちである。