家庭礼拝 2020年10月14日 創世記 35:16-29 ラケルとイサクの死
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起
今日の聖書の個所で、ヤコブ物語が終わります。次に続くのはヤコブの長男ヨセフのヨセフ物語です。ヨセフはヤコブの最愛の妻ラケルの一人子でしたが、ここで、その弟ベニヤミンが生まれます。これでヤコブの子供は12人となりすべてそろうのです。これがイスラエルの12部族と言われるものに育っていきます。アブラハムの系図の中ではこの12という数字が大きな意味を持っています。アブラハムの正妻サラはイサクしか子を産みませんでしたが、追放されたアブラハムの側女ハガルの子イシュマエルはやはり12人の子供を産んで12部族のもとになるのです。そして、新約の世界ではイエス・キリストが12人の弟子を持つようになったのも、この12という数字の不思議さです。
ラケルはこのベニヤミンを産むとき難産で、産んだ後死んでしまいました。そしてエフラタの町すなわち後のベツレヘムの近くに埋葬されたのです。ベツレヘムはイエス様の生まれたところで、これも不思議な巡りあわせです。ラケルもイエス様の母マリアも身重の体で、このエフラタの近くまで来たのです。マリア様は無事にイエス様を生みましたが、ラケルは産んだ後死んでしまうという不幸に見舞われました。
アブラハムの一族はアブラハムもサラもイサクもリベカも、ヤコブの妻でラケルの姉のレアも皆マクペラの洞穴に埋葬されたのです。ヤコブも自分が死んだらその洞穴に埋葬してほしいと言っていたのです。それなのに、最愛の妻ラケルだけが旅の途中のエフラタの近くに埋葬されたのは意外な気がします。でもヤコブとしても、やむに已まれぬ思いでここに埋葬したのかもしれません。ヤコブは最愛の妻ラケルの子供のヨセフとベニヤミンを特に愛したのですが、それが後に災いして、ヨセフはエジプトに売られてしまうという、ヨセフ物語の始まりになるのです。
今日の聖書の個所はそのような大きな転換点となるときのことを語っているのですが、そこに突然イサクの死の話が出てきます。ヤコブが家を出てからは、両親であるイサクの話もリベカの話も全く出ていなかったので、すでに死んでいるかと思っていましたが、突然この箇所に、イサクが死んだということが記されており、しかもその埋葬にはヤコブと兄エサウとが一緒に葬ったということが記されているのです。ここに一つの時代が終わったことを印象付けようとしています。これは、アブラハムがなくなった時にやはり同じように、マクペラの洞穴の前で、イサクと側女の子イシュマエルとが揃ってアブラハムを埋葬したことを彷彿とさせます。
承
それでは聖書に戻ります。ヤコブたちはシケムでの息子による虐殺事件を起こした後、神様の指示により、ベテルに行って住みなさいと言われてそこに祭壇を立てて住むようになりました。ところがなぜか、ヤコブたちはベテルからエフラタまで旅をしたのです。その時に事件が起こりました。16節から18節です。
創
35:16 一同がベテルを出発し、エフラタまで行くにはまだかなりの道のりがあるときに、ラケルが産気づいたが、難産であった。
創
35:17 ラケルが産みの苦しみをしているとき、助産婦は彼女に、「心配ありません。今度も男の子ですよ」と言った。
創
35:18 ラケルが最後の息を引き取ろうとするとき、その子をベン・オニ(わたしの苦しみの子)と名付けたが、父はこれをベニヤミン(幸いの子)と呼んだ。
その事件というのは、ヤコブの妻ラケルが産気づいたのです。ですが難産でした。ラケルはヤコブに愛されましたが、サラと同じように、子供に関しては恵まれていませんでした。年を取ってやっとヨセフが生まれましたが、二人目が生まれるときは旅の途中で、しかも難産でした。ラケルが産みの苦しみをしているとき、助産婦は彼女に、「心配ありません。今度も男の子ですよ」と言った、とありますから、子供が生まれた時点ではラケルはまだ生きていたようです。その後、すぐなのか産後の肥立ちが悪くてなのかラケルは死んでしまうのです。ラケルが最後の息を引きとろうとするとき、その子の名前をベン・オニ(私の苦しみの子)と呼んだというのですから、生まれてから多少時間はあったと思います。でもそう呼んでから死んでしまったというのですから、必ずしもそれは名前として呼んだのではなく、私が苦しんで産んだ子供と愛おしんで、呼びかけただけかもしれません。ヤコブはそのラケルの言葉を受けて、その子の名前を、ベニヤミン(幸いの子)と名付けました。そしてヤコブはラケルの子のヨセフとこのベニヤミンと特別に愛するようになったのです。
ラケルは死んで葬られますが、どこに葬られたでしょうか。アブラハムからラケルの姉のレアまでは皆マクペラの洞穴に葬られましたが、そこはカナン地方のヘブロンにあるマレムの前です。エフラタ今でいうベツレヘムからはそれほど遠くないところです。19節から22節です。
創
35:19 ラケルは死んで、エフラタ、すなわち今日のベツレヘムへ向かう道の傍らに葬られた。
創
35:20 ヤコブは、彼女の葬られた所に記念碑を立てた。それは、ラケルの葬りの碑として今でも残っている。
創
35:21 イスラエルは更に旅を続け、ミグダル・エデルを過ぎた所に天幕を張った。
創
35:22 イスラエルがそこに滞在していたとき、ルベンは父の側女ビルハのところへ入って寝た。このことはイスラエルの耳にも入った。
この箇所では、20節まではヤコブと呼んでいて、21節からはイスラエルと呼んでいます。これは旧約聖書には三つの出典元があり、J出典E出典P出典と呼ばれています。20節までがE出典で、ラケルとレアの争いや子供たちの事の話がここで終わるのです。21節からはJ出典に変わり、シケムでの息子たちの事件やここでの長男の不倫を描いているのです。その出典の違いから、ヤコブと呼んだりイスラエルと呼んだりしています。
ラケルは死にましたが、マクペラの洞穴には葬られませんでした。エフラタに向かう道の傍らに葬られたとあります。そしてその記念碑がその後しばらくの間残っていたようです。どうしてラケルだけエフラタの近くの道端に葬られたのかがわかりませんが、このエフラタ、のちのベツレヘムからイエス様が生まれたのは不思議な感じがします。
ヤコブは更に旅をつづけ、ミグダル・エデルを過ぎたところに天幕を張ったとありますが、この場所はよくわかりません。ですが方角からするとエフラタから南下して、ヘブロンの近くのような気がします。ここにヤコブはしばらく滞在していたようです。そこにいた時の長男のルベンは大変なことをしてしまいました。父の側女ビルハのところへ入って寝たのです。このことはヤコブの耳にも入ったとあります。この父の側女のビルハというのは、あのヤコブの妻ラケルが子を産めなかったときにラケルがヤコブに与えた側女でしょうか。そうなのです。このビルハの子供はダンとナフタリの母親ですから、異母兄弟の母親です。ですから、長男のルベンにとっても母親のレアに代わる別の母親のようなものなのです。この長男のルベンはシケムでの事件の際は次男のシメオンや三男のレビと一緒に問題を起こすような人ではなかったのですが、いったいどうしたのでしょうか。これで、レアが生んだ子供で、長男から3男までが罪人となってしまったのです。これはその後四男のユダが重要人物として出てくる布石のようです。
転
さて、ここ23節からはヤコブの息子たちの事とイサクの死のことが事務的に書かれていて、新しい物語に移る、間奏曲のような感じです。まず、ヤコブの息子たちの紹介です。22節の終わりから26節です。
ヤコブの息子は十二人であった。
創
35:23 レアの息子がヤコブの長男ルベン、それからシメオン、レビ、ユダ、イサカル、ゼブルン、
創
35:24 ラケルの息子がヨセフとベニヤミン、
創
35:25 ラケルの召し使いビルハの息子がダンとナフタリ、
創
35:26 レアの召し使いジルパの息子がガドとアシェルである。これらは、パダン・アラムで生まれたヤコブの息子たちである。
このようにヤコブには12部族となる子供たちが与えられました。ここでは側女の子供だからと言って特に差別されている感じはありません。この順序は妻になった順番と側女になった順番に書かれています。この中で最後に生まれたのはラケルの息子ヨセフとベニヤミンです。12人の子供のうちレアの子供が6人であり、この子供たちが先に生まれました。次にラケルの召使ビルハの子供二人が生まれ、その次にレアの召使ジルパの息子二人が生まれ、そして最後にラケルの息子二人が生まれたのです。子供の数では姉のレアの圧勝でしたが、長男から3男までがすでに大きな罪を犯してしまいました。一方子供の数では圧倒的に少なかったラケルの子供ヨセフに、このヤコブの祝福は流れて行ったのです。
この物語は次にはヨセフ物語として続いていくのですが、その前に、中途半端になっている事柄の整理に入っています。一つはイサクのことで、いったいどうなっているのだろうということに対して、回答を与えています。そしてそのあとにエサウの子孫のことが書かれているのです。まずはイサクについてです。27節から29節です。
創 35:27 ヤコブは、キルヤト・アルバ、すなわちヘブロンのマムレにいる父イサクのところへ行った。そこは、イサクだけでなく、アブラハムも滞在していた所である。
創 35:28 イサクの生涯は百八十年であった。
創 35:29 イサクは息を引き取り、高齢のうちに満ち足りて死に、先祖の列に加えられた。息子のエサウとヤコブが彼を葬った。
イサクはヘブロンにいました。そのころには妻リベカはずっと前に死んでおり、兄エサウはずっと南のセイル地方に住んでいました。ヤコブは北のラバンの居るアラム・ナハライムに20年いてやっとカナン地方に移ってきたところです。その間イサクは誰とどのように過ごしていたのでしょうか。その間の消息は何も書かれていません。ですがここにイサクのことのけじめをつけるように、ヘブロンで、180歳で亡くなったことが書かれています。そして、その葬儀にはエサウとヤコブが立ち会って葬儀をしたことが書かれているのです。そして、マクペラの洞穴の中に埋葬されたのです。そこには最終的にアブラハムとサラ夫婦、イサクとリベカ夫婦、そして、ヤコブとレア夫婦が埋葬されたのです。レアは生きている間はヤコブに疎んじられて、ラケルだけが寵愛を受けていましたが、ここの洞穴の中ではヤコブとともにいることになったのです。ラケルは入れなかったのです。そして、ここで、ラケルとレアの姉妹の戦いは終わるのです。
結
ラケルは12人目の息子を産んで、死にました。ヤコブの12部族が成り立ちました。イサクもラケルの後で死にました。その葬儀にはエサウとヤコブが立ち会いました。これで、アブラハム物語、イサク物語、ヤコブ物語が終わり、いよいよヨセフ物語に入るのです。アブラハムの受けた祝福は確実に、その次の子孫に受け継がれていきました。そして最後にはイエス・キリストへと受け継がれていくのです。
(一分間黙想)(お祈り)
天の父なる神様、ラケルは死に、イサクも死にましたが、神様の祝福は確実にヤコブに受け継がれ、アブラハム、イサク、ヤコブの神様となりました。その神様はやがて、ヨセフに引き継がれていきます。あなたの御業によってどんなに不思議な出来事が起こったのかに驚かされます。この神様はヤコブの子供たちの12部族によって引き継がれ、ユダヤ教としての信仰が確立していきました。そして、イエス・キリストを通して、私たちにその信仰が与えられていることに感謝いたします。ただ一人の生ける神様をあがめ賛美いたします。あなたは多くの出来事を通して、私たちにその真実を教えてくださっていますことに感謝いたします。この祈りを、主イエス・キリストの御名によってお祈りいたします。アーメン
<<聖書の箇所(旧約聖書:◇創世記)>>
◆ラケルの死
創
35:16 一同がベテルを出発し、エフラタまで行くにはまだかなりの道のりがあるときに、ラケルが産気づいたが、難産であった。
創
35:17 ラケルが産みの苦しみをしているとき、助産婦は彼女に、「心配ありません。今度も男の子ですよ」と言った。
創
35:18 ラケルが最後の息を引き取ろうとするとき、その子をベン・オニ(わたしの苦しみの子)と名付けたが、父はこれをベニヤミン(幸いの子)と呼んだ。
創
35:19 ラケルは死んで、エフラタ、すなわち今日のベツレヘムへ向かう道の傍らに葬られた。
創
35:20 ヤコブは、彼女の葬られた所に記念碑を立てた。それは、ラケルの葬りの碑として今でも残っている。
創
35:21 イスラエルは更に旅を続け、ミグダル・エデルを過ぎた所に天幕を張った。
創
35:22 イスラエルがそこに滞在していたとき、ルベンは父の側女ビルハのところへ入って寝た。このことはイスラエルの耳にも入った。
◆ヤコブの息子たち
ヤコブの息子は十二人であった。
創
35:23 レアの息子がヤコブの長男ルベン、それからシメオン、レビ、ユダ、イサカル、ゼブルン、
創
35:24 ラケルの息子がヨセフとベニヤミン、
創
35:25 ラケルの召し使いビルハの息子がダンとナフタリ、
創
35:26 レアの召し使いジルパの息子がガドとアシェルである。これらは、パダン・アラムで生まれたヤコブの息子たちである。
◆イサクの死
創
35:27 ヤコブは、キルヤト・アルバ、すなわちヘブロンのマムレにいる父イサクのところへ行った。そこは、イサクだけでなく、アブラハムも滞在していた所である。
創
35:28 イサクの生涯は百八十年であった。
創
35:29 イサクは息を引き取り、高齢のうちに満ち足りて死に、先祖の列に加えられた。息子のエサウとヤコブが彼を葬った。