家庭礼拝 2020年9月30日 創世記 34:1-31 シケムでの出来事

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起 

今日の聖書の個所は、今まで学んできた中では一度にやる個所としては一番長いと思います。長ければ普通は分割してやるのですが、今回の話は分割しては、流れが理解しにくくなるので一気に学んでみたいと思います。これは一つの物語になっており、まるでドラマを見るような展開になっています。一体何が起こったのでしょうか。

今日の物語の主人公は、ヤコブの娘ディナです。このディナの名前はヤコブの娘の中でただ一人名前が記されている女性です。男の子が11人いるのですから、女の子が10人くらいいてもおかしくはありません。ですが名前が記されているのはこのディナだけなのです。この娘は、ラケルの姉レアが6人の男の子を生んだ後に生まれた、女の子供です。そのあとにラケルの一人目の子供ヨセフがやっと生まれるのです。このディナだけが特別名前が記されたのには理由があります。それは、今日起こる事件の主人公となるからです。一体どんなことが起こったのでしょうか。

その事件の場所は、シケムという場所です。このシケムというのはアブラハムがカナンに入った時に、ここに祭壇を築いたところです。さらにのちにはヨセフの墓もここに作られたのです。ですから、ヤコブにとってここは特に、思い入れの深い場所だったし、ヤコブが神様と格闘したベヌエルやエサウとの再会を果たした場所にも近いところでした。ですがその時のヤコブにとって、このシケムはヤコブのような遊牧民にとって、寄留している一つの場所に過ぎず、シケムの人々にとってはヤコブたちはよそ者なのです。息子たちも娘たちも育って大きくなり、それぞれが、自己主張するような年頃になってきました。エサウとの再会が終わってほっとして、ここでしばらく生活していた時に今回の事件が起こったのです。どんな事件が起こったでしょうか、聖書を見てみましょう。

まず、事件の発端です。1節から5節です。

創 34:1 あるとき、レアとヤコブとの間に生まれた娘のディナが土地の娘たちに会いに出かけたが、

創 34:2 その土地の首長であるヒビ人ハモルの息子シケムが彼女を見かけて捕らえ、共に寝て辱めた。

創 34:3 シケムはヤコブの娘ディナに心を奪われ、この若い娘を愛し、言い寄った。

創 34:4 更にシケムは、父ハモルに言った。「どうか、この娘と結婚させてください。」

創 34:5 ヤコブは、娘のディナが汚されたことを聞いたが、息子たちは家畜を連れて野に出ていたので、彼らが帰るまで黙っていた。

 アブラハムやイサクやヤコブの妻たちはみな美しい人たちだったので、きっとその娘たちも美しかったに違いありません。ある時レアから生まれた娘のディナが土地の娘たちに会いに出かけたというのです。ですから、このころにはヤコブの家族とシケムの土地の人たちとの交流が盛んにおこなわれていたのです。ところがその時、その土地の首長であるハモルの子シケムが、ディナを見かけてとらえ、ともに寝て辱めたというのです。ですがこのシケムはヤコブの娘ディナを好きになってしまったのです。シケムは父に「どうか、この娘と結婚させてください。」と願い出ました。ですから、それほど質の悪い犯罪ではないので、この時代にはよくあることではないかと思います。むしろ結婚させてくれと責任ある態度をとったのです。ですが娘の側は、汚されたという思いになり、何が起こるかわからない状態でした。でもヤコブは冷静に、息子たちが家畜の世話の仕事から帰ってくるまで、黙っていたのです。すぐに怒り狂うことはなかったのです。もしかするとこのまま娘を嫁にやっても良いと思っていたのかもしれません。

そして、シケムの父ハモルもシケムと一緒に、ことを穏やかに収めるために、ヤコブと話し合うためにやってきました。6節から12節です。

創 34:6 シケムの父ハモルがヤコブと話し合うためにやって来たとき、

創 34:7 ヤコブの息子たちが野から帰って来てこの事を聞き、皆、互いに嘆き、また激しく憤った。シケムがヤコブの娘と寝て、イスラエルに対して恥ずべきことを行ったからである。それはしてはならないことであった。

創 34:8 ハモルは彼らと話した。「息子のシケムは、あなたがたの娘さんを恋い慕っています。どうか、娘さんを息子の嫁にしてください。

創 34:9 お互いに姻戚関係を結び、あなたがたの娘さんたちをわたしどもにくださり、わたしどもの娘を嫁にしてくださいませんか。

創 34:10 そして、わたしどもと一緒に住んでください。あなたがたのための土地も十分あります。どうか、ここに移り住んで、自由に使ってください。」

創 34:11 シケムも、ディナの父や兄弟たちに言った。「ぜひとも、よろしくお願いします。お申し出があれば何でも差し上げます。

創 34:12 どんなに高い結納金でも贈り物でも、お望みどおりに差し上げます。ですから、ぜひあの方をわたしの妻にください。」

 シケムの父がやってきたのと、息子たちが野から戻ってきたのとは同時くらいでした。息子たちは何事かと事情を知って、驚き、そして互いに嘆き激しく怒ったとあります。それはシケムがヤコブの娘と寝て、イスラエルに対して恥ずべきことを行ったからであるとあります。イスラエルは純血を保っていたのです。ですから、イサクも、ヤコブもカナンの娘と結婚することなく、ラバン達のいる土地の同じ子孫の人たちと結婚したのです。エサウはカナンの娘と結婚したために祝福から漏れてしまうということも起こったのです。そのように純血を尊ぶ血統のものからすると、シケムがヤコブの娘と寝たというのは、神様が汚されたような、侮辱を感じたのです。その憤りは私たちの想像を超えるものです。

そんなことはあまり知らない、ハモルは穏やかに結婚の申し込みをして、どうか娘さんを息子の嫁にしてください。お互いに姻戚関係を結び、お互いに娘を嫁がせるようにしませんかと提案したのです。そして、同じ部族になって、一緒に住んでください。自由に土地を使ってくださいと、丁重に申し出をしたのです。シケムも、これ以上ない誠実さと誠意をもって、ヤコブやその兄弟たち、にこうお願いしたのです。「ぜひとも、よろしくお願いします。お申し出があれば何でも差し上げます。どんなに高い結納金でも贈り物でも、お望みどおりに差し上げます。ですから、ぜひあの方をわたしの妻にください。」

 シケムも多分以前から、ディナのことを好きになり、妻にしたいと思っていたのが、衝動的に行動してしまったのだと思います。親子がここまで丁寧に申し出をすれば、普通はこれで事が収まるはずなのですが、そうではなかったのです。それはこのアブラハム一族の特別の感情があったのです。そしてその申し出に対して、こう答えたのです。13節から19節です。

創 34:13 しかし、シケムが妹のディナを汚したので、ヤコブの息子たちは、シケムとその父ハモルをだましてこう答えた。

創 34:14 「割礼を受けていない男に、妹を妻として与えることはできません。そのようなことは我々の恥とするところです。

創 34:15 ただ、次の条件がかなえられれば、あなたたちに同意しましょう。それは、あなたたちの男性が皆、割礼を受けて我々と同じようになることです。

創 34:16 そうすれば、我々の娘たちをあなたたちに与え、あなたたちの娘を我々がめとります。そして我々は、あなたたちと一緒に住んで一つの民となります。

創 34:17 しかし、もし割礼を受けることに同意しないなら、我々は娘を連れてここを立ち去ることにします。」

創 34:18 ハモルとその息子シケムは、この条件なら受け入れてもよいと思った。

創 34:19 とくにシケムは、ヤコブの娘を愛していたので、ためらわず実行することにした。彼は、ハモル家の中では最も尊敬されていた。

 ヤコブの息子たちにとって、シケムが妹のディナを汚したということはとても許しがたいことだったのです。そして、こう言ったのです。「割礼を受けていない男に、妹を妻として与えることはできません。そのようなことは我々の恥とするところです。」それは、アブラハムが割礼を受けてから、ずっと、その子孫は割礼を受けたものが祝福を受け継ぐようになっていたのです。ですから、イサクもヤコブもハランにいるアブラハムの子孫たちは割礼を受けた者たちなので、そこから嫁を貰って、その純潔を守っていたのです。ですから、このヤコブの息子たちの言うことはもっともなことで、割礼を受けていないものは、同族ではないから娘をやることはできないと言ったのです。でもこのことは単にその筋を通しただけではなく、その裏で危険な陰謀を企んでいたのです。

そして、息子たちはハモルとその息子に条件を出しました。その条件はもしあなたたちの男性がみな自分たちと同じように割礼を受けるならば、この結婚に同意しましょうと言ったのです。この提案には道理がありました。そして同じ割礼を受けた者同士での婚姻を進めましょうということを提案したのです。確かにそうすれば一つの民になれると思ったのです。しかしこの提案に同意できなければ、娘とは結婚させず、ここを立ち去りますと言いました。この条件を聞いたハモルとその息子シケムは、この条件なら受け入れても良いと思ったのです。そしてとくにシケムはヤコブの娘を愛し結婚したいと思っていたので、ためらわずに実行することにしました。シケムのディナに対する。愛はきっと本物だったのです。シケムはハモル家の中では最も尊敬されていたというので、みんな彼に倣うと思われたのです。

 さて、ヤコブの息子たちからこのような提案を受けたハモルと息子シケムは、町の人々を町の門の前に集めて、この提案について説明しました。それは自分たちだけのことではなく、これからのシケムとヤコブ一族との将来を考えた提案の説明でした。20節から24節です。

創 34:20 ハモルと息子シケムは、町の門のところへ行き町の人々に提案した。

創 34:21 「あの人たちは、我々と仲良くやっていける人たちだ。彼らをここに住まわせ、この土地を自由に使ってもらうことにしようではないか。土地は御覧のとおり十分広いから、彼らが来ても大丈夫だ。そして、彼らの娘たちを我々の嫁として迎え、我々の娘たちを彼らに与えようではないか。

創 34:22 ただ、次の条件がかなえられれば、あの人たちは我々と一緒に住み、一つの民となることに同意するというのだ。それは、彼らが割礼を受けているように、我々も男性は皆、割礼を受けることだ。

創 34:23 そうすれば、彼らの家畜の群れも財産も動物もみな、我々のものになるではないか。それには、ただ彼らの条件に同意さえすれば、彼らは我々と一緒に住むことができるのだ。」

創 34:24 町の門のところに集まっていた人々は皆、ハモルと息子シケムの提案を受け入れた。町の門のところに集まっていた男性はこうして、すべて割礼を受けた。

 さて、ハモルと息子シケムは町の人々を門のところに集めました。門の前にはたいてい広場があったからです。町の人々とは皆同族の人々で、家族同様に暮らしている人々です。そこの長であるハモルと尊敬されているシケムからの話なのでみんな、何事かと思って集まってきました。そして提案したのです。ハモルと息子シケムはこう言いました。「あの人たちは、我々と仲良くやっていける人たちだ。彼らをここに住まわせ、この土地を自由に使ってもらうことにしようではないか。土地は御覧のとおり十分広いから、彼らが来ても大丈夫だ。そして、彼らの娘たちを我々の嫁として迎え、我々の娘たちを彼らに与えようではないか。」と言ったのです。ハモルと息子シケムはヤコブの息子たちが提案したことを何の疑いもなく信じて、あの人たちはいい人たちだ、私たちと一緒にやっていけると言ったのです。そして、彼らをここに住まわせ、この土地を自由に使ってもらうことにしようではないか。そして、お互いに娘たちを迎えて一つの民のようになろうと言ったのです。この考え方は決して悪くはなかったのです。ただ彼らにも下心がありました。それは、一つの民になれば、彼らの持っている家畜の群れも財産もみな、我々のものになるではないかという下心です。

 ハモルと息子シケムは、この話には条件があると言いました。それは彼らが割礼をしているように、我々もみな割礼をしなければならないということでした。その割礼をしさえすれば、我々は一つの民になるのだから彼らの財産もみな共有財産になるではないかということなのです。町の人々もこれはいいことだらけではないか、少しくらいの割礼の痛みは我慢しようと思い、その提案を受け入れて、男性はみな割礼を受けたのです。

 ところがここで事件が起こるのです。この割礼を施した段階で、婚礼の契約が成立し、ディナはシケムのところに嫁いでいったようですが、ディナの兄のシメオンとレビはその気持ちが収まらなかったのです。何が起こったのでしょうか。25節から31節です。

創 34:25 三日目になって、男たちがまだ傷の痛みに苦しんでいたとき、ヤコブの二人の息子、つまりディナの兄のシメオンとレビは、めいめい剣を取って難なく町に入り、男たちをことごとく殺した。

創 34:26 ハモルと息子シケムも剣にかけて殺し、シケムの家からディナを連れ出した。

創 34:27 ヤコブの息子たちは、倒れている者たちに襲いかかり、更に町中を略奪した。自分たちの妹を汚したからである。

創 34:28 そして、羊や牛やろばなど、町の中のものも野にあるものも奪い取り、

創 34:29 家の中にあるものもみな奪い、女も子供もすべて捕虜にした。

創 34:30 「困ったことをしてくれたものだ。わたしはこの土地に住むカナン人やペリジ人の憎まれ者になり、のけ者になってしまった。こちらは少人数なのだから、彼らが集まって攻撃してきたら、わたしも家族も滅ぼされてしまうではないか」とヤコブがシメオンとレビに言うと、

創 34:31 二人はこう言い返した。「わたしたちの妹が娼婦のように扱われてもかまわないのですか。」

 割礼を施して、三日目になった時、男たちはまだ傷が治らず痛みに苦しんでいました。歩くこともままならない状態だったと思います。其の時に、ヤコブの二人の息子、ディナの兄のシメオンとレビが、二人だけで剣を取って、街に入り、町の男たちをことごとく殺してしまったのです。当然ハモルと息子シケムも殺してしまいました。そして、ディナをそこから連れ出したのです。このシメオンとレビというのはレアの次男と三男です。長男のルベンはこれに加担しなかったのです。ほかに4男5男6男もいましたし、側女の男の子たちもいましたが、この事件を起こしたのはレアの次男のシメオンと三男のレビだけです。妹のディナとは結構年の差はあったと思います。二人はこの結婚は許せなかったのです。町のものに襲い掛かり町中を略奪して、羊や牛やろばなど、町の中のものも野にあるものも奪い取り、家の中にあるものもみな奪い、女も子供もすべて捕虜にした、というのです。これを二人だけでやったのですから、大変な力です。ヤコブはこのことが計画されていたことを知りませんでした。ですから事件が起こってから非常に驚き、「困ったことをしてくれたものだ。わたしはこの土地に住むカナン人やペリジ人の憎まれ者になり、のけ者になってしまった。こちらは少人数なのだから、彼らが集まって攻撃してきたら、わたしも家族も滅ぼされてしまうではないか」とヤコブはシメオンとレビに言ったのです。このころになるとヤコブも年老い、息子たちは自分たちの考えを主張するようになって、なかなか抑えるのが大変になっていたのです。二人の息子は父親の心配に対して、「わたしたちの妹が娼婦のように扱われてもかまわないのですか。」と言い返したのです。やはりアブラハムの子孫はその純潔を守って、ほかの部族と交わってはいけないという考えが強かったのです。それは神様の御心に反すると考えていたのです。それはそのあとも現在に至るまで、ずっと続いているのです。ですから、ユダヤ民族は滅びることなく、今に至っているのです。

この事件の話には、何ら神様の御心を感じるところはありません。ヤコブもこの事件に関係することはありませんでした。ヤコブの長男ルベンもここにはかかわっていないのです。ですから、この事件は信仰の話とは何の関係もないように見え、乱暴になったヤコブの息子たちの、行動だけが目につくのですが、この後、ラケルの子ヨセフが兄弟に恨まれて、殺されそうになり、エジプトに売られていく事件の布石になっているように思われるのです。この時もレアの息子たちが、ヨセフを殺そうと相談しているときに、長男のルベンだけはヨセフを助け出そうとしていたのです。そのかいもあって、殺すのはやめて、イシュマエル人の隊商に売り飛ばそうと提案したのは、今度はレアの4男のユダなのです。このように、若い時にはヤコブに疎まれていたレアがいましたが、ヤコブが年を取ってからは、その復讐をするようにレアの息子たちがヤコブの言うことを聞かなくなって、いろいろ困ったことを起こすようになっていたのです。ヤコブの一族は、神様に祝福されてはいましたが、このように品行方正とはいかず、いろいろと陰謀をもたくらむ人たちだったのです。ですが神様の祝福はこのような兄たちにではなく、末っ子のラケルの長男ヨセフへと引き継がれていくのです。今日の話はその布石ともいえる話です。

 

(一分間黙想)(お祈り)

天の父なる神様。今日のシケムでの出来事はヤコブ一族にとっては、汚点となる出来事でした。神様に従うという思いが見られない出来事で、ただ自分たちの感情で正しいと思うことをしてしまったのです。ですが、神様に従うものは、自分の思いで正しいと思うことを行うのではなく、神様の目に正しいことを行うものが信仰者なのです。ヤコブの祝福はこのような事件を起こした兄たちにではなく、信仰を受け継いだ、ラケルの子ヨセフへと引き継がれます。私たちも、自分の思いで正しいと思うことをするのではなく、あなたに聞いて正しいことを行うものでありますように導いてください。あなたの恵みと導きとが、豊かにありますように。この祈りを、主イエス・キリストの御名によってお祈りいたします。

 

<<聖書の箇所(旧約聖書:◇創世記)>>  

◆シケムでの出来事

創 34:1 あるとき、レアとヤコブとの間に生まれた娘のディナが土地の娘たちに会いに出かけたが、

創 34:2 その土地の首長であるヒビ人ハモルの息子シケムが彼女を見かけて捕らえ、共に寝て辱めた。

創 34:3 シケムはヤコブの娘ディナに心を奪われ、この若い娘を愛し、言い寄った。

創 34:4 更にシケムは、父ハモルに言った。「どうか、この娘と結婚させてください。」

創 34:5 ヤコブは、娘のディナが汚されたことを聞いたが、息子たちは家畜を連れて野に出ていたので、彼らが帰るまで黙っていた。

創 34:6 シケムの父ハモルがヤコブと話し合うためにやって来たとき、

創 34:7 ヤコブの息子たちが野から帰って来てこの事を聞き、皆、互いに嘆き、また激しく憤った。シケムがヤコブの娘と寝て、イスラエルに対して恥ずべきことを行ったからである。それはしてはならないことであった。

創 34:8 ハモルは彼らと話した。「息子のシケムは、あなたがたの娘さんを恋い慕っています。どうか、娘さんを息子の嫁にしてください。

創 34:9 お互いに姻戚関係を結び、あなたがたの娘さんたちをわたしどもにくださり、わたしどもの娘を嫁にしてくださいませんか。

創 34:10 そして、わたしどもと一緒に住んでください。あなたがたのための土地も十分あります。どうか、ここに移り住んで、自由に使ってください。」

創 34:11 シケムも、ディナの父や兄弟たちに言った。「ぜひとも、よろしくお願いします。お申し出があれば何でも差し上げます。

創 34:12 どんなに高い結納金でも贈り物でも、お望みどおりに差し上げます。ですから、ぜひあの方をわたしの妻にください。」

創 34:13 しかし、シケムが妹のディナを汚したので、ヤコブの息子たちは、シケムとその父ハモルをだましてこう答えた。

創 34:14 「割礼を受けていない男に、妹を妻として与えることはできません。そのようなことは我々の恥とするところです。

創 34:15 ただ、次の条件がかなえられれば、あなたたちに同意しましょう。それは、あなたたちの男性が皆、割礼を受けて我々と同じようになることです。

創 34:16 そうすれば、我々の娘たちをあなたたちに与え、あなたたちの娘を我々がめとります。そして我々は、あなたたちと一緒に住んで一つの民となります。

創 34:17 しかし、もし割礼を受けることに同意しないなら、我々は娘を連れてここを立ち去ることにします。」

創 34:18 ハモルとその息子シケムは、この条件なら受け入れてもよいと思った。

創 34:19 とくにシケムは、ヤコブの娘を愛していたので、ためらわず実行することにした。彼は、ハモル家の中では最も尊敬されていた。

創 34:20 ハモルと息子シケムは、町の門のところへ行き町の人々に提案した。

創 34:21 「あの人たちは、我々と仲良くやっていける人たちだ。彼らをここに住まわせ、この土地を自由に使ってもらうことにしようではないか。土地は御覧のとおり十分広いから、彼らが来ても大丈夫だ。そして、彼らの娘たちを我々の嫁として迎え、我々の娘たちを彼らに与えようではないか。

創 34:22 ただ、次の条件がかなえられれば、あの人たちは我々と一緒に住み、一つの民となることに同意するというのだ。それは、彼らが割礼を受けているように、我々も男性は皆、割礼を受けることだ。

創 34:23 そうすれば、彼らの家畜の群れも財産も動物もみな、我々のものになるではないか。それには、ただ彼らの条件に同意さえすれば、彼らは我々と一緒に住むことができるのだ。」

創 34:24 町の門のところに集まっていた人々は皆、ハモルと息子シケムの提案を受け入れた。町の門のところに集まっていた男性はこうして、すべて割礼を受けた。

創 34:25 三日目になって、男たちがまだ傷の痛みに苦しんでいたとき、ヤコブの二人の息子、つまりディナの兄のシメオンとレビは、めいめい剣を取って難なく町に入り、男たちをことごとく殺した。

創 34:26 ハモルと息子シケムも剣にかけて殺し、シケムの家からディナを連れ出した。

創 34:27 ヤコブの息子たちは、倒れている者たちに襲いかかり、更に町中を略奪した。自分たちの妹を汚したからである。

創 34:28 そして、羊や牛やろばなど、町の中のものも野にあるものも奪い取り、

創 34:29 家の中にあるものもみな奪い、女も子供もすべて捕虜にした。

創 34:30 「困ったことをしてくれたものだ。わたしはこの土地に住むカナン人やペリジ人の憎まれ者になり、のけ者になってしまった。こちらは少人数なのだから、彼らが集まって攻撃してきたら、わたしも家族も滅ぼされてしまうではないか」とヤコブがシメオンとレビに言うと、

創 34:31 二人はこう言い返した。「わたしたちの妹が娼婦のように扱われてもかまわないのですか。」