家庭礼拝 2020年9月23日 創世記 33:1-20 エサウとの再会

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起 

いよいよ、今日の個所ではヤコブが兄のエサウと再会する場面となります。ヤコブは兄のエサウをとても恐れていました。自分が兄のエサウをだまして、祝福をだまし取ったからですが、そのために20年も生まれ故郷から離れて、ラバンのところに隠れていたようなものです。そしていよいよ生まれ故郷に帰ろうとするのですが、兄と会えば、略奪され、殺されてしまうのではないかという恐怖に襲われて、贈り物を差し出したり、自分のものも二つに分けていつでも逃げ出せるようにしたり。ヤボクの渡しのところでは一晩中神様と格闘するような苦しみを経験したりしたのです。それほど、兄のエサウは恐ろしい人だったのでしょうか。そのことが今回の出会いで明らかになるのです。

その時、エサウはどこに住んでいたのでしょうか。エサウは死海の南のエドム地方に住んでいました。エサウの子孫はそこのエドム人としてその南のセイルの山々にも勢力を張っていました。エサウは狩りをする人だったので、ヤコブのように牧畜をするよりも狩猟民族として生きていたのかもしれません。さらにその南はミディアンと呼ばれる地方で、シナイ半島の対岸のアラビア半島側になります。ここはモーセがエジプトから逃げて、生活していた地です。そしてミディアン人というのはアブラハムの子孫で、最初の正妻サラが死んでから、子供のイサクがリベカと結婚した後で、アブラハムはまた妻をめとったのです。その妻はケトラと言って、その4番目の子供がミディアンというのです。このケトラの子孫はアブラハムが、全財産をイサクに譲った時に、そのケトラの子供たちといさかいを起こさないように、この死海の南のミディアン地方に移住させたのです。その子孫がミディアン人となりました。

  そしてまた、アブラハムの側女ハガルとその子イシュマエルが、アブラハムの正妻サラに追い出されて、エジプトに戻る途中に逃げ込んで生き延びた地がシナイ半島で、ここにはその子孫イシュマエル人が住んでいます。すなわち、このカナン地方の南のシナイ半島からアラビア半島の北部にかけてはアブラハムの祝福を受けなかった側女たちの子孫や、イサクの祝福を受けなかったエサウの子孫、が沢山住んでいたのです。さらにはモーセもエジプトから逃げ出したときにはこの地方に逃げてきたのです。この地方はアブラハムの子孫の不遇にあった人々が逃げ込んでできた地方なのです。そしてこの地方の人々はその後アラビア人として生き、更にそののちには、その子孫マホメットによるイスラム教徒として生きるようになるのです。そして祝福を受けたアブラハム、イサク、ヤコブはカナン地方に住むようになり、ユダヤ教徒として、歴史を作ります。そしてそのあとにはキリストが現れ、キリスト教を広めるのです。この周辺の歴史は本当に不思議なめぐりあわせが、数多くあるのです。

さて、聖書に戻ると、ヤコブとエサウの出会いはこうなります。1節から3節です。

創 33:1 ヤコブが目を上げると、エサウが四百人の者を引き連れて来るのが見えた。ヤコブは子供たちをそれぞれ、レアとラケルと二人の側女とに分け、

創 33:2 側女とその子供たちを前に、レアとその子供たちをその後に、ラケルとヨセフを最後に置いた。

創 33:3 ヤコブはそれから、先頭に進み出て、兄のもとに着くまでに七度地にひれ伏した。

エサウが400人もの人を連れてきたのですから、ヤコブを襲って殺そうと思えばひとたまりもありません。ですからヤコブはその恐怖を乗り越えるために、ヤボクの渡しのところで夜、神様と格闘して、祝福をもらうまでは離そうとしなかったのです。そこでヤコブは祝福を与えられたので、きっとこの時には落ち着いて兄と再会することができたかもしれません。ヤコブはまず家族を順番に並ばせました。先頭に行かせたのは二人の側女たちとその子供たちです。その次にはレアとその子供たちを、そして最後にラケルとヨセフが並んでエサウを待ち受けたのです。すなわち大切な家族ほど、後ろのほうに置いたのです。そしてエサウが来ると、ヤコブは先頭に進み出て、兄のもとに着くまでに7度地にひれ伏したのです。ここではヤコブは逃げも隠れもしないで、兄エサウに対面しました。そして7度地にしれ伏したというのは、何度も何度も地にひれ伏して、完全な恭順の姿勢を表したということです。このように兄に対する恭順の意を示したヤコブに対して、兄エサウはどうしたでしょうか。4節から7節です。

創 33:4 エサウは走って来てヤコブを迎え、抱き締め、首を抱えて口づけし、共に泣いた。

創 33:5 やがて、エサウは顔を上げ、女たちや子供たちを見回して尋ねた。「一緒にいるこの人々は誰なのか。」「あなたの僕であるわたしに、神が恵んでくださった子供たちです。」ヤコブが答えると、

創 33:6 側女たちが子供たちと共に進み出てひれ伏し、

創 33:7 次に、レアが子供たちと共に進み出てひれ伏し、最後に、ヨセフとラケルが進み出てひれ伏した。

兄のエサウは、ヤコブに対して、何のわだかまりも持たずに、ヤコブのほうに走ってきて、抱きしめ、首を抱えて口づけし、ともに泣いたというのです。ヤコブの疑心暗鬼の不安に対して、エサウの単純率直さは、とても悪い人には見えません。兄エサウは弟との再会を心から喜んだのです。ヤコブはやっと兄との和解が得られたのです。兄のほうは何も和解など考えていなかったのかもしれません。弟ヤコブの取り越し苦労だったかもしれません。

そしてエサウは周りを見渡して、多くの女たちや子供たちがいるので、「一緒にいるこの人々は誰なのか。」と尋ねると、「あなたの僕であるわたしに、神が恵んでくださった子供たちです。」とヤコブは答えました。ヤコブはまだ、兄を警戒して、兄に対して下手に下手に出ているのかもしれません。家族はそれぞれエサウの前に進み出てひれ伏し挨拶をしました。最初に側女たちが子供たちと共に進み出てひれ伏し、次に、レアが子供たちと共に進み出てひれ伏し、最後に、ヨセフとラケルが進み出てひれ伏したのです。

そして話は贈り物の家畜の話になりました。8節から11節です。

創 33:8 エサウは尋ねた。「今、わたしが出会ったあの多くの家畜は何のつもりか。」ヤコブが、「御主人様の好意を得るためです」と答えると、

創 33:9 エサウは言った。「弟よ、わたしのところには何でも十分ある。お前のものはお前が持っていなさい。」

創 33:10 ヤコブは言った。「いいえ。もし御好意をいただけるのであれば、どうぞ贈り物をお受け取りください。兄上のお顔は、わたしには神の御顔のように見えます。このわたしを温かく迎えてくださったのですから。

創 33:11 どうか、持参しました贈り物をお納めください。神がわたしに恵みをお与えになったので、わたしは何でも持っていますから。」ヤコブがしきりに勧めたので、エサウは受け取った。

 エサウは、あらかじめヤコブから送られてきた家畜があまりにも多いので、あの多くの家畜は何のつもりで、よこしたのかと尋ねました。何の邪心もなく弟との再会を喜んでいるエサウには、ヤコブがどうしてこんなことをするのか理解できなかったのです。それに対して、ヤコブはこう答えました。「御主人様の好意を得るためです」ヤコブには、単純に兄弟の再会を喜ぶよりも、兄に恨まれて、殺されるのではないかという恐怖のほうが先立っていたため、兄をなだめるほうに心を砕いていたのです。それに対して、エサウは「弟よ、わたしのところには何でも十分ある。お前のものはお前が持っていなさい。」と、兄らしい寛容さでもって、弟の申し出を断ったのです。それでもヤコブはその贈り物を納めてもらいたくてこう言いました。「いいえ。もし御好意をいただけるのであれば、どうぞ贈り物をお受け取りください。兄上のお顔は、わたしには神の御顔のように見えます。このわたしを温かく迎えてくださったのですから。どうか、持参しました贈り物をお納めください。神がわたしに恵みをお与えになったので、わたしは何でも持っていますから。」と、しきりにすすめて無理にエサウに贈り物を納めさせました。ヤコブにとってはこれが罪滅ぼしだったのです。ヤコブはエサウに、兄上のお顔は、私には神のみ顔のように見えますと言い、神が私に恵みをお与えになったのですと言った背景には、神様の祝福を兄から譲り受け、その祝福で、神様から多くの恵みを与えられたことの感謝を語っているように思えます。神様の祝福についてあまり重んじなかったエサウにはこのことの意味が分からなかったかもしれません。兄上のお顔が神のみ顔に見えるというのは単なるへつらいではなく、もともとの祝福が与えられるはずだった人の顔が、神のみ顔のように見えると言ったのだと思います。

 家族の紹介が終わり、贈り物の決着がすむとエサウはヤコブを自分の家に招こうと誘いました。12節から16節です。

創 33:12 それからエサウは言った。「さあ、一緒に出かけよう。わたしが先導するから。」

創 33:13 「御主人様。ご存じのように、子供たちはか弱く、わたしも羊や牛の子に乳を飲ませる世話をしなければなりません。群れは、一日でも無理に追い立てるとみな死んでしまいます。

創 33:14 どうか御主人様、僕におかまいなく先にお進みください。わたしは、ここにいる家畜や子供たちの歩みに合わせてゆっくり進み、セイルの御主人様のもとへ参りましょう。」ヤコブがこう答えたので、

創 33:15 エサウは言った。「では、わたしが連れている者を何人か、お前のところに残しておくことにしよう。」「いいえ。それには及びません。御好意だけで十分です」と答えたので、

創 33:16 エサウは、その日セイルへの道を帰って行った。

 エサウはヤコブたちを自分たちのいるセイル地方に招こうとして、「さあ、一緒に出かけよう。わたしが先導するから。」と誘いました。でもそれをヤコブはそれとなく断ったのです。そしてこういいました。「御主人様。ご存じのように、子供たちはか弱く、わたしも羊や牛の子に乳を飲ませる世話をしなければなりません。群れは、一日でも無理に追い立てるとみな死んでしまいます。どうか御主人様、僕におかまいなく先にお進みください。わたしは、ここにいる家畜や子供たちの歩みに合わせてゆっくり進み、セイルの御主人様のもとへ参りましょう。」ヤコブはこう答えたのでした。ヤコブはここで、ゆっくり進んで兄エサウのいるセイル地方に行くと約束したのです。

 それならばということで、エサウは「では、わたしが連れている者を何人か、お前のところに残しておくことにしよう。」と兄らしい配慮をしたのですが、ヤコブは「いいえ。それには及びません。御好意だけで十分です」と答えたのでした。それでエサウはその日のうちに、セイルへの道を帰っていきました。ですが、そのあとヤコブはすぐには兄のいるセイル地方にはいきませんでした。何をしていたのでしょうか。17節から20節です。

創 33:17 ヤコブはスコトへ行き、自分の家を建て、家畜の小屋を作った。そこで、その場所の名はスコト(小屋)と呼ばれている。

創 33:18 ヤコブはこうして、パダン・アラムから無事にカナン地方にあるシケムの町に着き、町のそばに宿営した。

創 33:19 ヤコブは、天幕を張った土地の一部を、シケムの父ハモルの息子たちから百ケシタで買い取り、

創 33:20 そこに祭壇を建てて、それをエル・エロヘ・イスラエルと呼んだ。

 エサウが帰った後、ヤコブはストコへ行き、自分の家を建て、家畜の小屋を作ったと言います。このストコという意味は小屋という意味で、小屋を作った場所という地名になりました。そしてこの場所はあの神様と格闘をしたヤボクの渡しの近くでした。ここはヤコブが、川を渡る前に、神のみ使いたちの陣営だと思ったマナハイムから、もう少しヨルダン川沿いに下ったところでした。ここはヤコブの気に入ったところなのです。神様の陣営を見ることができ、神様と格闘をして、祝福を得たところだからです。ここに家畜の小屋と、自分たちの家を建てたというのですからしばらくはここにいたことでしょう。ですからすぐにエサウのところにはいかなかったのです。さらにヤコブはヨルダン川を渡って西に進み、カナン地方にあるシケムの町に着いてその町の側に宿営したのです。このシケムというのはアブラハムがカナンに入った時に、ここに祭壇を築いたところです。さらにのちにはヨセフの墓もここに作られたのです。ですから、アブラハム、イサク、ヤコブ、ヨセフの家系にとっては、シケムはカナンの原点となるところなのです。このシケムでは次の章で起こる事件も起こるのです。

 ヤコブはこのシケムの土地に天幕を張り、その土地の一部を、シケムの父ハモルの息子たちから、百ケシタで買い取ったと言います。そしてアブラハムと同じように祭壇を立てて、それをエル・エロヘ・イスラエルと呼んだそうです。ヤコブはここに定住することになるのです。そしてそれからのちヤコブの子孫たちはこの地に住むようになるのです。でもそれには長い年月がかかりました。モーセがその子孫をエジプトから連れ帰るときまで待たなければならなかったのです。

 ところでヤコブの父イサクはまだ生きているのでしょうか。どこにいるのでしょうか。その消息は全く書かれていません。ですが、イサクが死んだときのことが35章に書かれおり、父イサクはヘブロンのマレムというところに住んでいたのです。そしてまだ生きていたのです。ここはその祖父アブラハムも住んでいたところです。ですから本当の故郷と言えば、ここヘブロンになるのですが、長男のエサウはずっと南のセイル地方に住んでいるし、次男のヤコブはヘブロンの北になるシケムに住んでいたのです。イサクと一緒に住んでいたわけではなかったのです。でもヤコブも父イサクもこのカナン地方というところでは一緒に住んでいたのです。

ヤコブは無事にエサウと再会し、涙の抱擁をしました。エサウは決して恐ろしい人ではなく、むしろいつくしみ深い寛容な兄でした。ヤコブが勝手に恐ろしい人と思い込んで、悩んでいたのです。神様と格闘して祝福を得たヤコブは、これで逃げることなく、正面から兄エサウと対面することができ、兄弟の絆を回復することができました。兄エサウはヤコブをセイル地方に招いたのですが、ヤコブはそこにはいかず、父イサクのいるカナン地方のシケムに土地を買って定住しました。ヤコブの長い旅がやっと終わったのです。

 

(一分間黙想)(お祈り)

天の父なる神様。ヤコブは神様の祝福を得て、恐れていた兄エサウと対面することができ、カナンのシケムに定住することができました。これはヤコブが祝福された人であることの証です。兄エサウは悪い人であるどころか優しい兄でしたが、あなたの祝福からは漏れて、南のセイル地方に住むものとなって、エドム人の祖先となりました。すべてはあなたが計画し実現されたことです。

 ヤコブの優れたところは、何よりもあなたの助け、あなたの恵みを第一としたことです。自分の弱さを知って、あなたに祈り求めたことです。私たちも自分の分を知って、あなたにゆだね、あなたの御心にかなうものとなりますように。この祈りを、主イエス・キリストの御名によってお祈りいたします。

 

 

<<聖書の箇所(旧約聖書:◇創世記)>>  

◆エサウとの再会

創 33:1 ヤコブが目を上げると、エサウが四百人の者を引き連れて来るのが見えた。ヤコブは子供たちをそれぞれ、レアとラケルと二人の側女とに分け、

創 33:2 側女とその子供たちを前に、レアとその子供たちをその後に、ラケルとヨセフを最後に置いた。

創 33:3 ヤコブはそれから、先頭に進み出て、兄のもとに着くまでに七度地にひれ伏した。

創 33:4 エサウは走って来てヤコブを迎え、抱き締め、首を抱えて口づけし、共に泣いた。

創 33:5 やがて、エサウは顔を上げ、女たちや子供たちを見回して尋ねた。「一緒にいるこの人々は誰なのか。」「あなたの僕であるわたしに、神が恵んでくださった子供たちです。」ヤコブが答えると、

創 33:6 側女たちが子供たちと共に進み出てひれ伏し、

創 33:7 次に、レアが子供たちと共に進み出てひれ伏し、最後に、ヨセフとラケルが進み出てひれ伏した。

創 33:8 エサウは尋ねた。「今、わたしが出会ったあの多くの家畜は何のつもりか。」ヤコブが、「御主人様の好意を得るためです」と答えると、

創 33:9 エサウは言った。「弟よ、わたしのところには何でも十分ある。お前のものはお前が持っていなさい。」

創 33:10 ヤコブは言った。「いいえ。もし御好意をいただけるのであれば、どうぞ贈り物をお受け取りください。兄上のお顔は、わたしには神の御顔のように見えます。このわたしを温かく迎えてくださったのですから。

創 33:11 どうか、持参しました贈り物をお納めください。神がわたしに恵みをお与えになったので、わたしは何でも持っていますから。」ヤコブがしきりに勧めたので、エサウは受け取った。

創 33:12 それからエサウは言った。「さあ、一緒に出かけよう。わたしが先導するから。」

創 33:13 「御主人様。ご存じのように、子供たちはか弱く、わたしも羊や牛の子に乳を飲ませる世話をしなければなりません。群れは、一日でも無理に追い立てるとみな死んでしまいます。

創 33:14 どうか御主人様、僕におかまいなく先にお進みください。わたしは、ここにいる家畜や子供たちの歩みに合わせてゆっくり進み、セイルの御主人様のもとへ参りましょう。」ヤコブがこう答えたので、

創 33:15 エサウは言った。「では、わたしが連れている者を何人か、お前のところに残しておくことにしよう。」「いいえ。それには及びません。御好意だけで十分です」と答えたので、

創 33:16 エサウは、その日セイルへの道を帰って行った。

創 33:17 ヤコブはスコトへ行き、自分の家を建て、家畜の小屋を作った。そこで、その場所の名はスコト(小屋)と呼ばれている。

創 33:18 ヤコブはこうして、パダン・アラムから無事にカナン地方にあるシケムの町に着き、町のそばに宿営した。

創 33:19 ヤコブは、天幕を張った土地の一部を、シケムの父ハモルの息子たちから百ケシタで買い取り、

創 33:20 そこに祭壇を建てて、それをエル・エロヘ・イスラエルと呼んだ。