家庭礼拝 2020年8月19日 創世記 31:1-21 ヤコブの脱走
起
ラケルの兄、ラバンはずるい人で、約束をしてもすぐにそれを自分の都合の良いように変えて、なかなか約束を守らない人です。それは結婚の時もそうでした。ラケルと結婚しようとして、レアとも結婚させられ、14年間そこで働くことになったのです。それに対して、ヤコブはラバンがいくら約束を変えても、神様が守ってくださるので必ず、自分の願いはいつかかなえられると信じて、辛抱強く待つことのできる人です。ですがヤコブはこのままラバンのもとにいたら、いつまでも一人立ちできずに、得られたものを全部ラバンに取られてしまってこの先望みはないと思っていたのです。ですから、ラバンに、故郷に帰ることを言って、縞やぶちやまだらの羊と山羊を自分のものとする約束をして、帰る準備をしていたのですが、だんだんラバンとの関係は険悪になってきます。今度はそこにラバンの息子たちも加わって、ヤコブと敵対するようになったのです。ですからヤコブはラバンとは話し合いで解決することができなくなり、ラバンには知られないようにして、妻と子供と財産をもって脱走することにしたのです。そこには神様の導きがありました。神様が、さあ、今すぐこの土地を出て、あなたの故郷に帰りなさいと諭したからです。さて、どのようにして、ヤコブはラバンのもとを去るようになるのでしょうか。聖書を読んでみましょう。
承
聖書は1節から3節です。そこには今まで出てこなかったラバンの息子たちの話が出てきます。
創
31:1 ヤコブは、ラバンの息子たちが、「ヤコブは我々の父のものを全部奪ってしまった。父のものをごまかして、あの富を築き上げたのだ」と言っているのを耳にした。
創
31:2 また、ラバンの態度を見ると、確かに以前とは変わっていた。
創
31:3 主はヤコブに言われた。「あなたは、あなたの故郷である先祖の土地に帰りなさい。わたしはあなたと共にいる。」
ヤコブは自分が約束の縞やぶちの羊やヤギを得るためにいろいろ工夫して、自分の羊と山羊を増やしたのに対して、ラバンの羊やヤギは増えなかったのです。ですからヤコブの家畜ばかりが増えていくことに対して、ラバンの息子たちも不満の声を上げ始めました。息子たちは「ヤコブは我々の父のものを全部奪ってしまった。父のものをごまかして、あの富を築き上げたのだ」と言っているのを聞いたのです。ごまかしていたのはラバンなのですが、結果はヤコブの家畜ばかり増えるので、ヤコブは我々の父のものを全部奪ってしまった、父のものをごまかして、あの富を築き上げたのだと不満を言い始めたのです。それほどヤコブの財産の増え方は早かったのだと思います。そして、その様子はラバンの息子だけでなく、ラバンの態度も以前とは変わってきたのです。ヤコブに対して不信感を持ち、息子たちといつもヤコブを誹謗中傷していたのかもしれません。ヤコブはこのままでは身の危険も感じるようになっていたのかもしれません。するとそれを見ていた主はヤコブにこう言ったのです。「あなたは、あなたの故郷である先祖の土地に帰りなさい。わたしはあなたと共にいる。」この言葉を受けて、ヤコブは故郷に帰ることを決心したのです。
そしてすぐにラケルとレアを呼んでこう言ったのです。4節から7節です。
創
31:4 ヤコブは人をやって、ラケルとレアを家畜の群れがいる野原に呼び寄せて、
創
31:5 言った。「最近、気づいたのだが、あなたたちのお父さんは、わたしに対して以前とは態度が変わった。しかし、わたしの父の神は、ずっとわたしと共にいてくださった。
創
31:6 あなたたちも知っているように、わたしは全力を尽くしてあなたたちのお父さんのもとで働いてきたのに、
創
31:7 わたしをだまして、わたしの報酬を十回も変えた。しかし、神はわたしに害を加えることをお許しにならなかった。
ヤコブはラケルとレアを家に呼び寄せたのではなく、ラバンとその息子たちに気づかれないように、家畜の群れがいる野原に呼び寄せてこう言ったのです。「最近、気づいたのだが、あなたたちのお父さんは、わたしに対して以前とは態度が変わった。しかし、わたしの父の神は、ずっとわたしと共にいてくださった。」ヤコブは、ラバンの態度が最近になって、以前とは違った態度になっていることを言いました。以前のような信頼関係ではなく、ラバンたちは敵愾心をもって見るようになったのです。それは自分の家畜が増えずに、ヤコブのばかりが増えるのはヤコブが何かしているに違いないと思っているからです。まさにその通りなのですが、ヤコブが特に悪いことをしたわけではなく、ラバンがヤコブをうらやんでいるだけなのです。ヤコブはそれでも、わたしの父の神は、ずっとわたしと共にいてくださった。と言って、ヤコブを祝福してくださったことを言っているのです。ここでヤコブは、私の父の神は、とその神様が、アブラハム、イサクと継承されてきた神様であり、周りの偶像礼拝をしている神様とは違うことを言っているのです。
そして神様がどのようにしてくださったのかをこのように語りました。6節から9節です。
創
31:6 あなたたちも知っているように、わたしは全力を尽くしてあなたたちのお父さんのもとで働いてきたのに、
創
31:7 わたしをだまして、わたしの報酬を十回も変えた。しかし、神はわたしに害を加えることをお許しにならなかった。
創
31:8 お父さんが、『ぶちのものがお前の報酬だ』と言えば、群れはみなぶちのものを産むし、『縞のものがお前の報酬だ』と言えば、群れはみな縞のものを産んだ。
創
31:9 神はあなたたちのお父さんの家畜を取り上げて、わたしにお与えになったのだ。
ヤコブはまず、自分が全力を尽くして、ラバンに仕えて働いてきたことを語り、それに対して、ラバンは私をだまして、私の報酬を10回も変えたと言っています。ラバンの約束はあてにはならないのです。前の章でもラバンは、ヤコブに対して、「お前の望む報酬をはっきりと言いなさい。必ず支払うから。」と2度も言っていたのですが、その約束の報酬を10回も変えたというのです。約束は守られなかったのです。ですが、そのことによって、ヤコブは損害を受けることはなかったのです。神様がきちんと守ってくれたのです。初めの約束は縞のものも、ぶちのものも、白いもの以外は全部ヤコブのものだったのですが、ヤコブの家畜が増えると、『ぶちのものだけがお前の報酬だ』といって縞のものを取り上げたりしたのです。すると、それからは群れはぶちのものだけを生んで、縞のものを産まなくなったのです。するとラバンは今度は、『縞のものだけがお前の報酬だ』と言って、約束を変えると、今度はぶちのものを産まなくなって、縞のものだけを生むようになるのです。このようになったのは、神様が、あなたたちのお父さんの家畜を取り上げて、私にお与えになったからだと言いました。
転
さて今度はヤコブは夢の中で神様に言われたことをラケルとレアに話し出しました。
創 31:10 群れの発情期のころのことだが、夢の中でわたしが目を上げて見ると、雌山羊の群れとつがっている雄山羊は縞とぶちとまだらのものばかりだった。
創 31:11 そのとき、夢の中で神の御使いが、『ヤコブよ』と言われたので、『はい』と答えると、
創 31:12 こう言われた。『目を上げて見なさい。雌山羊の群れとつがっている雄山羊はみな、縞とぶちとまだらのものだけだ。ラバンのあなたに対する仕打ちは、すべてわたしには分かっている。
創 31:13 わたしはベテルの神である。かつてあなたは、そこに記念碑を立てて油を注ぎ、わたしに誓願を立てたではないか。さあ、今すぐこの土地を出て、あなたの故郷に帰りなさい。』」
その夢は、群れの発情期のころだったと言います。夢の中でヤコブが目をあげてみると、雌山羊とつがっている雄山羊はぶちとまだらのものばかりだったと言います。これはヤコブの山羊だけが増えることを意味しています。それでヤコブは神様がいつも恵みを与えてくださっていることを確信したのです。その時、夢の中に神様の御使いが現れて、『ヤコブよ』と声をかけてきました。ヤコブがハイと答えると、『目を上げて見なさい。雌山羊の群れとつがっている雄山羊はみな、縞とぶちとまだらのものだけだ。ラバンのあなたに対する仕打ちは、すべてわたしには分かっている。わたしはベテルの神である。かつてあなたは、そこに記念碑を立てて油を注ぎ、わたしに誓願を立てたではないか。さあ、今すぐこの土地を出て、あなたの故郷に帰りなさい。』と言われました。そのみ使いというのはベテルの神様だというのです。ベテルというのはヤコブがエサウを恐れて、イサクとリベカのもとを去り、不安の中でハランのラバンのいるところへ行く途中に、日が沈んだので寝ているとそこで不思議な夢を見たところです。天にまで達する階段を天使が上り下りしていて、主が傍らに立って、私はあなたの父祖アブラハムの神イサクの神、主であると言って現れたところです。そして、見よ、私はあなたとともにいる。あなたがどこへ行っても、私はあなたを守り、必ずこの土地に連れ帰る。私はあなたに約束したことを果たすまで、決して見捨てないと言われたところです。そこでヤコブは記念碑を立て、ベテルと名付けたところなのです。その時の神様が、私はベテルの神であると言って現れたのです。そしてラバンの仕打ちはすべて私にはわかっているから、今すぐこの土地を出て、あなたの故郷に帰りなさいと命じたのです。
このような夢を見たことを、レアとラケルに話をすると、妻たちは驚き、そしてヤコブにこう言ったのです。14節から21節です。
創 31:14 ラケルとレアはヤコブに答えた。「父の家に、わたしたちへの嗣業の割り当て分がまだあるでしょうか。
創 31:15 わたしたちはもう、父にとって他人と同じではありませんか。父はわたしたちを売って、しかもそのお金を使い果たしてしまったのです。
創 31:16 神様が父から取り上げられた財産は、確かに全部わたしたちと子供たちのものです。ですから、どうか今すぐ、神様があなたに告げられたとおりになさってください。」
創 31:17 ヤコブは直ちに、子供たちと妻たちをらくだに乗せ、
創 31:18 パダン・アラムで得たすべての財産である家畜を駆り立てて、父イサクのいるカナン地方へ向かって出発した。
創 31:19 そのとき、ラバンは羊の毛を刈りに出かけていたので、ラケルは父の家の守り神の像を盗んだ。
創 31:20 ヤコブもアラム人ラバンを欺いて、自分が逃げ去ることを悟られないようにした。
創 31:21 ヤコブはこうして、すべての財産を持って逃げ出し、川を渡りギレアドの山地へ向かった。
ヤコブの話を聞いたラケルとレアはラバンに憤慨してこう答えました。「父の家に、わたしたちへの嗣業の割り当て分がまだあるでしょうか。わたしたちはもう、父にとって他人と同じではありませんか。父はわたしたちを売って、しかもそのお金を使い果たしてしまったのです。」と答えたのです。父ラバンがヤコブやラケルやレアにその相続財産を残す気がないのを悟ったのです。そして、ヤコブが一生懸命働いて、得た財産もそのお金を使い果たしてしまって、自分たちには何もないのを知ったので、もう父とは他人と同じだとさえ言い切ったのです。そして、神様がヤコブを通して、ラバンから取り上げた財産は全部自分たちと子供たちのものだから、もう親子の縁を切ってもいいので、神様があなたに告げられたとおりになさってくださいと言ったのです。この娘たちも、結婚した以上は自分たちの生活が大事になり、自分の子供たちに財産を残していきたいと思ったのです。このままだと全部父親が財産を吸い取って、息子たちにやってしまうかもしれないからです。そうなる前に、もう親子の縁を切って、あなたの故郷に行きましょうと言ったのです。
そうと決まると話は早くて、ヤコブは直ちに、子供たちと妻たちをらくだに乗せ、パダン・アラムで得たすべての財産である家畜を駆り立てて、父イサクのいるカナン地方へ向かって出発したのです。もう父親にも兄弟にも挨拶をせず、逃げるように出発したのです。挨拶をしたら連れ戻されるからです。その時ラバンは羊の毛を刈りに行き不在だったので、ラケルは父の家で大切にしていた家の守り神の像を盗んで持っていこうとしたのです。ヤコブもラバンに悟られないように、自分の財産を全部持ち出して、ギレアドの山地に向かったのです。ギレアドの産地というのはカナン地方のヨルダン川に沿った山地です。
結
このようにして、14年以上の歳月がたった後で、出発した時にベテルで現れた神様が、またヤコブに現れて、故郷に戻りなさいと言ったので、決心して、戻ることにしたのです。ヤコブの行動は来るにしても帰るにしても待つにしてもすべて神様のみ言葉に従い、御心を信じて行ったのです。そのことをラケルもレアも信頼して、家族全員で、ヤコブの故郷に行こうと決心させました。ヤコブはイサクによって祝福されているので、どんなときにも神様が必ず、よい恵みを与えてくださることを信じて歩むことができたのです。
(一分間黙想)(お祈り)
天の父なる神様。ヤコブは最初から最後まで神様を信じて歩むことができました。ラバンからどんなに裏切られてもそれでも神様が良くしてくださることを信じて、すべてに耐えることができたのです。その驚くべきことを見ていたラケルとレアも、あなたの神様の言うとおりにしてくださいと、神様をも信頼して、ヤコブに勧めたのです。ヤコブの働きを通して、ラケルもレアも、神様がヤコブを祝福してくださっていることを信じて、従っていこうとしたのです。ラバンでさえもヤコブによって祝福されて、財産が増えたことは知っていました。それほどヤコブは祝福された人で誰が見ても神様の驚くべき恵みに満ち溢れていたのです。そして長い年月ののちに約束通り、故郷に帰ることにしたのです。ヤコブの神様に栄光がありますように。この祈りを、主イエス・キリストの御名によってお祈りいたします。
<<聖書の箇所(旧約聖書:◇創世記)>>
◆ヤコブの脱走
創 31:1 ヤコブは、ラバンの息子たちが、「ヤコブは我々の父のものを全部奪ってしまった。父のものをごまかして、あの富を築き上げたのだ」と言っているのを耳にした。
創 31:2 また、ラバンの態度を見ると、確かに以前とは変わっていた。
創 31:3 主はヤコブに言われた。「あなたは、あなたの故郷である先祖の土地に帰りなさい。わたしはあなたと共にいる。」
創 31:4 ヤコブは人をやって、ラケルとレアを家畜の群れがいる野原に呼び寄せて、
創 31:5 言った。「最近、気づいたのだが、あなたたちのお父さんは、わたしに対して以前とは態度が変わった。しかし、わたしの父の神は、ずっとわたしと共にいてくださった。
創 31:6 あなたたちも知っているように、わたしは全力を尽くしてあなたたちのお父さんのもとで働いてきたのに、
創 31:7 わたしをだまして、わたしの報酬を十回も変えた。しかし、神はわたしに害を加えることをお許しにならなかった。
創 31:8 お父さんが、『ぶちのものがお前の報酬だ』と言えば、群れはみなぶちのものを産むし、『縞のものがお前の報酬だ』と言えば、群れはみな縞のものを産んだ。
創 31:9 神はあなたたちのお父さんの家畜を取り上げて、わたしにお与えになったのだ。
創 31:10 群れの発情期のころのことだが、夢の中でわたしが目を上げて見ると、雌山羊の群れとつがっている雄山羊は縞とぶちとまだらのものばかりだった。
創 31:11 そのとき、夢の中で神の御使いが、『ヤコブよ』と言われたので、『はい』と答えると、
創 31:12 こう言われた。『目を上げて見なさい。雌山羊の群れとつがっている雄山羊はみな、縞とぶちとまだらのものだけだ。ラバンのあなたに対する仕打ちは、すべてわたしには分かっている。
創 31:13 わたしはベテルの神である。かつてあなたは、そこに記念碑を立てて油を注ぎ、わたしに誓願を立てたではないか。さあ、今すぐこの土地を出て、あなたの故郷に帰りなさい。』」
創 31:14 ラケルとレアはヤコブに答えた。「父の家に、わたしたちへの嗣業の割り当て分がまだあるでしょうか。
創 31:15 わたしたちはもう、父にとって他人と同じではありませんか。父はわたしたちを売って、しかもそのお金を使い果たしてしまったのです。
創 31:16 神様が父から取り上げられた財産は、確かに全部わたしたちと子供たちのものです。ですから、どうか今すぐ、神様があなたに告げられたとおりになさってください。」
創 31:17 ヤコブは直ちに、子供たちと妻たちをらくだに乗せ、
創 31:18 パダン・アラムで得たすべての財産である家畜を駆り立てて、父イサクのいるカナン地方へ向かって出発した。
創 31:19 そのとき、ラバンは羊の毛を刈りに出かけていたので、ラケルは父の家の守り神の像を盗んだ。
創 31:20 ヤコブもアラム人ラバンを欺いて、自分が逃げ去ることを悟られないようにした。
創 31:21 ヤコブはこうして、すべての財産を持って逃げ出し、川を渡りギレアドの山地へ向かった。