家庭礼拝 2020年4月29日 創世記 26:1-14 イサクのゲラル滞在
起
アブラハム物語の後、その息子のイサク物語と言える話はなかったですが、この26章がそのイサク物語の章なのです。ですが、残念ながらここの1章だけです。それもそこに出てくる話はあまりにもアブラハム物語の一つに似ていて、本当にイサクの物語なのだろうかと思ってしまうようなものです。
イサクはこの時、ベエル・ハライ・ロイというところに住んでいましたが、飢饉があって、ゲラルというところに移り住んだのです。今日の話はその時の話なのです。このような飢饉はカナン地方のような乾燥地帯では良く起こることであって、アブラハムの時も飢饉がありました。アブラハムは2回このような災難に会っています。最初は12章に書いてありますが、ハランの地で神様の召命が与えられ、父の家を離れて、私が示す地に行きなさい、と言われてカナンを目指し、ネゲブ地方に行き住んでいた時でした。この時は飢饉のときにエジプトに逃げ込んだのです。エジプトには大河のナイル川があって、このような飢饉には強かったのです。そのエジプトに滞在したときに、サラに対して、あなたは美しいので、夫の私は殺されるかもしれない。お願いだから私の妹だと言ってくれ、そうすれば私は助かるだろうと言って、妹だということにしたのです。そうしていると、エジプトのファラオから声がかかり、宮廷に召し入れられたのです。ところが、宮廷の人々が恐ろしい病気にかかり始めました。そこでファラオはアブラハムを呼びつけて、どうしてあなたは自分の妻だと言わないで妹だと言ったのかと非難したのです。人の妻を宮廷に入れたからだと思ったのです。そして宮廷から追い出しました。
これに似たような話は、飢饉のときだけではありませんでした。アブラハムがネゲブ地方に移りカディシュとシュルの間に住んでいた時の話です。二人が、そこからゲラルに行って滞在していた時、この時もアブラハムはサラのことを妹だと言ったのです。確かにサラは妻でもありますが、妹でもあるのです。異母兄弟なので、結婚することができたのです。この時はゲラルの王アビメレクが美しいサラを召し入れたのです。すると夜に、王様のアビメレクに神様が現れて「あなたは、召し入れた女の故に死ぬ。その女は夫のある身だ。」と厳しくたしなめたのです。アビメレクはまだ彼女に近づいていなかったので、姦淫の罪を犯すことはありませんでした。アビメレクは恐れて、サラを宮廷から出しましたが、寛容にも牛や羊や奴隷を与えて、この辺に住んでも良いと言ったのです。
このようにアブラハムは、二度も自分の命を救うために、サラに妹だと言ってくれと言って、そのたびにその時の王様のファラオやアビメレクに召し入れられて、大問題になるということが起こったのです。
今日のイサクの話はこのアブラハムの話とそっくりで、しかもその舞台がゲラルであり、そしてその時が飢饉のときなのです。しかも相手のゲラルの王様はアビメレクなのです。アブラハムの時のゲラルの王様アビメレクとは違う人のはずなのですが、果たしてこの物語はどうなるのでしょうか。
承
さて、イサクはどうして、ゲラルに行ったのでしょうか。1節から6節です。
創
26:1 アブラハムの時代にあった飢饉とは別に、この地方にまた飢饉があったので、イサクはゲラルにいるペリシテ人の王アビメレクのところへ行った。
創
26:2 そのとき、主がイサクに現れて言われた。「エジプトへ下って行ってはならない。わたしが命じる土地に滞在しなさい。
創
26:3 あなたがこの土地に寄留するならば、わたしはあなたと共にいてあなたを祝福し、これらの土地をすべてあなたとその子孫に与え、あなたの父アブラハムに誓ったわたしの誓いを成就する。
創
26:4 わたしはあなたの子孫を天の星のように増やし、これらの土地をすべてあなたの子孫に与える。地上の諸国民はすべて、あなたの子孫によって祝福を得る。
創
26:5 アブラハムがわたしの声に聞き従い、わたしの戒めや命令、掟や教えを守ったからである。」
創
26:6 そこで、イサクはゲラルに住んだ。
イサクがゲラルに行く前は、ベエル・ラハイ・ロイというところの近くに住んでいました。この土地の名前は、24章で、イサクが初めてリベカと出会った時に、「イサクはネゲブ地方に住んでいた。その頃、ベエル・ラハイ・ロイから帰ったところであった。」と書いてあり、行ったり来たりしている様子がありました。そして25章では、「アブラハムが死んだ後、神は息子のイサクを祝福された。イサクは、ベエル・ラハイ・ロイの近くに住んだ」と書かれており、アブラハムが死んだ後はこのベエル・ラハイ・ロイの近くに住んでいたのです。そしてしばらくして、飢饉のときがやってきたのです。この地方の飢饉のときは飢饉の起こらない実りの豊かなエジプトに逃げ込むのが普通でした。ところがイサクは、ゲラルにいるペリシテ人の王アビメレクのところへ行った、と書かれています。どうしてでしょうか。飢饉のときにはアブラハムもエジプトに行ったはずなのですが。実は、エジプトに出発しようとしたときに、イサクは神様にこう言われたのです。「エジプトへ下って行ってはならない。わたしが命じる土地に滞在しなさい。あなたがこの土地に寄留するならば、わたしはあなたと共にいてあなたを祝福し、これらの土地をすべてあなたとその子孫に与え、あなたの父アブラハムに誓ったわたしの誓いを成就する。わたしはあなたの子孫を天の星のように増やし、これらの土地をすべてあなたの子孫に与える。地上の諸国民はすべて、あなたの子孫によって祝福を得る。アブラハムがわたしの声に聞き従い、わたしの戒めや命令、掟や教えを守ったからである。」と言われたのです。イサクがエジプトに行かないでゲラルにとどまるならば、神様は祝福して、これらの土地をすべてあなたの子孫に与えると約束したのでした。その約束というのはアブラハムに約束したことが成就するということでした。このゲラルというのはすぐ隣がもうエジプトの領土なのです。ゲラルはペリシテの一番南端にある地域なのです。イサクはリベカと結婚する前はこのゲラルに住んでいたはずです。ですから全く見知らぬ地域ではないのです。イサクは神様の言われたとおりそのゲラルに移り住んだのです。
転
ところがここで、イサクたちに事件が起こりました。7節から11節です。
創 26:7 その土地の人たちがイサクの妻のことを尋ねたとき、彼は、自分の妻だと言うのを恐れて、「わたしの妹です」と答えた。リベカが美しかったので、土地の者たちがリベカのゆえに自分を殺すのではないかと思ったからである。
創 26:8 イサクは長く滞在していたが、あるとき、ペリシテ人の王アビメレクが窓から下を眺めると、イサクが妻のリベカと戯れていた。
創 26:9 アビメレクは早速イサクを呼びつけて言った。「あの女は、本当はあなたの妻ではないか。それなのになぜ、『わたしの妹です』などと言ったのか。」「彼女のゆえにわたしは死ぬことになるかもしれないと思ったからです」とイサクは答えると、
創 26:10 アビメレクは言った。「あなたは何ということをしたのだ。民のだれかがあなたの妻と寝たら、あなたは我々を罪に陥れるところであった。」
創 26:11 アビメレクはすべての民に命令を下した。「この人、またはその妻に危害を加える者は、必ず死刑に処せられる。」
アブラハムに起こったことが、イサクにも起こりました。それはその土地の人たちが、イサクの妻のことを尋ねた時、彼は、自分の妻だというのを恐れて、「私の妹です」と答えたのです。この理由もアブラハムの時と同じように、土地の者たちがリベカの故に自分を殺すのではないかと恐れたからです。このようにして、イサクとリベカはこのゲラサに長く平和に滞在していたのです。そしてある日その事件は起こったのです。ペリシテの王アビメレクが窓から下を眺めていると、イサクが妻のリベカと戯れていたのです。その戯れ方が、妹の様ではなく、恋人のように戯れていたのだと思います。たぶんこの二人を見ていたアビメレクはそれに憤慨して、それは妹に対してあるまじき行為であると、詰問しようとして、イサクを呼び出したのだと思います。するとイサクは本当のことを言わざるを得なくなり、実はあれは自分の妻なのですと告白したところからまたこの物語が続いているものと思われます。
憤慨したアビメレクは、イサクを呼び出して、いろいろ詰問しているうちに、だんだん様子が分かり、このように言ったのです。「あの女は、本当はあなたの妻ではないか。それなのになぜ、『わたしの妹です』などと言ったのか。」と責めたのです。するとイサクは「彼女のゆえにわたしは死ぬことになるかもしれないと思ったからです」と答えました。これはアブラハムの時と同じです。きれいな妻を持っている人は殺されるのを恐れてみんなそうしていたのかもしれません。
ですが、アビメレクはこう言いました。「あなたは何ということをしたのだ。民のだれかがあなたの妻と寝たら、あなたは我々を罪に陥れるところであった。」こう言ったのです。この当時、姦淫の罪は死罪に当たるのです。アビメレクは自分ではなく、国民の誰かが罪を犯すことを恐れたのです。これはアブラハム物語と一番違うところです。この王様アビメレクはリベカを宮廷に招き入れることはしていなかったのです。ただイサクとリベカが兄弟なのに道ならぬことをしていると思って、詰問したのです。そして真実が分かって、この王様は、民の誰かがあなたの妻と寝たら、あなたは我々を罪に陥れるところであったと、国の民の罪を恐れて語っているのです。それほどこの国の人々は神様の戒めを守っていたということです。ですから、神様はイサクにこのゲラサに行けと言ったのかもしれません。
それで、アビメレクは、すべての国民にこのような命令を下しました。それは「この人、またはその妻に危害を加える者は、必ず死刑に処せられる。」としたのです。これで、イサクはリベカを公に妻と語ることができ、それでも殺されずに安心して生活できるようになったのです。
そのあとイサクはどうなるでしょうか。12節から14節です。
創 26:12 イサクがその土地に穀物の種を蒔くと、その年のうちに百倍もの収穫があった。イサクが主の祝福を受けて、
創 26:13 豊かになり、ますます富み栄えて、
創 26:14 多くの羊や牛の群れ、それに多くの召し使いを持つようになると、ペリシテ人はイサクをねたむようになった。
イサクは神様の約束通り大きな祝福を与えられました。イサクが穀物の種をまくと、百倍もの収穫があったといいます。不思議なもので、アブラハムは牧畜をする遊牧民でしたが、イサクはいつの間にか穀物の種をまいて農耕もしているのです。そして豊かになりますます富栄えました。そして、多くの羊や牛の群れ、それに多くの召し使いを持つようになったのです。そうするといつも起ってくるのが、人間の妬みです。聖書はいつも神様の祝福と、人間の妬みを軸に回転しています。周りのペリシテ人はイサクをねたむようになってくるのです。この後の続きは来週です。
結
イサクはアブラハムと同じように、飢饉のときにゲラサの地へ逃れましたが、神様にそこにとどまるようにと言われ、エジプトまで行くことはしませんでした。神様の戒めを守ったイサクには神様の祝福が与えられ豊かなものとなりました。リベカを妹と語った話もアブラハムがサラを妹と語った話と似ていますが、サラは本当の妹でもありましたが、リベカはそうではありません。人間的な思いで、人々を恐れてそう言いましたが、それでも神様はイサクを守ってくださり、神様はアビメレクを用いて、イサクの命を守る命令を出させたのです。神様の戒めを守るものがどのように守られ、またどのような危険にさらされるのかを教えられます。
(一分間黙想)(お祈り)
天の父なる神様。イサクは神様のみ言葉を、アブラハムのように守って、その祝福を与えられました。アブラハムと同じような間違いもしましたが、それでも神様はゲラサにとどまったイサクを守ったのです。神様は神様に従うものを守ってくださり、祝福を与えてくださる方です。どんな時でも神様を信頼して、すべてを委ねて、従っていくことができますように。エジプトのように強い味方になりそうなものがいたとしても、それ以上に強いお方、神様に従うものでありますように。
この祈りを、主イエス・キリストの御名によってお祈りいたします。アーメン
<<聖書の箇所(旧約聖書:◇創世記)>>
◆イサクのゲラル滞在
創
26:1 アブラハムの時代にあった飢饉とは別に、この地方にまた飢饉があったので、イサクはゲラルにいるペリシテ人の王アビメレクのところへ行った。
創
26:2 そのとき、主がイサクに現れて言われた。「エジプトへ下って行ってはならない。わたしが命じる土地に滞在しなさい。
創
26:3 あなたがこの土地に寄留するならば、わたしはあなたと共にいてあなたを祝福し、これらの土地をすべてあなたとその子孫に与え、あなたの父アブラハムに誓ったわたしの誓いを成就する。
創
26:4 わたしはあなたの子孫を天の星のように増やし、これらの土地をすべてあなたの子孫に与える。地上の諸国民はすべて、あなたの子孫によって祝福を得る。
創
26:5 アブラハムがわたしの声に聞き従い、わたしの戒めや命令、掟や教えを守ったからである。」
創
26:6 そこで、イサクはゲラルに住んだ。
創
26:7 その土地の人たちがイサクの妻のことを尋ねたとき、彼は、自分の妻だと言うのを恐れて、「わたしの妹です」と答えた。リベカが美しかったので、土地の者たちがリベカのゆえに自分を殺すのではないかと思ったからである。
創
26:8 イサクは長く滞在していたが、あるとき、ペリシテ人の王アビメレクが窓から下を眺めると、イサクが妻のリベカと戯れていた。
創
26:9 アビメレクは早速イサクを呼びつけて言った。「あの女は、本当はあなたの妻ではないか。それなのになぜ、『わたしの妹です』などと言ったのか。」「彼女のゆえにわたしは死ぬことになるかもしれないと思ったからです」とイサクは答えると、
創
26:10 アビメレクは言った。「あなたは何ということをしたのだ。民のだれかがあなたの妻と寝たら、あなたは我々を罪に陥れるところであった。」
創
26:11 アビメレクはすべての民に命令を下した。「この人、またはその妻に危害を加える者は、必ず死刑に処せられる。」
創
26:12 イサクがその土地に穀物の種を蒔くと、その年のうちに百倍もの収穫があった。イサクが主の祝福を受けて、
創
26:13 豊かになり、ますます富み栄えて、
創
26:14 多くの羊や牛の群れ、それに多くの召し使いを持つようになると、ペリシテ人はイサクをねたむようになった。