家庭礼拝 2019年11月27日 創世記 12:10-20 エジプト滞在
賛美歌518 主にありてぞ 聖書朗読 祈り 奨励説教 一分黙想 全員祈り 主の祈り 賛美歌520真実に清くいきたい
起
ここでは、聖書の中で、登場人物が初めてエジプトの地に移り住むことが書かれています。聖書ではエジプトがとても大きな役割を演じています。このアブラムとその子孫たちは何か重大なことが起こるとエジプトに逃げて難を逃れるのです。エジプトはこの当時世界で一番強く大きい国だったのです。この最初のエジプトへの避難は、アブラムが住んでいたネゲブ地方に飢饉があったからです。この地域は近くにシナイ半島のある、砂漠地帯に近いところです。アブラムたちは神様の約束されたカナンに住み着くことなくこのネゲブ地方に住み着いていたのでしょうか。アブラムたちは住み着いていたのではありません。彼らは遊牧民で、どこにいても寄留者なのです。ただ羊の食べる草を求めて、動き回っているのですが、この地方に飢饉が起こって、たぶん自分たちの食べる食料も、羊のえさもなくなってしまったのだと思います。それで、ナイル川という大きな水資源のある、豊かなエジプトに難を逃れようとしたのです。
アブラムの子供のイサクの時も飢饉があって、イサクはエジプトに行こうとしたのですが、神様が現れて、「エジプトに下って行ってはならない。私が命じる土地に滞在しなさい。」と言われて、ペリシテのゲラルに住んだこともありました。
また、ヨセフ物語で有名な、ヤコブの11番目の男の子ヨセフが、兄弟の嫉妬を買って、エジプトに売られて、そこで、エジプトの宰相になって、又兄弟と会うという話もありました。その時からアブラムの子孫たちはエジプトに住んでその子孫を増やしたのですが、エジプトから嫌われて、奴隷のようになってしまったのです。それをエジプトから連れ出したのがモーセで、シナイ山で、神様から十戒をいただき、カナン地方に戻るのです。そのときヨセフの骨もカナンに埋めるために持ち帰りました。そして、ついに約束の地にアブラムの子孫たちは住むようになるのです。これで神様がアブラムに約束した、その約束は成就したのです。
そのあと、いろいろな時代を経て、イエス様が生まれた時、新しい王が生まれると聞いたヘロデ王は3歳以下の子供を皆殺しするように命じました。そのとき父親のヨセフが天使の声を聴いて、イエス様と家族を連れて、エジプトに逃れたのです。
このように、アブラムとその子孫のユダヤ人にとって、エジプトはいつもとても関係の深い地域だったのです。その最初にエジプトに逃れる話が今回の聖書の話となります。そこでいったい何が起こったでしょうか。
承
それでは、聖書は10節から13節です。
創
12:10 その地方に飢饉があった。アブラムは、その地方の飢饉がひどかったので、エジプトに下り、そこに滞在することにした。
創
12:11 エジプトに入ろうとしたとき、妻サライに言った。「あなたが美しいのを、わたしはよく知っている。
創
12:12 エジプト人があなたを見たら、『この女はあの男の妻だ』と言って、わたしを殺し、あなたを生かしておくにちがいない。
創
12:13 どうか、わたしの妹だ、と言ってください。そうすれば、わたしはあなたのゆえに幸いになり、あなたのお陰で命も助かるだろう。」
アブラムが、移ってきたシナイ半島近くのネゲブ地方に大きな飢饉があったといいます。この地方は砂漠地帯に属するところで、普通でも雨が少ないのですが、ちょっと雨が少ないとひどい飢饉になってしまいます。アブラムたちは自分たちが食べる食料も、羊に与える牧草もなくなったので、食物の豊かな、エジプトに移ることにしました。エジプトには枯れることのないナイル川があるので、めったなことでは飢饉にならないのです。一方カナン地方には大きな川がないのですぐに水が枯れてしまうのです。
アブラムたちがエジプトに入るのは初めてです。アブラムは不安になって、妻サライにこう言いました。「あなたが美しいのを、わたしはよく知っている。エジプト人があなたを見たら、『この女はあの男の妻だ』と言って、わたしを殺し、あなたを生かしておくにちがいない。どうか、わたしの妹だ、と言ってください。そうすれば、わたしはあなたのゆえに幸いになり、あなたのお陰で命も助かるだろう。」こう言ったのです。アブラムほどの信仰者でも、現実の前では不安になることもあり、いろいろ人間的な策を弄することもあったのです。この時アブラムは神様との約束を忘れていました。神様がアブラムに、あなたの子孫は海の砂のごとく空の星のごとく増えるだろうといったことを信じていれば、自分が殺されるかもしれないと言う事など考えなかったはずです。子孫が増えると言う事は、自分が生きて子孫を残すと言う事だからです。ですが現実の不安を目の前にすると、エジプト人たちは、その当時よくあるように、美しい妻を持つものを殺してその妻を奪い取ると言う事をするのではないかと思ったのです。それほど妻のサライはきれいだったのです。ですから、アブラムは妻のサライに、私が殺されないように、あなたは私の妻ではなくて、私の妹だと言ってくださいと頼んだのです。そうすれば、殺されることはなく、かえってあなたのために幸いがやってくるでしょうと言ったのです。アブラムは神様のことを忘れて、人間的な策を講じるという大きな間違いをしてしまったのです。
その様に妻サライとの段取りをつけて、アブラムはエジプトに入りました。どうなったでしょうか。14節から16節です。
創
12:14 アブラムがエジプトに入ると、エジプト人はサライを見て、大変美しいと思った。
創
12:15 ファラオの家臣たちも彼女を見て、ファラオに彼女のことを褒めたので、サライはファラオの宮廷に召し入れられた。
創
12:16 アブラムも彼女のゆえに幸いを受け、羊の群れ、牛の群れ、ろば、男女の奴隷、雌ろば、らくだなどを与えられた。
アブラムがエジプトに入ると、アブラムが予想したように、エジプト人たちはサライを見て、大変美しいと思いました。それどころか、王室に仕えるファラオの家臣たちも、サライを見て、美しいと思い王様のファラオに彼女の美しいことをほめたたえのです。きっとサライには外見の美しさだけでなく、信仰をもつ者の神々しさや気品があったのではないかと思います。ファラオの家臣たちは、サライが王妃にふさわしい気品を持っていることを、ファラオに言ったのだと思います。それでサライはアブラムの妹だと言う事で、ファラオの宮廷に召し入れられたのです。これはファラオの妻になると言う事だったのです。もし、アブラムの妻だと知っていたらそうはならなかったのです。ですが、アブラムは、サライの兄として、ファラオから、羊の群れや牛の群れ、ロバ、男女の奴隷、雌ロバ、ラクダなどを与えられたと言う事ですから、正式に王の妻として、サライが迎い入れられたのです。これらの品々は王家につながるものへの結納品として与えられたのです。それはアブラムがエジプトに入る前からほぼ予想していたことでした。
転
ところが物事はアブラムが思っていたようにはいかなかったのです。そこに神様の御業が入ったのです。どうしてでしょうか。17節から20節です。
創
12:17 ところが主は、アブラムの妻サライのことで、ファラオと宮廷の人々を恐ろしい病気にかからせた。
創
12:18 ファラオはアブラムを呼び寄せて言った。「あなたはわたしに何ということをしたのか。なぜ、あの婦人は自分の妻だと、言わなかったのか。
創
12:19 なぜ、『わたしの妹です』などと言ったのか。だからこそ、わたしの妻として召し入れたのだ。さあ、あなたの妻を連れて、立ち去ってもらいたい。」
創
12:20 ファラオは家来たちに命じて、アブラムを、その妻とすべての持ち物と共に送り出させた。
神様は、アブラムの子孫はサライとの間に生まれることを計画していたのです。ですからサライがファラオの妻になることを妨げようとしました。その方法は、ファラオと宮廷の人々を恐ろしい病気にかからせると言う事でした。ファラオ自身もその病気にかかったのですから大変です。いったいどんな病気なのかはわかりませんが、ファラオはアブラムを呼び寄せて話が出来る状態だったのですから、熱病のように伏せてしまうような病気ではなく、ライの様に普通に生活できているけれども恐ろしい病気というものだったでしょう。
恐ろしい病気にかかったファラオはアブラムを呼び寄せてこう言ったのです。「あなたはわたしに何ということをしたのか。なぜ、あの婦人は自分の妻だと、言わなかったのか。なぜ、『わたしの妹です』などと言ったのか。だからこそ、わたしの妻として召し入れたのだ。さあ、あなたの妻を連れて、立ち去ってもらいたい。」そう言ったのです。このエジプトの王様のファラオは誠実な人のようです。いくら美しい人であっても、人の妻ならば、自分の妻とはしなかったというのです。あなたが妹だというから、自分の妻にしたのだというのです。ところが、宮廷に恐ろしい病気が広がり、調べたら、サライが人妻なのに、それを王様の妻にしようとしたことが原因だとわかったのです。どうしてそれが原因だとわかったのかはわかりませんが、きっと神様がそれが原因であることをファラオに分かるようにしたのだと思います。もしかすると、神様がファラオに現れて、「あの女は私が選んだアブラムの妻サライである。この女に触れるならば、恐ろしい病気にかかるだろう。」と言ったのかもしれません。普通ならば、王様のファラオは怒ってアブラムもサライもその属する人々も皆殺しにしてしまいそうですが、そうはしませんでした。ファラオはアブラムに、「さあ、あなたの妻を連れて、立ち去ってもらいたい。」そう言ったのです。これで神様の約束が実現するように導かれたのです。
そして、ファラオは家来たちに命じて、アブラムを、その妻とすべての持ち物と共に送り出させた、とあります。すなわち、アブラムたちをエジプトから追放したのです。アブラムたちは又ロトもつれて、もといたネゲブ地方に戻ることになるのです。
結
ユダヤ人の歴史は、何か苦しいことが起こるとエジプトに逃げたり、エジプトを頼ったりする歴史でした。エジプト人はカナン地方まで侵略してくることはありませんでしたが、東から北からはいろいろな敵が表れてきてユダヤ人たちを征服しようとしました。バビロンやペルシャや、マケドニアや、ローマなどです。その様な侵略が行われるときいつもエジプトに頼ろう、逃げようとする気持ちがユダヤ人にはありました。でも神様はそのような人間に頼るのではなく、生ける神様に頼りなさいというのが、神様の教えです。アブラムたちもネゲブ地方にいた時、飢饉が起こり、エジプトに逃げ込もうとしました。神様が、アブラムにその子孫の繁栄を約束したのに、それを忘れて、自分が殺されるのではないかと不安になって、サライを妹だと言って、ファラオの妻に出してしまったのです。でも神様はそのとき動きだしたのです。宮廷に恐ろしい病気が広まって、それがサライのために起こったことが分かったのです。結局エジプトに頼ろうとしたアブラムの考えは打ち砕かれ、又カナンの外れへと戻ったのです。物事が自分の思い通りに働かないところに、神様の働きがあります。神様が一番良いとしてくださることを受け入れない限り、人は不安になり、迷うのです。このアブラムの話もそのことを教えています。アブラムのエジプト滞在は、短い期間でしたが、これがエジプトとの関係の始まりとなります。
(一分間黙想)(お祈り)
天の父なる神様、信仰深いアブラムも現実の飢饉という問題の前には不安になって、あなたの約束を忘れて、自分の考えで、愚かなことをしてしまいました。ですが神様はアブラムを元の立ち位置に戻すために、不思議な出来事を起こして、アブラムたちをエジプトから追い返してしまいました。そこに神様の働きがあったことをアブラムはきっと気が付いたのではないかと思います。私たちが神様の御心を忘れて、あなたから、遠ざかった時、あなたは不思議な業を持って、又もとへと戻してくださる方です。どうか何時もあなたの御心に尋ねながら導かれますように。もし間違って迷えるものとなった時にはどうかあなたによって、見出されるものでありますように。
この祈りを、主イエス・キリストの御名によってお祈りいたします。アーメン
<<聖書の箇所(旧約聖書:◇創世記)>>
◆エジプト滞在
創
12:10 その地方に飢饉があった。アブラムは、その地方の飢饉がひどかったので、エジプトに下り、そこに滞在することにした。
創
12:11 エジプトに入ろうとしたとき、妻サライに言った。「あなたが美しいのを、わたしはよく知っている。
創
12:12 エジプト人があなたを見たら、『この女はあの男の妻だ』と言って、わたしを殺し、あなたを生かしておくにちがいない。
創
12:13 どうか、わたしの妹だ、と言ってください。そうすれば、わたしはあなたのゆえに幸いになり、あなたのお陰で命も助かるだろう。」
創
12:14 アブラムがエジプトに入ると、エジプト人はサライを見て、大変美しいと思った。
創
12:15 ファラオの家臣たちも彼女を見て、ファラオに彼女のことを褒めたので、サライはファラオの宮廷に召し入れられた。
創
12:16 アブラムも彼女のゆえに幸いを受け、羊の群れ、牛の群れ、ろば、男女の奴隷、雌ろば、らくだなどを与えられた。
創
12:17 ところが主は、アブラムの妻サライのことで、ファラオと宮廷の人々を恐ろしい病気にかからせた。
創
12:18 ファラオはアブラムを呼び寄せて言った。「あなたはわたしに何ということをしたのか。なぜ、あの婦人は自分の妻だと、言わなかったのか。
創
12:19 なぜ、『わたしの妹です』などと言ったのか。だからこそ、わたしの妻として召し入れたのだ。さあ、あなたの妻を連れて、立ち去ってもらいたい。」
創
12:20 ファラオは家来たちに命じて、アブラムを、その妻とすべての持ち物と共に送り出させた。