家庭礼拝 2019年11月20日 創世記 12:1-8 アブラムの召命と移住
賛美歌513 主は命を 聖書朗読 祈り 奨励説教 一分黙想 全員祈り 主の祈り 賛美歌515きみのたまものと
起
いよいよ今日から、アブラハム物語の始まりです。今までの聖書物語はこのアブラハムの物語を語るための準備段階と言えます。文章の起承転結で言えば、アダムとノアの物語は起承転結の起、にあたり、アブラハムの物語は承に当たります、そして転にあたるのがイエス物語です。それだけこの聖書の中では重要な位置を占めているのです。
起承転結の起に当たるアダムとノアの物語では、人間が罪を犯して呪われ裁かれることが主体になっています。それに対して、承に当たるアブラハムでは、祝福と言う事が主体になります。そして、転に当たるイエス物語では、贖いと救いと言う事が主体になるのです。その様な文脈で見ていくと、たくさんの物語や、歴史的事柄が書かれている、この聖書を理解するのに、整理しやすくなるのではないかと思います。すなわちこの聖書全体で、神様の救いの物語が語られているのです。
それでは起承転結の結はどこにあるのでしょうか。それは私たちが、神の国に行ったときに分かることです。それは何か教えられることではなく、自分自身で確認する事なのです。
このアブラハム物語は、神様がアブラムに「あなたは生まれ故郷/父の家を離れて/わたしが示す地に行きなさい。」と言ったところから始まります。ですが、カナンの地を目指す旅は父親のテラが息子アブラムとハランの息子で自分の孫であるロトと、アブラムの妻サライを連れてカルディアのウルを出発してカナン地方に向かった時から始まっています。ですがこの時はカナン迄はいくことなく、途中のハランにとどまっており、父親のテラはそこで、205年の生涯を閉じるのです。この前半の旅が、テラが召命されて旅を始めたのか、アブラムが年老いたテラとみなしごのロトを連れて行ったのかはわかりません。ですが、12章からは、明確に、神様がアブラムに対して、私が示す地に行きなさいと、神様の召命が与えられるのです。アブラムに対してはあなたの生まれ故郷、父の家を離れなさいというのです。確かに父の家はハランにあったかもしれませんが、アブラムの生まれたのはハランではなくウルの地です。どうしてこのような言い方になったのでしょうか。それは父の家を捨て去って新しい地に行くことは、父の家が自分の生まれ故郷でなくとも、父の家も生まれ故郷も捨て去るという意味では同じだと言う事ではないかと思います。もう自分の生まれ故郷には絶対に戻らないという、決意と召命とを感じるのです。
承
それでは聖書の個所に戻りましょう。1節から3節です。
創
12:1 主はアブラムに言われた。「あなたは生まれ故郷/父の家を離れて/わたしが示す地に行きなさい。
創
12:2 わたしはあなたを大いなる国民にし/あなたを祝福し、あなたの名を高める/祝福の源となるように。
創
12:3 あなたを祝福する人をわたしは祝福し/あなたを呪う者をわたしは呪う。地上の氏族はすべて/あなたによって祝福に入る。」
ノアの物語の始まりの時には「これはノアの物語である。その世代の中で、ノアは神に従う無垢な人であった。ノアは神と共に歩んだ。」とあり、ノアがどのような人であったかが紹介されています。ところがこのアブラハム物語では、アブラムがどんな人であるかは全く紹介されておらず、いきなり神様の召命が与えられるのです。それは、「あなたは生まれ故郷/父の家を離れて/わたしが示す地に行きなさい。」と言う事でした。そして神様はこのように約束されたのです。「わたしはあなたを大いなる国民にし、あなたを祝福し、あなたの名を高める、祝福の源となるように。あなたを祝福する人をわたしは祝福し、あなたを呪う者をわたしは呪う。地上の氏族はすべて、あなたによって祝福に入る。」このように、これは今までにない神様の言葉です。それは祝福を与えるという言葉です。神様はアブラムを大いなる国民になるように祝福するというのです。ここだけで、祝福と言う言葉が5回も語られています。ですから、アブラムが今までの人と違うのは、神様によって祝福された人であると言う事なのです。それだけではなくアブラム自身が祝福の源となるようにと言う言葉まで与えられているのです。更に、アブラムを祝福する人は神様によって祝福される人となるのです。ここまで祝福に満たされている人はいません。どうしてアブラムは祝福される人となったのでしょうか。その事は一言も書かれていないのです。ですがウルの地を出発してからのアブラムの信仰の中に既に神様は祝福を見出していたのだと思います。
神様が言った、私が示す地に行きなさいというの、ここではじめて言われたのではなく、カルデアのウルの地を出発するときからすでにカナン地方に行くことが決まっていたのですから、きっとその時から召命があったのかもしれません。
いずれにしてもアブラムは祝福の基であり、すべての人はアブラムによって、祝福に入るのです。これはイエス・キリストは救いの基であり、すべての人はイエス・キリストによって救われるというのと同じなのです。
アブラムはこの召命を与えられてどうしたでしょうか。4節と5節です。
創
12:4 アブラムは、主の言葉に従って旅立った。ロトも共に行った。アブラムは、ハランを出発したとき七十五歳であった。
創
12:5 アブラムは妻のサライ、甥のロトを連れ、蓄えた財産をすべて携え、ハランで加わった人々と共にカナン地方へ向かって出発し、カナン地方に入った。
アブラムは主の言葉に従って旅だったのです。主の言葉に従うことこそが信仰であり、主の言葉を理解していると言いながら、その通りにしない人は信仰を持っていないのです。この旅には、父親を失った甥のロトも連れて行きました。このハランを出発したとき、アブラムは75歳でした。決して若くはないのです。ですから召命が与えられるのは若い人だけではなく、年を取ってからもこのような召命を与えられることがあるのです。召命と言うのは、神様の命令であり、また招きなのです。その時に素直に主の言葉に従って旅立つかどうかが問題なのです。人によってはアブラハムのすばらしさを伝えるために、アブラムはどこへ行くのかも分からないのに、神様の召命に従って旅立ったという人もいますが、私はそうではないと思います。アブラムには行く先がはっきりわかっていたのです。それはカナンの地なのです。そこを目指していったのです。
アブラムたちがハランの地にとどまっている間に、財産を少し蓄えることができ、また僕たちをも使うようになっていたようです。それでハランを出発する時には妻のサライと甥のロトのほかに、ハランで加わった人々をも一緒に連れて、蓄えた財産をすべて携えて、カナン地方に出発したのです。
転
さて、ハランを出発したアブラムたちはカナンの地に入りました。それで、どうしたでしょうか。6節から9節です。
創
12:6 アブラムはその地を通り、シケムの聖所、モレの樫の木まで来た。当時、その地方にはカナン人が住んでいた。
創
12:7 主はアブラムに現れて、言われた。「あなたの子孫にこの土地を与える。」アブラムは、彼に現れた主のために、そこに祭壇を築いた。
創
12:8 アブラムは、そこからベテルの東の山へ移り、西にベテル、東にアイを望む所に天幕を張って、そこにも主のために祭壇を築き、主の御名を呼んだ。
創
12:9 アブラムは更に旅を続け、ネゲブ地方へ移った。
アブラムたちはカナンの地を通り、シケムのモレの樫の木と呼ばれるところまで来ました。当然のことながらそこにはカナン人が住んでいました。すると、神様はアブラムに現れてこう言われました。「あなたの子孫にこの土地を与える。」アブラムは、神様がそこに現れてくださって約束してくださったことに感謝して、祭壇を築きました。ですが、そこに住み着くことはしませんでした。カナン人たちが、いたからでした。アブラムが神様に言われたのは、あなたにこの土地を与えると言う事ではなくて、あなたの子孫にこの土地を与える、と言う事でした。ですから、アブラムはそこから、南に40㎞程離れたベテルの東の山に移り、西にベテル、東にアイを望むところに天幕を張って、そこにも主のために祭壇を築き、神様の名を呼んだのです。どうしてでしょうか。それは、神様がアブラハムの子孫にこの土地を与えると言ったのですが、そこにはカナン人たちがいて住むことができなかったので、もう少しはずれの方に行って、祭壇を築いて、神様に、ここではだめでしょうかと尋ねたのです。ですが神様からの答えはなかったのです。そこは約束の地ではなかったのです。そしてそこでもアブラムたちは定着することができませんでした。そしてさらに南に旅をして、シナイ半島に近いネゲブ地方まで移って行ったのです。
神様がアブラムに約束された「あなたの子孫にこの土地を与える。」という約束は、アブラムの時には実現しませんでしたが、後の時代になって実現します。神様が、このような約束をした場所だという証拠を残すためにも、アブラムはそこに祭壇を築き、後の子孫がその場所を探し当てて、その場所に住み着くのです。ですがアブラム自身はそこに定着できませんでしたが、神様の言葉を信じていたのです。そしてネゲブ地方まで下って行ったのです。
結
アブラムは神様の召命を受けました。もう75歳になっていました。ですが、アブラムは神様の召命に従いました。神様の召命はいくつになっても与えられる可能性があるのです。そのときに神様に従えることができるように準備するのが私たちの務めです。そしてアブラムの召命は「あなたは生まれ故郷/父の家を離れて/わたしが示す地に行きなさい。」と言う事でした。アブラムたちがそこに行ったとき、神様は「あなたの子孫にこの土地を与える。」と言いましたが、アブラムにこの土地を与えると言ったのではありませんでした。ですが、アブラムは神様の約束を信じて、そこに祭壇を築いたのです。その土地は本当にモーセに引き連れられたアブラムの子孫たちによって、受け継がれることになりました。それは何代も後になってからのことですが、神様を信じる信仰がそのことを実現したのです。アブラムは自分たちがそこに住めなかったことに、文句を言うことなく、ゲネブ地方に移り住んだのです。
(一分間黙想)(お祈り)
天の父なる神様、いよいよアブラハムの物語が始まりました。アブラハムはあなたの祝福を豊かに受けた人でした。そして、この祝福は代々子孫に受け継がれ、多くの奇跡を行いました。そして最後にはその約束の地を受け継ぐことができるようになりました。アブラハムの子たちは祝福の子達です。私たちもその信仰を受け継ぐ祝福の子です。どうかそのことを日々感謝し、心に祭壇を築いて、いつも神様をあがめることができますように。あなたの召命にすぐに従い、あなたの祝福のもとに生きるものでありますように。
この祈りを、主イエス・キリストの御名によってお祈りいたします。アーメン
<<聖書の箇所(旧約聖書:◇創世記)>>
◆アブラムの召命と移住
創
12:1 主はアブラムに言われた。「あなたは生まれ故郷/父の家を離れて/わたしが示す地に行きなさい。
創
12:2 わたしはあなたを大いなる国民にし/あなたを祝福し、あなたの名を高める/祝福の源となるように。
創
12:3 あなたを祝福する人をわたしは祝福し/あなたを呪う者をわたしは呪う。地上の氏族はすべて/あなたによって祝福に入る。」
創
12:4 アブラムは、主の言葉に従って旅立った。ロトも共に行った。アブラムは、ハランを出発したとき七十五歳であった。
創
12:5 アブラムは妻のサライ、甥のロトを連れ、蓄えた財産をすべて携え、ハランで加わった人々と共にカナン地方へ向かって出発し、カナン地方に入った。
創
12:6 アブラムはその地を通り、シケムの聖所、モレの樫の木まで来た。当時、その地方にはカナン人が住んでいた。
創
12:7 主はアブラムに現れて、言われた。「あなたの子孫にこの土地を与える。」アブラムは、彼に現れた主のために、そこに祭壇を築いた。
創
12:8 アブラムは、そこからベテルの東の山へ移り、西にベテル、東にアイを望む所に天幕を張って、そこにも主のために祭壇を築き、主の御名を呼んだ。
創
12:9 アブラムは更に旅を続け、ネゲブ地方へ移った。