家庭礼拝 2019年10月30日 創世記 10:1-32 ノアの子孫
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起
今日の聖書の個所は、ノアの子孫の系図であって、人の名前がたくさん書いてありますが、これに興味を持つのはユダヤ人だけだろうと思うようなところがあります。この人名の羅列の中から、何を読み取って行ったらよいのかよくわからないところもあります。私もこの個所を、よく読んでみたのは今回が初めてです。するといろいろと気づかされることがありました。この系図の中に当時の世界観と言うものが描かれており、その名前や地名にはそれとなく、後で出てくる大切な地名や人物が出てくるのです。それらを注意深く取り上げて読んでいきたいと思うのです。
まずノアの息子たちですが、これはセム、ハム、ヤフェトと言う息子たちがいます。人類の先祖はアダムだと言いますが、アダムの子孫は全部死んでしまって、ノアの家族だけ残されたのですから、アダムの子孫はリセットされたと考えていいのです。むしろ人類の祖先はノアから再出発すると言った方がいいのです。そして、その息子たちがセム、ハム、ヤフェトであるというのは、全人類がこの息子たちから出ていることを表しているのです。当時の世界と言うのは一番東の方は、今でいうとイランやイラクのあたりが一番東で、その辺にエデンの園もあったのです。そして地中海の周りに世界があったのです。一番西はスペインのあたりとなるのです。北はヨーロッパの中頃でその先は高い山と言う事になり、、南はアフリカの北の方なのです。この様な世界が当時は考えられていたのです。この世界には三種類の人種がいました。白人、黒人、褐色人なのです。セム、ハム、ヤフェトと言うのはこの三種類の人種の祖先を表しているのです。ではそれぞれこの三人の息子の子孫がどこに住んでいたかと言うと、セムは長男であり、その世界の一番良いところ、すなわち、エデンの園から地中海に至るトルコあたりまでが与えられました。今のイスラエルやシナイ半島までも含まれていました。ですから、この辺に住む人たちはセム族と呼ばれ、ユダヤ人の直接の祖先になるのです。それでは三男のハムはどこかと言うと、エジプトから、北アフリカの地中海側の地域に住んでいました。ですがこの民族は強くなり、ニムロドという王様が出現して、ハムの地のイランの方まで勢力を拡大していくのです。そして、エルサレム辺りの先住民族として、カナン人の子孫のエブス人などが住むようになるのです。だいぶ後になって、モーセは、このカナンの地を神様から約束された地として、奪い取ることになるのです。このニムロドはとても勢力が強くなり、いろいろな街を作りました。その中にバベルという街もあるのです。これが、後程出てくるバベルの塔の物語になるのですが、これはハムの子孫たちが作った町なのです。
一方ヤフェトは今のヨーロッパの地中海側の領域に広がっていきました。ギリシャからスペインまでの地中海沿岸地域です。こう考えると、ヤフェトの子孫が白人と呼ばれ、ハムの子孫が黒人と呼ばれ、セムの子孫が褐色人と呼ばれたのかもしれません。このように世界は、セムとハムとヤフェトの子孫で構成されて増えていったのです。
承
それでは聖書に戻りましょう。最初は、3人の息子の内のヤフェトの子孫です。1節から5節です。
創
10:1 ノアの息子、セム、ハム、ヤフェトの系図は次のとおりである。洪水の後、彼らに息子が生まれた。
創
10:2 ヤフェトの子孫はゴメル、マゴグ、メディア、ヤワン、トバル、メシェク、ティラスであった。
創
10:3 ゴメルの子孫は、アシュケナズ、リファト、トガルマであった。
創
10:4 ヤワンの子孫は、エリシャ、タルシシュ、キティム、ロダニムであった。
創
10:5 海沿いの国々は、彼らから出て、それぞれの地に、その言語、氏族、民族に従って住むようになった。
3人の息子たちには、洪水の後、子供が与えられました。ノアの息子たちはセム、ハム、ヤフェトと呼ばれるのですが、セムは長男ですからわかりますが、なぜ末っ子のハムが2番目で、次男のヤフェトが最後にくるのかわかりません。この子供たちの系図は一番最後のヤフェトから始まります。この子供たちの名前は、それが本当の名前なのか、地名なのかよくわからないところがあります。ヤフェトの子孫は海沿いの国々になったというのですが、これはヨーロッパ地方の地中海沿岸の国々のようです。
次はハムの子孫ですが、子孫の記述の中では一番長く詳しく書かれています。まず6節と7節です
創
10:6 ハムの子孫は、クシュ、エジプト、プト、カナンであった。
創
10:7 クシュの子孫はセバ、ハビラ、サブタ、ラマ、サブテカであり、ラマの子孫はシェバとデダンであった。
ハムは、アフリカの北側の地中海沿いに国を作りました。ここにはエジプトと言う人の名前が出てきますが、彼は今のエジプトの地域を治めたのです。ですからこれが名前なのか地域なのか良く分からないところがあります。プトと言うのはエジプトの西にあるリビアのことのようです。もともとここの町が先に出来て、エジプトはプトの東と言う意味なのかもしれません。カナンと言うのもハムの子供の名前ですが、地名としても出てくる名前です。今のシリア、イスラエル、サウジアラビア一帯に住んでいました。ユダヤ人たちはエジプトから来てこのカナンの地に入っていきましたが、そこのカナン人たちを奴隷として使っていました。その様になってしまったのは、ノアが酔いつぶれて裸になって寝ているのを見て、ハムがあざけったことから、ノアは怒って、カナンは呪われよと言って、カナンはセムとヤフェトの奴隷になると言ったのです。でもカナンは名前の順番からしても4番目なので、呪われるというのは割に合わない話なのですが、カナン人がイスラエル人たちの奴隷になった理由を語るためにそうしたのかもしれません。
長男のクシュについてはさらにいろいろ語っています。7節から14節です。
創
10:7 クシュの子孫はセバ、ハビラ、サブタ、ラマ、サブテカであり、ラマの子孫はシェバとデダンであった。
創
10:8 クシュにはまた、ニムロドが生まれた。ニムロドは地上で最初の勇士となった。
創
10:9 彼は、主の御前に勇敢な狩人であり、「主の御前に勇敢な狩人ニムロドのようだ」という言い方がある。
創
10:10 彼の王国の主な町は、バベル、ウルク、アッカドであり、それらはすべてシンアルの地にあった。
創
10:11 彼はその地方からアッシリアに進み、ニネベ、レホボト・イル、カラ、
創
10:12 レセンを建てた。レセンはニネベとカラとの間にある、非常に大きな町であった。
創
10:13 エジプトにはリディア人、アナミム人、レハビム人、ナフトヒム人、
創
10:14 上エジプト人、カスルヒム人、カフトル人が生まれた。このカフトル人からペリシテ人が出た。
クシュには5人の息子セバ、ハビラ、サブタ、ラマ、サブテカが生まれましたが、それよりもその次に生まれたニムロドについて詳しく書かれています。このニムロドは地上で最初の勇士となったと書かれていますが、それは国のようなものを形成して、そこの最高権力者の王様のようなものになったと言う事です。彼は主のみ前に勇敢な狩人であったと書かれていて、それは主の名によって町々を滅ぼし略奪する狩人のようなものだと言う事です。ニムロドは、ここに書かれているように多くの町々を造って、その勢力を広げました。そこにはのちの時代にも聞かれる町の名や民族の名が出てきます。バベルやニネベ、エジプト、ペリシテなどです。その町の名前の中に、バベルと言う名前も出てきますが、これはあの有名なバベルの塔が出てくる町です。ニムロドはその強大な権力を用いてこのバベルの町をも作り、その天まで届くようなバベルの塔を造って、神様に対抗しようとさえする傲慢なものとなっていったのです。
エジプトと言う息子にもいろいろな子供が出来ました。その子供たちが治めたのは、アッシリア地方やカナン地方にまで及び、サウルやダビデとよく戦ったペリシテ人と言うのはこのハムの子孫のカフトル人からペリシテ人が出たと書かれています。
最後に紹介されているのがカナンの子孫です。15節から20節です。
創
10:15 カナンには長男シドンとヘト、
創
10:16 また、エブス人、アモリ人、ギルガシ人、
創
10:17 ヒビ人、アルキ人、シニ人、
創
10:18 アルワド人、ツェマリ人、ハマト人が生まれた。その後、カナン人の諸氏族が広がった。
創
10:19 カナン人の領土は、シドンから南下してゲラルを経てガザまでを含み、更に、ソドム、ゴモラ、アドマ、ツェボイムを経てラシャまでを含んだ。
創
10:20 これらが、氏族、言語、地域、民族ごとにまとめたハムの子孫である。
カナンの子孫のカナン人たちは、地中海の沿岸にある、北はシドンとういう、当時から大きな町であって、ガリラヤ湖の少し北にある街から、南はエジプトに至るところまで住んでいました。ですから、ヨルダン川流域の肥沃な低地やもっと先の死海の先まで住んでいたのです。このシドンという町の名前はカナンの長男から取った名前です。このヨルダン川流域の肥沃な土地にはあの有名なソドム、ゴモラやモラ、アドマ、フェボイムという町がありました。アブラハムの甥のロトがアブラハムと別れて、肥沃な低地に移ったというのはこのヨルダン川流域の低地に移ったのです。ですが、その町々は、罪深い行為をしていたので、神様によって火と硫黄によって滅ぼされてしまいました。それがソドムとゴモラの話なのです。もともとはこの辺一帯は長男のセムの領地であったはずなのですが、ハムの子孫の勢いが強くなり、この辺一帯はハムの子孫が支配していたのです。それがある時、セムの子孫のアブラハムがチグリス、ユーフラテスの流域のメソポタミヤ地方から移りし住んできました。その後飢饉によってその人々はエジプトに住むようになりましたが奴隷とされたので、その子孫のモーセがエジプトから一族を連れて帰って来て、またこのカナンの地に自分たちの住む土地を見出すのです。ですから、この地域はセム族とハム族のせめぎあいの地なのです。
このように、カナンの子孫は海岸沿いではガザの方まで含み、山側では今でいうエルサレム当たりもこのカナン人が住んでいた町なのです。エルサレム付近に住んでいたカナン人の人々はエブス人と呼ばれていました。このエブス人をセムの子孫であるユダヤ人のダビデが滅ぼして、エルサレムを建築するのです。ですからこの中東の歴史はとても複雑です。いまだにいろいろな紛争が起こっている地域なのです。
転
さて、イエス様につながる系統は長男であるセムの系統で、いろいろな子孫の名前が書かれていますが、実際のところはよくわからないのです。21節から32節です。
創
10:21 セムにもまた子供が生まれた。彼はエベルのすべての子孫の先祖であり、ヤフェトの兄であった。
創
10:22 セムの子孫はエラム、アシュル、アルパクシャド、ルド、アラムであった。
創
10:23 アラムの子孫は、ウツ、フル、ゲテル、マシュであった。
創
10:24 アルパクシャドにはシェラが生まれ、シェラにはエベルが生まれた。
創
10:25 エベルには二人の息子が生まれた。ひとりの名は、その時代に土地が分けられた(パラグ)ので、ペレグといい、その兄弟はヨクタンといった。
創
10:26 ヨクタンには、アルモダド、シェレフ、ハツァルマベト、イエラ、
創
10:27 ハドラム、ウザル、ディクラ、
創
10:28 オバル、アビマエル、シェバ、
創
10:29 オフィル、ハビラ、ヨバブが生まれた。これらは皆、ヨクタンの息子であった。
創
10:30 彼らはメシャからセファルに至る東の高原地帯に住んでいた。
創
10:31 これらが、氏族、言語、地域、民族ごとにまとめたセムの子孫である。
創
10:32 ノアの子孫である諸氏族を、民族ごとの系図にまとめると以上のようになる。地上の諸民族は洪水の後、彼らから分かれ出た。
実はセムの系図はもう一度出てきます。次の11章の後半に、セムの系図とテラの系図が出ており、ここに大切なことが書かれているのです。それは信仰の祖と呼ばれるアブラハムが現れるのです。すなわちアブラハムはセムの子孫であると言う事です。もっと近くではアブラハムはエベルの子孫であると言う事なのです。この10章の系図はそれほど重要なものではないのですが、アブラハムは、セムの子のアルパクシャド、そしてその子のシェラ、そしてその子のエベルの子孫から生まれたと言う事だけが大切なのです。セムの子供の一番最後にアラムと言う子供がいます。イエス様たちが使っていた言葉はアラム語と言われていますが、この一族に属するからなのです。
結
この世の子孫はノアの子供である、セム、ハム、ヤフェトから生まれてきたことが語られています。そしてその子孫から又いろいろな出来事が起こるようになります。ですが、この系図で一番言いたいのは信仰の祖と言われるアブラハムが、誰の子孫であったかと言う事なのです。それほどアブラハムの存在は大きいのです。ノアも信仰は持っていましたが、どのような信仰であったかはわかりません。そしてその信仰も伝えられることはなかったのです。ですが、アブラハムの信仰はその旧約聖書の教える信仰となり、人々の手本となる信仰として語り継がれてきたのです。ユダヤ人はこのアブラハムによって、ユダヤ人として、立てられ、神様に選ばれた民族になったのです。そのアブラハムにいたる祖先がセムであることが大切だったのです。ここの系図はそれを物語っています。
(一分間黙想)(お祈り)
天の父なる神様。人類はノアによって再出発しました。そしてその長子セムの子孫によってアブラハムは立てられました。アダムは肉なるものとして造られ、ノアは人として生かされ、アブラハムは信じる者として生かされたのかもしれません。この聖書の物語は、人類の壮大な営みが、神様によって、造られていることを語ります。ユダヤ人たちはそのことを忘れまいとして、この膨大な系図を語り継ぎ、神様と共に生きることを選びました。私たちの人生もまた、神様によって作られた人生です。そのことを忘れることなく、いつも神様に希望を持ちつつ生かされていきますように。
この祈りを、主イエス・キリストの御名によってお祈りいたします。アーメン
<<聖書の箇所(旧約聖書:◇創世記)>>
◆ノアの子孫
創 10:1 ノアの息子、セム、ハム、ヤフェトの系図は次のとおりである。洪水の後、彼らに息子が生まれた。
創 10:2 ヤフェトの子孫はゴメル、マゴグ、メディア、ヤワン、トバル、メシェク、ティラスであった。
創 10:3 ゴメルの子孫は、アシュケナズ、リファト、トガルマであった。
創 10:4 ヤワンの子孫は、エリシャ、タルシシュ、キティム、ロダニムであった。
創 10:5 海沿いの国々は、彼らから出て、それぞれの地に、その言語、氏族、民族に従って住むようになった。
創 10:6 ハムの子孫は、クシュ、エジプト、プト、カナンであった。
創 10:7 クシュの子孫はセバ、ハビラ、サブタ、ラマ、サブテカであり、ラマの子孫はシェバとデダンであった。
創 10:8 クシュにはまた、ニムロドが生まれた。ニムロドは地上で最初の勇士となった。
創 10:9 彼は、主の御前に勇敢な狩人であり、「主の御前に勇敢な狩人ニムロドのようだ」という言い方がある。
創 10:10 彼の王国の主な町は、バベル、ウルク、アッカドであり、それらはすべてシンアルの地にあった。
創 10:11 彼はその地方からアッシリアに進み、ニネベ、レホボト・イル、カラ、
創 10:12 レセンを建てた。レセンはニネベとカラとの間にある、非常に大きな町であった。
創 10:13 エジプトにはリディア人、アナミム人、レハビム人、ナフトヒム人、
創 10:14 上エジプト人、カスルヒム人、カフトル人が生まれた。このカフトル人からペリシテ人が出た。
創 10:15 カナンには長男シドンとヘト、
創 10:16 また、エブス人、アモリ人、ギルガシ人、
創 10:17 ヒビ人、アルキ人、シニ人、
創 10:18 アルワド人、ツェマリ人、ハマト人が生まれた。その後、カナン人の諸氏族が広がった。
創 10:19 カナン人の領土は、シドンから南下してゲラルを経てガザまでを含み、更に、ソドム、ゴモラ、アドマ、ツェボイムを経てラシャまでを含んだ。
創 10:20 これらが、氏族、言語、地域、民族ごとにまとめたハムの子孫である。
創 10:21 セムにもまた子供が生まれた。彼はエベルのすべての子孫の先祖であり、ヤフェトの兄であった。
創 10:22 セムの子孫はエラム、アシュル、アルパクシャド、ルド、アラムであった。
創 10:23 アラムの子孫は、ウツ、フル、ゲテル、マシュであった。
創 10:24 アルパクシャドにはシェラが生まれ、シェラにはエベルが生まれた。
創 10:25 エベルには二人の息子が生まれた。ひとりの名は、その時代に土地が分けられた(パラグ)ので、ペレグといい、その兄弟はヨクタンといった。
創 10:26 ヨクタンには、アルモダド、シェレフ、ハツァルマベト、イエラ、
創 10:27 ハドラム、ウザル、ディクラ、
創 10:28 オバル、アビマエル、シェバ、
創 10:29 オフィル、ハビラ、ヨバブが生まれた。これらは皆、ヨクタンの息子であった。
創 10:30 彼らはメシャからセファルに至る東の高原地帯に住んでいた。
創 10:31 これらが、氏族、言語、地域、民族ごとにまとめたセムの子孫である。
創 10:32 ノアの子孫である諸氏族を、民族ごとの系図にまとめると以上のようになる。地上の諸民族は洪水の後、彼らから分かれ出た。