家庭礼拝 2019年10月16日 創世記 8:1-22 洪水(箱舟から出る)
賛美歌483わが主イエスよ、ひたすら聖書朗読 祈り 奨励説教 一分黙想 全員祈り 主の祈り 賛美歌492み神をたたえる心こそは
起
ノアに関する記事は、この創世記の中ではとても長い方です。天地創造から、このノアまでの記事が5章しかないにもかかわらず、ノアに関する記事はその子孫に関することも含めると6章から10章までで、同じくらいあるのです。ですから、このノアの出来事は天地創造に匹敵するくらいの出来事と言っていいのかもしれません。天地創造で作られた人間の子孫たちは寿命が千年もある、今の私たちとは似ても似つかない人間でしたが、ノアの子孫からは寿命が120年になり今の人間に近くなります。ですから今の人間の歴史はこのノアの時代から始まったと言ってもよいのかもしれません。そして、その信仰の流れもノアから始まったのです。ノアの洪水の物語は第二の天地創造かもしれません。
今日のノアの洪水の話は、洪水になって、この洪水の水が引くまでの話です。ノアの洪水と言うと40日40夜雨が降っていたことは良く知られていますが、ノアたちが一体どのくらいの間、船に乗っていたのかは案外正確に覚えてないことがあります。これは二月に始まって翌年の二月に終わる、ちょうど一年の話なのです。このころの一年は、今の太陽暦の365日と違って、太陰暦で数えて354日で10日ほど短くなっています。ですからもともとはちょうど一年、箱船で漂っていた話を、太陰暦から太陽暦につじつまを合わせるために、2月10日に箱舟に乗って、2月17日に雨が降り始め、翌年の2月27日に船を降りたとなっています。2月17日に雨が降って2月27日に降りたのですから洪水の期間は一年と10日となり、10日ほどずれがあるのはこの暦のせいらしいです。とにかくノアの洪水はちょうど一年間あったと言う事です。
これを大雑把に季節に分けてみると、2月10日と言うのは冬の真っただ中に船に乗り込み洪水が起こるのです。そして春の間は、ずっと雨が降っており、4月末まで雨が降っていたのです。その後夏までは水の上を漂って、そして夏の暑い盛りの7月17日にアララト山の山頂に着きました。夏の間は水が引いて行って、秋の始まる10月1日にはほかの山々も表れてきたのです。11月になって、カラスやハトを放して、周りの様子を見ていたのですが、11月末にはハトは帰ってこなくなったので、緑が増え始めたのが分かったです。そして翌年の1月1日には地上の水は乾いたのですが、まだノアには神様から降りていいという言葉がありませんでした。そしてちょうど一年後の2月27日に陸地はすっかり乾いて、神様から降りなさいという言葉をいただいたのです。これがノアの洪水の時の様子で、その季節ごとにいろいろな段階があったことが分かります。
このノアの洪水の時の漂流は、いつの時代にもあった漂流の話とは違います。というのも今の時代なら、漂流してどこかに流れてもそこにはまた誰かがいるような気がしますが、ノアの時はどこに流れ着いてももう人はいないのです。これは今の時代に例えると、地球が滅んで、ノアの家族だけが宇宙船に乗って広い真っ暗な宇宙を漂っている感じなのです。この広い宇宙の中で、どうなるかもわからないという不安と緊張の中で、この一年間を過ごすのです。その時ノアの心境はどうだったでしょうか。聖書を読んでみましょう。
承
では1節から5節です。
創
8:1 神は、ノアと彼と共に箱舟にいたすべての獣とすべての家畜を御心に留め、地の上に風を吹かせられたので、水が減り始めた。
創
8:2 また、深淵の源と天の窓が閉じられたので、天からの雨は降りやみ、
創
8:3 水は地上からひいて行った。百五十日の後には水が減って、
創
8:4 第七の月の十七日に箱舟はアララト山の上に止まった。
創
8:5 水はますます減って第十の月になり、第十の月の一日には山々の頂が現れた。
ここで大切な言葉は、1節の「神は、ノアと彼と共に箱舟にいたすべての獣とすべての家畜を御心に留め」られていたと言う事です。ノアの家族は暗黒の宇宙空間を漂っている不安の中でも、神様が、ノアの家族に目を止められ守ってくださっていると言う事を忘れなかったのです。いつも次の神様の言葉を待っていたのです。ですから自分勝手に思い詰めて不安になったりすることなく、ひたすらただ神様の言葉に従っていたのです。40日40夜雨が降った後は、水は150日の間、地上で勢いを失わなかった、という言葉と、水は地上からひいて行った。百五十日の後には水が減って、という言葉とがありますが、これは日数を計算してみると同じことを言っているようです。40日40夜雨が降った後、初めの内は、水は勢いよく流れていたのだけれどもだんだん引いて行って、150日たつとアララト山の上にとまったと言う事のようです。そうしないと、7月17日にアララト山の上にとまる事は出来ないのです。そして夏の間中は、水が引いて行って、秋の初めの10月1日にはほかの山々も表れ始めたのです。
そして秋になると、ノアは鳥を放して陸地の様子を探るのです。6節から12節です。
創
8:6 四十日たって、ノアは自分が造った箱舟の窓を開き、
創
8:7 烏を放した。烏は飛び立ったが、地上の水が乾くのを待って、出たり入ったりした。
創
8:8 ノアは鳩を彼のもとから放して、地の面から水がひいたかどうかを確かめようとした。
創
8:9 しかし、鳩は止まる所が見つからなかったので、箱舟のノアのもとに帰って来た。水がまだ全地の面を覆っていたからである。ノアは手を差し伸べて鳩を捕らえ、箱舟の自分のもとに戻した。
創
8:10 更に七日待って、彼は再び鳩を箱舟から放した。
創
8:11 鳩は夕方になってノアのもとに帰って来た。見よ、鳩はくちばしにオリーブの葉をくわえていた。ノアは水が地上からひいたことを知った。
創
8:12 彼は更に七日待って、鳩を放した。鳩はもはやノアのもとに帰って来なかった。
山々の頂が現れてから、40日たって箱舟の窓を開いたのですが、この時はもう秋の11月10日ごろです。この11月にはノアは何度も鳥を飛ばすのです。ここには鳥という言葉と鳩という言葉が出てきますが、最初の鳥と言うのはカラスのことで、これは食べてもいけないし神様に捧げることも出来ない鳥です。次に出てくる鳩は、唯一神様に捧げることのできる鳥で、人間も食べられる鳥です。最初はそのカラスを飛ばすのですが、ですが水が引いていないので、遠くまで飛んでいこうとはせずすぐに戻ってくるのです。それで、今度は鳩を飛ばしました。でもやはり止まるところが見つからなくて戻ってきました。それで、さらに一週間後また鳩を飛ばすとくちばしにオリーブの葉を加えていたというのです。これは大きなオリーブの木の葉っぱではなく、水が引いたところに出た、新芽の若い葉っぱなのです。ですからまだ十分な食べ物はなかったのです。でもこのことからノアは、地上の水が引いたことを理解したのです。さらに一週間後にハトを離すともうハトは戻ってきませんでした。もう戻ってこなくても餌を見つけられるほど、草木が増えてきたのです。この時がいつごろかと言うと、11月の24日ころです。もう秋の終わりなのです。
転
600歳のときに発生した大洪水は、その年の間まだ水が引かず、次の年の601歳になってやっと水が引き地面は乾きました。13節から19節です。
創
8:13 ノアが六百一歳のとき、最初の月の一日に、地上の水は乾いた。ノアは箱舟の覆いを取り外して眺めた。見よ、地の面は乾いていた。
創
8:14 第二の月の二十七日になると、地はすっかり乾いた。
創
8:15 神はノアに仰せになった。
創
8:16 「さあ、あなたもあなたの妻も、息子も嫁も、皆一緒に箱舟から出なさい。
創
8:17 すべて肉なるもののうちからあなたのもとに来たすべての動物、鳥も家畜も地を這うものも一緒に連れ出し、地に群がり、地上で子を産み、増えるようにしなさい。」
創
8:18 そこで、ノアは息子や妻や嫁と共に外へ出た。
創 8:19 獣、這うもの、鳥、地に群がるもの、それぞれすべて箱舟から出た。
ノアが601歳になった1月1日には地上の水は乾いたと言います。ノアは箱舟の覆いを取り外して、外を眺めました。それまでは窓からのぞくだけでした。この時はまだ船からはおりませんでしたが、やっと広々と外を眺めることができるようになりました。でも外はまだ完全には乾いておらず、ぬかるんでいるところや水が溜まっているところもあったのです。ですからまだ外に出るお許しは神様から出ていなかったのです。そして2月の27日になって地面はすっかり乾いたので、神様はノアに、「さあ、あなたもあなたの妻も、息子も嫁も、皆一緒に箱舟から出なさい。すべて肉なるもののうちからあなたのもとに来たすべての動物、鳥も家畜も地を這うものも一緒に連れ出し、地に群がり、地上で子を産み、増えるようにしなさい。」と言ったのです。ノアはこの神様の言葉をずっと待っていたのです。地上に出ようと思えばもう1月1日から出る事は出来たのですが、勝手なことはせず、神様の次の言葉を辛抱強く待っていたのです。そして、ついにそのみ言葉が与えられたのです。ノアは自分の考えではなく、ただ神様のみ言葉に従ったのです。そして、ノアは息子や妻や嫁と一緒に外へ出たのでした。獣、這うもの、鳥、地に群がるもの、それぞれすべて箱舟から出た、と書いてあり、ノアたちが箱舟から出したのではなく、自分たちで出て行ったように書かれているのが、神様によって出されたと言う事ではないでしょうか。きっとノアたちの後をついて従ってきたのです。
外に出て、ノアが一番最初にしたのは何でしょうか。20節から22節です。
創
8:20 ノアは主のために祭壇を築いた。そしてすべての清い家畜と清い鳥のうちから取り、焼き尽くす献げ物として祭壇の上にささげた。
創
8:21 主は宥め(なだめ)の香りをかいで、御心に言われた。「人に対して大地を呪うことは二度とすまい。人が心に思うことは、幼いときから悪いのだ。わたしは、この度したように生き物をことごとく打つことは、二度とすまい。
創
8:22 地の続くかぎり、種蒔きも刈り入れも/寒さも暑さも、夏も冬も/昼も夜も、やむことはない。」
ノアが最初にしたことは、主のために祭壇を築いた事でした。そして神様に感謝の捧げものをしたのです。それは全ての清い家畜と、清い鳥の内から取り、焼き尽くす捧げものとして祭壇の上に捧げたのです。ノアは何よりも神様に捧げものを捧げることを優先したのです。家を建てるのでもなく、食料を集めるのでもなく、その前に祭壇を築いたのでした。
ここでちょっと不思議に思うのは、船に乗せた動物たちが一つがいずつだったとしたら、ここでその動物を焼き尽くす捧げものとしてささげたならば、もう繁殖する動物がいなくなるのではないかと言う事です。それで、きっと清い動物は7つがい箱舟に入れたという話が出てきたのではないかと思います。神様に捧げられる動物は清い家畜としてどんなものか決まっていました。蹄が割れていて反芻するものとかいろいろあったのです。ですから馬や豚は神様には捧げられませんでした。鳥で捧げることのできたのは鳩だけですから、清い鳥とは鳩のことになります。
神様はノアがこのようにして、何よりも神様を優先して捧げものを捧げ、神様をなだめたので、ほかの生き物たちを滅ぼしつくしたことを神様は反省したのです。実はノアと言う名前は、このなだめる、という語源から来ているのです。ノアと言うのは神様をなだめるものと言う意味があるのです。宥められた神様はこういいました。「人に対して大地を呪うことは二度とすまい。人が心に思うことは、幼いときから悪いのだ。わたしは、この度したように生き物をことごとく打つことは、二度とすまい。地の続くかぎり、種蒔きも刈り入れも/寒さも暑さも、夏も冬も/昼も夜も、やむことはない。」このように、もう二度と大地を呪い、人を呪って生き物をことごとく滅ぼすことはすまいと言うのです。人が悪いことを思うのはしょうがないことだと受け入れたのです。この言葉は実はノアに誓った言葉ではないのです。神様は御心に言われたのです。すなわち、自分の心に語った言葉なのです。このように二度と生き物を滅ぼしつくすことはすまいと言っていた言葉なのですが、私には気にかかることがあります。それでは終末の時に、すべてのものが滅ぼしつくされて、霊なる者だけが残るのはどのように考えればよいのだろうかと言う事です。これは私にはまだ理解できないことです。
結
ノアは、洪水のあと一年間水の上を漂い、ただ神様の次の言葉を待っていました。外は嵐で、もうほかに生きているものはなく、自分たちがどこへ運ばれていくのかもわからないノアの家族たちはどんなにか不安で、あったろうと思うのです。私に想像できるのはどこに向かっているかわからない宇宙船の中で、次の人類の世界を待っているような状況です。でもノアは神様の声を待ち続けました。それは、神様がノアの家族と動物たちに御心を止めてくださっていることを信じていたからでした。ノアが語る言葉はほとんどありません。ただノアは神様の語った言葉に従っただけでした。それが神様の怒りをなだめ、もう二度と生き物を滅ぼしつくすことはすまいと御心に語られることになったのです。ノアは何よりも神様を第一にしました。箱舟から下りて最初にしたことは、祭壇を築き、捧げものを捧げることでした。私たちも何よりもまずそのように神様の祭壇を築き日々の生活の捧げものを捧げることが、神様をなだめ、神様に良いものとされることになるのではないでしょうか。
(一分間黙想)(お祈り)
天の父なる神様。ノアの家族とえらばれた動物たちだけが生き残ることができました。そして1年間の試練の後、やっと水は引いて解放されました。ノアは神様の為さることには、何一つ逆らうことなく、ただみ言葉に従いました。ノアたちが箱舟を出て最初にしたことは神様の祭壇を築き捧げものをすることでした。ノアにとって、生きることとは神様に従うことであり、喜びとは神様に感謝をささげることだったのです。ここに私たちの信仰の原型を見ることができます。神様私たちもまた、何よりもまず、神様に捧げる、祭壇を築き、礼拝をするものでありますように。自分たちのことを優先することなく、ただ神様を優先し、捧げつくす人生を歩むことができますように。あなたと共に歩むものとさせてください。この祈りを、主イエス・キリストの御名によってお祈りいたします。アーメン
<<聖書の箇所(旧約聖書:◇創世記)>>
創 8:1 神は、ノアと彼と共に箱舟にいたすべての獣とすべての家畜を御心に留め、地の上に風を吹かせられたので、水が減り始めた。
創 8:2 また、深淵の源と天の窓が閉じられたので、天からの雨は降りやみ、
創 8:3 水は地上からひいて行った。百五十日の後には水が減って、
創 8:4 第七の月の十七日に箱舟はアララト山の上に止まった。
創 8:5 水はますます減って第十の月になり、第十の月の一日には山々の頂が現れた。
創 8:6 四十日たって、ノアは自分が造った箱舟の窓を開き、
創 8:7 烏を放した。烏は飛び立ったが、地上の水が乾くのを待って、出たり入ったりした。
創 8:8 ノアは鳩を彼のもとから放して、地の面から水がひいたかどうかを確かめようとした。
創 8:9 しかし、鳩は止まる所が見つからなかったので、箱舟のノアのもとに帰って来た。水がまだ全地の面を覆っていたからである。ノアは手を差し伸べて鳩を捕らえ、箱舟の自分のもとに戻した。
創 8:10 更に七日待って、彼は再び鳩を箱舟から放した。
創 8:11 鳩は夕方になってノアのもとに帰って来た。見よ、鳩はくちばしにオリーブの葉をくわえていた。ノアは水が地上からひいたことを知った。
創 8:12 彼は更に七日待って、鳩を放した。鳩はもはやノアのもとに帰って来なかった。
創 8:13 ノアが六百一歳のとき、最初の月の一日に、地上の水は乾いた。ノアは箱舟の覆いを取り外して眺めた。見よ、地の面は乾いていた。
創 8:14 第二の月の二十七日になると、地はすっかり乾いた。
創 8:15 神はノアに仰せになった。
創 8:16 「さあ、あなたもあなたの妻も、息子も嫁も、皆一緒に箱舟から出なさい。
創 8:17 すべて肉なるもののうちからあなたのもとに来たすべての動物、鳥も家畜も地を這うものも一緒に連れ出し、地に群がり、地上で子を産み、増えるようにしなさい。」
創 8:18 そこで、ノアは息子や妻や嫁と共に外へ出た。
創 8:19 獣、這うもの、鳥、地に群がるもの、それぞれすべて箱舟から出た。
創 8:20 ノアは主のために祭壇を築いた。そしてすべての清い家畜と清い鳥のうちから取り、焼き尽くす献げ物として祭壇の上にささげた。
創 8:21 主は宥め(なだめ)の香りをかいで、御心に言われた。「人に対して大地を呪うことは二度とすまい。人が心に思うことは、幼いときから悪いのだ。わたしは、この度したように生き物をことごとく打つことは、二度とすまい。
創 8:22 地の続くかぎり、種蒔きも刈り入れも/寒さも暑さも、夏も冬も/昼も夜も、やむことはない。」