家庭礼拝 2019年5月29日 黙示録 12:1-18 女と竜
起
いよいよ黙示録は後半に入り始めました。11章迄は地上で起こる災いの出来事でしたが、12章からは天上での戦いに入ります。それも竜や、恐ろしい獣が出てきて、世界を支配しようとしているのです。11章までで人の歴史は終わり、神様の支配がはじまったはずです。「この世の国は、われらの主と、そのメシアのものとなった。主は世よ限りなく統治される」と様々な大声がこう言ったはずです。ですが戦いはまだ終わったわけではなく、ここからは本当に黙示的な、幻によって、その戦いが示されるのです。
黙示録の中心は13章だと言われています。そこには二匹の獣が海からと、地中からやって来て、聖なるものたちと戦って、これに勝つことを許されるのです。そして、イエス様を信じない者たちは皆この2匹の獣を拝むようになるのです。この獣とはローマの様な強大な支配者を表しています。
今日の聖書の個所は、そこに行く前の前哨戦です。そこには女と竜が出てきます。この女とはイエス様をはらんでイエス様を産み落とす女です。ですがそれはマリア様と言う事ではありません。それはもっと大きくイエス様を生み出す大元になった力です。それは教会を意味するものか、神の民を意味するもののようです。そしてこの竜とはイエス様を亡き者にしようとする、サタンの力です。ここに救い主を生み出そうとする力と、それを抹殺しようとする力の戦いがあるのです。竜と女の色々な争いの出来事があるのですが、その一つ一つが一体何を意味しているのかを味わいながら読んでいきたいと思います。
承
まず、1節と2節です。天に大きなしるしが現れたとあります。何のしるしでしょうか。こう記されています。
黙
12:1 また、天に大きなしるしが現れた。一人の女が身に太陽をまとい、月を足の下にし、頭には十二の星の冠をかぶっていた。
黙
12:2 女は身ごもっていたが、子を産む痛みと苦しみのため叫んでいた。
ここに描かれている女の人は、マリア様ではありません。宇宙をまとった女神さまです。12の星の冠とは、12星座を冠とする女神の描き方です。そして、体は光を衣のようにまとっていたことを表すため、身に太陽をまとい、月を足の下にしていたと描いているのです。この女の人は身ごもっており、子を産む痛みと苦しみのため叫んでいたとあります。このとき、救い主のあらわれるのを待ち望んで、痛みと苦しみの中に叫んでいたのは、救い主を心から待ち望んでいた神の民です。ですから、この女の人は、救い主の誕生を待ち望む神の人々の願いであり、それが、もう身ごもってもうすぐ生まれ出そうなところまできていると言う事です。
天にはもう一つのしるしが現れたとあります。それはその救い主に対抗する、邪悪な力です。3節と4節です。
黙 12:3 また、もう一つのしるしが天に現れた。見よ、火のように赤い大きな竜である。これには七つの頭と十本の角があって、その頭に七つの冠をかぶっていた。
黙 12:4 竜の尾は、天の星の三分の一を掃き寄せて、地上に投げつけた。そして、竜は子を産もうとしている女の前に立ちはだかり、産んだら、その子を食べてしまおうとしていた。
もう一つ現れたしるしとは、火のように赤い大きな竜であったと言います。この竜には7つの頭と10本の角があって、その頭に7つの冠をかぶっていたと言います。この竜は反キリストを意味します。火のように赤い大きな竜と言うのはその力がいかに強く、残忍なものであるかを表しています。この竜はその時代のローマの支配を物語っています。7つの頭とはその頭に冠をかぶった、7人のローマの皇帝です。10本の角とは、10人の王を表しています。そのような時代の権力は、竜の尾で、天の星の3分の一をはき寄せて地上に投げつけるほどの力を持っていたのです。そしてその竜は、女が子供を産んだなら、その子を食べてしまおうとしていたのです。聖書では、キリストを殺そうとしていたのはユダヤ人たちであったのですが、この黙示では、キリストを殺そうとしているのは、各時代の権力です。ここにはキリストが生まれる背景になる人々の聖なる願いと、この世の欲望を表す、強大な権力との戦いと言う構図をとっているのです。
さて、子供は無事に生まれたのでしょうか。5節と6節です。
黙 12:5 女は男の子を産んだ。この子は、鉄の杖ですべての国民を治めることになっていた。子は神のもとへ、その玉座へ引き上げられた。
黙 12:6 女は荒れ野へ逃げ込んだ。そこには、この女が千二百六十日の間養われるように、神の用意された場所があった。
女は男の子を無事に生んだのです。そしてその子は鉄の杖ですべての国民を治めることになっていたとありますから、救い主イエス様を表しています。そしてその子はすぐに神様のもとへ、その玉座へ引き上げられたとあります。イエス様はまず、神様のもとにおられたのです。ですから、イエス様はそこから、のちの時代にマリヤを通して、この世に再び生まれてきたのです。この女は、神様の子をはらんで、その子を産み落とし、神様のもとに返したのです。
子を産んだ女は荒れ野へ逃げ込んだとあります。竜はまだこの女を殺そうとしていたのです。この女には1260日の間養われるように、神様の用意された場所があったのです。逃れの場所があったのです。1260日とはまた出てきましたが、3年半のことで、この期間はしばらくの間と理解できます。この3年半とはローマの皇帝がエルサレムの神殿をけがして、ユダヤ教を抹殺しようとした期間を指しているともいわれています。それで人々は荒野に逃れて、そこで信仰を守ったと言う事です。
転
地上で、女と竜の争いが起こっているときに、天上でも別の戦いがあったのです。それは天使ミカエルと竜との戦いです。7節から10節です。
黙 12:7 さて、天で戦いが起こった。ミカエルとその使いたちが、竜に戦いを挑んだのである。竜とその使いたちも応戦したが、
黙 12:8 勝てなかった。そして、もはや天には彼らの居場所がなくなった。
黙 12:9 この巨大な竜、年を経た蛇、悪魔とかサタンとか呼ばれるもの、全人類を惑わす者は、投げ落とされた。地上に投げ落とされたのである。その使いたちも、もろともに投げ落とされた。
黙 12:10 わたしは、天で大きな声が次のように言うのを、聞いた。「今や、我々の神の救いと力と支配が現れた。神のメシアの権威が現れた。我々の兄弟たちを告発する者、/昼も夜も我々の神の御前で彼らを告発する者が、/投げ落とされたからである。
この竜とは、天上にいたのです。ですから天使の一種なのです。すなわちサタンなのです。サタンはもともと天使であったのですが、神様に敵対して、天から落とされたものです。その様に、この竜は新しく生まれる救い主に敵対して、大天使ミカエルたちと争うことになったのです。これは一対一の戦いではなく、ミカエル軍と竜の軍との戦いです。竜たちは結局、ミカエルたちと戦って、勝つことができませんでした。そして、もう天にはおれなくなったのです。
ここでこの巨大な竜とは何かを語っています。これは、年を経た蛇、悪魔とかサタンとか呼ばれるもの、全人類を惑わす者、と言われて、サタンであることがはっきりと語られているのです。そして、天上ではこのように言われているのを聞いたと言います。それは、「今や、我々の神の救いと力と支配が現れた。神のメシアの権威が現れた。我々の兄弟たちを告発する者、/昼も夜も我々の神の御前で彼らを告発する者が、/投げ落とされたからである。」と言われたというのです。このサタンがサタンとなる前は天使として何をしていたかと言うと、神様の近くにいて、人々を告発する役目を持っていたのです。このサタンは、救い主と、その救い主を信じる人々を非難して、神様に告げ口をしていたのです。この者たちは本当に神様を信じる者ではないと告げ口をしていたのです。ですが今や彼らは地上に投げ落とされて、天上には、我々の救いと力と支配とが現れた。神のメシアの権威が現れたと、賛美しているのです。
一方信者たちはどうしていたでしょうか。11節と12節です。
黙 12:11 兄弟たちは、小羊の血と/自分たちの証しの言葉とで、/彼に打ち勝った。彼らは、死に至るまで命を惜しまなかった。
黙 12:12 このゆえに、もろもろの天と、/その中に住む者たちよ、喜べ。地と海とは不幸である。悪魔は怒りに燃えて、/お前たちのところへ降って行った。残された時が少ないのを知ったからである。」
ここで、兄弟たちは、小羊の血と/自分たちの証しの言葉とで、/彼に打ち勝った。彼らは、死に至るまで命を惜しまなかった、とあります。この兄弟たちは死んでしまったのです。ですが彼に打ち勝ったと言います。すなわち、殉教の死は勝利なのです。最後まで信じて証をするものはたとえ死んでも、それは勝利なのです。だから天とその中に住むものは喜べ、と語ります。そこには悪魔はいなくなったのです。ですが、地と海とは不幸であると言われました。悪魔は地と海とに下って行ったのです。悪魔たちは自分たちが活動できる期間が短いことを知っていたのです。その間に悪あがきで、地と海とで、暴れようとしているのです。
竜はその後どうしたでしょうか。13節から18節です。
黙 12:13 竜は、自分が地上へ投げ落とされたと分かると、男の子を産んだ女の後を追った。
黙 12:14 しかし、女には大きな鷲の翼が二つ与えられた。荒れ野にある自分の場所へ飛んで行くためである。女はここで、蛇から逃れて、一年、その後二年、またその後半年の間、養われることになっていた。
黙 12:15 蛇は、口から川のように水を女の後ろに吐き出して、女を押し流そうとした。
黙 12:16 しかし、大地は女を助け、口を開けて、竜が口から吐き出した川を飲み干した。
黙 12:17 竜は女に対して激しく怒り、その子孫の残りの者たち、すなわち、神の掟を守り、イエスの証しを守りとおしている者たちと戦おうとして出て行った。
黙 12:18 そして、竜は海辺の砂の上に立った。
竜は地上に投げ落とされてからは、男の子を生んだ女の後を追いました。これは地上の権威であるローマが信者を迫害したと言う事です。ですが女には大きな鷲の翼が二つ与えられて、荒れ野にある自分の場所に飛んで行って、竜から逃れたとあります。大きなわしの翼とは神様の導きの手です。信者たちは迫害を逃れて、神様の導きのままに荒野に逃れたのです。そして一年、そのあと2年、又そのあと半年の間、すなわちいつも出てくる3年半の間、その荒れ野で神様に養われていたのです。
蛇は口から川のように水を女の後ろに吐き出して、女を押し流そうとしたとあります。この荒れ野とはエジプトの荒れ野であり、川のような水とはナイル川のようです。ですがその水は女を押し流す事は出来ませんでした。吐き出した水が、大地に吸い込まれて、その川の水を飲みほしたからです。そして、今度は竜は女を襲うのではなくその子孫の残りのの者たち、すなわち、神の掟を守り、イエスの証しを守りとおしている者たちと戦おうとして出て行った、と言います。このサタンは、救い主を生み出した人々ではなくて、その後継者の人々と戦おうとしたのです。そして、この竜は海辺の砂の上に立ったのです。この竜の戦いはまだまだ続くのです。すなわち信仰者への迫害はまだまだ続くのです。
結
今日の聖書の個所は、イエス様の救いを求める人々と、それに対立する人々の物語を、竜と女の戦いとして、聞くことができました。その信仰者の歩みは何時も困難に満ちていました。ですが、最後まで、その勝利を信じて歩むことができるように、この黙示録は書かれました。そして、彼らにとって、死こそ勝利なのです。最後まで信仰を持ち続けるものが勝利者なのです。殉教者は敗北者ではなく、勝利者なのです。そのことをこの章では強く語っています。そしてともに迫害にある人々を励ましているのです。
(一分間黙想)(お祈り)
天の父なる神様、この世には、神の民と、それに抵抗する者との戦いがあります。それはイエス様が世に現れる前からありました。その中で、人々は救い主が現れるのを待ち望み、イエス様のみ言葉を信じて、最後まで、命を懸けて信仰を守り通しました。このように貴重で大切な信仰を私たちが引き継いでいることを思います。私たちの周りにもこの竜がうごめいているかもしれません。それに恐れをなすことなく信仰を貫き通すことができますように。どうかあなたが私たちを導いてください。この祈りを、主イエス・キリストの御名によってお祈りいたします。アーメン
<<聖書の箇所(新約聖書:◇ヨハネの黙示録)>>
◆女と竜
黙 12:1 また、天に大きなしるしが現れた。一人の女が身に太陽をまとい、月を足の下にし、頭には十二の星の冠をかぶっていた。
黙 12:2 女は身ごもっていたが、子を産む痛みと苦しみのため叫んでいた。
黙 12:3 また、もう一つのしるしが天に現れた。見よ、火のように赤い大きな竜である。これには七つの頭と十本の角があって、その頭に七つの冠をかぶっていた。
黙 12:4 竜の尾は、天の星の三分の一を掃き寄せて、地上に投げつけた。そして、竜は子を産もうとしている女の前に立ちはだかり、産んだら、その子を食べてしまおうとしていた。
黙 12:5 女は男の子を産んだ。この子は、鉄の杖ですべての国民を治めることになっていた。子は神のもとへ、その玉座へ引き上げられた。
黙 12:6 女は荒れ野へ逃げ込んだ。そこには、この女が千二百六十日の間養われるように、神の用意された場所があった。
黙 12:7 さて、天で戦いが起こった。ミカエルとその使いたちが、竜に戦いを挑んだのである。竜とその使いたちも応戦したが、
黙 12:8 勝てなかった。そして、もはや天には彼らの居場所がなくなった。
黙 12:9 この巨大な竜、年を経た蛇、悪魔とかサタンとか呼ばれるもの、全人類を惑わす者は、投げ落とされた。地上に投げ落とされたのである。その使いたちも、もろともに投げ落とされた。
黙 12:10 わたしは、天で大きな声が次のように言うのを、聞いた。「今や、我々の神の救いと力と支配が現れた。神のメシアの権威が現れた。我々の兄弟たちを告発する者、/昼も夜も我々の神の御前で彼らを告発する者が、/投げ落とされたからである。
黙 12:11 兄弟たちは、小羊の血と/自分たちの証しの言葉とで、/彼に打ち勝った。彼らは、死に至るまで命を惜しまなかった。
黙 12:12 このゆえに、もろもろの天と、/その中に住む者たちよ、喜べ。地と海とは不幸である。悪魔は怒りに燃えて、/お前たちのところへ降って行った。残された時が少ないのを知ったからである。」
黙 12:13 竜は、自分が地上へ投げ落とされたと分かると、男の子を産んだ女の後を追った。
黙 12:14 しかし、女には大きな鷲の翼が二つ与えられた。荒れ野にある自分の場所へ飛んで行くためである。女はここで、蛇から逃れて、一年、その後二年、またその後半年の間、養われることになっていた。
黙 12:15 蛇は、口から川のように水を女の後ろに吐き出して、女を押し流そうとした。
黙 12:16 しかし、大地は女を助け、口を開けて、竜が口から吐き出した川を飲み干した。
黙 12:17 竜は女に対して激しく怒り、その子孫の残りの者たち、すなわち、神の掟を守り、イエスの証しを守りとおしている者たちと戦おうとして出て行った。
黙 12:18 そして、竜は海辺の砂の上に立った。