家庭礼拝 2018年5月23日 テトス2:1-15 健全な教え

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起 

テトスは、パウロの信仰によるまことの子と呼ばれ、パウロによって、クレタに残されてきました。その目的はまず、クレタの町々の教会に、長老をおいて、しっかりと教会を管理する事でした。ですがクレタ人は、嘘つきで怠惰な人々だと言う事が問題になったのです。そして、今日の2章に入ります。

それは、一章でクレタ人はうそつきだという言葉を受けて、「しかし、あなたは健全な教えにかなう事を語りなさい。」と言って、教会に集う人々が、どのように教会生活、日常の生活を歩むべきかを、このように語りなさいと言って教え始めたのが、今日の聖書の箇所となります。それは、具体的に、年老いた男性、年老いた女性、若い男、奴隷がどのような点に注意して、信仰生活を歩んで行ったらよいのかを語っているのです。ですから、これをしっかり理解すると、私たちの日常の信仰生活にとって、どのように生きればよいのか、どのような点に注意すればよいのかが良く分かるのです。

この説明の中で、ちょっと気になったのは若い男の人に語る言葉はあるのに、若い女の人に語る言葉はないのです。もしかすると若い女の人達はまだ一人前には見られていなかったのかもしれません。その点、年老いた女の人達は、その当時の教会活動の中心を担って働いていましたので、若い女の人はその年老いた人たちの行いを見て従うようにと言うつもりで書いているのかもしれません。

パウロはまず、個別の話をする前にこう切り出しました。1節です。

テト 2:1 しかし、あなたは、健全な教えに適うことを語りなさい。

ここで健全な教えとは何かということになります。この当時の教会ではグノーシス的な教えの異端がはびこっていましたので、そのことが不健全な教えだと言う事になりますが、広くとらえれば、イエス様が教えた教え、御心にかなう教えが健全な教えであり、そうでない教えや罪となる教えは健全ではないと言う事になります。この後の話の展開を考えると、罪となることはしてはいけない、御心にかなう良い業をしなさいと言うことが健全な教えと言う事になります。そしてそれが具体的にどういうことかというと、パウロはそれぞれの立場の人に分けて、語っているのです。

まず最初は年老いた男性たちです。教会では最も重んじられるべき人々です。2節でこう語りました。

テト 2:2 年老いた男には、節制し、品位を保ち、分別があり、信仰と愛と忍耐の点で健全であるように勧めなさい。

 パウロがこのように語る背景には、それと反対の現実があることを理解しなければなりません。今の時代でもそうですが、年老いた老人というのは頑固になりやすく、短気になり、恥じらいを忘れ、人の言う事を聞かず、自分勝手にやってしまう傾向にあるのです。ですから、パウロは、節制し、品位を保ち、分別を持つように勧めなさいと言うのです。この節制するという意味にはもともと酒を飲みすぎないようにという意味があるようですが、次の年老いた女性に対しても、酒におぼれないようにと言う事が語られています。それほど、酒に対して節制することは大切だったのです。そしてこれらを健全に実行していくためには、信仰と愛と忍耐をもって、節制し、品位を保ち、分別を持って行きなさい、クリスチャンらしい生活をしなさいと言っているのです。この信仰と愛と忍耐がなければ、とても難しい事だと思います。

次に指導しているのは、年老いた女性に対してです。この言葉も当時の年老いた女性たちが、どのような現実の生活をしていたのかを思い起こして読まないと、ただの教訓書となってしまいます。当時の年老いた女性は、教会の重要な働きを担っている人たちが多かったのです。3節から5節です。

テト 2:3 同じように、年老いた女には、聖なる務めを果たす者にふさわしくふるまい、中傷せず、大酒のとりこにならず、善いことを教える者となるように勧めなさい。

テト 2:4 そうすれば、彼女たちは若い女を諭して、夫を愛し、子供を愛し、

テト 2:5 分別があり、貞潔で、家事にいそしみ、善良で、夫に従うようにさせることができます。これは、神の言葉が汚されないためです。

 ここで語られている年老いた女性たちの現実はどうだったのでしょうか。それは、集まれば人の悪口を言い、酒を飲みすぎて、悪いことを教えたりするような人が多かったのです。すなわち、女の人は年を取ると厚かましく、恥知らずになりやすいと言う事です。ですから、パウロはその様な年老いた女性たちに対して、あなたたちは、教会の大切な働きをする、聖なる務めを担っているのですから、それにふさわしく、人の悪口を言わず、酒におぼれず、善いことを教えるようになりなさい、と言っているのです。そして、そうすれば、その様な年老いた女性たちは、若い女性たちをも教え諭して、夫を愛し、子供を愛し、分別があり、貞潔で、家事にいそしみ、善良で、夫に従うようにさせることができます、と言っています。ここでは若い女性たちに対しての言葉は直接はないのですが、若い女性たちは、年老いた女性たちが教え諭すように、夫を愛し、子供を愛し、分別があり、貞潔で、家事にいそしみ、善良で、夫に従うようにしなさい、と言う事を間接的に言っているのです。

では、若い男たちの現実の生活はどうだったのでしょうか。パウロの勧めの言葉から、その現実を見てみましょう。6節から8節です。

テト 2:6 同じように、万事につけ若い男には、思慮深くふるまうように勧めなさい。あなた自身、良い行いの模範となりなさい。教えるときには、清廉で品位を保ち、

テト 2:8 非難の余地のない健全な言葉を語りなさい。そうすれば、敵対者は、わたしたちについて何の悪口も言うことができず、恥じ入るでしょう。

 若い男の人達に対しては、思慮深くふるまうように勧めなさい、とだけしか言われていません。ですがここには、若い男たちの思慮深くない多くの行動が含まれているのです。若いために、無鉄砲であり、経験が少ないために、極端に走りやすく、よく考えてすれば問題とならないことを、間違えてやってしまうのです。ですからパウロは若い男の人達は落ち着いて思慮深くあるように勧めなさいと言っているのです。この落ち着いて思慮深い人の代表は、実はテトスなのです。ですからパウロは、あなた自身、善い行いの模範となりなさい、と語りました。ですがそのように教えると言う事は、嫌われたり、敵愾心を持たれたりします。特にそのように教えるとは、その相手の罪を指摘して、立ち直らせることですから、若いテモテには大変な事なのです。ですからパウロは、教えるときには、清廉で品位を保ち、

非難の余地のない健全な言葉を語りなさい。そうすれば、敵対者は、わたしたちについて何の悪口も言うことができず、恥じ入るでしょう、と言ったのです。若い男の人達にはテモテと同じように、清廉で品位を保つこともまた、間接的に求められているのです。ここで語られている、年老いた男の人、年老いた女の人、若い男たちに対して、パウロは一言で言うと、クリスチャンとしての品位を保つように、勧めなさい、と言う事を言っているのです。

 奴隷もまた、教会の有力な構成員でした。教会は人々を差別なく受け入れ、赦しと祝福を与える場所であったので、虐げられていた奴隷たちは教会に集まるようになったのです。そこで、主人に仕える奴隷たちに一つの問題が起こりました。それは主人がクリスチャンであるかクリスチャンでないかと言う事でした。それがどちらであっても問題となりやすかったのです。それでパウロは、いずれにしても、奴隷の人は主人に忠実に服従しなさいと勧めました。9節と10節です。

テト 2:9 奴隷には、あらゆる点で自分の主人に服従して、喜ばれるようにし、反抗したり、

テト 2:10 盗んだりせず、常に忠実で善良であることを示すように勧めなさい。そうすれば、わたしたちの救い主である神の教えを、あらゆる点で輝かすことになります。

奴隷と言っても何時も鎖につながれて、強制労働をしているわけではなく、いわゆる僕として、比較的自由に生活する事は出来たのです。ですがその人は主人の所有物であり、売ったり買ったりすることが出来たのです。その奴隷の主人がクリスチャンでないと、奴隷の態度が悪いと、キリスト教と言うのは悪い教えだと思われ、品位のある善良な態度をとるようになると、その奴隷自信が主人への宣教を行っているようなもので、大きな働きをすることがあるのです。

また一方で主人がクリスチャンであると、奴隷がクリスチャンであることに理解を示しますが、奴隷の方から見ると、主人も奴隷も皆平等だと教えられているではないかと、主人を軽く見たり、批判したりして、品位のない不従順な態度をとるようになります。

そこでパウロは奴隷としての信仰生活を、あらゆる点で自分の主人に服従して、喜ばれるようにしなさいと、勧めたのです。その様にするのが、主人がクリスチャンであってもなくても一番良い事だと言ったのです。そして、奴隷は主人に反抗したり、盗んだりせず、常に忠実で善良であることを示すように勧めなさいとも言いました。そうすることが、彼らの救い主である神様の教えを、あらゆる点で輝かすことになります、と言ったのです。いずれにしても、自分の主人に忠実に仕え、品位をもって従うことが、神様の栄光を現し輝かす行動となるのだと言う事を、テトスに語ったのです。

 パウロがこのように、教会に属する人々に勧めを語ったのは、神様の恵みが現れたからだと言いました。そしてこのように言ったのです。11節から15節です。

テト 2:11 実に、すべての人々に救いをもたらす神の恵みが現れました。

テト 2:12 その恵みは、わたしたちが不信心と現世的な欲望を捨てて、この世で、思慮深く、正しく、信心深く生活するように教え、

テト 2:13 また、祝福に満ちた希望、すなわち偉大なる神であり、わたしたちの救い主であるイエス・キリストの栄光の現れを待ち望むように教えています。

テト 2:14 キリストがわたしたちのために御自身を献げられたのは、わたしたちをあらゆる不法から贖い出し、良い行いに熱心な民を御自分のものとして清めるためだったのです。

テト 2:15 十分な権威をもってこれらのことを語り、勧め、戒めなさい。だれにも侮られてはなりません。

 パウロが今まで語ったような勧めを実行するように語っても、それは私にはできないという人も出てくると思うのです。ですがパウロは、すべての人々に救いをもたらす神の恵みが現れましたと語ります。この恵みが、私たちにそのことを可能にして下さるというのです。その恵みは、わたしたちが不信心と現世的な欲望を捨てて、この世で、思慮深く、正しく、信心深く生活するように教えてくれるというのです。その恵みの教えに従って行けばできるのです。そしてその恵みは私たちに、祝福に満ちた希望、すなわち偉大なる神であり、わたしたちの救い主であるイエス・キリストの栄光の現れを待ち望むように教えているのだと語りました。恵みによって、キリストの再臨を待ち望みつつ、正しく信心深く生活するようになると言っているのです。それは恵みによるのですから、自分の努力や力によるのではないのです。神様の恵みによって導かれてそうなるのです。

 そして、パウロはキリストの十字架についても語りました。なぜイエス・キリストは十字架についたのか、それは、わたしたちをあらゆる不法から贖い出し、良い行いに熱心な民を御自分のものとして清めるためだったのだというのです。私たちはそのことによって、恵みを受けて、思慮深く、正しく、信心深く生活することができるというのです。パウロはテトスにこの事を、十分な権威をもってこれらのことを語り、勧め、戒めなさい。だれにも侮られてはなりません、と語りました。イエス・キリストの十字架の救いについて語ると、それにすぐに対抗するような考えを持ち出す人々が教会の中にいたからです。ですから、誰にも侮ら得ないような、十分な権威をもってこれらの事を語り、勧め、戒めなさいと言ったのです。

 若いテトスにとって、パウロの勧めを教会の中で語るのは大変だったろうと思います。テトスの若さゆえに軽んじられ、教会の異端的な考えの中で批判され、平気でうそをつくクレタ人の中で、真実を語るのは大変だったのです。でもパウロはテトスに、イエスキリストの福音をしっかりと伝えるようにと語りました。そして、クリスチャンとしての品位をもって生活していくようにと勧めたのです。この様な牧会教育が何百年もなされていく中で、今の教会が出来上がり、私たちの信仰が受け継がれてきたことを、神様に感謝します。それこそ、神の恵みはそこに現れたのです。

 

(一分間黙想)(お祈り)

天の父なる神様、パウロは、テトスに教会の人々に語るべきことを伝えました。それはクリスチャンとして、品性のある信仰生活をしなさいと言う事であり、神の恵みが現れたので、私たちはそのことによって、救われ、品性ある信仰生活が出来るようになることを教えられました。私たちはその恵みによって生かされているのです。神様、どうか私たちがその恵みを信じて、あなたにふさわしいものとして、その信仰生活を、日々の生活を正しく敬虔に送ることができますように導いてください。あなたの恵みがすべての人の上にありますように。この祈りを、主、イエスキリストの御名によってお祈りいたします。

 

 

 

 


<<聖書の箇所(新約聖書:◇テトスへの手紙)>>

◆健全な教え

テト 2:1 しかし、あなたは、健全な教えに適うことを語りなさい。

テト 2:2 年老いた男には、節制し、品位を保ち、分別があり、信仰と愛と忍耐の点で健全であるように勧めなさい。

テト 2:3 同じように、年老いた女には、聖なる務めを果たす者にふさわしくふるまい、中傷せず、大酒のとりこにならず、善いことを教える者となるように勧めなさい。

テト 2:4 そうすれば、彼女たちは若い女を諭して、夫を愛し、子供を愛し、

テト 2:5 分別があり、貞潔で、家事にいそしみ、善良で、夫に従うようにさせることができます。これは、神の言葉が汚されないためです。

テト 2:6 同じように、万事につけ若い男には、思慮深くふるまうように勧めなさい。あなた自身、良い行いの模範となりなさい。教えるときには、清廉で品位を保ち、

テト 2:8 非難の余地のない健全な言葉を語りなさい。そうすれば、敵対者は、わたしたちについて何の悪口も言うことができず、恥じ入るでしょう。

テト 2:9 奴隷には、あらゆる点で自分の主人に服従して、喜ばれるようにし、反抗したり、

テト 2:10 盗んだりせず、常に忠実で善良であることを示すように勧めなさい。そうすれば、わたしたちの救い主である神の教えを、あらゆる点で輝かすことになります。

テト 2:11 実に、すべての人々に救いをもたらす神の恵みが現れました。

テト 2:12 その恵みは、わたしたちが不信心と現世的な欲望を捨てて、この世で、思慮深く、正しく、信心深く生活するように教え、

テト 2:13 また、祝福に満ちた希望、すなわち偉大なる神であり、わたしたちの救い主であるイエス・キリストの栄光の現れを待ち望むように教えています。

テト 2:14 キリストがわたしたちのために御自身を献げられたのは、わたしたちをあらゆる不法から贖い出し、良い行いに熱心な民を御自分のものとして清めるためだったのです。

テト 2:15 十分な権威をもってこれらのことを語り、勧め、戒めなさい。だれにも侮られてはなりません。