賛美歌461み恵みゆたけき 聖書朗読 祈り 奨励説教 一分黙想 全員祈り 主の祈り 賛美歌463わが行く道
起
今日でテモテ第二の手紙は終わります。パウロの最後に書かれた手紙の最後の箇所となります。今日の聖書の箇所には、教会関係者の名前が沢山出てきます。先週までのところで、パウロは自分がテモテに伝えたい、教会での大切な働きについて、すべて語りつくしました。そして、今日の聖書の箇所では、教会に関係する各個人について、名前をあげていろいろと語り出しました。そこにはお礼や、警戒すべき人や、挨拶やいろいろ人間社会の種種雑多な事が書かれています。ですから、手紙の形式としては、本題が終わり、追伸として、いろいろ身近な事を語っていると言った様子です。
パウロはこの時、裁判にかけられているようです。そしてそこには仲間だと思っていた人が裏切ったり、協力してくれなかったり、本当の協力者とそうでない人がはっきりしたりしています。パウロは罪人として裁判にかけられているので、その友人として弁護の立場に立つことはとても危険だったのだと思います。パウロはこの時のことを、「皆わたしを見捨てました。彼らにその責めが負わされませんように。」と語っています。自分を見捨てた人たちを赦すと言っているのです。これはイエス様が十字架の上で、父よ、彼らをお許しください。自分が何をしているのか知らないのですと、語った時の様な、贖罪の言葉に思えます。この手紙を残して、パウロは、この世の生命を終えるのです。
承
パウロはこの時、助けを必要としていました。その裁判のための助か、御言葉を伝えたいがための助けかその様子は良く分かりませんが、今までパウロの側にいた人たちが皆いなくなり、ルカだけになったので助けに来てくださいとテモテに呼びかけているのです。9節から11節です。
2テモ
4:9 ぜひ、急いでわたしのところへ来てください。
2テモ
4:10 デマスはこの世を愛し、わたしを見捨ててテサロニケに行ってしまい、クレスケンスはガラテヤに、テトスはダルマティアに行っているからです。
2テモ
4:11 ルカだけがわたしのところにいます。マルコを連れて来てください。彼はわたしの務めをよく助けてくれるからです。
パウロは、9節で、ぜひ急いで私のところへ来てください、と、今までの手紙の論調とは違った形で、個人的な事を語り出しました。その理由は、今までパウロの近くにいて助けてくれた人々がいなくなったからというのです。まず、デマスの事が書かれています。この事はきっとパウロにはショックだったのです。このデマスは、コロサイ人への手紙の最後のあいさつでは、4章の14節で、「愛する医者ルカと、デマスも、あなた方によろしくと言っています。」と書かれています。きっとルカと一緒になってパウロを助けていた人なのです。それがデマスはこの世を愛し、私を見捨ててテサロニケに行ってしまったと言っているのです。信仰を持ちながらいろいろな苦難にあっているパウロを見ていて、信仰を続けるのが嫌になったのかもしれません。デマスは信仰よりもこの世を愛してしまったのです。私たちも何時こうなるかわからないものです。
次にクレケンスとテトスの名前が出てきます。クレケンスと言う人はどんな人なのかは全く分かりませんが、きっとパウロの使命を帯びて、ガラテヤに旅立っているのでしょう。もう一人のテトスの方は、テトスへの手紙が残っているように、その冒頭の挨拶に、「信仰を共にするまことの子テトスへ、」と書かれており、パウロの忠実な協力者、むしろ息子として描かれています。そのテトスもまた、何らかの理由で、パウロの下にはおらず、ダルマチィアと言うところに行っているのです。そして今残っているのはルカだけだというのです。ルカは医者なので、病気を持っているパウロの世話をしているのでしょう。このルカが後に詳しくルカによる福音書と、使徒言行録を書くことになります。それでパウロを助ける人が少ないので、パウロはテモテに、テモテだけでなく、マルコをもつれてきてくださいと言っています。マルコと言うのはマルコによる福音書を書いた人で、パウロとバルナバと一緒に第一次伝道旅行した時に、勝手に途中で帰ってしまい、パウロは第二次伝道旅行には連れて行かないと言ってバルナバと喧嘩し、マルコはバルナバと共に行動して、パウロとはその後一切接触がなかったのです。ですが、この最後の時になってマルコの名前が出てきました。パウロはマルコと和解をしていたのです。そしてマルコもまた、パウロの仕事を手伝っていたのです。パウロはマルコの力量を評価して、「彼はわたしの務めをよく助けてくれるからです。」と語っています。教会の中で、重要な働きをしていたのです。不思議なめぐりあわせのような気がします。
次に出てくる名前はティキコです。12節です。
2テモ
4:12 わたしはティキコをエフェソに遣わしました。
と書かれていますが、ティキコはパウロの手紙を携えていろいろな教会に行っていたのです。
コロサイ人への手紙もエフェソ人への手紙もこのティキコが持って行った手紙なのです。この時のエフェソへの旅も、そのような手紙を預かっていたのかもしれません。
ここまでの話は、テモテに「急いでわたしのところへ来てください。」と言う事を言うために書いていたのですが、今度は、来る時に外套をもってきてくださいと言う依頼をしています。13節です。
2テモ
4:13 あなたが来るときには、わたしがトロアスのカルポのところに置いてきた外套を持って来てください。また書物、特に羊皮紙のものを持って来てください。
この持ってきてほしいという外套とは、パウロがトロアスのカルポと言うところにおいてきた外套のようですが、それをぜひ持ってきてほしいと願っているのです。どうしてでしょうか。この外套と言うのは頭を入れるところだけがくりぬかれた、体をすっぽりとその外套の中に入れてしまう大きな外套なのです。きっとそれは暖かいのでしょう。反対に、パウロは今、とても寒い牢屋の中に捕らわれているのです。ですからその寒い牢屋の中にいて、その外套をぜひ持ってきてほしいと願い出ているのです。この文面だけではわからないパウロの大変さがあるのです。又パウロは一緒に書物をもってきてほしいと願っています。きっと聖書の類だと思います。その書物も特に羊皮紙のものをもってきてください、と言っています。当時、羊皮紙に書かれたものとは、半永久的に保存できるもので、高価なために、大切な書類に使われていました。きっとこれも聖書の類や、契約書の類だと思います。
次に、悪者とされる人の名前も挙げられています。14節15節です。
2テモ 4:14 銅細工人アレクサンドロがわたしをひどく苦しめました。主は、その仕業に応じて彼にお報いになります。
2テモ 4:15 あなたも彼には用心しなさい。彼はわたしたちの語ることに激しく反対したからです。
このアレクサンドロと言う人の名前は第一テモテの1章20節にも出てきます。そこでは、「ある人々は正しい良心を捨て、その信仰は挫折してしまいました。その中には、ヒメナイとアレクサンドロがいます。私は神を冒涜してはならないことを学ばせるために、彼らをサタンに引き渡しました。」と書かれています。このサタンに引き渡したという意味は、教会を破門したという意味です。この人は、銅細工人で、もともと教会にいた人なのです。ですから、教会の内部に詳しく、今裁判になっているパウロに対して、いろいろと誹謗中傷を言ったり、不利になる証言をしたのだと思います。ですからそのためにパウロはひどく苦しめられたのです。ですがパウロは自分から復讐しようとはせず、「主は、その仕業に応じて彼にお報いになります。」と語っています。これは旧約聖書にも書かれている『復讐はわたしのすること、わたしが報復する』という言葉を守り、自分から復讐しようとは考えていないのです。ですが、このアレクサンドロの名前は、永遠にこの聖書に残ることになるのです。そしてテモテにもこう忠告しました。「あなたも彼には用心しなさい。彼はわたしたちの語ることに激しく反対したからです。」テモテにも被害が及ばないように注意しなさいと言っているのです。それほどこのアレクサンドロの、誹謗中傷は激しかったのです。
パウロが、今裁判にかけられているというのは次の言葉から理解できます。16節と17節です。
2テモ 4:16 わたしの最初の弁明のときには、だれも助けてくれず、皆わたしを見捨てました。彼らにその責めが負わされませんように。
2テモ 4:17 しかし、わたしを通して福音があまねく宣べ伝えられ、すべての民族がそれを聞くようになるために、主はわたしのそばにいて、力づけてくださいました。そして、わたしは獅子の口から救われました。
これは、パウロの裁判で、パウロが証言したことに対して、それを裏付ける証人となってくれる人々が誰も現れてくれず、皆パウロを見捨ててしまったと言う事なのです。この人々は、罪人として裁かれているパウロの仲間とみられることを恐れて、裁判の証言に立つことを逃れようとしたのです。でもパウロはその事を恨みませんでした。「彼らにその責めが負わされませんように」と神様に執り成しの祈りをしているのです。その裁判はとても危険な状態になったのですが、主が私の側にいて、力づけてくださいましたとパウロは語っています。それは、わたしを通して福音があまねく宣べ伝えられ、すべての民族がそれを聞くようになるために、主はわたしのそばにいて、力づけて下さったと言う事なのです。その主の励ましによって、パウロは裁判の危険な状態、獅子の口から救われましたと語っています。
そしてパウロは感極まってこのように神様を賛美しました。18節です。
2テモ 4:18 主はわたしをすべての悪い業から助け出し、天にある御自分の国へ救い入れてくださいます。主に栄光が世々限りなくありますように、アーメン。
パウロには、主がすべての悪い業から救い出して下さる、そして天にある御国へ救い容れて下さるという思いに満たされたのです。パウロにとっての試練は、大きな賛美へと変わっていったのです。そして最後には、主に栄光が世々限りなくありますように、アーメン。と自然に神様を褒め称えたのです。
転
この手紙の最後は、パウロがいつもやるように、人々への挨拶で終わっています。19節と20節です。
2テモ 4:19 プリスカとアキラに、そしてオネシフォロの家の人々によろしく伝えてください。
2テモ 4:20 エラストはコリントにとどまりました。トロフィモは病気なのでミレトスに残してきました。
最初にプリスカとアキラという名前が出てきます。この二人はパウロの手紙には何度も出てくる、有名なパウロの支持者です。プリスカは妻で、アキラは夫です。ふつうは夫の方を先に書くのですが、プリスカの教会での働きは目覚ましいものがあったのだと思います。この手紙では妻のプリスカを先に書いています。この夫婦はいつも家庭を解放して、家の教会を提供していたのです。使徒言行録では、「アキラと言うユダヤ人とその妻プリスキラに出会った、」と最初に夫のアキラの名前を書いていますが、ローマの信徒への手紙ではこう書いています。「プリスカとアキラによろしく。命がけで私の命を守ってくれたこの人たちに、私だけでなく、異邦人のすべての教会が感謝しています。また、彼らの家に集まる教会の人々にもよろしく伝えてください。」ここでは妻のプリスカの名前が先になっており、命がけでパウロを守ったことを書いてあり、また、自分の家を教会として用いていたことも書かれています。ですからパウロにとってはとても大切な人だったのです。また、コリントの信徒への手紙にもあいさつに登場しており「アキラとプリスカが、その家に集まる教会の人々とともに、主においてあなた方にくれぐれもよろしくとのことです。」ここでは夫のアキラの方が先になり、やはり家の教会の事が書かれています。このように、プリスカとアキラの夫婦は異邦人教会にとってはとても大切な働きをした夫婦なのです。
次にオネシフォロと言う人が登場します。この人の場合は本人にではなく、オネシフォロの家の人々によろしく、と書いています。この人はこの手紙、テモテ第二の手紙の1章16節にも出てきて、パウロが囚人となって捕らわれているところ探し出して見つけ、しばしば励ましたことが書かれています。この時も家族を憐れんでくださいますようにと書いているので、本人は何かの理由できっと亡くなったのだと思います。
エラストはコリントにとどまりました、とコリントにいることだけを書いていますが、この人も使徒言行録の中にも一度登場します。エフェソでの騒動にパウロが巻き込まれる前に、パウロはテモテとエラストの二人をマケドニア州に送り出したことが書かれています。ですから、テモテと同じように教会の大切な働きをしていたのだと思います。
最後にトロフィモという人の消息を書いています。トロフィモは病気なのでミレトスに残してきました、と書かれています。このトロフィモと言う人はギリシャ人で、パウロがエルサレムに来た時に一緒につれて回っていたのですが、パウロがこの異邦人を神殿の境内に連れ込んで、汚したと誤解されて、大騒ぎになりローマ兵に守られて、やっと生き延びたといういきさつのある人なのです。
そして、パウロの手紙は最後の締めの挨拶となります。21節と22節です。
2テモ 4:21 冬になる前にぜひ来てください。エウブロ、プデンス、リノス、クラウディア、およびすべての兄弟があなたによろしくと言っています。
2テモ 4:22 主があなたの霊と共にいてくださるように。恵みがあなたがたと共にあるように。
パウロは教会の主だった人々の名前をあげてよろしくと書きました。そして祝福の言葉の、主があなたの霊と共にいてくださるように。恵みがあなたがたと共にあるように、という言葉でしめたのです。
結
パウロはこの手紙の最後に、教会に関係する人々のいろいろな様子を知らせました。そして相手に対しては、誰それによろしくと言い、こちら側の人々からは、誰それがよろしくと言っていますと、教会の良き交わりが建てられるように語りました。教会がこれらの信仰者によって建てられていることを大切に思ってそのように挨拶しているのです。その中でも自分の必要を語り、助けてほしい事も語りました。この様に教会は互いに助け合って、最善を尽くしてきたのです。これは神様の教会です。一人一人が、その神様の教会の一員として、祝福されています。
(一分間黙想)(お祈り)
天の父なる神様。テモテの手紙によって、パウロの最後がどのような状況であり、テモテのいるエフェソ教会がどんなに大変だったのかを教えられました。でもその中で、互いに助け合って支え合って、働いている教会員の一人一人を覚えます。その中には主の教えに逆らう人、離れる人もいたことが書かれています。多くの困難と迫害の中にあっても、主の教会を守り、御国に生きようとする人々の思いが伝わってきます。神様どうか私たちも、この世を恐れることなく勇敢に働いていくことができますように。ただ御国に生きるものとなることができますように。この祈りを、主イエスキリストの御名によってお祈りいたします。
<<聖書の箇所(新約聖書:◇テモテへの手紙二)>>
◆個人的指示
2テモ 4:9 ぜひ、急いでわたしのところへ来てください。
2テモ 4:10 デマスはこの世を愛し、わたしを見捨ててテサロニケに行ってしまい、クレスケンスはガラテヤに、テトスはダルマティアに行っているからです。
2テモ 4:11 ルカだけがわたしのところにいます。マルコを連れて来てください。彼はわたしの務めをよく助けてくれるからです。
2テモ 4:12 わたしはティキコをエフェソに遣わしました。
2テモ 4:13 あなたが来るときには、わたしがトロアスのカルポのところに置いてきた外套を持って来てください。また書物、特に羊皮紙のものを持って来てください。
2テモ 4:14 銅細工人アレクサンドロがわたしをひどく苦しめました。主は、その仕業に応じて彼にお報いになります。
2テモ 4:15 あなたも彼には用心しなさい。彼はわたしたちの語ることに激しく反対したからです。
2テモ 4:16 わたしの最初の弁明のときには、だれも助けてくれず、皆わたしを見捨てました。彼らにその責めが負わされませんように。
2テモ 4:17 しかし、わたしを通して福音があまねく宣べ伝えられ、すべての民族がそれを聞くようになるために、主はわたしのそばにいて、力づけてくださいました。そして、わたしは獅子の口から救われました。
2テモ 4:18 主はわたしをすべての悪い業から助け出し、天にある御自分の国へ救い入れてくださいます。主に栄光が世々限りなくありますように、アーメン。
◆結びの言葉
2テモ 4:19 プリスカとアキラに、そしてオネシフォロの家の人々によろしく伝えてください。
2テモ 4:20 エラストはコリントにとどまりました。トロフィモは病気なのでミレトスに残してきました。
2テモ 4:21 冬になる前にぜひ来てください。エウブロ、プデンス、リノス、クラウディア、およびすべての兄弟があなたによろしくと言っています。
2テモ 4:22 主があなたの霊と共にいてくださるように。恵みがあなたがたと共にあるように。