家庭礼拝 2017年11月8日ルカ21章20‐38 エルサレムの滅亡を予告する

賛美歌521とらえたまえ、われらを聖書朗読 祈り 奨励説教 一分黙想 全員祈り 主の祈り 賛美歌522キリストにはかえられません

 

起 

この21章はほとんどが終末予言で満たされています。そこには終末だけではなく、神殿の崩壊やエルサレムの滅亡とかが終末の話と混然として語られています。ユダヤ人にとっては、終末と神殿やエルサレムの崩壊は同じことなのかもしれません。

その時がいつ来るのか、どのように起こるのか、どうすればわかるのか、どうして行ったらよいのかというのが不安に思った人々の関心事でした。その様な事にイエス様が答えているのがこの12章という事になります。

初代のキリスト教徒にとっては、この事は大問題でした。この終末の時、イエス様の再臨の時はもうすぐ来るという緊張感の中でその信仰生活は守られていたのです。たとえこの体は滅びても、復活して神の国に永遠の命をもって生きることができるという希望をもって、信仰していたのです。ですから、初代の教会の人々は、何もかも捨てて、イエス様の教えに従うことが出来ました。初代教会の共同生活がそうだったのです。もう個人の財産を持っていても何の役にも立たないと思っていたからです。

ですがその時はなかなかやってきませんでした。そして、この様な緊張感が失われてしまった信仰の時代が来るのです。今の私たちにとっても、この終末信仰を初代教会の人々と同じように信じていくことは難しいのです。この初代教会の人々にとっては、イエス様が予言されたように、本当に神殿が崩壊し、エルサレムは滅亡したのですから、イエス様の予言は必ず実現すると信じていたでしょう。私たちもそれを信じるにしても、当時の人達の信じ方とは雲泥の差があるのだと思います。この終末的信仰で生きるのはなかなか難しいのです。

私たちは今、この終末予言を、当時のユダヤ人と同じ思いになって聞いていく必要があるのかもしれません。そして今の時代の社会不安と合わせて聞いていく必要があるのかもしれません。遠い世界の話としてではなく、今起こるかもしれない話として、この話を聞いていきたいと思います。そうしないと、この話は、とても理解できない話なのです。

先週は、神殿の崩壊の予告と、終末の徴について、イエス様は語りました。その中で、戦争や暴動が起こってもすぐには世の終わりは来ないと言い、忍耐によって、あなた方は祈りを勝ち取りなさいと教えてくれました。今週はその流れの中で、まず、エルサレムの滅亡の話をするのです。この話は、戦争や暴動の話と同じで、まだ世の終わりの入り口なのかもしれません。イエス様はこのように語りました。20節から22節です。

ルカ 21:20 「エルサレムが軍隊に囲まれるのを見たら、その滅亡が近づいたことを悟りなさい。

ルカ 21:21 そのとき、ユダヤにいる人々は山に逃げなさい。都の中にいる人々は、そこから立ち退きなさい。田舎にいる人々は都に入ってはならない。

ルカ 21:22 書かれていることがことごとく実現する報復の日だからである。

人々はエルサレムは堅固な城壁に囲まれているから大丈夫だという思いがありました。でもイエス様は、エルサレムが軍隊に囲まれるのを見たら、その滅亡が近いことを悟れと言いました。決してエルサレムの城壁に信頼してその中に閉じこもろうとは思わないで、都を捨てて山に逃げなさい、そうしないと、預言されている多くの災いがその中で実現するからだというのです。

その災いとはこのようなものであるとイエス様は言います。23節と24節です。

ルカ 21:23 それらの日には、身重の女と乳飲み子を持つ女は不幸だ。この地には大きな苦しみがあり、この民には神の怒りが下るからである。

ルカ 21:24 人々は剣の刃に倒れ、捕虜となってあらゆる国に連れて行かれる。異邦人の時代が完了するまで、エルサレムは異邦人に踏み荒らされる。」

イエス様はまず、身重の女と乳飲み子を持つ女の人を憐れまれました。その日には特に大きな苦しみがやってくるからです。たとえそのようなかよわい人々でも容赦はされないと言う事です。人々は刃で殺され、生きているものは捕虜となって、いろいろな国に奴隷として売り飛ばされ、異邦人の時代が終わるまで、エルサレムは異邦人に踏み荒らされるというのです。神様はそのようになることから守って下さることはしないのです。なぜならば、ユダヤ人には神様の怒りが下るからだというのです。それは預言者たちの言葉を聞かず、イエス様の言葉を聞かず、それどころか殺してしまうからなのです。神様の怒りがエルサレムに下るのです。

イエス様はそのようなエルサレムの崩壊が起こった後で何が起こるのかを語りました。25節から28節です。

ルカ 21:25 「それから、太陽と月と星に徴が現れる。地上では海がどよめき荒れ狂うので、諸国の民は、なすすべを知らず、不安に陥る。

ルカ 21:26 人々は、この世界に何が起こるのかとおびえ、恐ろしさのあまり気を失うだろう。天体が揺り動かされるからである。

ルカ 21:27 そのとき、人の子が大いなる力と栄光を帯びて雲に乗って来るのを、人々は見る。

ルカ 21:28 このようなことが起こり始めたら、身を起こして頭を上げなさい。あなたがたの解放の時が近いからだ。」

 エルサレム崩壊の後で起こるのは、天変地異です。太陽と月と星にしるしが現れると言います。どんなしるしかはわかりませんが、誰もがその異常に気が付くような変化が起こるのです。天体が揺り動かされると言います。そして地上では海がどよめき荒れ狂うのだといいます。これは海の上だけのことではなく、津波のようなものが地上を覆いつくすのかもしれません。人々はこれには何もなすすべがなく、不安に陥るだろうと言いました。人々はもうすべて不安と恐怖に縛られて、何も出来なくなっているのです。人間が、もう自分たちの力ではどうしようもないと思った時、人の子が現れると言います。この人の子というのはメシア救い主です。その人の子が、大いなる力と栄光を帯びて、雲に乗ってくるのを人々は見るというのです。これは喜ばしい事です。その恐怖と苦しみからの解放が近いのです。この様な事が現れたら、身を起こして頭をあげなさい、とイエス様は言いました。もうすぐ解放され、救われるからです。

 イエス様は、終末の時が来ることを語られましたが、人々の一番の関心はそれがいつ来るかと言う事でした。すぐにでも起こるのか、もっと先の事なのかを知りたがっていたのです。それでイエス様は、このイチジクの木の譬えを話されたのです。29節から33節です。

ルカ 21:29 それから、イエスはたとえを話された。「いちじくの木や、ほかのすべての木を見なさい。

ルカ 21:30 葉が出始めると、それを見て、既に夏の近づいたことがおのずと分かる。

ルカ 21:31 それと同じように、あなたがたは、これらのことが起こるのを見たら、神の国が近づいていると悟りなさい。

ルカ 21:32 はっきり言っておく。すべてのことが起こるまでは、この時代は決して滅びない。

ルカ 21:33 天地は滅びるが、わたしの言葉は決して滅びない。」

 イエス様はイチジクの木やほかの木のように葉が出始めると、夏が近づいたことがおのずと分かるように、イエス様の予言した、戦争や騒乱、エルサレムの崩壊や、飢饉や疫病、天変地異、信じる人々への迫害など、これらの事が起こっているならば、神の国は近づいていると悟りなさいと言ったのです。ですが大事なことは、これらの事が起こったからといってすぐ滅びるわけではないという事です。神の国が近づいていると言う事だけなのです。この時代が滅びるのは、これらすべての事が起こってからだというのです。だから、慌てずに、落ち着いて生活し、忍耐をもって信仰をもって待ち望みなさいと、別のところでは言っているのです。そんなこと本当だろうかと疑うものもいたはずです。とても信じられない話だからです。ですが、イエス様の言葉の確かさは、たとえ天地が滅びても、私の言葉は決して滅びない、というくらい、正しいものであり信じるに足るものであると言う事を言っているのです。

 それで、人々はそのような終末が来ることを聞かされて、動揺していました。そして、どのように生活したらよいのかを不安に思っていた中で、イエス様はこのように生活しなさいと教えてくれたのです。34節から36節です。

ルカ 21:34 「放縦や深酒や生活の煩いで、心が鈍くならないように注意しなさい。さもないと、その日が不意に罠のようにあなたがたを襲うことになる。

ルカ 21:35 その日は、地の表のあらゆる所に住む人々すべてに襲いかかるからである。

ルカ 21:36 しかし、あなたがたは、起ころうとしているこれらすべてのことから逃れて、人の子の前に立つことができるように、いつも目を覚まして祈りなさい。」

 イエス様が、そのような世の終わりを迎える人々の生活の仕方は、いつも目を覚まして祈りなさいと言う事でした。そうすれば、イチジクの木に葉が生い茂ってくれば夏が近いのが分かるように、その日がやってくることが分かるというのです。だから、放縦や深酒や生活の煩いなどで、心が鈍くならないように注意しなさい。目先の事に捉われてはならない。さもないとその日が不意に襲ってくることになるというのです。いつも目を覚まして祈っているならば、起ころうとしている災いを避けることができ、人の子の前に立つことができるようになるのであるというのです。

 このように、イエス様は神殿で人々に、終末の時が来ることを教え、その時に備えて、いつも目を覚まして祈ることを教えたのです。そして、イエス様は、この後も神殿で人々に教え続け一日が終わりました。そのあとはどうしたでしょうか。37節と38節です。

ルカ 21:37 それからイエスは、日中は神殿の境内で教え、夜は出て行って「オリーブ畑」と呼ばれる山で過ごされた。

ルカ 21:38 民衆は皆、話を聞こうとして、神殿の境内にいるイエスのもとに朝早くから集まって来た。

 イエス様は、一日が終わると夜は神殿から出て行って、「オリーブ畑」と呼ばれる山で過ごされたと書いて有ります。これはエルサレムの町を出て谷の向こう側にあるオリーブ畑の所なのです。ここにイエス様たちは休むために度々やってきたのです。イエス様はこの場所を知り合いの人に頼んで借りていたのだと思います。エルサレムに入る時のロバや、最後の晩餐をした家が準備されていたように、このオリーブ畑も準備されていたのです。そしてイエス様が過ぎ越しの夜に捕らえられたのもこの場所なのです。ですがイエス様は、まだその次の日も境内で、人々に教え続けました。人々は朝早くからイエス様のもとに集まって来て、その話を聞こうとしていたのです。イエス様の話には力があったからです。

 イエス様は、神殿の境内で、この世には終わりがあることを語りました。エルサレムにも終わりがあり、全てには終わりがあると語ったのです。ですがその終わりの時の最後にはイエス様が再臨して、人々は救われるだろうことも語りました。そして、それらの終わりの時代の災難がやってくる迄は、目を覚まして祈り続けなさいと私たちに命じているのです。私たちにできることは、祈りつつ、神様のなさることをしっかりと受け止めていくと言う事なのです。そして世界は永遠にこのままではなく、いつか滅んで新しい世界が開かれると言う事なのです。そのことに向かって歴史は動いていると言う事です。その事を、イエス様は「天地は滅びるが、わたしの言葉は決して滅びない。」と言って、その言葉の真実な事を証しているのです。

 

(一分間黙想)(お祈り)

天の父なる神様。私たちにはその終末の時がどうなるのかはわかりません。ただイエス様が、「天地は滅びるが、わたしの言葉は決して滅びない。」といった言葉を信じるだけです。そして、その時を望みつつ、目を覚まして祈り続ける生活を、守っていくだけです。神様、何が起こっても恐れることなく、たじろぐことなく、あなたに委ねて、静かにしっかりと目を覚まして祈り続けることが出来ますように。御国が来ますように。そして栄光のイエス様の再臨を見ることが出来ますように。私たちの信仰をお守りください。この祈りを主イエス・キリストの御名によってお祈りいたします。アーメン


<<聖書の箇所(新約聖書:◇ルカによる福音書)>>

◆エルサレムの滅亡を予告する

ルカ 21:20 「エルサレムが軍隊に囲まれるのを見たら、その滅亡が近づいたことを悟りなさい。

ルカ 21:21 そのとき、ユダヤにいる人々は山に逃げなさい。都の中にいる人々は、そこから立ち退きなさい。田舎にいる人々は都に入ってはならない。

ルカ 21:22 書かれていることがことごとく実現する報復の日だからである。

ルカ 21:23 それらの日には、身重の女と乳飲み子を持つ女は不幸だ。この地には大きな苦しみがあり、この民には神の怒りが下るからである。

ルカ 21:24 人々は剣の刃に倒れ、捕虜となってあらゆる国に連れて行かれる。異邦人の時代が完了するまで、エルサレムは異邦人に踏み荒らされる。」

◆人の子が来る

ルカ 21:25 「それから、太陽と月と星に徴が現れる。地上では海がどよめき荒れ狂うので、諸国の民は、なすすべを知らず、不安に陥る。

ルカ 21:26 人々は、この世界に何が起こるのかとおびえ、恐ろしさのあまり気を失うだろう。天体が揺り動かされるからである。

ルカ 21:27 そのとき、人の子が大いなる力と栄光を帯びて雲に乗って来るのを、人々は見る。

ルカ 21:28 このようなことが起こり始めたら、身を起こして頭を上げなさい。あなたがたの解放の時が近いからだ。」

◆「いちじくの木」のたとえ

ルカ 21:29 それから、イエスはたとえを話された。「いちじくの木や、ほかのすべての木を見なさい。

ルカ 21:30 葉が出始めると、それを見て、既に夏の近づいたことがおのずと分かる。

ルカ 21:31 それと同じように、あなたがたは、これらのことが起こるのを見たら、神の国が近づいていると悟りなさい。

ルカ 21:32 はっきり言っておく。すべてのことが起こるまでは、この時代は決して滅びない。

ルカ 21:33 天地は滅びるが、わたしの言葉は決して滅びない。」

◆目を覚ましていなさい

ルカ 21:34 「放縦や深酒や生活の煩いで、心が鈍くならないように注意しなさい。さもないと、その日が不意に罠のようにあなたがたを襲うことになる。

ルカ 21:35 その日は、地の表のあらゆる所に住む人々すべてに襲いかかるからである。

ルカ 21:36 しかし、あなたがたは、起ころうとしているこれらすべてのことから逃れて、人の子の前に立つことができるように、いつも目を覚まして祈りなさい。」

ルカ 21:37 それからイエスは、日中は神殿の境内で教え、夜は出て行って「オリーブ畑」と呼ばれる山で過ごされた。

ルカ 21:38 民衆は皆、話を聞こうとして、神殿の境内にいるイエスのもとに朝早くから集まって来た。